スターフォックス ゼロ

【すたーふぉっくす ぜろ】

ジャンル 2画面3Dシューティング
対応機種 Wii U
発売元 任天堂
開発元 任天堂
プラチナゲームズ
発売日 2016年4月21日
定価 通常版:6,156円
ダブルパック:7,020円(各税8%込)
プレイ人数 1~2人
周辺機器 amiibo対応
レーティング CERO:A(全年齢対象)
判定 スルメゲー
ポイント スターフォックスの復活作
『64』を元にしたリブート作品
幻のウォーカーの正式デビュー
WiiU由来の癖の強い操作
スターフォックスシリーズ


概要

スターフォックスシリーズの6作目。『スターフォックス コマンド』から10年ぶりの完全新作である。
本作は、『スターフォックス64』の設定とインターフェースをベースに『スターフォックス アサルト』の要素を足した物になっている。
キャラクターの音声は『64 3D』の声優陣を起用。6人という総数もそのままである

『ゼロ』というタイトルから、当初はこれまでのシリーズの前日譚的な内容になるのではないかという憶測もあったが、ストーリーは『初代』と『64』の設定を踏襲しつつ新たな時系列でスタートさせた所謂「リブート」ものである。
そのためペッピーは未だ現役、クリスタルは登場せず、ピグマなど退場したキャラも登場する。だが、惑星サウリアの名前は公式ショートアニメにて言及されている。*1

2015年度の『Nintendo Digital Event』にて初発表された際には、幻の『スターフォックス2』に登場予定だったウォーカー形態の復活が話題を呼んだ。


システム・特徴

  • ゲームシステムは『64』を継承
    • 強制スクロールやルート分岐、オールレンジモードなどの要素はほぼそのまま継承。
    • ウィングが折れなくなった代わりに、ハイパーレーザー中に2回ダメージを受けただけでツインレーザーにパワーダウンしてしまう。
    • チャージショットはロックオン完了直後のマーカーが黄色い間にボタンを離す事で「クリティカルロックオン」となり、爆発範囲と威力が強化された色違いの炸裂弾を放つようになった。
      • また今作では、ハイパーレーザー状態に限り敵を2体までロックオンする事が出来る。道中ではこれを生かして敵を封殺していくのがセオリーとなる。
      • ロックオンで複数撃破によるHITボーナスは健在だが、墜落中の敵機にレーザーを当てると更にHIT+1される追撃ボーナスも追加された。
    • 勲章が1ステージにつき5つに増えた。勲章の獲得条件は従来の撃墜数を初めとした様々なものがある。
      • 「撃墜数ハイスコアの更新」「スーパーゴールドリング3個の取得」「作戦完了の条件達成」や「ノーダメージ」「コイン集め」「ほとんど行かない場所での隠しアイテム」など。
    • ステージクリア後、特定ステージではクリアに加えて条件を満たすことで「作戦完了」になり、進行ステージが分岐する。今作はこの際のBGMにも別のアレンジが用意された。
  • ゲームパッドをフルに活かした二つ視点と操作
    • 本作ではテレビ画面とゲームパッドで別の画面が表示される。テレビ画面ではシリーズお馴染みのビークルビュー、ゲームパッドはパイロットであるフォックス視点のコックピットビューとなっている。これらはボタン1つで入れ替える事も出来る。
      • ビークルビューでは、特定のボスを常に中央に捉え見失なわない様に注目できるターゲットビューの使用が可能。
    • 従来通りスティックによる機体の操作に加え、今作では前年の『スプラトゥーン』と同様にジャイロセンサーを用いた狙撃が可能。攻撃の発射方向だけを変える事が出来る。
      • これにより機体をまっすぐ飛ばしながら真横への射撃や、真下にボムを発射するといった芸当も出来るように。
    • ゲームパッドの音声出力機能も活かしており、テレビからBGMとSEが、ゲームパッドからはキャラの無線などが流れる。これにより立体音響を実現しており、両者を活かすとより臨場感を体験出来る*2
      • ヘッドホンを使用すればゲームパッドだけでどちらもまとめて聞く事も出来る。
    • イベントなどでデモが流れている間もコックピットビューではプレイそのまま続いている。このシームレス進行は気付かないと相当面食らうが、逆に気づいていれば現れたばかりの標的や目標へすぐに移動できるようになったり、先制攻撃をしかけやすくなるなど、テンポの改善に寄与している。
  • 自機の変形
    • アーウィンが変形することで二足歩行のウォーカー形態になれるようになった。主に戦艦や狭い入口の基地に侵入するときに使う。
    • ランドマスターにも新たな変形としてグラブマスター形態が導入され、本格的に空を飛べるようになった。変形後はブーストメーターが切れるまで限られた範囲で空を飛ぶことができ、メーターが切れたらランドマスターに戻る仕様となっている。
  • ジャイロウィング
    • エリア3と惑星ゾネス専用となる偵察機。
    • ホバリング飛行や後退といった小回りの利く移動に加え、偵察ロボット「ダイレクトアイ」で緑のパネルに触れてプログラムを書き換えたり、爆弾を運搬する。
      • ちなみにこのダイレクトアイ、どこかにぶつかった際に「イタイデス」「ウワーデス」などと片言でしゃべり、その様子が妙に可愛いと密かに評判になっている。元ネタは『64』のセクターXのボス「HVC-09」であり、そちらを知っているとギャップに驚くかも。
  • amiibo対応
    • スマブラ仕様のフォックスとファルコに対応。
      • フォックスを読み込ませると、自機が『初代』のモデリングを再現した「アーウィンFX」となる。効果音は当時の物に変更され、チャージショットの仕様もロックオン不可で敵を追尾しない懐かしい物に。惑星コーネリアで出撃すると『初代』の同ステージの原曲が流れる。
      • ファルコを読み込ませると、本作仕様のアーウィンに黒と赤をリペイントした「ブラックアーウィン」が使用可能になる。ハイパーレーザー固定でショットの威力が2倍・チャージショットが常に2体まで&必ずクリティカルロックになるが、受けるダメージが3倍となる攻撃的な上級者仕様となっている。
    • これらはamiiboを持っていない場合でも、ゲーム内で勲章コンプリートすることで使用可能となっている。
  • 2人協力プレイ対応
    • WiiU PRO コントローラー又はヌンチャクを繋げたWiiリモコンは機体の移動を担当し、ゲームパッドはジャイロセンサーを使い攻撃を担当する。

評価点

  • グラフィックの進化
    • 据え置きとしてはGCの『アサルト』以来の作品だが、ハードの進化に伴いグラフィックも順当に進化。
    • アーウィンを中心とした『64』時のデザインに近い機体も、ディテールは桁違いに細かくなった。
      • 特にグレートフォックスは線やナウスのいるコックピット、ナビゲーションライトが高クオリティに描写された。
  • キャラクターデザイン
    • 当時の次世代機であるWiiUに開発を移行したため、毛・肌・衣装のディテール表現は『アサルト』を上回っており、時代の進化を感じさせる。
      • ついでにコマ数が増えた事で通信時のアニメーションが滑らかになった。『64』は2コマで『アサルト』では8コマだったが、本作は16~28コマまで増えた為、後ろに着かれたり、撃墜された等の表情が豊かになった。
      • ちなみにスターフォックスメンバーのキャラクターデザインは『ブレスオブファイアシリーズ』で有名な吉川達哉氏。久々に動物擬人化キャラを得意とする氏のセンスが発揮された仕事である。
  • ビークルの変形
    • 変形にはほとんど制限がなくいつでも出来る。それこそ強制スクロールステージでさえも。
      • アーウィンでのプレイ中、狭い通路にウォーカー形態で侵入しつつ、通路内部で再びアーウィン形態に戻って戦うといった事も可能である。
      • 変形に対応して行動が変わる敵や、変形をする事で倒しやすさが変わる敵もいるため、ゲームバランスの面も考慮されている。
    • ウォーカーは登場が予定されていた『2』共々日の目を見なかった要素であるため、本作で念願の登場を果たし歓喜したファンも多いだろう。
      • ゲームパッドの向きを変えると首が動いたり、ウィングが動く所に愛嬌がある。
  • 豊富なネタ要素
    • 再出発作品であるため時系列的には交わらないものの、『64』をベースとした様々なネタやファンサービスが見られる。
      • 例えばコーネリアにある右のトンネルや、セクターαで味方の戦艦を守る状況など、『64』プレイヤーならニヤリとなる場面は多い。特定条件で最初のボスを倒せば例の「ごめんちゃい!」も聞ける。
      • 特に『64』の名脇役「カイマン」が非常に目立つ。事ある場面毎に幾度と登場し、分岐ルートではなんと、カイマンが乗った戦艦相手にボス戦をしたりもする。カイマンファン必見。
    • 『初代』に登場した巨大生物の惑星「フォーチュナ」と、『64』の永久凍土の惑星「フィチナ」が本作では両方とも攻略ステージに入っている。
      • また『初代』に登場したボス「アタック・キャリア」「モナーク・ドドラ」はそれぞれ3度目の再登場を果たした。どちらも後半で登場するため、相応の強敵となっている。
    • パーツを破壊すると加速する「マン・ドリル」や、ランドマスターでしか戦えず弱点が頭部にある「マザーストライダー」など、『アサルト』由来のネタもある。
    • 終盤で攻略する「セクターΩ宙域」は別名「宇宙の墓場」と呼ばれ、『64』のエリア6とワープゾーン、『アサルト』の隕石、現実世界の伏見稲荷の鳥居を思わせる形状のオブジェなど、様々なモチーフが所狭しと詰め込まれている。
  • BGM
    • オーケストラ調やテクノ調のBGMが特徴で豊富。
    • 本編で流れる「惑星コーネリア」「セクターα宙域」「コロニー内部」「セクターΩ宙域」などのオリジナルBGMは特に好評。
    • その中には『64』のアレンジも入っている他、前述のアーウィンFX使用時に惑星コーネリアで流れる『初代』のコーネリアの原曲も収録されている。
  • コックピットビューでの壮大な迫力
    • ゲームパッドに表示されるフォックス視点で操作するコックピットビュー、いわゆる主観視点は、過去シリーズ最大の迫力さが満点である。
      • 主観視点自体は過去作にもあったが、『初代』はグラフィックの粗さ故に当たり判定を認識し辛く、『64』は旋回時の操作が非常に難解且つ視点すらローリングしてしまい、『アサルト』ではスピード感が余り感じられない等の難点があった。
      • 本作にもジャイロ操作が強制されてしまうという問題はあるが、コックピットビューの迫力はその不便さを補って余りある魅力がある。目の前に迫る敵と地形には、思わず身体を曲げて避けてしまうことだろう。
        重ね重ね、高速で船の残骸を潜り抜ける「セクターΩ宙域」では、その迫力を存分に味わえる。

賛否両論点

  • 良くも悪くも『64』のリブート、またはリメイク
    • ストーリーはほぼ『64』のリメイクとなっているため、シリーズのファンからすれば新鮮味を感じられない部分が多いだろう。
      • とはいえ、惑星タイタニアに不時着するのがスリッピーでは無いなど、既存ファンの期待を裏切るような展開もあるため、全てがそのままという訳ではない。
    • デザインも『64』を意識しており、アーウィンやグレートフォックスは良く言えば懐かしく、悪く言えば古めのモデルになっている。
      • 特にデザイン面は賛否両論であり、「グラフィックが作りこまれていてもデザインが古いんじゃ意味がない」といった意見も。
  • 基本的には強制スクロールのシューティング面が多く、アサルトにあった白兵戦ステージは無くなった。
    • 64以前のSTGゲームとしてのスターフォックスの要素が色濃く原点回帰の意味合いが強いのだろう。
    • アサルトの白兵戦もそれ自体は好評であっため、それを惜しむ声も。
  • ジャイロセンサーとそれに起因する複雑な操作
    • 攻撃の照準はジャイロセンサーの使用を強いられるため、慣れるまでは狙った所に攻撃するのが難しい。
      • 各種オプションやボタンを押す事での視点リセットなど補助機能はしっかりしているため、慣れてしまえば敵を自由自在に撃ち落とせるウリの部分でもある。
    • そしてそれらを機体を動かしながら行わなければならず、特にボス戦などはターゲットビューに固定されるので、慣れない内はまっすぐ攻撃することすら難しい。
      • これはコックピットビューを使用する事で解決するのだが、従来通りテレビ画面でのプレイに慣れていると気付きにくい点である。
  • 高めの難易度
    • 上記操作性に起因する部分もあるのだが、全体的に基準となる難易度が高めになっている。
      • 『64』にあったゴールドリングによるHPアップが存在しないこともあり、連続で被弾するとアッサリ死ぬ。特に下手なプレイヤーほどハイパーレーザーがあっというまに没収されるのはいただけない。
        コックピットビューに慣れてくると周りへの注意が散漫になり被弾がかさみ1ミスに繋がる、という場面も増える。
    • 一部ボスやラスボスの難易度が非常に高い。
      • 特にラスボスはほぼ全てのギミックを要求され、"一定時間内に特定の部位を攻撃"という高度な照準(つまり繊細なジャイロ操作)が必要となるため人によってはかなりの強敵になる。
      • しかし裏を返せば今まで覚えてきた事をちゃんと活かせれば勝てる相手ではあるため、ラスボスにふさわしい強さとも解釈出来る。
  • ルート分岐の仕様
    • 今作ではラスボスを倒すまでルートの分岐はほぼ不可能となっており、クリア後のオマケ要素といった位置づけになってしまっている。
      • その分岐も数が多くは無いので、ボリューム不足を感じる事も。
      • 代わりにどの分岐もクリア後を前提とした難易度を誇り、また癖が強くバラエティに富んでいるためやり応えはある。
  • 「作戦完了」の条件
    • 元となった『64』では、クリア時に「作戦完了」と表示される状態は、そのステージのミッションを完璧に遂行し、より難易度の高い分岐ルートに行ける目印かつ目標でもあった。
    • 今作では「作戦完了」を出しても基本的には分岐に関わらない。代わりに勲章が1つ貰える様になっている……のだが、この条件がほぼノーヒントであり、一部ステージでは疑問に思う様な条件がある。
      • 良い例としては、コーネリア(1)と、セクターβ。前者のボス「サルレシア」は、普通に弱点表示されてるパラボラ砲台を全て壊すとボスが撤退してしまう。しかし、バラボラ破壊後に現れる通路から内部に潜入してコアを破壊すると完全破壊できて懐かしのあのセリフが聞けるというもの。後者のボスは、スターウルフ戦にて仲間が撃墜される前に、ウルフを素早く倒して救出するという王道のシチュエーションで、更に重要なルート分岐条件にもなっている。これらの条件は従来ファンからも好評を得ている。
      • しかしフォーチュナ、フィチナの例では、特定の敵を全滅させれば作戦完了となるものの、その敵は誰かから倒せと指示されているわけでもなく、何かしらミッションを阻害する様な重要な敵でもない。これらは別段分かり難い条件でもないが、同じ様な条件のため、味気も無く冗長さを感じる。
      • 少々特殊なのがエリア3のステージ。敵から奪取した戦略兵器「ギガリラ」を取り返される前に、ジャイロウィングに乗り換えてギガリラを起動し敵を一掃する、というミッションなのだが……。作戦完了の条件は「ジャイロウィングを使わずにギガリラを起動すること」。
        初回のみアーウィンはギガリラの起動ができないため、必然的にジャイロウィングを使うことになるのだが、一度でもクリアすれば次回以降はお役御免である。ここでしか使えないジャイロウィングにとっては酷な仕様である。
        ただし一度でもクリアしたプレイヤーの多くは手間のかかるジャイロウィングより、手っ取り早いアーウィンを使いたがるため、勲章の獲得難易度そのものは低くわかりやすいという特殊なステージとなっている。
    • 多くの条件が一度ラスボスをクリア後、つまり2周目でないと達成できないのも賛否両論である。
    • また、「作戦完了」があるのはメイン航路となる11ステージ+惑星フォーチュナのみ。フォーチュナを除く分岐ステージでは作戦完了になる条件すらない*3。『64』を遊んだシリーズファンは違和感を感じる部分だろう。
  • 『64 3D』のキャストへの変更
    • 『64 3D』でのキャスト変更自体に賛否があり、その後発売された『スマブラfor』では『アサルト』で定着したキャストが担当していたため、この変更に再び賛否が分かれた。
      • ただし、『64 3D』の声優が著しく合っていないということもなく、この辺りは好みの問題もある。また、これまでも一部のキャラクターはキャスト変更がしばしばあったため、違和感がないという声もある。
      • そもそも『64 3D』の時点で、『64』でペパー将軍などの声を担当していた郷里大輔氏が2010年に他界してしまったことが声優一新の理由と明言されていたため、声の変更はやむを得ないだろう*4
    • 野島健児氏のフォックスを気に入っていたプレイヤーからは「本編では『アサルト』でしか聞けず残念」と惜しむ声も。

問題点

  • ジャイロ操作が必須 。本作の評価を難しい物にしている主な要員である。
    • テレビ画面とゲームパッドを見ながらスティック操作+ジャイロ操作で操作をするというのは慣れると間違いなく快適なのだがその慣れるまでのハードルが非常に高くなっている。
    • 『64 3D』ではジャイロ操作を使わない操作モードも用意されていたのでこの辺りは残念な所。
  • 対戦の完全削除。ランキングさえもない。
    • 『64』では対戦も一つの見所だっただけに、特に残念がられた。『スプラトゥーン』のようにオンライン対戦がしたかったという声も。
    • また今回のスコアアタックはルート毎の集計となっているため、ハイスコアのためにルートを選別する意味も薄くなってしまった。
  • ジャイロウィングが何かと不遇
    • 『64』のブルーマリンのような一度限りのお楽しみ機体のためか、出番そのものが少ない。
    • アーウィンと比較して動きが非常に重い、上昇と下昇はRスティックで面倒になりローリングも出来ない。
      • ジャイロウィングを使用するステージは探索といった要素がメインなのだが、動きの鈍さとテンポの悪さが目立ってしまう。
    • そして何よりジャイロウィングに出来る事はそのままアーウィンにも出来るため、2周目以降はほぼ間違いなく使われない存在となる。
  • オプション機能が搭載されていない為、『64』の音量調整と『アサルト』では可能だったキーコンフィグが出来なくなってしまった。
  • フォックス単騎になる場面が多すぎる。
    • スターフォックスシリーズの醍醐味の一つに、スターフォックスのチームメンバーであるファルコ、ペッピー、スリッピー達との豊富な会話や助け合いがあり、過去シリーズにおいて本当にフォックスがたった一人で戦う場面は最終局面程度だった。
    • しかし今作では、分岐ステージにおいてフォックスが単独で離脱し、その先に敵が待ち構えている、というシチュエーションが非常に多い。
      • それにより、単独行動中の味方との会話はグレートフォックスにいるロボット「ナウス」との通信のみとなってしまい、他の仲間メンバーとのつながりが薄いという問題が起こっている。ナウスとの会話自体が悪い訳ではないものの、やはり事務的な応答になってしまいがちで、ユニークなやりとりはほぼ見られない。
    • フォックスが転移装置によってワープしてしまった場合はまだしも、スターウルフが関わる分岐時のフォックスの行動は非常に問題。
      • 特定のステージ途中で仇敵ピグマとウルフが現れるのだが、なんと、現在行っているミッションを完全に放棄して、スターウルフを単独で追跡するというもの。決着をつけても途中離脱してしまったミッションに戻らず、そのまま成り行きで次ステージに進んでしまう。

総評

10年待たされた甲斐もあり、非常にスターフォックスの原点を意識させる作風を強く打ち出した本作。
その一方で、今回の『ゼロ』というタイトルは『再スタート』という意味合いが強かったのか、意欲的な要素が多数盛り込まれている。
その中でもやはり、各種ビューやジャイロセンサーといった特殊な操縦系を軸とした高難易度意識の硬派志向スタイルには古参・新規問わず面食らったユーザーが多かったようだ。

また過去作品のファンであれば、ストーリーがほぼ従来作品『64』の焼き直しである点にも戸惑いを感じるかもしれない。
しかしながら、サイドストーリーを除く演出面では確実に進化した事や、本来『2』で出るはずだったウォーカーが約20年の時を経て復活したのは、シリーズファンには概ね歓迎されている。

名作とされる『初代』『64』には及ばないものの、それでも任天堂・プラチナゲームズ双方の作品として相応のクオリティは有している。
独特且つ複雑な操作が要求される為、思い通りに操作するにはある程度の時間と経験を要する点は否定できない。
しかしそれさえ乗り越えられれば、シリーズファンも新規ユーザーも、作中の雰囲気と爽快感を思う存分楽しめるだろう。
興味を持ったのであれば、ぜひとも腰を据えてプレイしてみてほしい。


余談

  • 本作の発売記念として、ゲーム序盤のサルレシアとの戦いまでを描いたWebアニメ、『スターフォックス ゼロ ザ・バトル・ビギンズ』が公開されていた。
    • ゲームの展開そのままという訳ではなく、本編以前の生身のフォックス達の日常シーンも描かれており、中にはスリッピーが『アドベンチャー』を思わせる言動を見せたりする。さらにモブキャラの見せ場やペパー将軍の毛玉を使った戦術など、ゲーム中にはなかったアニメオリジナルの演出が多数存在している。
    • 7月27日からは、Wii Uでダウンロードできるオフラインムービーが体験版とセットで配信された。
  • 任天堂とガスコイン・カンパニーとのコラボ番組『ゲームセンターDX』ではよゐこの濱口優氏がプレイし、厳しいノルマに挑戦した。
    • ゲームパッドを利用した立体音響に感動したり、特殊な操作法に苦戦こそしていたが、スタッフの助言もあってすぐコツを掴み、見事お題を達成した。
      • なお、ノルマ終了後は姉妹作である『スターフォックス ガード』にも挑戦している。
  • 本作発表時、グラフィック面において「やや低クオリティで不安」という意見が多く集まった。
    • その後クオリティアップが図られ、発売品はHDハードに相応しい出来となっている。
      • そもそもその批判自体もやや過剰な部分があり、元よりHDクオリティは出せていたという意見もある。
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最終更新:2022年01月25日 20:24

*1 橋本氏も、続編が作れるならクリスタルを出したいとコメントしている。

*2 後述する『ゲームセンターDX』においては、濱口氏が「耳の横から通信が聞こえるみたいだ」という趣旨の感想を述べている。

*3 完全な一方通行ステージにおいては『64』では「作戦完了」だったが、今作はデフォルトが作戦「終了」となっている。

*4 ちなみに『アサルト』の時点でペパー将軍役は池水通洋氏に変更されており、郷里氏はピグマ役で続投していた。