【らいふ いず すとれんじ】
アメリカの片田舎を舞台に、不意に「時間を巻き戻す」力を手に入れた少女マックスが、親友のクロエと一緒に街に隠された秘密を探っていく…という、DONTNOD社(フランス)の製作による探索型アドベンチャーゲーム。
いわゆる「インタラクティブムービー(プレイする映画)」と呼ばれる系統の作品の一つであり、3Dのムービーシーンと3Dのキャラ操作シーンが完全にシームレスに継続されている。日本語ローカライズは非常に丁寧に作られており、字幕だけでなく吹き替えにも対応している。
海外で発売された時にはエピソード分割形式として数ヶ月おきに新しいエピソードが配信されていく形式だったが、日本語版では完結までの全5エピソードセットで販売された。
英語版が先行販売されていたWin版はPS4/PS3版の発売と同時に無料の日本語DLCが追加配信され、その後2016年7月22日よりエピソード1のみ無料配信となり、バラ売りが廃止され全エピソードセット販売のみとなった。Xboxハード版は日本未発売。
マックスは写真家を目指す19歳の女学生。今までは家族とともにシアトルに住んでいたが、
進学のためについ最近になって生まれ故郷の田舎町「アルカディア・ベイ」へと帰ってきて一人暮らしをしている。
最初は新生活に胸を膨らませていたマックスだったが、スクールカーストの洗礼を受けて孤立化を深めていき、
鬱屈する毎日の中でやる気を失いかけていた。そんなある日、授業の最中に巨大な竜巻が街を破壊する夢を見る。
そのあとの放課後、トイレの中でクラスメートの男子がどこかから連れてきていた女子を拳銃で撃ち殺すというシーンを目撃。
パニックになった瞬間、マックスは突然自分が教室に戻ってさっきまで受けていた授業をもう一度聞いていることに気づく。
何と、マックスはどういうわけか「数分間だけ時間を巻き戻す」力に目覚めていた。その力を使ってトイレで殺されるはずだった少女の命を救ったのだが、その少女はマックスのかつての幼馴染・クロエだった。
マックスが時間操作の力を持つこと、その力で自分を救ってくれたことを聞かされたクロエは、
その力を使って自分がやることの手伝いをして欲しいと言ってくる。クロエのやりたいこととは、行方不明となった親友・レイチェルの捜索。
軽い探偵ごっこのつもりでその話に乗ったマックスだったが、次第にこの田舎町が隠し続けている暗部に触れることになる。
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+ | エンディングの内容について。ネタバレ注意 |
+ | 文章だけで説明すると何がなんだか分からないので図解 |
時間の「巻き戻し」をプレイヤーに実際に体感させるという、その一点を中核にして、シンプルな操作性でストレスの少ないストーリー体験を実現させた秀作。
探索型アドベンチャーゲームとしては難易度は高くなく、誰でもプレイできる。
プレイ時間は10~15時間で周回要素もないのでボリューム感のある大作というわけではないのだが、それこそ「プレイする映画」の感覚で週末に浸ってみるのもよいのではないだろうか。
*1 ちなみに作中の設定は2013年である。
*2 学校内における生徒間の人気の序列をインドの身分制度カーストになぞらえて呼びならわした呼称。日本だと『仮面ライダーフォーゼ』や(原作者がアメリカ人の)『ヒーローマン』で一部再現されている。現在は日本でもスクールカーストが取り沙汰されることが多いが、日本のそれは身分制というよりレッテル貼りの陰湿なイジメに近い。
*3 実際、『ツイン・ピークス』には「独自に事件を調査する高校生」「行方不明の少女」と言った本作に通じる要素がある。
*4 この劇場版『ファイナルファンタジー』は商業的に大失敗だったことで有名。
*5 トロフィー数自体は多いが、いずれも「○○の写真を撮る」というもので、マップを隅々まで歩き回れば集めるのは難しくない。
*6 これに関しては、ゲームに限らず多く海外作品で言えることなのだが。
*7 せいぜいクロエの好感度によってマックスがクロエにキスするかしないかが変わる程度。
*8 主人公は過去改変で幼馴染を救おうとするが、必ず誰かが不幸になってしまう為、最終的には幼馴染を赤の他人にするという形で悲劇を回避する。
*9 この点に関しては、ネタ元の1つである映画「バタフライ・エフェクト」において、主人公が過去改変で脳に負担がかかって鼻血を出す…という部分のオマージュなので、単に負荷がかかっていることを示すだけの演出ともとれるが。
*10 おそらくマックスの良心の呵責によって形成されたもの。
*11 ついでに副作用としてCERO用表現規制も解除されてしまう。