Q

【きゅー】

ジャンル 物理演算パズル
対応機種 ニンテンドー3DS
(ニンテンドー3DSダウンロードソフト)
メディア ダウンロード専売ソフト
発売元 リイカ
開発元 デジタルワークスエンターテインメント、リイカ
発売日 2015年11月18日
定価 700円(税8%込)
プレイ人数 1人
セーブデータ 1個
レーティング CERO:A(全年齢対象)
判定 良作
ポイント ルールはシンプルだが、難易度はかなり高い
決まった解法はなく解き方は自由
ノーヒントで救済は特になし
Qシリーズ
One版 / 3DS版 / REMASTERED

概要

2015年1月9日にスマートフォンでリリースされた同名タイトルのパズルゲームの3DS版。
「ゲームデザイナーから全人類への挑戦状」という強気なキャッチコピーが示す通り、高い難易度を誇る物理演算パズルゲーム。
本作ではスマートフォン版から厳選された200問と、3DSオリジナル問題の100問の合計300問が収録されている。
3DSオリジナル問題では3DSの2画面機能を活かした問題であることが多い。

なお、3DS版への移植はDWEことデジタルワークスエンターテインメントが担当している。

ルール

  • 各問題ごとに目標が設定されており、その目標を達成することでステージクリアとなる。達成した瞬間クリアとなるもの、達成している状態を3カウント維持すればクリアとなるものの2種類がある。
    • 目標は「ボールを赤いエリアに触れさせる」「ボールを箱から出せ」などのように視覚的にも分かりやすくなっている。
      • 一部、「察しろ」という投げっぱなしの目標もある。
  • プレイヤーは画面内の黒いエリアであれば自由に線を引くことができる。直線だけではなく、曲線を描いたり、ボール状にしたりといったことも可能。
    • 線を引き終わる(画面からタッチペンを離す)と描いたものは重力に従って落下する。逆に言うとタッチペンを離すまでの間は空中に留まる。
      • 重力の方向は基本的に下方向だが、一部の問題では違う方向に働いている。3DSステージでは重力の方向を示す矢印がお題の横に示されている。
      • プレイヤーが取れる手段は、落下・重力加速・てこの原理・タッチしっぱなしによる固定など、多岐に渡る。
      • 描いたものの重さは描いた量によって変化する。同じボール状であっても中までしっかりと埋めたものは重くなる。
    • 最初から描かれているオブジェクトやすでに描いたものに重ねることはできない。
    • 問題によっては黄色いオブジェクトが配置されている場合もあり、描いたものが触れると重力の法則に従って動き出す。
    • 青いエリアや3DSの上画面に相当するエリアには描くこと自体できない。
    • 一度描いたものを消すことは不可能。そのため、場合によっては描いたものによって妨害されてしまいクリアできなくなるという事態もありえる。
      • 壁がないステージであれば、壁の外に押し出してやれば消すことはできる。
    • プレイヤーができる行動としてはこれだけであり、描いたものを使って問題の目標クリアを目指す。
  • Lボタンを押すとその問題を最初からやりなおせる。十字キーの上を押すとクリアを諦めステージ選択画面に戻る。
  • 1ステージは20面で構成されており、最初は1~10面が選択可能。この内7面をクリアすると11面~20面が解放される。
    そして、そこからさらに7面クリアすることで次のステージが解放される。
    • 次ステージ解放に関しては1ステージ分で複数解放されるものもある。
  • ステージをクリアすると、最短手数(クリアするまでに描いたものの個数)が自動的に記録される。

評価点

自由度の高いパズル要素

  • 公式サイトでも書かれているが、本作は決まった解法がなく、プレイヤー次第で解法が変わる。
    • 地道に目標クリアを目指すか、半分運頼みの一発クリアを目指すか、といったこともプレイヤーに委ねられている。
    • 一部のステージではあるが、明らかにゴリ押しとしか言えないパズル要素0の解き方をすることも可能。
  • 自由度の高さゆえに、色々と試行錯誤した結果クリアできたときの達成感はひとしおである。

バリエーション豊富な問題

  • ボールを特定ポイントに導け、といったシンプルな課題から「ヒーローを立たせる」といった課題まで様々な課題が用意されている。中には他のゲームのパロディ*1も。このため、問題によって用いるべき解法も大きく変わってくる。
  • ステージによって初期配置のオブジェクトは様々な特性を持つ。
    • ゴムのような弾力性を持っていたり特定の場所で固定されてたり押すと回転したり。
    • 何の特性のない初期オブジェクトも、それはそれで厄介だったりする。開始早々「憂鬱」という字がばらけながら落下してくるというステージもある。
    • 基本的に「一定の重力方向に落下し、軽くバウンドして止まる」という挙動だが、やたら弾性が強いステージ*2重力方向が渦巻いているステージまである。
  • 一部の問題は、問題の作成者のHNが記載されている。

3DSとの相性の良さ

  • 3DSは感圧式タッチスクリーンにより、細いタッチペンによるピンポイントなタッチ操作が可能となっている。
    • 機種性能に由来する極端な処理落ちもなく、ほぼすべての3DSで安定して動作する。プレイ環境の快適性はかなり高い。

ロード時間がほぼない

  • プレイ中はロード時間がほぼない。何度もやりなおすことが多いゲームだけに、ロード時間がないのはかなり大きな評価点と言えるだろう。

賛否両論点

非常に高い難易度

  • 公式サイトでも「激ムズ」と謳われているが、実際パズルゲームとしての難易度は非常に高い。
    • ひらめきも重要となるゲーム性であるため、すぐにひらめけば数分でクリアできる場合もあり、逆に何時間やってもクリアできない場合もある。
    • しかしながら、この高い難易度が達成感・中毒性を生み出しているのは間違いないので、一概に問題点とは言えない。
  • 問題を一定数解かないと新しい問題が解放されないので、どこかでつまづくと新しい問題に挑戦できなくなってしまう可能性がある。
    • とりあえず色々な問題をやりたい場合はこの仕様が足枷となるかもしれない。基本的に先に進めば難易度が上がるのだが、新ギミックが導入されるケースではその限りでないため、本来十分解けるはずの問題への挑戦すら阻まれうる。

自由度の高さゆえのシビアな判定

  • 物理演算を利用していることもあってか、同じようなものを描いたとしても結果が大きく変わるという事態がしばしば発生する。
    • ちょっとしたズレで大きく結果が変わる上、一手ごとのやりなおしは不可能。問題によっては解法が分かっても、事実上運良く成功することを祈るのみ…といった場合もある。
    • 微妙な差異でも物理法則の影響を受け、摩擦があまり考慮されていないこともあって何もしていないのに真っ平らな場所でボールが少しずつ転がるということもある。
    • 常に場の状況が変化しているようなステージだと、再開するたびにオブジェクトの挙動が微妙に異なっている。
  • 本作の問題は(解法をひらめくまでの時間、または前述の「運良く成功する」ことを求めて試行回数を稼ぐ時間を除けば)クリアするまでに極端に時間がかかるものは存在せず*3、最初からのやりなおしもボタン一つでテンポ良くできる。あるいは、これも一つのシステムと言えるかもしれない。

問題点

ヒントがない

  • 難易度が高い一方で、ゲーム内でのヒントは一切なし。
    • チュートリアル的なものとしてステージ1が存在し、基本的な攻略方法は分かるようになっているが、残念ながらそれだけでは後の問題を攻略するには不十分と言わざるを得ない。ステージ2以降の問題は、どうしても解法を導き出すためのひらめき・発想力が必要となってくる。
    • 描けるものに制約が存在せず、発想力が及ばないと何を描けばクリアできるか、という目算さえできない。このためクリアは非常に難しい。
  • ゲーム的にはヒント≒答えとなる部分も大きく、ヒントを出しづらいという事情もある。
    • ヒントが存在しないことを重く見たのか否かは定かではないが、公式ヒント動画として一部の問題の攻略動画(結果としてクリア済なので、ヒントというよりは「答え」そのものなのだが)が公式サイトで公開されている。
      前述したシビアな判定ゆえに「ヒント動画の通りに描いたのにクリアできない」という嘆きの声もないわけではないが…。

総評

シンプルなルールではあるが、公式が謳うようにかなりの高難易度である。
物理演算系のパズルゲームは特にスマートデバイスでは珍しくないが、その中でも自由度の高さは群を抜いていると言える。
一つの問題そのものはかなりシンプルであり、解法が分かったときにクリアまでに30秒も掛かる問題はほとんどないというシンプルさも売りの一つ。

このようなシンプルさゆえに中毒性も秘めており、気づけば一つの問題に長時間没頭しているということもあるだろう。
一方でヒントのないストイックさゆえに、軽い気持ちで手を出すと結局クリアできないまま放置してしまいやすく、どうしても人を選ぶ面は否定できない。

3DSで高難易度のパズルゲームを探している、あるいは物理演算系のパズルゲームが好きならば、本作に挑戦してみてはいかがだろうか。

その後の展開

  • 2022年7月28日、Nintendo Switchにて本作のリマスター版『Q REMASTERED』がダウンロード専用タイトルとして発売された。

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2015年 3DS PZL
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最終更新:2023年11月26日 08:12

*1 「お相撲さんに勝て」というお題でスーパーマリオブラザーズのクッパとの対決場面を再現したステージ、細長いブロックを隙間にはめ込んだらブロックが消えてステージクリアとなるテトリスのようなステージなど。

*2 この手のステージはブロック崩しやインベーダーゲームを模したデザインになっている。玉の数に制限はなく、ゲームオーバーもないので本家ではありえないような弾幕を張ったりなどの楽しみ方もできる。

*3 ただしシステムの性質上、解法は必ずしもひとつとは限らないため、見出したのが遠回りな手段だった場合は大いにかかってしまうこともある。