機動戦士ガンダム 逆襲のシャア

【きどうせんしがんだむ ぎゃくしゅうのしゃあ】

ジャンル 3Dアクションシューティング
対応機種 プレイステーション
発売元 バンダイ
開発元 ベック
発売日 1998年12月17日
定価 6,800円(税別)
プレイ人数 1~2人
廉価版 BANDAI THE BEST
2001年7月12日/2,800円(税別)
判定 なし
ポイント ガンダム20周年記念作品
1vs1の戦いに重点を置いた3Dシューティング
ガンダムゲームリンク


概要

劇場用アニメ作品『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』(以下原作)を題材とし、PSソフト『機動戦士Ζガンダム』(以下前作)のシステムを発展させた3Dアクションシューティング。

特徴

  • メインとなるのは、「アムロ」と「シャア(アムロ編クリアで解禁)」2つのストーリーモードと、「バトル」と「2PVS」2つの対戦モード。
    • ストーリーモードは全6ステージで、前半3ステージが一年戦争時代の回想、後半3ステージが第二次ネオ・ジオン抗争の戦いとなる。
    • バトルモードは前作同様に好きな機体を選び連戦を行う。
    • 2PVSは画面分割で対人戦を行うが、前作と異なり対戦ケーブルが不要でPS本体1つだけで対戦が出来る。
      • 前作にあった好きな相手を選び1戦だけ行うフリーバトルモードは無くなった。
      • また画面分割はオプションで2種類から選べる。
  • 戦闘システムは、ロックオンした敵機を中心として球面上を移動しながら攻撃し合う3Dアクションシューティング。
  • 前作の攻撃手段は射撃武器、格闘武器、特殊武器の3種類だけであったが、本作では1stウェポン、2ndウェポン、3rdウェポン、掴みと大幅に増えた。
    • 1stウェポンは射撃武器による遠距離攻撃と格闘武器による近接攻撃で、切り替えボタンで変更できる。
    • 2ndウェポンはコマンドボタンと各ボタンの組み合わせで使用する武器。3種類存在し1stウェポンによって内容が変わる。
    • 3rdウェポンは時間経過やダメージを受けた際に溜まる3rdウェポンゲージがMAXになると仕様出来る必殺技。3rdウェポンの片方はジオング以外共通で格闘連撃である。
    • 掴みは接近戦時に1stウェポンの種類にかかわらず使える技。掴んだ時に攻撃コマンドを入力すれば無防備な相手に攻撃を叩きこめる。
      • 2ndウェポンと3rdウェポンは、後述の部位破壊によって使用不可能になる物が存在する。
  • 前作ではバトルモード時のみに存在していた部位破壊システムも強化され、機体毎に3ヶ所破壊可能で破壊された部位によってデメリットが発生する。
    • 主なデメリットはロックオンのスピードが遅くなる、移動速度が落ちる、シールドが使えなくなる、一部2ndウェポンと3rdウェポンが使用不可能になる。
    • また前作と異なり狙う部位は任意で選ぶ事が出来る。
  • 前作同様シールド持ち機体とシールド無し機体の2種類が存在しているが、シールド無し機体は防御入力時自動回避からダメージ軽減に変更となった。
    • シールド持ち機体は防御により攻撃を無効化出来、掴みも防げるが一定ダメージを受けたり部位破壊によって破壊され防御不能となる。
    • シールド無し機体は少量のダメージを受け掴みは防げないが部位破壊によって防御不可になる事はない。
+ 登場する機体

第二次ネオ・ジオン抗争に登場する機体

  • 基礎スペックは全体的に高い。

νガンダム

  • 第二次ネオ・ジオン抗争においてアムロ・レイが搭乗する最新鋭のガンダム。
  • 主人公機らしく全体的に扱いやすい武器が揃っている。
  • 3rdウェポンは移動不可になる代わり一定時間バリアを展開するフィンファンネルバリア。

サザビー

  • 第二次ネオ・ジオン抗争においてシャア・アズナブルが搭乗する赤いMS。
  • ビームショットライフルは残念ながら拡散弾では無い。
  • 頭部にコックピットがある為、頭部は部位破壊対象にならない。
  • 3rdウェポンはファンネルによるオールレンジ攻撃。

リ・ガズィ

  • 第二次ネオ・ジオン抗争においてケーラ・スゥが搭乗する半可変機。
  • BWSはムービーのみの登場でゲーム中は使用できない。
  • コマンドによってパイロットをアムロに変更できる。
  • 3rdウェポンはミサイルランチャー集中攻撃。

ヤクト・ドーガ

  • 第二次ネオ・ジオン抗争においてギュネイ・ガスが搭乗するニュータイプ専用機。
  • コマンドを入力するか同キャラ対戦時にはクェス・パラヤ仕様になり性能や一部武装が変わる。
  • 3rdウェポンはファンネルによるオールレンジ攻撃。

一年戦争及びその他時代に登場する機体

  • ガンダムとシャア専用ザクの基礎スペックはやや低いが他の時代の機体相手にも十分戦える。

ガンダム

  • 一年戦争時代においてアムロ・レイが搭乗する連邦の白い奴。
  • νガンダム同様主役機故に扱いやすい。
  • 3rdウェポンはダブルバズーカ連射。

シャア専用ザク

  • 一年戦争時代においてシャア・アズナブルが搭乗する赤いザク。
  • 装甲は全機体の中で最も薄い。
  • 3rdウェポンが溜まりやすいが連続ショルダーチャージと格闘連撃なので近接戦特化。

シャア専用ゲルググ

  • 一年戦争時代においてシャア・アズナブルが搭乗する赤いゲルググ。
  • 本来装備していないビームマシンガンを所持しておりララァのエルメスからビットで援護してもらえる。
    • 全機体中唯一部位破壊によって使用不可能になる武器が存在していない。
  • 3rdウェポンはララァのエルメスからのビット援護。

ジオング

  • 一年戦争時代においてシャア・アズナブルが搭乗する足の無いMS。
  • 基礎スペックはかなり高いが重量値が高く動きのキレが悪い。
  • サザビーと同じ理由で頭部は破壊されないが部位破壊によって使用不可能になるウェポンの数が最も多く左腕と腰部をやられるとかなり厳しい。
  • 3rdウェポンは5連装ビーム砲連続攻撃とメガ粒子砲集中攻撃。

G-3ガンダム

  • 小説版機動戦士ガンダムより参戦したマグネットコーティングが施されたガンダム。
  • パイロットはアムロ・レイでは無くセイラ・マス。
  • ウェポンはガンダムと全く同じだがスピードと装甲が強化された反面、機体重量が増えややガンダムより動きのキレが悪くロックオンもやや遅い。
  • またガンダムで同キャラ対戦を行う場合、片方はG-3ガンダムとなる。
  • 後述する特別版では限定MSと入れ替わる為登場しない。

シャア専用リックドム

  • 小説版機動戦士ガンダムより参戦した赤いリックドム。
  • パイロットグラフィックはメットを外したシャアとなる。
  • 3rdウェポンは相手の視界を封じるブラインドビーム、また格闘連撃は黒い三連星のジェットストリームアタックを意識したモーションである。

百式

  • 前作から唯一続投したクワトロ・バジーナ(シャア)が搭乗する金色のMS。
  • 前作では使用不可能であったクレイバズーカが使用可能に。
  • 3rdウェポンはメガバズーカランチャー。

ジム・ブルーディスティニー1号機

  • 機動戦士ガンダム外伝 THE BLUE DESTINYよりゲスト参戦した蒼いジム(本体は陸戦型ガンダムがベース)。本来地上用であるが2号機のバックパックが装着されているので宇宙でも普通に戦える様になっている。
  • 雑誌懸賞で配布された特別版でのみ使用できるレア機体でG-3ガンダムと入れ替わりとなる為、性能はG-3と同様。
  • パイロットであるユウ・カジマは勿論無言である。

評価点

  • 本作用に新規に作られたムービーはクオリティーが高い。
    • ハード性能上画質は粗いが作画の水準は高い。
    • 特にシャアの演説を背景にアムロとシャアの戦いが一年戦争時代の戦いから徐々にνガンダムとサザビーの戦いに変わるOPは高評価。
      • ちなみに原作でギュネイが口にしていた寝言でララァの名前を呼ぶシャアが映像化されている。
  • 前作から比べ大幅に進化したゲーム性。部位破壊システムによって相手の機体や戦法に合わせ、どの部位から破壊していくかが対戦の鍵となる。
  • PS本体1台だけで対戦できるようになった。

問題点

  • ステージ数、機体数共にボリュームは前作より薄い。
    • 使用可能機体の半分は原作に登場するMSではなく、1stガンダムやその他媒体から登場するMSになってしまっている。せめてレズン専用ギラ・ドーガは出せなかったのか。
      • そもそも話数の多いTVアニメが題材の前作と放映時間が限られる劇場用アニメが題材の本作では、作れるステージ数や出せる機体数に大きな差が出てしまうのは仕方がない。
    • また、エルメスやαアジールといったモビルアーマーも登場するものの、ストーリーモード限定のCPU機であり、プレイヤーは一切使用できない。
  • 原作をなぞってはいるが、省略されたり改変された展開が多いので予め原作を見ていないと楽しめない点がある。
    • また完全に焦点はアムロとシャアが中心でありその他人物の影が薄い。ハサウェイに至っては登場すらしない。
      • もっとも、ハサウェイについては、「Ζガンダム」のカツ・コバヤシ同様に劇中での振る舞いから、ガンダムファンにとっては嫌われキャラとして有名であるため、登場させたとしても微妙なところではあるが。
  • 対戦面においては掴みが強すぎる。掴まれたら一方的にダメージを受けることは必至。

総評

本作用に新規で作られたムービーパートはガンダムファンなら見る価値は十分にあると思われる。
またゲーム面でも現代のガンダムゲーの基礎的要素が各所に見られ現代の視点から見ても粗はあれど十分楽しめるだろう。

余談

  • 本作をCDとして再生すると原作の主題歌である「BEYOND THE TIME ~メビウスの宇宙を越えて~」のショートバージョンが聴ける。
  • 雑誌懸賞で配布された特別版は戦闘時画面上部に表示されるパイロットの顔アイコンが異なり、バトルモード2PVSで機体がSD化、G-3ガンダムが使用不可となる代わりにジム・ブルーディスティニー1号機が使用可能といった通常版との違いが存在する。
  • 当時、「コミックボンボン」にて、ときた光一氏が作画を担当した「逆襲のシャア」のコミック版が連載されていた。
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最終更新:2023年01月18日 00:48