花といきもの立体図鑑

【はなといきものりったいずかん】

ジャンル 図鑑ソフト/クイズ
対応機種 ニンテンドー3DS
メディア 3DSカード/ダウンロードソフト
発売元 任天堂
開発元 パオン
発売日 パッケージ版:2011年9月29日
ダウンロード版:2012年11月1日
定価 3,619円(税別)
プレイ人数 1人
セーブデータ 3個
レーティング CERO:教育・データベース
判定 良作
ポイント 持ち歩ける3Dミニ図鑑
生き物の鳴き声が分かる
検索機能も搭載
扱う生き物に偏りあり


概要

 ニンテンドー3DS初期に発売された図鑑ソフト。またレーティングでは3DS初の「教育・データベース」に該当。このソフトがあれば3DSは立体視機能をふんだんに活かした珍しい図鑑に早変わりする。
 図鑑の収録数は約2000種、そのうち主なものは植物、昆虫、鳥類であり、人里に出没する哺乳類、爬虫類・両生類も掲載してあるほか、ごく少数だが菌類、淡水域の生き物も取り扱っている。海洋生物は未収録。鳴き声のある生き物は鳴き声も掲載され、数は少ないが立体視を活かして360°から眺める機能のついたページもある。

モード

  • ビジュアル目次
    • 手当たり次第に生き物の写真と説明を読むモード。
    • 生き物を種の分類、出現季節、名前の五十音、色などの特徴で並べ替えも可能。
    • 実際に見たことのある生き物・気に入った生き物をプレイヤーがチェックを入れることで「記録」というコーナー(後述)で抽出して閲覧することが出来る。
  • バラエティ検索
    • 生き物を種類、外見・鳴き声、生息環境、名前から検索できる。
    • 花限定だが、3DSカメラで種類が分からない花を撮影しその後の質問に答えることで、その花の種類の絞り込みが出来る。
    • 野外で遭遇したが名前が分からない、といった状況を解決できるかもしれない。
  • なぞリンク
    • 日付に応じてテーマを提示し、それに関連した生き物たちを紹介することで彼らの意外な共通点を見出す。
  • 花テスト
    • 花の写真の2択クイズが失敗するまで連続出題される。写真は本作に収録されてある物である。失敗せずに正解できた問題数はセーブデータに記録される。
  • 記録
    • いままで読んだページ(文章の8割をスクロールするとカウントされる)、実際にプレイヤーが見つけた生き物、お気に入りの生き物の数、花テストの連続正解数が閲覧できる。
  • 設定
    • BGM・ふりがなの有無、任天堂からの通信の可否の切り替えや、初期設定の変更が出来る。
    • 見たくない生き物を指定することで、該当する生物の写真にはモザイクをかけることができる(図鑑の説明文自体は読める)。
    • スタッフクレジットはここに掲載されている。

評価点

  • 携帯機の中では大規模な情報量
    • 非常に膨大な数の生き物を取り扱うだけでなく、すべてのデータをソートするなどの索引機能も備えている。
    • 生き物をただ個別に掲載するのではなく、「いきものリンク」というコーナーが各ページに存在し、別の生き物との関連といった理系の知識から人間の文化への影響といった文系の知識まで非常に幅広いトリビアが書かれている。芋づる式に覚えるのにはもってこい。
      • 捕食者と被捕食者の関係や、住む環境や毒の有無などの共通点、擬態する側とされる側の関係、など非常にマニアックな関連まで載せてある。一見地味な生き物にもしっかりと関連が書かれている。
  • 3DSならではの機能
    • 図鑑に掲載されている生き物はすべて写真がつけられており、トップを飾る写真は全て3D対応。
    • 鳴き声がある生き物(鳥類・蛙・一部の昆虫など)の殆どは鳴き声も収録されている。
      • すべてではないが、鳴き声の収録されている生き物は動画も収録されている時がある。
    • 「ヒト」という生き物のページでは自動的にカメラが起動しプレイヤーを映しだすという遊び心もある。
  • カスタマイズ機能
    • 「お気に入り」といった付箋機能も実装してある。データベースや検索機能と合わせればプレイヤー好みの情報をすぐに引き出せるようになる。
    • 見たくない生き物にはフィルタをつけることもできる。単純に昆虫といったメジャーなものに限らず集合物恐怖症を想定した「蓮」などややマイナーなところまで配慮している。

賛否両論点

  • 花クイズ
    • 常に二択問題であり非常に手軽ではある、しかし問題の難易度に関しては多少の運が絡む。最初は簡単な問題を集めては来る傾向があるがやはり知らない問題に当たれば失敗する。
    • 二択問題に使われる写真は種類ごとに固定されているので、バリエーションに富んだ花の外見を掴むには不向きか。
  • 扱う情報のテイスト
    • 生物学的な詳しい記載もあるにはあるがどちらかというと人間との関連が主になっている。身近で出会える生き物を中心に収録してあるが、在来種ではない園芸用のお花のページも多い。
    • 万人受けしやすいであろう植物の収録数が多いため、生き物にあまりなじみのない人にとっては敷居が低い。(もっとも鳥類よりは掲載されているのだが、)逆に昆虫系は人を選ぶと判断されたためか本来の種類の豊富さに対して収録数が少なく、パッケージ画像から昆虫についての膨大な情報を得られる事を期待すると、少しもの足りないかもしれない。
    • アップデートで、ユーザーの好みに合わせてこういった追加図鑑を有料であっても配信をして良かったのではないかという声がある。

難点

  • 閲覧対象者について
    • ふりがなはふってあるが漢字が多く登場し、また3Dによる立体視そのものが小さな子供には不向き。
    • 音声で図鑑説明文を読み上げてくれるわけではない。
  • 検索機能
    • 単純に生き物の収録数が多い、それぞれのページが紹介する生き物が持つ特徴に関して、設計者とユーザーの見解が噛みあっていないという原因から、検索で満足に知りたい生き物に行きつくことが非常に難しい。
  • 膨大な図鑑ゆえの課題
    • 生き物に関する説明でもその生き物の生息地域差で一概に正しいと言えなかったり、明らかな誤情報が無いわけではなかった。
      • 誤情報に関しては何度もアップデートすることで解消している。

総評

 収録した生き物の偏り、膨大な情報を処理しきれないが故の問題などの課題は残ったが、それでも情報の丁寧な関連付けで幅広いユーザーに対応して、さらには3DSの画像・音声機能をフルに活かすことに成功しており、完成度は非常に高く仕上がった。一般向けのビジュアル図鑑としては秀逸といえるだろう。

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最終更新:2021年06月20日 14:58