ラチェット&クランク3 突撃!ガラクチック★レンジャーズ

【らちぇっと あんど くらんくすりー とつげき!がらくちっくれんじゃーず】

ジャンル アクション
対応機種 プレイステーション2
メディア DVD-ROM 1枚
発売元 ソニー・コンピュータエンタテインメント
開発元 Insomniac Games
発売日 2004年11月25日
プレイ人数 1~4人
レーティング CERO:全年齢対象
廉価版 PlayStation2 The Best
2005年7月7日/2,800円(税5%込)
判定 良作
ポイント 前作のゲームバランス改善
本格的なマルチ対戦実装
ラチェット&クランクシリーズ
SIEワールドワイド・スタジオ作品


概要

『ラチェット&クランク』シリーズの第3作。本作ではシリーズ初のマルチプレイモードが実装されている。


システム

  • ストーリーモード(1人用)
    • 数々の惑星を飛び回りミッションをこなしていくモード。周回プレイが可能で2周目以降は敵の攻撃力と体力が大幅に増加し、ラチェットの体力と武器をさらに強化することが出来る。
    • 陸上を高速で走り回れる「ターボスライダーバギー」と空中から砲撃できる「ホバーシップ」が新登場した。ストーリーのミッションに応じて登場する箏になるほか、後述の対戦モードでも使用可能。
  • 対戦モード(1~4人用)
    • バトルロイヤル
      • 一定時間内、もしくは一定残機をかけて複数プレイヤーで乱闘するモード。チーム戦も可能。
    • フラッグマッチ
      • 2~4チームに分かれ、敵の拠点に用意されたフラッグ(旗)を奪い、自分の拠点に持ち帰る。「一定時間内で奪った数を競う」ルールと「先に一定本数持ち帰ったチームの勝利」というルールがある。
    • ベースマッチ
      • 2チームに分かれ、先に相手のベース内のコンピュータを破壊したチームが勝利
      • ベース内部に侵入するには、ベースの左右にあるガトリング砲台を破壊する必要がある*1
      • ガトリング砲台は何かに砲撃している時でないと壊せない他、ベース前には一定時間で湧く護衛兵がいる。
      • ベースのほか、マップの各所に小拠点が配置されておりそこを制圧すると強い武器を入手したり乗り物を入手することが出来る。
  • いずれのルールもHPが0になると持っていた武器をその場にドロップして消滅。
    • その数秒後に拠点を選んで無限に復活できる。バトルロイヤルのみ残機制にすることも可能。

評価点

  • 王道なシナリオ
    • 出来そのものが良いとは言えないが、本シリーズのシナリオは良くも悪くも分かりやすい。
    • 序盤ではラチェットへのシナリオ上の扱いがやや酷い傾向があるのだが(後述)、ラスボスとそこに至るまでのシナリオと演出はプレイヤーの苦労に報いるものである。
  • 演出面
    • ラチェットの武器による攻撃エフェクトが改良された。これは武器強化でどんどんド派手になる場合もあり、強くなった武器で敵を蹴散らす様は爽快。
  • 操作面
    • ガラメカのクイックチェンジ欄が2ページ分に増え、持ち替えが非常にやりやすくなった。
  • 周回プレイを意識した調整
    • 前作と同様に本作も周回プレイできるが、初回プレイ時は苦戦するように、プレイを重ねた時には無双の快感を味わえるようにと、マンネリ化を避けるための絶妙な難易度調整がされている。
    • 使用武器は使い込むことで経験値をためてレベルアップするシステムも続投。周回プレイ後には敵の強化がなされ、強化された武器購入をはじめとし徐々に強化していくラチェットを楽しめるように設計してある。
    • ゲームの最終目標として隠しステージ「インソムニアック・ミュージアム」を本作でも配置。そこに行くためにはいわゆる「完全クリア」をする必要があり、ラチェットが最大限強化しても目標を失わないようにつくられている。
    • 意見が分かれるところではあるが、ステージ数が歴代の中でも少ない事がこの快適な周回プレイに貢献しているともいえる。
  • 武器のバランス調整
    • 武器ガラメカの威力をゲーム中に確認できるようになった。
    • 前作と比較して、0にはできなかったものの全く使えない武器ガラメカは圧倒的に減った。
  • 過去作要素の再登場
    • イメージを損なわずに過去作の登場人物やステージがメインシナリオに再登場を果たす。
    • 「サックキャノン」「アクマングラブ」など前作の独特なクセを持った武器も適切なパワー調整をされた下で再登場した武器ガラメカがある。
      • 強化することで使い勝手の悪くなった「マグマイザー」は仕様が変更になり*2、一挙に使いやすい武器に。
    • 猛威を振るった「テスラバリヤー」の耐久性、持続時間、攻撃力は控えめになった。
      • また該当する作品のデータがあるメモリーカードを読み込ませれば、一部のアイテムを無料または割引で購入できるという特典がついている。
  • 対戦モードの白熱性
    • 新実装されたこともありゲームバランスが不安定な部分もあるが、マルチプレイによる対戦はどれも遊び方が分かればやみつきになる。
    • 対戦ルールに限り、ステージ上の構造物にも体力という概念が存在しダメージを与え続けると壊れるという、妙に細かい仕様がある。
  • 特典
    • ラチェットの着せ替えや武器変更、Vコミックのクォークの着せ替えが好評。
    • ラチェットの見た目をファンシーにしたりライトセーバーを持たせたり、クォークにチュチュを着せたりできる。

賛否両論点

  • ガラメカの数が前作より減少
    • 例を挙げると武器ガラメカは前作の24種類から20種類に減少、移動や謎解きに使うガラメカも、シリーズ皆勤賞だった「スリングショット*3」に前作登場の「ダイナモ*4」が統合された「ハイパーショット」になったり、前作では2つあったハッキング用のガラメカが1つしか存在しない等、ガラメカの数は総じて目減りしている。
    • しかし前作は、実戦で使えるガラメカが性能面の評価から非常に限られていた。強すぎる武器が存在したりまったく役に立たない武器も存在した。
    • 単に数を減らしただけではなく武器間のバランス調整も見られるので仕方がなかったともいえる。今作から減少したというより、前作が多すぎたと捉える人もいる。
      • ハイパーショットも、状況に応じて持ち替える必要がなくなったという好意的な意見も多い。
    • 『1』『2』で好評だった「グラインドブーツ」がリストラされた。
    • 新装されたターボスライダー・バギーが本編にこれといった重要な役割を与えられていない*5
  • BGM
    • 「ケルバン」「ブラックウォーター」など1で訪れた惑星がBGMごと復活。
    • 「しれいセンター」「ぜんめつバトルショー」「ついらくげんば」など、フィールドは新規だがBGMが過去作から流用されている惑星もある。
      • これらはファンサービスと好意的に見られる一方で、使い回し・オリジナリティに欠けるという否定的な意見も。
    • 一方で「アリディア」は1のスタイリッシュでクールな雰囲気のBGMから一転、いかにも戦場を思わせる重厚で緊張感のある曲風に変更された。
      • 今作のアリディアは、エイリアン軍団と攻防戦を繰り広げるレンジャー部隊を救援するために訪れるので、雰囲気に合わせるための変更はやむなしと言えるだろう。
    • その一方で、シリーズの中でも最もBGMが良いという意見もある。
      • 具体的には「フェニックス号」「コートニーの祈り」「オバーニ・ムーン」など、一度聞くと頭から離れないような中毒性のある曲は揃っている。
      • また流用とは言うが、完全な流用ではなく3用に独自のアレンジを加えてある。
  • 洋ゲーなので仕方のない部分もあるが、敵を蹴散らす武器によるエフェクトや設定が子供向けにしては残酷。
    • 強化したナンバー9は、発射したロケットランチャー一式に被弾した敵が熱で蒸発したり、一瞬で灰になってしまう。
    • ガスプッシャーは敵の神経や回路を錯乱させるウィルスに感染させ、同士討ちをさせる。
    • 途中から物語の全体で登場する敵勢力であるティラノイドが肉体改造されて機械の体にされてしまう。ただし当の本人たちは強くなった自分たちに感心している模様。
  • ブラックユーモアにあふれた展開
    + ネタバレ
    • 銀河大統領という登場人物がいるのだが彼の人を見る目は壊滅的。描写が少ないので詳しい事は定かではないが彼の政治の手腕については誰もが疑いの目を向けたくなる。
      • 映画俳優もやっているクランクの方を「宇宙を救ったヒーロー」として認識(こちらはあながち間違いでもないが)する一方で、メインで宇宙の危機を救ってきたラチェットの事をただの「クランク専属運転手」程度に思っている。
      • レンジャーズというタイトル通りレンジャーを組むことになるが、これが銀河大統領の采配も絡んでいるため、(過去作からの友情出演ではあるものの)あまり役に立たない仲間もおり基本的に戦うのはラチェットとクランクとレンジャー隊の仕事。
      • 極み付けは過去作2度にわたって敵として主人公を苦しめてきたキャプテン・クォークをラチェット達のレンジャーズのキャプテンとして抜擢し、物語の序盤から中盤は彼の部下としてこき使われることになる。
      • ネタとして割り切ればいいのだが(恐らく制作陣もネタとして描いているが)人によっては非常に不快なシナリオともなりうる。クォークが最後にはラチェット達の味方になってくれるので、彼の采配が結果オーライではあったのが救い。
      • そもそもラチェットは前作で「あのヒーローは今?」に出演するほど世間から忘れ去られており、再びヒーローとして活動できる良い機会ともとれる*6
    • レンジャーズの中には彼らの苦労を理解するキャラがおり、そこは良いバランスになってもいる。またこの作品に限った事ではないが、ラチェット本人も良く言えば陽気・悪く言えば無神経なので、文句は言いつつも任務をノリノリでこなしたり、やんわりと冗談交じりで何もしなさそうな仲間を貶したりしている。
    • ただし先述の采配に関して銀河大統領に特にお咎めがあったような描写も無く、彼自身エピローグでしれっとこちらに混ざっているので納得いかない人もいると考えられる。
    • もっとも、『ラチェット&クランク』シリーズのシナリオはこのようなブラックユーモアが横行している。特に舞台となる銀河はこちらの常識からすればかなり無法な世界である。
      • 『1』では「惑星の一部を奪取していく計画に文句を言う人間が現れない」、『2』では「凶暴な性格という重大な欠陥を持った人工生命体がペットとして宣伝されていた」等。
      • 良くも悪くもこのようなシナリオ運びはラチェクラシリーズらしいと言え、シリーズ間の整合性や辻褄合わせをどの程度の水準まで求めるかは人によっても意見が分かれるところである。
    • ブラックユーモアとは別に『3』は「銀河中を逃げ回る宿敵を追いかけては逃げられ」という展開が大半を占めるので、良く言えば分かりやすいのだが悪く言えば冗長だという意見もある。
  • 惑星の数が減少
    • 今作で訪れる惑星は、チュートリアルを務める最初の惑星とラチェットの行動拠点となる巨大母艦を除けば17個。前々作・前作に比べると明らかに少ない。クリアにかかる時間もかなり短く、ボリューム不足を指摘する声がある。
    • これは評価点でも述べられた「周回プレイ」を意識しているためと考えられる。実際ゲーム進行のテンポはシリーズでも随一の良さであり、サクサクと進んでいく。
    • 惑星数の少なさをカバーしようとしたのか、ゴールまでの道のりがかなり長くなっており、後述する敵の強さも相まって中々先へ進めないことも多い。惑星1つ辺りの攻略に時間がかかる、隠しエリアも複数個用意されている。
      • これを「惑星を隅々まで探索できる」とプラスに捉えるか、「早く次の星に行きたいのにいつまでも拘束されている」とマイナスに捉えるかはプレイヤー次第。
  • さらに凶悪化した敵の強さ
    • 1周目で特に顕著に表れる問題点。
    • 「ぶっ放す ぶっ壊す ぶっ楽しい」という触れ込みに違わず、本作では全体的に敵の物量が多い。ガラメカが強くなった2周目以降は群がる敵軍団を蹴散らしていく爽快感がこれまで以上に強く感じられるゲームデザインとなっているのは評価点で述べた通りである。
    • しかし、装備が貧弱でガラメカも強化途上な1周目ではその物量が徒となり、苛烈な攻撃も加わってあっという間に力尽きてしまうことが多い。
    • 「クォークアジト」や「しれいセンター」といった終盤の惑星にもなると最高級のアーマーに身を包んだ状態で体力がカンストしていても、大量に沸く雑魚の攻撃で2割~4割持っていかれることはザラ。
    • 本作に登場する銃を持った敵は、その殆どが台尻で殴る・パンチやキックなどの近接攻撃を持ち、しかもその発生が妙に速い。怯んだ時ののけ反りモーションもやけに短いため下手に接近戦を挑むと返り討ちに遭う可能性が極めて高く危険。
+ 代表的な敵
  • ドローン・ボット
    • 最後から2番目に訪れる惑星「コーロス」から登場する所轄「小型ザコ」タイプの敵。しかしその攻撃力は、終盤に出会う敵という条件を加味しても小型ザコというカテゴリーを遥かに超越している。
    • 片腕の小型キャノンからエネルギー弾を乱射するという単純な攻撃パターンながら、1発被弾するとで20近くのダメージを叩きだす。1周目のラチェットの体力は100でカンストなので5、6発受けたらまず間違いなく力尽きる。これほどぶっ飛んだ攻撃力を持つにもかかわらず小型ザコなので集団で襲ってくる。
    • 幸いにも体力は低いので倒すこと自体は容易。データ上でもかなりの強敵として扱われているようで、サックキャノン*7や、メルモクワッガー*8で倒すと恐ろしい程の勢いで経験値が溜まっていく。
    • とりあえず一度にまともに相手にするのは面倒なので、360度に薙ぎ払って攻撃できるプラズマロープも非常に有効。もちろん経験値ももりもりたまっていく。
  • コマンダー・バトルボット
    • 惑星『ダックス』から登場するロボット警備兵。
    • 3連バーストのライフルを装備しており、遠距離からこちらを正確に狙い撃ってくる。怯んだ時のモーションも上半身を軽くのけ反らせるだけで、すぐさま銃殴打で反撃してくる。おまけに雑魚扱いなので大量に沸いてくるという前作の「メガコープ・トゥルーパー」を彷彿させる凶悪な敵と名高い*9
    • 登場する惑星が「ついらくげんば」「ゼルドリンくうこう」など、難所と成りうる攻略難度の高いフィールドに集中していることも強敵という印象を強めている。
  • ガンナーボット
    • こちらも惑星「ダックス」から登場する大型ロボット。
    • 両腕から凄まじい勢いのガトリング砲を連射し、強烈な弾幕を張ってくる。しかも精密にラチェットを狙ってくるため、避けるのも一苦労*10
    • 探知性能も高く、こちらから攻撃が当たらない距離でも探知して攻撃してくる。おまけに空に浮いているため、接近戦も不可能。
      • 一応、リロード時に隙が出来るが、ほんの数秒なため、こちらがモタモタしているとあっという間に攻撃されてしまう。
      • ただ、無理に倒す必要はなく、回避に専念して逃げることも可能。また、体力はそこまで多くないため、ランペイジャーやスナイパーライフルがあれば割と簡単に倒すこともできる。
  • ティラノイド・テトラ
    • 本作の雑魚で一二を争う強さを誇る強敵。大型銃を持った巨体のエイリアンだが、パワー・リーチ・タフネスと全ての面において隙が無い。
    • 大型銃から発射されるレーザーは弾速が早い上に連射性能バツグン、射程も長い。遠距離から複数体に発見されると反撃はおろか逃げるのも困難な有様となる。キャノン砲を5発連射すると必ずリロードを行うのでその隙を逃さず攻めていきたい。
    • 体力も高くおまけに怯みにくいので接近されても強い。なお接近戦ではキャノン砲で直に殴りつけてくる。こちらのダメージも馬鹿にならない。そのためオムレンチで近接戦を挑むとこちらが押し負けすることもしばしば。
    • 最後に訪れる惑星『しれいセンター』で戦うコイツは正しく鬼のような耐久力と攻撃力でラチェットを殺しにかかる*11
    • その圧倒的な強さから、真っ向勝負を挑むよりも、敵を吸い込んで完全消滅させるブラックホールを作り、一部のボス格を除いた殆どの敵に効果がある変則的なガラメカ『ブラックホーラー』の使用が攻略本でも推奨されている程。
    • そもそも真正面から当たりたくないなら、ホロングラブ*12で盾を張って安全を確保しつつ、遠距離からスナイパーライフルで仕留めるというのも手。V5であるスプリッターライフルならまず即死なのが、このゲームの絶妙なバランスといえなくもないか。
  • 前作『ラチェクラ2』と似通ったコンテンツや削除されたコンテンツが多い。
    • 移動に使う船は前作と同様ジェットファイターだが、シューティングステージは本作では完全削除。豊富な武装やシールド強化はもちろん、機首や翼の形状のカスタマイズも出来なくなり、単に色変えしか出来なくなってしまった*13
    • ジャイアントクランクもストーリー中に一度使用するだけ*14で、自由に動かせるステージが削除されてしまった。
    • 前作、前々作にあったレースゲームも本作では廃止されてしまっている。癖のある動きに慣れないユーザーが多かったのだろうか?*15
    • 襲い来る敵の群れを蹴散らす闘技場、大空間を走り回って換金アイテム採掘など、前作でも見たようなシチュエーションが多く、「本作ならでは」というコンテンツに乏しい。その闘技場や採掘も前作では2惑星ずつあったのが今作では1つに減ってしまっている。
    • これは上記の惑星数の減少と同様、周回プレイを意識してよりコンテンツの数をコンパクトに減らしたとも言える。レンジャー隊と協力して敵の全滅や目的地への到着を目指す協力ミッションや、横スクロールアクションのVコミックなど、本作で新しく追加されたコンテンツも楽しむのに十分な密度と内容の濃さはあり、手抜きや薄味なゲームというわけではない。

問題点

  • シナリオをクリアするまで出られない惑星*16がある。
    • おまけにこのステージのラチェットパートは クランクがいないため 、機動力が大幅に落ちた状態で強敵を切り抜けなければならない。
    • 敵を少しでも倒せば金銭は入手でき、体力も徐々に強化されるので完全に詰んだわけではないが、ここに限って敵の強さが一段と上昇しリスタート地点も少なめ*17
  • 「ついらくげんば 惑星ゼルドリン」の難易度
    • ストーリー終盤のステージ「ついらくげんば」だが、敵の火力が激しい、コンテニューポイントがたったの2つ、足場が悪く落下死の危険がある、と異常なほどの難易度を誇る。
      • 敵は上記で述べたバトルボットとガンナーボットが登場。回避を強要する攻撃に加え足場が悪いため、避けた拍子に落っこちてしまう事故が多発。敵の数も非常に多く、障害物も殆どないため下手するとあっという間に袋叩きにされる。
      • コンテニューポイントもスタート地点とゴール地点の2つのみで、ステージ自体はそれほど長くないのだが、敵の猛攻も相まってか長く感じやすい。本ステージの最終地点はスタート地点*18なため、コンテニューポイントが2つになったと思われる。
      • 中には「ラストステージより難しい」という人もいる。
  • 謎解きアイテム・ハッカーの面倒臭さ
    • 今作のハッカーは前々作のスパイシリンダー、前作のエレクトライザー&スパイボーラにあたる謎解きアイテムだが、 今作の謎解きはやたらと面倒で時間がかかる。
    • どんな謎解きなのかと言うと中央から8本のバーがそれぞれ伸び、中央部からバーの先端へ赤、緑、青のパーツが出力され
      • 緑のパーツは□ボタンで吸収する。パーツを規定値まで集めるとラウンド突破。
      • 赤のパーツは〇ボタンで破壊する。パーツがバーの端までいくと失敗でやり直し。
      • 青のパーツは壊せない。
    • といった感じで、丸型のインベーダーに近い。ハッカーはラウンド制で、ラウンド1から最大4まであり、最初にハッカーを使用するVRルームで1~3、ホロウッド以降はラウンド4がデフォとなる。おまけに赤と青のパーツは時間経過でどんどん出てくるため、高度な反射神経を要求される。
    • 従来のように自分からハッキングを進めるのではなく、防衛のような感じの謎解きなため、1ラウンドにかなりの時間がかかる。加えてラウンドが3~4まであるため、余計に時間がかかる。惑星数が少なく周回向けのゲームになっているだけに、残念がるプレイヤーが多い。
  • 隠しステージに必要な「スキルポイント」の解放条件が分かりにくいほか、難しい物もある。
    • 前作から比べると解放の難易度自体はかなり適正な範囲に調整されている。
  • 周回プレイをするとザコ敵はかなり強くなるのだが、一方で体力バーが表示されるような大ボスクラスの敵は、強化が全体的に微妙で瞬殺できてしまう場合が多い。
  • おかしいガラメカの表示攻撃力
    • 直接的なダメージ以外に敵のノックバック値もあるため一概に比較はできないが、表示攻撃力は高いのに中々敵が倒れない、その逆もまた然りという事態が往々にして発生する。
      • 今作のバズーカ系ガラメカのポジションを務めるバーサーカーの最終攻撃力が5000なのに対し、ブラスター系ガラメカのポジションを務めるN90ハリケーンの最終攻撃力が6000というのは流石に表記ミスだと思われる。実際に敵に当ててみれば一撃の威力はバーサーカーの方が明らかに高い。
    • ガラメカの攻撃力は単発で撃った時のものしか表記されていない。
      • 溜め撃ちが出来るガラメカ、本命の爆弾やミサイルが爆発すると同時に小型ロケットや機雷をばら撒くガラメカ、キャノン砲を撃ち、弾切れすると敵に突撃して大爆発する機能を備えた護衛ロボットのガラメカなど、ダメージを与える手段が複数パターン用意されていても、これらのような副次的な攻撃力は自力で推測するしかない。
  • 本作における最強武器ガラメカ「ナンバー9」のV5の性能
    • このガラメカのV4までの性能はロックオンした敵に光線が飛び、その敵を一撃で消滅させるというもの。ロックオンの精度や速度、対応距離も非常に優れ、最強武器の名に相応しい性能を持つ。
    • だが、V5になるとロックオンを行わず発射した光線が一点に収束、発射から約一秒後に光を放ち画面内の敵全てにダメージ、と言う全く異なる性能に変化してしまう。
    • 威力も低下していて、惑星コーロスに登場する大型の雑魚などV4までは一撃で倒せるがV5では耐えられてしまうと言うケースもある。武器としての性能、爽快感、ビジュアルなど軒並み劣化しているため批判的な意見が多い。
      • V5の性能は前作の「ゾディアック」に酷似している。そのゾディアックも位置付けとしては前作の最強ガラメカの一つだが、プレイヤーからは残念装備と評価されていた。
      • 武器の強化はゲージが溜まると強制的に行われてしまいダウングレードもできない。全武器ガラメカを最大まで成長させる事で手に入るトロフィーもあり、ナンバー9と相性の悪い仕様がつくづく立ち並ぶ。
  • 本作から本格的に導入された対戦モード
    • 「ベースマッチ」にて、普通のルールにしていた場合でもベースの守りが強すぎるので、ラチェットシリーズに精通している人でも敵ベースを破壊するのは一苦労、もしくはできない*19
      • まともな勝負ができるようにするにはこのルールとベースの破壊の仕方に慣れる必要がある。
      • ガトリング砲台を壊すのに一番手っ取り早いのはホバーシップで攻撃すると迅速に耐久が削れるが、ベース上部にミサイル砲台が2基設置されているので先に破壊しておかないとシップが一瞬でお釈迦になる。また一部ステージは乗り物でベースに到達できない。
      • ホロンクラブをもってきてもいい。ただし肝心のホロンクラブがマップの端っこやベースの裏等意識しないといかない箇所にポツンとおいてある。
    • 「バトルロイヤル」でのリンチ
      • ネット上での対戦は搭載しておらず顔見知り同士でマルチプレイすることになるので起こりにくいとは考えられるが、ルール上リンチが可能でありそれを制限する手段がない。
    • マルチプレイ時のみグラフィックが本編ほど綺麗ではない。
    • リアルタイムに見られるマップが存在せず、広いマップでの戦いだと静かになりがち。
    • また、このようなルールから遠距離攻撃武器と地雷設置武器がどうしても優遇されてしまう。
      • 以上のことより、対戦モードはあくまでパーティゲームとして楽しむ程度にとどめるしかできない。

総評

アクションとしての作り込み、画像やサウンドによる好演出ともに完成度が高く、ゲームを何度も楽しめるように工夫された難易度調整や特典要素は秀逸である。
対戦プレイが新実装されたことで誰かと楽しむこともでき、『ラチェット&クランク』シリーズの中でも特にお勧めできる作品。


余談

  • 本作から文字フォントが日本版では綜藝体、海外版ではユーロフォントが使用されている。
    • 日本版では場面によって英数字が綜藝体であったり、ユーロフォントになったりと統一性がない。おまけに一部のイベントでは字幕が文字化けする現象が発生する。
    • PS2までの作品はメニュー画面の項目や字幕など、全て仮名文字表記だが、漢字が使用されている字幕がある。

その後の展開

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最終更新:2023年12月17日 20:18

*1 防御システムオフの設定の場合ガトリング砲台が無い。

*2 今作では強化することで火山弾ではなく、極低温の液体を放出するようになる。

*3 空中に設置されているスリングポイントにワイヤーを発射し、その勢いで空中移動をこなすガラメカ。

*4 停止したエレベーターや機能しない足場などにレーザーを放つことによって一定時間だけ稼働させることが出来るガラメカ。

*5 役割としてはホバーシップの方が圧倒的に重要。

*6 当人もプロローグでは「どっかで事件起きないかな?」と嘆いていた。

*7 敵や木箱を吸い込んで弾として撃ち出すガラメカ。大きな敵には全く効果が無いが、小さな敵なら残り体力に関係なく全て吸い込んでしまう。

*8 照射すると敵を無害なアヒルに変えてしまうレーザーを放つガラメカ。照射時間は敵の大きさに比例し、ドローン・ボットであれば1秒もかからない。

*9 トゥルーパーと異なり連続でのけぞらないため、ある意味そちらより厄介である。

*10 本作には前作、前々作にあった「バルルングラブ」のような敵を引き付けるガラメカがないため、余計に厳しくなっている。

*11 2周目ではナンバー9サウザンドの全画面攻撃でも一撃で倒せないほど硬くなる。

*12 前方に攻撃を遮る盾を張るガラメカ。攻撃を受けるたび経験値が溜まる仕組み。

*13 ホバーシップがあるため、空中戦が廃止されたわけではない。

*14 しかも、敵勢力と戦うのではなく単なる映画の撮影。

*15 インソムニアックミュージアムではターボスライダーバギーのレースゲームを入れようとしたがボツになったと語られている。

*16 映画惑星ホロウッドが該当、相棒のクランクの用事終了を待つラチェットが敵勢力に襲撃されるので、自分の宇宙船までたどり着かなくてはならない。さらに上記のティラノイド・テトラはこの惑星から姿を現す。

*17 というか本作は全体的にリスタート地点が少ない。

*18 スタートからゴールへ、ゴールからスタートへ戻るといったルートになる。

*19 特にベースのガトリング砲台、本編の2-3倍以上の速度で攻撃してくる。