キッドのホレホレ大作戦
【きっどのほれほれだいさくせん】
ジャンル
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パズルアクション
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対応機種
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アーケード
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販売・開発元
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日本物産
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稼働開始日
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1987年
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配信
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アーケードアーカイブス 【PS4】2016年2月12日/823円(税込) 【SWITCH】2018年8月9日/823円(税込)
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判定
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なし
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ポイント
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『平安京エイリアン』をアレンジ 可愛らしい見た目に反してバイオレンス
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概要
23世紀から時空迷宮に迷い込んでしまった「キッド(1P)」と「マック(2P)」を操作し、様々な時代を進みながら元の時代へと戻るのが目的。
システムは『平安京エイリアン』がベースにアイテム等の独自要素を追加した全32面ループの交代制パズルアクションとなっている。
システム
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ステージ上に点在する「宝箱」を全て集めると「鍵」が出現し、取ることでゴール地点となる「扉」が開き、入る事でクリアとなる。
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「現在」「原始時代」「江戸時代」「戦場」「未来」といった時代が存在し、1ステージ毎に違う時代へと飛んで行く。
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自キャラは敵や特定のステージのギミックに触れると死んでしまい、ミスとなる。残機がなくなるとゲームオーバーだがコンティニューは可能。
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攻撃手段は基本的にはボタンを押す事で穴を掘り、敵が落ちた所で埋める事で倒す事が可能。敵が埋められた場所には「墓」が出来る為、再度掘る事は出来ない。
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敵は倒したそばから次々と復活していくため、同じ場所で埋め続けていくと次第に穴を掘れる場所が少なくなり不利になっていく。
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敵は落としてから完全に埋めなければ時間経過で復活してしまう。『平安京エイリアン』と異なり、別の敵が穴に落ちた敵を助けることはない。
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掘った穴に自分が入るとそのまま抜けれなくなり、時間経過で埋葬されてミスになってしまう。
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クリア時には「墓」の数に応じたボーナススコアがもらえるので、エクステンドを狙って積極的に敵を埋める事も大事。
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32面のみは「魔王ダンテ」との対決となっており、敵の攻撃をかわしながら全ての「宝箱」を集めるというアクション性の強いステージになっている。
ステージのギミック
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ジャンプ台:踏みつけてから一定時間の間に4方向のキーを押す事でその方向へ向かってジャンプすることが出来る。歩いて通り抜けできない場所へ一気に移動できる。
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ワープゾーン:進入することで別のワープゾーンへとワープする。
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扉:プレイヤーのみが開けることが可能。開ける事で敵を跳ね飛ばしたり、自分を跳ね飛ばす。跳ね飛ばされて敵に接触してもミスにはならない。『マッピー』の扉のギミックに近い。
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水:落ちると即ミスとなる。
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ステージ上に点在する「?」マークを通過するとアイテムを入手可能。
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火炎放射器:一定時間、火炎放射器を装備し、穴掘りボタンを押す事で火炎放射で敵を直接倒す事が可能。
汚物は消毒だ~!
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冷凍銃:一定時間、穴掘りボタンで発射する弾を当てる事で敵を氷漬けにする。氷漬けになった敵は接触する事で吹き飛ばして倒す事が出来る
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ヨーヨー:一定時間ヨーヨーを装備し、穴掘りボタンで攻撃が出来る。戻り際にも判定があり、一撃で倒す事が可能。
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なお、上記の装備アイテムを装備中は穴を掘る(埋める)ことが出来ず、倒した敵も「墓」にはならない。
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ローラースケート:移動速度が上昇する。
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スコップ:一度に掘れる穴が増加する。
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敵を倒した際にもアイテムを落とす事がある。
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アイス:一定時間、すべての敵が凍り付く。
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時計:一定時間敵が鈍足になる。
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ミラクルボール:一定時間敵が止まる。
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ダイナマイト:ダイナマイトを設置可能になる、ダイナマイトは一定時間後に『ボンバーマン』風の爆発を起こす。自キャラも含めて爆風に触れると死んでしまう。
評価点
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グラフィックが可愛らしい。主人公の「キッド」をはじめ敵キャラの全てもSD調で愛嬌のあるグラフィックで描き込まれており、アニメーションも豊富
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ニチブツサウンドと呼ばれる特徴的なBGMが小気味よく流れる。また、各時代のBGMもステージに非常にマッチしている。
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装備アイテムを取った時の爽快感。
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かなり長い時間、敵を一方的に虐殺する事が可能、その気になれば穴を一切彫らずにアイテムによる虐殺のみでクリアする事も出来る。
ホレホレ大作戦とは…
問題点
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難易度が高い。
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何も装備していない時は敵を倒すのに「穴を掘る」「誘い込む」「埋める」といった3つの動作が必要となるので多くの敵に対応しづらく、ミスをして装備を失うと復活が難しい
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スコップを入手してたくさん穴が掘れるようになると、うっかりほった穴にはまってしまう事も多くなる。
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操作が若干固く、扉などクセの強いアクションも多いので慣れるまでは凡ミスを繰り返すことになる。
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敵が無個性
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種類こそ多いが、各敵の動きはほぼ同じなのでグラフィックが違うだけになっている。
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やたらとバイオレンス
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自キャラは可愛らしい少年でありながら、火炎放射器で警官や強盗をまとめて焼き殺したり、そもそもの攻撃手段が「埋葬」だったりと
ほのぼのとしたグラフィックやBGMに反してやたらとバイオレンスな内容になっている。
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戦場ステージでは火炎放射で敵を焼き払ったり、落とし穴に落ちた兵士を埋めたりするのでわりとガチな戦場になっている。
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『平安京エイリアン』に比べ、グラフィックの表現力が上がっているため、人を生き埋めにしたり、生身の人間に火炎放射を行うといった表現がより生々しく見えてしまうのも問題。人によっては不快に感じるかもしれない。
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倒した敵はドクロマークを浮かべて消える(墓になる)ぐらいなので、そこまで過激な演出ではない事も付け加えておく。
総評
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操作性や敵の無個性に難があり、また、ベース元の『平安京エイリアン』の要素は迷路の形と、敵を埋めるぐらいでしか残っておらず、
装備アイテムによる虐殺があれば、穴を掘る事も疎かになってしまうと、ゲームの方向性が若干ブレてしまった感がある。
ただ、登場キャラやBGMはよく、「宝箱」によるドットイート要素、『マッピー』や『ボンバーマン』を思わせるギミックはうまく溶け込んでいるので、パズルアクションゲームとしての魅力は感じられる。
移植
FC版『ブービーキッズ』:1987年7月10日/日本物産
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題名こそ異なるが、本作のアレンジ移植となる。グラフィックやBGMなどの基本部分は共通しているがステージ構成が大きく異なる。
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FC版のタイトル自体は元々AC版開発時のタイトルでもあった。
PCE版『ドラえもん 迷宮大作戦』:1989年10月31日/ハドソン
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キャラやBGM等を『ドラえもん』に差し替えたアレンジ移植。『ブービーキッズ』よりも本作寄りな作りになっている。
「火炎放射」や「ダイナマイト」等の過激な武器は描き変えられたが、システムは同様なので本作のバイオレンスな部分をドラえもんが担う。
余談
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本作のSEは、後にフジテレビのクイズ番組である『クイズ!年の差なんて』に使用されていた。
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NGワードを紹介する時に出る音と言えば、「ああ!」と思い出す人もいるだろう。実はこの番組、他にもいろいろなゲームのSEや音楽を使用している。興味がある人は調べてみるといい。
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本作の開発を手掛けた藤原茂樹氏によると、ファミコンの『ボンバーマン』に影響を受けて企画したという。後に藤原氏はハドソンに移籍し、『ボンバーマン』シリーズのディレクター・プロデューサーを務め、対戦モード「バトルゲーム」を考案している。
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また『ボンバーマン (PS)』には開発者繋がりなのか、本作のコーヒーブレイク時に流れる火の輪くぐりの場面が登場している。
最終更新:2021年05月17日 23:00