ロックマン クラシックス コレクション

【ろっくまん くらしっくす これくしょん】

ジャンル アクション
対応機種 ニンテンドー3DS
プレイステーション4
Xbox One
Windows 7
Nintendo Switch
メディア 【3DS】3DSカード/ダウンロードソフト
【PS4/One/Win】ダウンロード専売ソフト
【Switch】ゲームカード/ダウンロードソフト
発売元 カプコン
開発元 Digital Eclipse
発売日 【3DS】2016年2月25日
【PS4/One/Win】2016年5月26日
【Switch】2018年5月24日
価格 パッケージ版
【3DS】3,990円
ダウンロード版
【3DS】3,324円
【PS4/Win】2,315円
【One】2,380円
【Switch】2,769円(全て税別)
周辺機器 【3DS/Switch】amiibo対応
廉価版 【3DS】Best Price!:2017年9月14日
パッケージ版:2,990円
ダウンロード版:2,769円(各税別)
判定 良作
ロックマンシリーズ


概要

本家『ロックマンシリーズ』のFC版6作品を収録したオムニバス移植。
ファン向けの要素としてギャラリーモードやタイムアタックを行うチャレンジモードといったおまけ要素を収録している。
国内でのナンバリングにおける複数の作品をまとめて移植は『ロックマンメガワールド』以来であり、同作がほぼリメイクといった内容だったのでコレクションでの完全移植は国内初となる*1

収録タイトル

各タイトルの評価については個別ページを参照のこと。


特徴

  • チャレンジモード
    • 各タイトルのボスと連続で戦ったり、ステージの特定の場所を連続で攻略してタイムを競うモードとなっている。
      • 終盤に登場する「バスターのみ」系を除き、特殊武器は全て所持した状態でプレイする。武器エネルギーはステージが切り替わるごとに全回復する。
      • E缶は使用できないが、M缶は1回だけ使用可能。ミスしてもミスしたステージの最初からとなる。
    • タイムに応じてブロンズ、シルバー、ゴールドのメダルが手に入り、クリアしたチャレンジ数によって新しいチャレンジが解禁されていく。
      • なお、チャレンジには時間制限が存在し、制限時間内にクリアしなければならない。
    • 3DS/Switch版では、ロックマンのamiiboを読み取ることで専用の新規ステージをプレイすることができる。
    • PS4/One/Win/Switch版ではオンラインランキングに対応し、上位プレイヤーのリプレイをダウンロードすることが出来るようになった。(但し登録から一定期間が過ぎると削除され、ダウンロードできなくなる。)
  • データベースモード
    • 各タイトルの登場キャラクターの紹介やコンプリートワークスに収録されていたイラストが掲載されている。
    • 敵キャラはライフ量、弱点武器が掲載されており、一種の攻略情報となっている。
      • ワイリーステージを除くボスに限り、データベースモードからのバトルが可能*2。特殊武器は全て揃っており、E缶も完備しているので、練習には最適。
      • キャラの説明は全てPS版のものをほぼそのまま持ってきている*3。同じゲームなので問題ないといえば無いのだが、その影響でカリンカの説明のみ意味不明となっている*4
    • また、各タイトルのBGMを聴けるミュージックプレイヤーも収録。
  • リワインド機能
    • ミスしてもリワインド(巻き戻す)することでプレイをやり直せるようになった。
    • 当初は後発のSwitch版限定の機能だったが、後のアップデートで他機種にも搭載された。

評価点

  • 移植度は非常に高い
    • FC特有の点滅や処理落ち、すり抜けバグなどの有用なバグもそのまま残っている。*5
      • アップデートでCPUスピードの設定が追加された(3DS版は対象外)。「ターボ」に設定すれば処理落ちのない状態でプレイできる。特に処理落ちの多かった『3』はかなり快適になる。
    • 遊びやすいようにセーブ機能も存在し、各タイトル1つだけ途中セーブを残せる。もちろん『1』以外はパスワードも使える。
    • チャレンジモード中盤以降は複数タイトルのステージを混ぜたものも登場するが、ステージによってロックマンの挙動も変化する*6など凝っている。
  • 50に及ぶチャレンジモード
    • チャレンジは全部で50も存在し、特殊武器の自由度も高いのでやりごたえがある。
      • ロックマン恒例の出現ブロック*7の場面だけをひたすらプレイしたり、『1』~『6』全てのボスやワイリーマシンと連戦するチャレンジもあり、楽しませてくれる。
    • 裏ワザやバグ技、本作で追加された高速連射機能*8も使えるので、タイムを縮める手段が非常に多い。
      • 好タイムを出すためには、あえて弱点武器とは異なる武器を使用するのも手。特に『4』は当てにくいスカルバリアー、倒すのに時間がかかるフラッシュストッパー、発動に時間差のあるレインフラッシュなど使わない方が良い武器が多い。
      • オンラインランキング上位陣のリプレイはもはや人力TAS*9並。
    • 「バスターのみ」系を除いて特殊武器が使い放題、かつミスると全特殊武器が全回復する仕様なので、特殊武器やボス戦の練習としても最適。
      • 特に「基本的に一度クリアしたステージには再侵入不可」という特徴を持つ『2』及び『3』のステージでは、該当ステージクリアで入手できる特殊武器やサポートアイテムを取得元のステージで使用できる点が大きく、「エアーマンステージでアイテム2号を使いカミナリゴロー地帯を一気に駆け抜ける」「シャドーマンステージでシャドーブレード無双」といった、ファンの妄想に過ぎなかった「もしも」の出来事をチャレンジモードを通じて叶えたりする事が出来る。
  • オプションも充実
    • ゲーム画面をTVに合わせてサイズを切り替えたり、ブラウン管TV風のエフェクトを掛けて懐かしさに浸ることが出来る。
    • 海外版『MEGA MAN』に切り替えることも可能。
      • 北米版ベースの移植のため、これにより、正式に海外版をプレイ出来るようになった。『MEGA MAN2』の難易度選択や日本版とは異なる『MEGA MAN6』のタイトルBGMも聴くことが出来る。
        その中でも前者の難易度「NORMAL」は実質的なイージーモードとして機能している。「ロックマン2自体を触れるのが今回が初めて」だったり「難しすぎてどうしてもロックマン2をクリアできなかった」という人は是非プレイを。
  • ミュージアムモードもなかなか充実している
    • コンプリートワークスに収録されていたイラストはラフデザインまで全て網羅されており、宣伝用のポスターなども収録されている。日本版は勿論、海外版のパッケージアートまで収録されているので、かの有名なBBA MEGAMANも十分堪能することが可能。3DS版とSwitch版のみファミコン版の箱パッケージや説明書*10、紙面広告も収録されている。
    • また、イラストは自由に拡大できるので、コンプリートワークスでは小さくしか載っていなかったイラストも隅々まで確認可能。

賛否両論点

  • 完全に1P専用になった弊害で『3』の裏技を使用することが出来なくなった。

問題点

  • 前述のように処理落ちなどもそのままである点
    • 9』や『10』では切り替え出来るようになっていたので、オプションで切り替えたかったという声もある。
    • 3DS以外の機種では、アップデートで処理落ちしないオプションが追加された。
  • 若干の入力遅延がある
    • 新規プレイヤーからFC版ロックマンの操作性が悪いと思われる原因の一つになってしまっている。
    • 遅延によりクリア困難になるような場面は特になく、慣れれば問題なくプレイできるのが救いか。
  • PS版の要素は未収録
    • ファミコン版の移植のため、ナビゲーションモードやアレンジBGMは収録されていない。
      • 一応タイトル画面やゲーム選択画面、ギャラリー内で流れるBGMはPS版で流れたアレンジ版*11である。
    • また、PS版用に描き下ろされた新規イラストも未収録。
  • 違う開発会社による作品、「Mega Man Anniversary Collection」*12より収録作品が減った
  • チャレンジモードの道中ステージは同じ場所ばかり使い回されているため、バリエーションに乏しい。
    • ボス戦の方も根本的にタイムアタック向けでない連中がいる。
      • イエローデビル(初代・MK-II)・スクエアーマシンなど「特定の瞬間しか攻撃が通らない」ものが該当。特にスクエアーマシンは「特定の瞬間」がランダムなので、いくら頑張っても絶対に好タイムが取れない場合がある。
    • 一部チャレンジに、即死トラップの目前や強制スクロールの最中に放り出されるパターンがある。 『2』のクイックマンステージ、メカドラゴン戦、『4』のコサックステージ3が該当。特に後者2つは足場が小さく、慌てて動くと転落死しやすい。
    • ステージとボス戦が混在しているチャレンジにもタイムアタック向けでないボスが配置されている。
      • ランダムで長い無敵時間が発生するドリルマンとダストマンが該当。よりによって2体とも配置されているチャレンジもあり、好タイムが取れるかは運に大きく左右される。
  • 問題点というにはやや微妙だが、チャレンジモードの1つ「ブルースからの挑戦」が意味不明。
    • タイトル的にブルースがらみのコースと思いきや、最初のマグネットマンステージでの彼との戦闘の後は全く無関係なコースばかり出てくる。*13
      • また、ここのみ「ロックバスターのみ」と「全部の武器が使える」の仕様が混在してしまっている。
  • チャレンジモードの『5』並列のみ仕様がおかしい
    • 一部ステージでは最初からミステリー缶が使用可能になってしまっているものがあるが、エネルギー缶は取得しても何故か使用できない。
    • この挙動はチャレンジモードのみの仕様であり、本編である海外版や日本語版の両方は問題なく使用できる。
  • 追加要素にアレンジされた新要素は殆ど無い
    • 前述のチャレンジモードは原作元の道中をセクション毎に攻略していく形式で良くも悪くも原作通りに遊ぶ感覚である。
    • ロックマンメガワールド』のワイリータワーや『ファミコンリミックス』のような1の武器で4のボスに挑戦するといったアレンジされた新要素に期待したプレイヤーには肩透かしをくらった気分だろう。
  • 『ロックマン ゼロ コレクション』などに存在した専用のOPなどはない。
  • サウンドギャラリーにリピート機能がない
    • プレイリストなどの機能もないため、BGMが流れきったらそのまま無音になってしまう。
    • また、『ロックマン6』のOPデモ曲のみ海外版しか聴けない。ゲーム中にはちゃんと収録されているので、全く聴けないわけではないが…。また、スタッフロールの曲も収録されず、歯抜け収録されている。
  • Win版は解像度やゲーム側での音量変更といったオプションがない
    • 一応、解像度はウィンドウの端をドラッグすれば良いし、音量はPC側の音量を下げればいいが…。
  • UIの作りが雑
    • 処理こそ早いがUIの出来が単調なもので味気ない。英数字フォントがロックマンシリーズのものではなく、アタリフォントが使われている。
    • ゲーム起動時に音のノイズが載りやすく、リスタート(リセット)で改善するしかない。
    • ゲームクリアも条件を達成したら即座にゲームクリアと表示されるためクリアの達成感に欠ける。
      • 特にチャレンジモードやミュージアムモードから挑めるボス戦は、ボスが爆散(所謂「ティウンティウン」)する前に次のステージに移るかクリア表示がでるため、倒した感がない。*14
  • その他
    • 『4』のコサックキャッチャーはチャレンジモードで登場する個体のみ、なぜか戦闘開始から数秒間その場で動かない。このため、チャレンジモードのコサックキャッチャーは通常モードのパターンが使えない。
      • この挙動は海外版『4』の仕様。チャレンジモードの仕様が海外版に統一されている事による違和感である。
  • ゲーム外のSEがトンボ途切れであり、5、6のゲーム内のSEと比べるとやや違和感が強い。
  • ホーム画面の選択アイコンで何故か『5』のボスが一体も居ない
    • その反面『1』、『2』のボスは4体も居るため、偏りが酷い。
+ アップデートで修正済みの問題点
  • チャレンジモードやミュージアムモードの一覧が縦に長いのにスクロールが遅い、さらにボタン押しっぱなしでは動かないうえ、画面単位のスキップもできない。
    • このためスクロールに時間がかかり、目的のものを探すのも一苦労。ミュージアムモードは項目ごとに飛べるためまだマシだが。
    • 唯一先頭で上を押すと最後尾に移動するループのみは存在する。もしこれも無かったら上記の評価点すら苦行扱いされていたことだろう。
      • 3DS版とSwitch版、他機種のアップデート版では瞬時に飛べるように改善された。
  • 『3』~『6』は画面左に不自然な余白(というより途切れている。プレイには支障がない)があり、背景をONにしていると、それが浮き彫りになり、気になる人は非常に気になる。
    • 実機から存在する仕様だったのだが、Switch版では画面を横に引き伸ばす形で修正された。後にPS4/One/Steam版も同様にアップデートされた。
  • 日本語のみミュージックプレイヤーモードでは何故か「Dr.X」という誤植がある。他の言語では「Mr.X」と正しい表記になっている。
    後にSwitch版で「Mr.X」表記に修正され、PS4/One/Steam版にも同様のアップデートされた。

3DS版固有の問題点

  • セーブなどで頻繁に開くメニュー内でのボタンのレスポンスが悪い
    • 前述のとおり、本作は途中セーブが可能なのだが、そのための専用のメニュー内ではカーソル移動や決定などにSEがなく、ちゃんと動いているのかどうかがわかりづらい。
    • また、他に何らかのボタンを押しているとメニュー内でのボタン入力を受け付けない仕様のため、ややテンポが削がれる。
  • 『MEGAMAN5』では全体に処理落ちやノイズが掛かる問題もあり、リスタート(リセット)でも改善できない。 3DS版における『ロックマン5』でのデータベースでのボスバトルとチャレンジモードでは強制的に『MEGAMAN5』の仕様に変更されてプレイする事になる。チャレンジモードの方は本編が簡単という事から、ある意味ハンデではあるのだが、何故ボスと個別に戦えるデータベースでも『MEGAMAN5』の仕様を実装したのかは理解に苦しい。
  • 価格も他の機種と比べてやや高めで、ダウンロード版の価格はVCでの収録作の合計価格を僅かながら上回っており、オムニバス作にしてはお買い得感があまりない。
    収録作を殆どプレイしたことのない人には問題ない点だが、複数作をプレイ済みのファンからは上記の問題点もあって3DS版は評判があまり良くない。
  • また本作はVCより画面が明るくなっており、最終的には好みの問題になる。

総評

FC版ロックマンシリーズを一挙に遊べておまけも入った良移植。ミュージアムモードの資料性も高く、ファンアイテムとしても優秀。
今から8bitロックマンをプレイするならこれが決定版と言えるだろう。


余談

  • 3DSパッケージ版のイーカプコン限定版として、ライト博士がライトナンバーズ(1のボス達)を開発中の手記が書かれたメモ帳が付随された。
    • ライト博士の日常はあまり語られることはなかったが、本メモ帳の内容を見る限り、ワイリーとは別の方向で危ない人物であることが窺える*15
    • この他、パッケージ版だけの初回生産特典として2種類の3DS用のテーマが貰えるコードが付属したが、こちらは後に単品でDL販売を開始している。
  • 国内でのリリース日は項目最初のリスト通りであるが、ゲームそのもののリリース日は北米で配信が始まった「Mega Man Legacy Collection」の2015年8月25日が最初となる。これはPS4・Xbox One・Steamにおけるダウンロードソフトという形で、パッケージ版はまだ無かった。後に海外にて3DS版と同時期にPS4・Xbox One版のパッケージ版も発売された。
    • 北米では3DS版には金色のロックマンamiibo(スマブラ版)を同梱したパッケージ版が発売され、日本でもSwitch版発売に合わせて、キャンペーン品として抽選でプレゼントされた。
  • 2017年8月10日、『ロックマン7』~『10』のナンバリング4作を収録した『ロックマン クラシックス コレクション2』が発売。3DSが対応ハードから外れ、PS4・Xbox One・Steamのみの販売となっている。
    • こちらはDL専用だった『9』『10』のパッケージング販売も兼ねている。
  • 2018年5月24日に『クラコレ2』と同時にNintendo Switch版が発売された。また本作のゲームカードと『クラコレ2』のダウンロードカードがセットになった『クラシックス コレクション 1+2』も同時発売された。
+ タグ編集
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最終更新:2024年03月20日 19:13

*1 北米では本作より以前に『Mega Man Anniversary Collection』が発売されている。

*2 ちなみにワイリーステージボスやワイリーマシンもチャレンジモードを使用することで任意にバトルが可能

*3 メタルマンの弱点武器アイコンが隠し弱点であるメタルブレードから本来の弱点であるクイックブーメランに差し替えられている

*4 PS版のナビモードではカリンカが道中のヒントをくれ、ギャラリーの説明でワイリー基地内にて隠密にサポートしたことが語られていた

*5 ただし『3』にあった「2コンを使った無敵バグ」はそもそも2コンの存在しない3DS版などでは不可能になっている。ただプログラムとしては残っているのかチャレンジモードでロックマンが不死身ゾンビ化するバグが『3』のステージのみ発生する(他ステージはこれをやると「HP0でまだ死なない」が次のダメージで死亡する状態になる)。

*6 例えば、『1』『2』のステージではスライディング出来ないが、『3』以降のステージでは出来るなど。

*7 ファンの間では点滅ブロックなどとも呼ばれる。

*8 通常とは別に連射ボタンが存在し、押している間オート連射になる。ボスの無敵時間が短い『2』や『3』なら一瞬で削りきることも可能。厳密にはPS版シリーズで追加された機能でもある。

*9 Tool-Assisted Speedrunの略。エミュレータを使い、最適な操作を記録してクリアタイムの理論値を競う競技。ほぼ人間には不可能な操作も存在するが、実機で再現する凄腕プレイヤーもおり、「人力TAS」と呼ばれる。

*10 個人情報保護のためか、ボス紹介のページにて考案者の都道府県及び氏名が加工で消されている。

*11 更に言えばこれらのアレンジ曲の一部もアーケードからの流用である

*12 海外のみ発売、GC・PS2・XBOX版が存在

*13 「3ブルース戦(マグネット)→5グラビティ→2クイック→4ブライト→1ガッツ→2クイック→5グラビティ→2ワイリーマシン戦」という構成。冒頭以外の3のブルース戦やブレイクマン・5のブルース(本当はダークマン)ステージは1度も出てこない。

*14 なぜか6の恐竜型ロボ・メカザウルスのみ爆発モーションが出る

*15 周囲の反対を押し切りボンバーマン(火薬を扱うロボット)とファイアーマン(炎を扱うロボット)を同時に開発し数回の爆発を引き起こすも何とも思っていない等