オメガラビリンス

【おめがらびりんす】

ジャンル ローグライクRPG
対応機種 プレイステーション・ヴィータ
プレイステーション・ヴィータTV対応
発売元 D3パブリッシャー
開発元 マトリックス
発売日 2015年11月19日
定価 パッケージ版:6,800円
ダウンロード版:6,000円
(全て税別)
レーティング CERO:D (17才以上対象)
判定 バカゲー
ポイント (文字通り)胸が膨らむダンジョンRPG
オメガラビリンスシリーズ
無印 / Z / ライフ


概要

D3の完全新作ローグライクで、開発はかつて『トルネコの大冒険シリーズ』を開発したマトリックス。
そのため同シリーズに近い要素も多いが、同時に(主に胸に関する)独創的な要素も多い。
学園の聖洞に眠るという美の聖杯に、巨乳になる事を願う事を望む主人公愛那を中心とした5人の少女の物語。

特徴・ゲームシステム

ωパワー

  • モンスターを倒すと手に入るもので、後述のバストアップ、鑑定、合成に使用し、金代わりにもなるという本作を象徴する要素。基本的にモンスターからしか入手できず、金のように地面に落ちてはいない。

パートナーシステム

  • ダンジョンにパートナーを連れて行く事が可能(ソロ限定ダンジョンはある)、パートナーは自動で動き、スキルもランダムで使用するが、バストサイズ変化はなし。
    • パートナーは倒されても次の階で復活する。

バストサイズ変化

  • ωパワーを一定量入手する事で胸が大きくなりステータスがアップする(ダンジョン内限定で脱出すると元に戻る)。なおサイズアップは、そのサイズになってから手に入ったωパワーの総量で決まるため、バストダウンの罠を踏む以外で縮む事はない。
    • A、B~F、G~J、Kカップ(最大)で立ち絵が変化する。またKカップになった時はそのフロアの間のみ、更にステータスに補正がかかる発胸モードとなる。
    • 逆にAカップはつるぺたの罠を踏むなど、特定状況下でのみ発生する状態異常「つるぺた」扱いであり、スキル、鑑定使用不可、PTAにすら無反応になる。

スキル

  • 後述の悶絶☆覚醒で習得し、各キャラにつき4つ存在する。使用回数は悶絶☆覚醒のレベルによるが、クリームパンを食べるかバストアップ(J→K除く)で1回復する。

鑑定

  • ωパワーを使って未鑑定アイテムをプレイヤーキャラの胸に挟んで画面をドラッグする事で鑑定する(演出スキップ可)。胸元を露出させて下着を見せており、バストサイズで見た目も変化する
    • 特定の条件を満たす事でダンジョン外限定でNPCキャラでも鑑定が可能になる。
      • また妖精サイズしかないパイは手を使って鑑定すると、こちらはこちらでいろんな意味でアウトな代物。
  • このためωパワーさえあればどこでも鑑定ができるが、代わりにアイテムを使用しても鑑定されず、ダンジョン外でも低コストだが鑑定が必要になる。

合成

  • 同じくωパワーを使う事でダンジョン内外問わず、何時でもパイのシルエットと意味深なボイスと共に合成してくれる。特定の武器か盾を合成する事で強力な装備が生まれる「特殊合成」もある。
    • トルネコなどと大きく違うのは、ベースとなる装備と同じ装備でしか強化値(最大+10)は増えず、また強化値に必ず+1される事。例えばショートソード+1(ベース)とショートソード+8を合成した場合、+9ではなく+2となる。

パイタッチアクション

  • 略してPTA。立ち絵が表示されている状態なら、いつでもどこでも胸に触ると(つるぺた時を除いて)キャラが反応してくれる。悶絶☆覚醒の直後だと反応が違うなど細かい仕様も。名前に違わず、たとえ全身立ち絵が表示されていても胸以外はすべて無反応。

不思議な泉

  • ダンジョン内の特定のフロアにある泉にアイテムを投げ入れる事で、アイテムのレア度に応じたωパワーが入手できる。またたまにアイテムか敵が泉から出現する。

悶絶☆覚醒

  • ダンジョン内に落ちている悶絶香(青、緑、黄色、赤の4色でサイズがそれぞれ3種)を使い、拠点となる学園でキャラクターの基礎能力強化やスキル、パッシブスキルを習得できる(悶絶香毎のレベル制)。
  • 悶絶香ごとに決められたシチュエーションのCGが表示され、「ビンカンスポット」をタッチして経験値を得る、また悶絶の名の通り触ると悶絶する。サイズ毎に特定の回数分タッチでき、ある程度興奮が高まると「悶絶モード」となり全てがビンカンスポット扱いになる。ビンカンスポットを多くタッチできた方が経験値が多い(スキップもできるが、しない方が経験値効率がよい)。
    • 悶絶モードに突入した状態で「悶絶☆覚醒用のアレ」と称されるキャラ毎に対応したアイテムを使う事で、CGがさらに際どくなる。
    • 本(所謂巻物ポジション)を使うと使用した本と悶絶香の種類で決められたキャラが対象キャラに言葉責めをする。また悶絶☆覚醒用のアレも悶絶モードにならなくても使用可能(どちらもビンカンスポットをタッチするより悶絶モードになりやすい)。
      • なお拠点で行うためバストサイズ変化には対応していない。

その他

  • 壺がない(倉庫送りにする本はある)。代わりにアイテムは30個まで持て、装備品はアイテム欄を圧迫しないが、管理が重要になってくる。
  • 満腹度の最大が常に100、拡張アイテムはあるが最大値が増えるのではなく、満腹度が減るまでの歩数が増える。
  • 装備品は武器、盾、ブラ、パンツの4種があり、特殊効果のスロットは武器と盾が最大4つ、ブラとパンツは2つ。特定の武器と盾、ブラとパンツを装備する事でセット効果が発生する。
  • 使うとそのフロアの間、使用したキャラのキャラクターソングが流れ、必中状態になる「マイク」というアイテムがある。
  • 罠にはキャラ毎に一つ対応したものがあり、対応したキャラで踏むとCGが表示される(バスト変化対応でタッチ可能)。
  • 店は拠点にしかない、また一度見たCGも購入しないとギャラリーに追加されない。
  • 一つのフロアに長くとどまっていると「生ぬるい風」が発生し、それでも留まっていた場合、死神というモンスターが出現する。

評価点

やたら胸に拘った設定

  • 愛那の目的は巨乳であり、ωパワーは胸に溜まる、バストサイズが強さに直結するなど清々しいほどに胸の事に力が入っている。
    • 鑑定も未鑑定アイテムを胸に挟むことで胸に溜まっているωパワーを注入するという理由。

個性的なキャラクター

  • 愛那を始めとしたキャラクターはしっかりと差別化されており個性的のため好評。サブキャラも妖精のパイは巨乳に挟まるのが好きなどやたら濃い。
    • ただ胸が膨らむというゲームで5人中4人が元々巨乳のため胸に拘りがない、というのは少し気になるかもしれない。

お色気要素

  • 悶絶☆覚醒、罠などとにかく随所にサービスシーンが盛り込まれているため見ていて飽きない。CGと違いボイスつきでキャラが反応してくれるのも嬉しい所。
    • 特に悶絶モードのCGはキャラの反応含めてかなりギリギリまで攻め込んでいる。
      • 逆に言うと人前ではとてもじゃないがプレイできないと言う事でもあるが。
  • CGとして見ても、すべてがタッチ可能なお色気CGと非常に突き抜けている。

マイク

  • 流れる曲はキャラのイメージに合っており、しかもフルサイズ。またどちらが歌っても2人共に必中効果がつくため好きなキャラに歌わせる事ができる。
    • 特殊効果に必中の装備もあり、マイクも割と拾える上に店売り品のため歌を聴くためだけのアイテムとしても手軽に使用できる。

イロモノなゲーム内容に対してローグライク初心者向け

  • パートナーを連れ歩け、悶絶☆覚醒で基礎能力を強化、スキルを習得でき、クリアまでに強力な装備を入手しやすいため、クリアまでならローグライクとしての難易度はかなり低い。
  • クリア後のチャレンジダンジョンは流石に難易度があがるが、それでもローグライクとしてはそこそこ易しい方。

賛否両論点

キャラ格差

  • なこが便利すぎる。腕力が5人で一番低く、攻撃スキルを一切覚えないが、覚えるスキルが「満腹度20%回復+そのフロアで満腹度減少なし」「フロア中自然HP回復量増加(重ね掛け可)」「2人のHP50%回復+悪性状態異常回復」「満腹度100%回復」とローグライクとして破格の性能。またパッシブスキルも「アイテムドロップ率アップ」「入手ωパワー上昇」「悪性状態異常確率無効化」と強力。
    他のキャラにも強力なスキルはあるが、補助スキルがなこに一極化しすぎている。
  • 逆に美玲は不遇。魔力が微妙なのにスキルが魔力依存であり、対策ができない装備弾き(+呪い、錆)確率無効化という一見強力なパッシブスキルを持つものの、スキルレベル最大でも全く実感できないほどに確率が低い。このスキルが高確率だったら評価は大きく変わると言われるほど。

強力すぎる武器

  • ωソード【改】
    • その気になればクリア前でも作れるにもかかわらず、射程3マスの貫通武器という凶悪な性能であり、最終的にこの武器一択となる。さらに特殊効果の必中はこの武器を合成した時にランダムでセットされているため、素材としても最重要の武器。
      • 聖女の槍というこの武器を合成素材とする装備があるが、何故かこの武器と同じ効果で攻撃力が下となっている。
  • 聖女の杖(なこ限定)
    • 腕力ではなく魔力を参照するため、腕力が低いが魔力が5人でトップのなこに持たせるとかなり凶悪になる。また特殊効果に腕力を大幅にあげるものがないのに、魔力を大幅に強化するものがあるのもこの武器には追い風。

胸に拘っている割にあまり拘っていない胸のグラフィック

  • 上記の通り胸の見た目は各キャラ4種類しかない、BカップとFカップの見た目が一緒となれば流石に違和感しか感じない。
  • またアダルトゲームにありがちな設定と見た目が一致しない、というのもある。胸が膨らむためその違和感がより一層強い。
    • Bカップの愛那とDカップのなこ、紗衣里で明らかに別次元の大きさ*1であり、極端な所だとKカップまで成長した愛那とデフォルト(Fカップ)の真理華で互角の大きさとなっている。
    • シナリオ面はともかくシステム的には大きい事が正義のため、デフォルトの大きさが良いというプレイヤーには辛い部分がある。

素潜り

  • 本作は上記の通り悶絶☆覚醒のステータス強化があり、これで強化された基礎ステータスを戻す事はできないため、本当の意味での素潜りができない。そのため慣れているプレイヤーとしては持ち込み不可のダンジョンでも物足りなく感じる事も。

問題点

愛那以外の加入が遅い

  • 唯一紗衣里が序盤からいるが、彼女は胸の大きさを誤魔化しているという設定から、鑑定が行えず事実上のパートナー専用キャラとなっている。
    • 一旦離脱後、再加入時に鑑定可能になる。
    • 紗衣里と入れ替わりでなこが加入するのは、物語が折り返し地点を超えた辺りとなる。つまり、物語の半分近くを愛那でプレイしなければならない。

壺がない

  • 壺がない事でアイテム管理が非常に面倒、また悶絶香はスタックできないためアイテム欄を圧迫する。
  • また壺がないにもかかわらず、アイテムを保護*2できるのは装備品とパンのみで、本や杖などは泥棒やパン変化などからピンポイントで守る手段がない。

敵関連

  • 敵の種類が少ない。ボスモンスター含めて52匹。当然種類別に分ければ更に減る。
  • 厄介すぎる敵「ウッキー」種
    • 石とアイテムを全て未鑑定状態に戻す「ワスレ薬」というアイテムを投げてくる敵。ワスレ薬が効かないパートナーを壁にするのが定石だが、ルーチンがワスレ薬の射程3マス(石は4マス)からまず近寄ってこない。そのうえ飛び道具で倒そうと思うとHPが高め。
    • 追い打ちをかけるように地面に落ちているアイテムを投げる能力まで持ち合わせている。一応地面にアイテムを置く事でオトリとして近寄らせる事ができるが、そもそもこんな厄介な敵に地面のアイテム投げまで持たせている事自体がおかしい。
  • 「ヨロイ」種
    • 所謂装備弾きをしてくる敵だが、今作には装備の特殊効果やセット効果でも装備弾きを防ぐ手段がない。防ぐ手段は美玲のパッシブスキルだけだが、上記の通り発動率が壊滅的に低い。最上位種ともなると、装備全てを一度に弾いてしまう。ブラとパンツをどうやって弾くのかは謎
      • パートナーと別れている時にパートナーの装備を弾かれてそのまま倒され、気付かず階段を下りるという悲劇も多発した。
  • 「シニガミレイス」
    • ローグライクにおいてまさかの即死攻撃持ち*3
    • 防ぐ手段はクリア後ダンジョンの「魔物の塔」クリア報酬の「聖女のブラ/パンツ」のセット効果のみ。
      • シニガミ種の最上位モンスターのため出番は多くないが、出てきた時のプレッシャーは他のモンスターの比ではない。

パートナー

  • あまりAIが賢くない、基本的にプレイヤーを追従し、自分から積極的に攻撃をしない。それだけなら余計な戦闘をしないためいいのだが、作戦に積極的に攻撃をする命令がない。
    • またスキルの使い方もお粗末、あと一撃叩けば倒せる敵の目の前で補助スキルを使うなど日常茶飯事。スキルを使用しない命令はあるが、使用率を減らす命令はない。パートナーにもスキル回数があるが(クリームパンを投げる事で回復可)、残り回数を見る事ができない。
  • バストサイズが成長しないため、深く潜れば潜るほど力不足が目立ってくる。クリア後のダンジョンの深部になると装備とレベルにもよるが2~3発で倒されてしまう。
    • 元々一番胸が大きい真理華でもKカップ時と比べてHP以外11もステータスに差がある。参考までに悶絶☆覚醒をカンスト(レベル30)して悶絶香に対応した基礎ステータスに+10のため、バストサイズの補正は非常に大きい。胸が小さい愛那に至ってはKカップ時と17も違う。

  • 罠が全て白一色のため、非常にわかりづらい。
  • キャラ毎にCGがある罠があるが、罠を踏んだ時の台詞が終わるまではタッチはできるが、CGを閉じる事ができない。

もっさりしたモーション

  • トルネコの大冒険3』でもあった問題だが、全体的にモーションがもっさりしている。そのため罠に気付いても踏んでしまうといった問題もそのまま残っている。
    • 敵の攻撃やバフ、デバフもいちいちモーションが長く非常に面倒、その一方で最重要の生ぬるい風には何もエフェクトがついていない。

悶絶☆覚醒

  • 演出は非常に好評だが、強化としては一回一回が長いため、やはり繰り返していると飽きるという意見が多い。スキップできるが経験値効率が落ちるため、それも憚られるという二重苦。
    • また悶絶香は倉庫に預けていても問題ないが、悶絶☆覚醒用のアレと本は所持していないと悶絶☆覚醒中に使う事ができない。
    • 悶絶☆覚醒用のアレは各キャラ2種類あり、2つ目のほうは上位アイテムなのだが、悶絶モードでのグラフィックには変化がない。一応下位より悶絶モードに突入しやすいが数回タッチ回数が減る程度であり、かなり拍子抜け。
    • 真理華は猫好きという設定からタッチすると猫の鳴き真似を多用するのだが、これが小林ゆう氏の声質も相まって、悶絶☆覚醒なのに萎えるという評価が非常多い。誤解がないように言っておくと、この声真似以外のボイスに関する不満は特にない。

賢者の洞窟

  • 所謂パズルダンジョンだが、その中に運ゲーのものが混じっている。
    • 「複数設置してある地雷をアイテム投げで発動させ、動けないモンスターたちを倒す」というものだが、地雷が作動するかはランダムであり、また地雷は1~3回使用でランダムで壊れてしまうのに、3回当てないと倒せない。最悪運が悪いと詰む。
      • また画面全体攻撃を持つ愛那や2回行動を持つ紗衣里だと無理矢理突破できてしまう事も。

ブラ、パンツ

  • 武器、盾は強化の本があるが、ブラとパンツにはない。そのため地道に合成するしかないが、特定のダンジョンのクリア報酬でしか入手できず、ダンジョンを何度もクリアしなければならないものもある。
    • 装備しても見た目が変わらない(紗衣里に至ってはサラシ)、もっとも見た目が変わったら透明なブラは完全にアウトになってしまうが。

DLC衣装

  • おそらく胸の差分を作るのが面倒だったため、変更してもホーム画面でしか適用されず、ダンジョンにその衣装で入る事ができない。

総評

胸が膨らむダンジョンRPGという物凄いイロモノな内容とは裏腹に、ローグライクとしては割と無難な出来。
問題点は少なくないが、初心者向けの難易度のためキャラクターやお色気要素が気に入れば気楽にプレイすることができる。


その後の展開

2017年7月6日に様々な追加要素を加えて、より大きくカオスになった続編『オメガラビリンスZ』が発売した。

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最終更新:2022年02月19日 12:46

*1 作中でもなこの胸は凄い、規格外とDカップとは思えない評価をされている。

*2 トルネコで言うところのメッキ、祝福。

*3 死の宣告はシニガミ種の下位モンスターが取得している