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パラッパラッパー2

【ぱらっぱらっぱーつー】

ジャンル 音楽
対応機種 プレイステーション2
メディア DVD-ROM 1枚
発売元 ソニー・コンピュータエンタテインメント
開発元 七音社
発売日 2001年8月30日
定価 4,980円(税別)
プレイ人数 1~2人
廉価版 PlayStation2 the Best
2002年6月27日/3,150円(税込)
判定 なし
ポイント 画質・音質共共に進化したパラッパ
ファンサービス満載&シリーズ特有のノリは変わらず
問題点も一部据え置き
パラッパシリーズ
パラッパラッパー / ウンジャマ・ラミー / パラッパラッパー2
SIEワールドワイド・スタジオ作品


概要

パラッパラッパー』の正式な続編にあたる作品。
今回も自信の持てない主人公パラッパがいつものように妄想をはたらかせるのだが、街に襲い掛かる脅威を救うヒーロー物語となっている。


追加・変更点

基本ルールは前作および前々作と同じで、先生のお手本通りにボタンを押すだけ。だが、今作はさまざまな部分が改良・変更されている。

  • 周回プレイによる難化
    • 8つあるステージをすべてクリアすると次の周回に到達できる。パラッパの帽子もそれに合わせて、赤→青→紫→黄に変化する。
    • 1周目では最も難易度が低いレベル1譜面だが、ゲームをクリアするごとにレベル4まで遊べるようになる。
  • 特典要素
    • 4周目に「COOL」ランクでクリアしたステージの楽曲を聴けるようになる。
  • ボタン入力状況の表示
    • ボタン入力した結果を譜面に精密に反映されるようになり、タイミングの細かいズレを目視できるようになった
  • 過去作に比べ判定が甘い
    • 前作までがシビアすぎたのか、これまでに比べ判定が少し甘めになっている。ただし、適当なボタン連打に関してはむしろ厳しくなっている。
  • ランクがBADに下がった場合の仕様変更
    • これまではランクに関係なく曲が進んでいったが、今回は「同じフレーズを復唱させ、また失敗したらさらにもう一度、それでも失敗したらゲームオーバー」という仕様に変更された。
      • 高レベルの譜面の場合、ランク低下により譜面も易化するのでクリアは容易になる。
  • プレイ画面にラップの評価を表示するメーターが追加された。
    • メーターはそれぞれ「お手本に対する忠実さ」「即興っぷり」「ノリ」の3つを表示する。これらを良く見ながらプレイすることで、COOL状態へ進むには何が足りないかが分かりやすくなった。
  • 演奏途中で譜面変更
    • プレイヤーの腕前によって、途中で譜面が変更されるようになった。これにより、上手い人にはさらにノーツの増えたフレーズで高得点を、下手な人はスカスカのフレーズでゆったりとプレイできるようになった。内部では16段階にも及び、組み合わせ次第での譜面量は他の音ゲーの追随を許さないレベルになっている。
    • 譜面の難化はストーリーモードではレベル2以降、対戦モードでは常時搭載されている。
  • ボーナスステージ
    • ステージを2つクリアするごとにタマネギ先生が開催。弟子のコタマネギが構えの大勢に入ったら、対応する△○×□ボタンを押してアクションを決める。構えていないコタマネギを攻撃すると減点。スタートボタンでボーナスステージ自体をスキップすることもできる。
  • 2Pバトル・CPUバトル
    • すべてのステージに用意されており、そのステージのランダムで選ばれた一つのフレーズを使った、ターン制のラップバトルができる。
      • アドリブを入れた際に、そのアドリブが良判定になるとお手本がそのアドリブのものになる。つまり、自分の考えたアドリブを相手にやらせることができる、という他の音ゲーにはないパーティゲーム要素がある。

評価点

  • 解像度の高くなったパラッパ
    • 次世代機のPS2に移行したことで、画質、音質共に進化。紙のような造形はそのままに、新しくなった画面でパラッパを見ることができる。
      • 効果音も同様に高音質化。BGMと同じ音質で刻まれるラップは臨場感抜群。
    • 随所に挟まれるムービーシーンはプリレンダリングだった前作からリアルタイムで描写されるように。滑らかに動くドタバタ劇場は観ていて楽しいものになっている。
  • 一部問題点も解決の兆し
    • ボタンを押したタイミングで、レーンにボタンが表示されるようになった。これにより、お手本とどれくらいズレているかが目視できるように。
      • 前作は一フレーズずつの判定で、どこがズレているかが分からない状況であり理不尽に感じやすかったため、判定の表示により理不尽さの軽減につながっている。
    • 4周に渡り譜面が変化することで、周回のしがいとボリュームの追加に貢献している。
      • 4周目はそれなりに難しいため、練習しないと中々厳しい。プレイヤーの腕に合わせるような良調整となっている。
  • 相変わらず楽曲のクオリティは高い
    • 先生も相変わらず個性的。軽快な合いの手を入れる思ひ出ヒゲ社長・ムーディーな声と意外な展開を見せるアリ導師・MC同士のラップバトル風のヌードル大将などセンスも抜群。
    • やや偏りはあるもののポップからレゲエまで曲のジャンルは広く、楽曲のベース音が充実することで『パラッパラッパー』の時よりも聴きごたえがある物に。
  • シリーズファンサービス
    • ウンジャマ・ラミー』からのゲストとしてラミーとマーさんがシナリオに絡む。
    • ステージの先生としてムースリーニ先生の妹であるムーセイシャ教官が登場、キングコング・ムシが再登場、またタマネギ先生は3作連続の登場を果たすことに。
    • また、ステージ3にて「ラミー」のステージ4の飛行機が一瞬映ったり、ステージ4の1フレーズに「1」のステージ2のフレーズが含まれていたりする。
  • 独特な世界観
    • ストーリーもこれまで同様コミカル。
    • 簡単にまとめると、「ヌードル団という謎の軍団によって街中の食料がヌードルになってしまったのでそれを何とかする」というもの。その途中でロマンティック空手、導師の説教、軍隊の訓練などをこなしつつ進んでいく。
    • ちなみにこちらの解決方法も「難関にぶち当たるたびにお得意の妄想癖が発動し、発奮して挑む」という様式美的なもの。
      • だが、やはり最終ステージでは馬鹿から外れた展開に。
    • 本シリーズ独自のペラペラの3Dモデルもさることながら、意訳色の強い日本語字幕が他のゲームにはない不思議な世界観を作り出している。
  • 難易度について
    • 判定の易化など様々な仕様変更から、難易度については概ね好意的な意見が多い。また、イージーモードを使用してもエンディングが見られるようになったため、初心者にも安心。
    • また、特定のコマンドを入力すればどのボタンを押してもOKになる超初心者向けモードになる。
  • 白熱する対戦モード
    • 後述の問題点の通りやはり判定には難があるのだが、対人戦となれば話は別。
    • はちゃめちゃなラップに挑戦して一発逆転を狙うも良し、保守的に動くも良し。刻々と変化していくラップに合わせつつアドリブをかましていく様子はまさにラップバトルである。
      • 前作「ラミー」でも対戦モードは存在していたが、あちらは1人用モードを交互にプレイするだけであった。
      • この「ゲーム内でのラップバトル感覚」は現在から見ても唯一無二であるといえる。「音ゲー」の定石といえる「譜面を覚えて何度もプレイする」に当てはまらないカジュアルなゲームプレイと音ゲー本来の「ノリ」を意識した対戦ゲームと見れば、非常に出来の良いモードである。
    • 対戦相手にCPUも用意されているが、保守的な動きでじわじわ攻めてくると思いきや急に怒涛のアドリブを入れ始めることがあるなど、対人戦と変わらない感覚で楽しめる上質な出来。
    • 判定はどちらも公平なために相手もBAD判定になることがあり、反対に怒涛のアドリブが良判定になりお手本と入れ替わることもある。
      • こうなるとプレイヤーもCPUも互いに手がつけられなくなり、シュールなラップが展開される様子は爆笑もの。
      • また、「1ステージの1フレーズ」を使ったもので、アドリブで譜面もコロコロ変わるため、後述の「ボリュームの少なさ」への対策と考えればよく考えられたモードであるとも取れる。

賛否両論点

  • シリーズにつきまとう「ボリューム問題」
    • 本シリーズの宿命ともいえる問題なのだが、プレイスタイル次第で多様な分岐が可能な譜面を設計したことによる弊害で、シナリオや楽曲数といったゲームそのもののボリュームが他の音ゲーと比べると圧倒的に少ない。
      • ステージ数は『1』が6、『ラミー』が7で、本作が8と、一応数だけならシリーズ最高…の様に思われるが、『ラミー』はほぼ別モノであるパラッパモードの存在で実質13曲。
        更にそのラミーを操作できる別モードの実装を本作に期待したプレイヤーもいたので、実質ボリュームダウンだという声も。
      • 比較として例を挙げると、本作と同じ日に発売されたPS2の『beatmania IIDX 5th style -new songs collection-』は全64曲。
    • 結論として、1ステージごとの作り込みの量の違いによる「満足感」をどう評価するかで大きく意見が分かれることになる。
      • パラッパラッパーの最大の特徴である「1ステージごとに用意された個性的な先生とバトル」というのは、「一曲ごとの満足感」と「ボリュームの不足」を同時に重ねることになる。ボリュームの不足を気にするか、1曲ごとのゲーム体験を取るかで意見は全く異なるものになる。
      • 現在の観点から見れば、短い期間に濃く詰まったゲーム体験として再評価することはできるが、やはりフルプライスで買うにはボリュームが不足しているというのも真っ当な評価であるために評価が難しいのである。
  • ランク変更時の演出
    • パラッパのラップの成績に応じて基本的に「GOOD」「BAD」「AWFUL」の3段階のランク判定が下されるが、この判定が変更される時に先生が何か一言を挟むようになった。
    • これによってプレイのテンポが損なわれると感じるプレイヤーがいる。一方で曲そのものの流れは破壊していないという見方から気にならないプレイヤーもいる。

問題点

先述の通りボリュームの問題については評価し切れない部分があるため、ボリューム以外の点を取り上げることとする。

  • 理不尽難易度のフレーズ
    • ステージ6
      • 最終フレーズでランクを落としてしまうと、その最終1小節残したところでリスタートされる。
        ランクを上げるには最低でも2小節必要なのでこうなるとゲームオーバー確定となってしまう。
    • ステージ8
      • 最終盤でパラッパ先導する一幕は初見殺し要素もそうなのだが、分かっていたうえでもタイミングが非常にシビア。
      • パラッパ先導シーンに入る直前のフレーズは○(丸)ボタンのみで構成される譜面なのだが、その〇を(リズム感を損なわずに)連打しながら問題のフレーズに突入し、突入が済んだらアドリブをかますぐらいのことをしないと無事に乗り切れない。
    • また、上記のように難易度の高いフレーズが多いためか前作よりもボタンを押すタイミングの判定が甘くなっている。そのためリズムをある程度無視してでもボタンを多く押すとクリア出来てしまう事が多い。
  • 2Pバトル・CPUバトルは前作譲りの判定の理不尽さ
    • 打って変わってバトルゲームでは、ピッタリ入力してもマイナスになることがある。これは、ピッタリ入力を基準として採点しているからであり、アドリブ前提のバランスになっているからである。
    • そして、そのアドリブの判定は前作からあまり改善されておらず、やはりプレイしていてノれるリズムと判定はずれがあるようで、気持ちよく戦うことは難しくなってしまっている。
  • 譜面変化の弊害
    • 本作は譜面変化のお陰で楽曲以上にたくさんの譜面を楽しむことが出来るが、逆に言えば譜面が変わるとラップの内容も変わる。これによって前作までのような脚韻を踏んだラップと違い、スキャットに近い物になっている。
    • 地味に字幕もスキャット風に翻訳されているが、ラップの言葉遊び的側面が減ったのは残念という声も。
    • 自分の譜面を演奏中に先生の次の譜面を見て用意をする事も出来たが、4周目だと特に場合によっては2小節の長丁場から譜面変化で一気に1/4小節の短い掛け合いになる事すらありうる。
    • さらに譜面の変化する基準はプレイヤーの計り知れる所ではなく、アドリブ要素も合わさり意図して難易度を調整するのは至難の業。一応難易度を固定するコマンドはあるが、自分でプレイ中確実に変化させる方法はない。
  • ムービースキップについて
    • ムービーやステージ冒頭のラジカセ練習はスタートボタンでスキップできるのだが、その方法について説明されていない。
    • 一般的にスタートボタンでスキップ出来る事の多いムービーはともかく、ラジカセ練習がスキップ可能である事には気付くと気付かないで快適性が全然違う。
  • 一度周回数が増えると過去の譜面で遊ぶことができない。
    • すべての面を一度クリアするごとに周回数としてカウントされるため、全てが揃う前に一度ずつセーブすることでいつでも遊ぶことができるが、選択肢を用意して欲しかったところ。

総評

他の音ゲーにはないシリーズ独特のシステムを取り入れており、純粋な音ゲーとして見るとボリュームに関しては非常に意見が分かれることになるが、システムやシナリオは前作よりも正当な強化がなされており、パラッパラッパーシリーズのファンにはぜひともお勧めしたい作品。 現在では中古も安くなり、「一風変わった音ゲー」として手に取る価値は十分にある。


余談

  • ステージ2の前のムービーで登場しているニュースキャスターは、パラッパラッパーシリーズのデザイナーを務めるロドニー・A・グリーンブラット氏をモデルにしている。
    • なお、CVも本人が担当している。
  • 当時マクドナルドにて配布されていた「ハッピーディスク」に、「おもいでヒゲ社長」のレッスン4までが収録されていた。一部グラフィックがマクドナルドのものになっており、UIはまだ未完成だった為か製品版とは異なる。
+ タグ編集
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  • パラッパラッパー
  • 七音社
  • 判定不一致

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最終更新:2023年07月29日 10:06