REPUBLIQUE

【りぱぶりっく】

ジャンル ステルスアドベンチャーゲーム

対応機種 プレイステーション4
発売元 ガンホー・オンライン・エンターテイメント
開発元 Camouflaj
発売日 2016年4月14日
定価 パッケージ版:3,600円
ダウンロード版:3,000円(全て税別)
レーティング CERO:C(15歳以上対象)
判定 なし


概要

2013年末から、iOS、Android、Steam*1などのプラットフォームで配信されていた人気ゲームのCS版。
iOS/Android版ではチャプターを定期的に配信する形での販売だったが、CSに最後発で移植するにあたり、配信済みの物語全5章+コスチュームチェンジを一つにして販売された。*2


ストーリー

極めて高度な監視ネットワークシステムに管理された、謎の全体主義国家“メタモルフォーゼ”。

主人公「ホープ」は、見てはならない“ある物”を見たことから当局より危険人物としてマークされ、監禁されてしまう。

この生活を続ければ自分は洗脳され、自分ではなくなってしまうという危機感から、彼女は偶然手に入れたスマートフォンを手に、外の世界にいるプレイヤーを頼ることに…。

(公式サイトより)


特徴・評価点

  • ステルスアクションとOMNIビュー
    • 本作では、「監督者」と呼ばれる男が支配する閉鎖された施設内でプリズラック(監視者。警備員のようなもの)の目をかいくぐり、主人公の少女ホープを操作し施設から脱出するという、今やMGSシリーズでお馴染みのステルスアクション。だがか弱いホープに激しいアクションは出来ず、催涙スプレーやスタンガン程度の反抗手段しか無いので、適度な緊張感でプレイが可能。
      • また、プリズラックの背後に忍び寄り、ポケットからアイテムを盗む事が可能。先述の護身アイテムの他、収集要素の一つであるゲームフロッピーディスク(全て実在のゲーム。インディーズからビッグタイトルまで様々)などを手に入れる事が出来る。その数は膨大。
    • MGSシリーズと大きく違う点は、プレイ中の視点が全て監視カメラを介した視点であるという事。通常視点では、プレイヤーは監視カメラの角度を調整しつつホープを操作しながら、アイテムやアーカイブを収集したり、ボタンを押すなどの簡単なギミック操作を要求される。
    • もう一つがR1ボタンで切り替えられるOMNIビューと呼ばれる視点。このモードを使っている最中は時間が止まり、プレイヤーは施設内の監視カメラから監視カメラへとハッキングする事が可能。ムービーシーン以外では全て、監視カメラを介した映像のみでのプレイを必要とされる。このモードの最中、テーブルの上の新聞や壁の張り紙などのアーカイブを注視する事も出来、これらの蓄積した情報を後述のスキルを獲得する為のポイントへ変換出来る。こまめにチェックしてどんどんアーカイブを集めよう。
      • 更にゲームを進めていく事で、OMNIビューでスキャン出来る対象は増えていく。
        メールや電話の録音記録を参考にできる他、プリズラックの巡回ルートを予測したり通信を妨害したり、電子機器にハッキングしてプリズラックを陽動するなどといったスキルが解放されていく。但し、スキルを解放する為にはスキャンして手に入れた情報を、「ブローカー」に売り渡し、ポイントを増やさなければならない。
  • 丁寧なローカライズ
    • タッチ操作だったオリジナルを、上手くPS4コントローラーの操作性に落とし込んでいるので、慣れればカメラからカメラへ飛んでいき、先んじて情報の収集ができるようになる。
    • アーカイブスで物語を補完する部分の多いゲームだが、その部分の日本語訳も丁寧。
  • 練られたバックストーリーと舞台
    • 「全体主義を啓蒙し、個人の意見や人間性を否定する教育を強要される閉鎖空間」という舞台設定はまさしくディストピアのそれであり、そう言った話が好きな人はゲームにどんどんはまり込める。PS4用に最適化されたグラフィックも美しく(実質無印バイオハザードの様な定点カメラなので、そこは綺麗でないと困るが)、ストーリーもドラスティックに進んで行くので没入度も中々。 ホープ可愛い。
    • 特にチャプター3ラストから続いていく展開は見物。
  • 膨大な収拾要素
    • 先述したゲームフロッピーディスクの他、全体主義を啓蒙する「監督者」が禁書に指定した実在する書物、物語の舞台裏で何が起きているのかを示唆・補完する新聞やレコーダーなどの各種アーカイブスの量はボリュームがあり、文字通りカメラワーク(後述)の問題もあって、一周で全てを集めるのは難しいので歯ごたえがある。また、収集したアーカイブスの殆どは関係者の音声が再生される。

問題点

  • 快適性
    • 先述した様に、一定角度しか稼働しない定点監視カメラだけが、プレイヤーの操作出来る唯一の視点である。ホープら収容者を逃さない様に、とあらゆる場所に監視カメラが設置されてはいるものの、見たい角度にカメラを向ける事が出来ない・見たい場所にカメラを上手くハッキングできない、というストレスが溜まる。
      • 壁越しの監視カメラもハッキング対象として表示される為、ボタンを押し間違える事も多い。
    • また、ローディングが長い。ムービーの前後は勿論、エリア切り替えには画面が暗転した後10秒以上もロードで待たされる事になり、「フリーズした?」と不安になる。折角PS4に移植したのだから、もう少し頑張ってほしい。
      • 更にこのロード、カメラからカメラへ視点を切り替えた時にも5秒以上発生する場合がある。
      • ホープが監視カメラ可動域・視界外に出てしまうと自動的に映像が切り替わる為、「わざわざそのカメラに切り替えておいたのに!」とイライラする事も多い。
    • アーカイブスの再生音声も、数が多い上に長い。特にゼーガーのカセットテープは、全て聞いているとかなり時間がかかる。
  • 難易度
    • MGSシリーズを想像すると肩透かしを食らう程、ステルス要素に関しては難易度が低い。プリズラックの監視能力は初期ゲノム兵以下であり、視界に入らなければどんなに近くをウロウロ歩いていても気付かれず、走らなければ決して足音で注意を引く事は無い。
      • しゃがんで中腰で歩く事ができるが、立って歩いている時と殆ど速度が変わらない為、プレイの基本は全て中腰。 見てる方の腰が痛くなってくる。
    • 唯一冒頭のコスチュームチェンジで難易度が変更できるが、プリズラックに捕まった際のデメリット(ゲームオーバーの類)が一切無いのは緊張感に欠ける。
    • プレイの内容自体もスキャニングと簡単なパズルの繰り返しで、単調になる。それを考えると、全5章・総プレイ時間約12時間はちょうど良いかも知れない。
      • また、いわゆる「種明かし」的なパートである第4チャプターは、緩急をつけるためか一部仕様が異なり、賛否両論。
  • ストーリー
    • 洋ゲーにありがちな、すっきりしない形で終わるタイプ。慣れている人なら問題無いが…。

総評

練りこまれた舞台と、ありがちながらもハッとさせるストーリー、美麗なグラフィックなど、魅力的な要素は詰まっているものの、充分に要素を生かしきれていなかった印象のあるゲーム。脇役キャラの掘り下げももう一押し欲しい印象を抱かせる。
本作のコンセプトである「カメラからのハッキングを楽しむプレイ」に理由を持たせる為の膨大な監視カメラであるが、そもそも「脱走したホープを見つけたいならこのカメラを普通に使えばいいだけなのでは…」という邪推も出来てしまうあたり、全体的に荒削りなゲーム。
しかし収集要素も多く、難易度を上げたり縛りプレイをしてトロフィーコンプを目指すとなるとやりごたえはあるので、欲しいゲームが出るまでの繋ぎに手を伸ばしてみるのも良いだろう。

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最終更新:2021年02月20日 00:07

*1 PC版は最初第3章までがまとまった形として2015年2月に配信が開始された。

*2 尚、Steamで配信されているPC版も現在はアップデートによりPS4版と同等の内容になっている。