聖闘士星矢 冥王ハーデス十二宮編
【せいんとせいや めいおうはーですじゅうにきゅうへん】
ジャンル
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新小宇宙対戦アクション
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対応機種
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プレイステーション2
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メディア
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DVD-ROM 1枚
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発売元
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バンダイ
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開発元
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ディンプス
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発売日
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2007年2月1日
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定価
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6,800円(税別)
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判定
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なし
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ポイント
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前作の問題点を大きく改善 ゲーム性向上。格ゲーとしてもまずまず 相変わらず充実のデータベース 星矢ファン「だが許さぬ!」
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聖闘士星矢シリーズ
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概要
前作、『聖闘士星矢 聖域十二宮編』が興行的に成功したため作られた続編。開発は引き続きディンプス。
ポセイドン編(及びTVアニメオリジナルのアスガルド編)は飛ばし、OVAで展開中だったハーデス編の前章的な黄金聖闘士が冥闘士として甦り十二宮に攻め入る十二宮編をなぞった作り。
評価点
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前作と比べ大幅に向上したゲーム性
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もっさりしたモーションは改善され、高速かつ激しいバトル展開になった。
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また、規定のみのコンボが廃止。チェーンコンボ制になり駆け引きが増した。
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キャラにもよるがコンボの組み合わせは相当で、浮かし、吹き飛ばしからの追撃も豊富。
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ビッグバンカウンターの難易度が上昇。ビッグバンアタックの存在意義が大きく上昇した。
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まず、カウンターを行うためのボタンが○ボタン固定から4ボタンのどれかに変更されたため、とっさの判断が求められる。
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さらにカウンターが成功しても、カウンター側はアタック側が連打とボタンに合わせてリズムゲーの要領でボタンを入力する必要があり、すべてを成功させて初めてカウンターが成立する。
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前作同様、これらも2回目以降は難易度が低下する。聖闘士に同じ技は二度通じぬ!
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前作で不参加だったアイオロスもアニメ必殺技の「アトミックサンダーボルト」を引っ提げ参戦している。
問題点
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ストーリーが薄い
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冥闘士が三巨頭しか登場しないため、ストーリーの大半がダイジェストで終わっている。
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しかも十二宮編とうたっているため、ハーデス城に攻め込むというタイミングで終わり。尻切れ状態である。
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キャラが少ない
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前述の通り冥闘士は3人しかおらず、敵サイドは冥衣をまとった黄金聖闘士が中心。
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したがって、大半は聖衣の色が違うだけのコンパチという事である。
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原作でも敵が地味だったが、地伏星ワームのライミや地暗星ディープのニオベはともかく、ムウと互角の戦いを繰り広げた地妖星パピヨンのミューがいないことはよく不満に挙げられる。
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新システム「聖闘士スマッシュ」の存在。
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特定の攻撃をヒットさせると、このモードに突入。攻撃側と防御側に分かれて3つのボタンのうちどれかを選択してアクションを行うのだが非常にテンポが悪く、せっかくの高速バトルの爽快感が削がれる。
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『ドラゴンボールZ3』のドラゴンラッシュに当たるシステムなのだが、ドラゴンラッシュも同じ理由で批難対象になった。
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ドラゴンラッシュ同様に1/3の正解を外し続けると即死級のダメージを受けてしまうのも問題である。
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ほぼ全キャラに単純なハメがある。
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小技のヒットバックが大きいので、タイミングはシビアだがパンチ→軸ずらしが永久コンボになる
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これに加え、一部キャラは投げが永久コンボになる。小宇宙バーストで抜けることは可能だが、こんな単純なハメが存在していること自体、格ゲーとしてはお粗末である。
総評
前作のもっさりバトルの不満点は見事に解消したのだが、聖闘士スマッシュや単純なハメの存在など別な問題があったり、気持ち悪いぐらい忠実と言われた原作再現も中途半端になってしまい、ファンディスクとしても微妙な作りに。
しかし、後発作品のバトルの基礎を作り上げた作品としては、一定の評価はできるだろう。
余談
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本作はファンには因縁深い「キャスト変更騒動」の後に発売された作品であり、ファンと原作者サイドが揉めに揉め、原作者サイドが火に油を注ぐ発言をした後の作品であるためか、あおりをモロに食らうハメとなり不買運動に発展。発売2週目にしてワゴン価格になってしまった。
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騒動が有ったのは2005年の10月なのだが、本作発売の半年前にあたる2006年8月に初代ドラゴン紫龍役の鈴置洋孝氏が急逝。
二度と初代キャストが揃うことが出来なくなり、当時の騒動が再び蒸し返される事になってしまった。
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売上が振るわなかった為本作でシリーズは一時凍結。続編の『聖闘士星矢戦記』発表まで4年9ヶ月もの歳月を要した。
最終更新:2023年04月29日 11:34