激次元タッグ ブラン+ネプテューヌVSゾンビ軍団
【げきじげんたっぐ ぶらんぷらすねぷてゅーぬばーさすぞんびぐんだん】
ジャンル
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ねぷねぷマルチアクション
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対応機種
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プレイステーション・ヴィータ
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発売元
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コンパイルハート
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開発元
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タムソフト
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発売日
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2015年10月15日
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定価
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通常版:7,344円 限定版:10,584円 DL版:6,480円(全て税込)
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レーティング
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CERO:D(17才以上対象)
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判定
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バカゲー
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ポイント
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シリーズ初のマルチモード搭載
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ネプテューヌシリーズ
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概要
『ネプテューヌ』シリーズのスピンオフでブランが主役のアクションゲームだが、システムとしては『U』にオンラインCO-OPモードを導入した続編といったところ。
世界観は従来通り『U』含めた他作品とは繋がっておらず、女神や一般人が通う学園を舞台とした物語となっている。
特徴
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操作キャラは計14人(変身状態を別個カウントで28キャラ分)。『U』に登場した10人は全員続投し、加えて本編『V』『VII』よりプルルート/アイリスハート、ピーシェ/イエローハート、天王星うずめ/オレンジハートが参戦。
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さらに、前作『U』から引き続き開発を担当したタムソフトがようやくメーカーキャラとしても参戦。
モチーフはもちろん『閃乱カグラ』なのでシナリオでの説明もなく当然のように変身できるが、忍転身に比べると装飾が追加される程度で変化は乏しく、位置づけはやはり記者二人のデンゲキコとファミ通ちゃんに近い。
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ちなみに『V』に登場していたマーベラスAQLも閃乱カグラモチーフだが、彼女が完全に忍者だったのに対して、タムソフトは剣士タイプのキャラクターとなっている。
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なお、非女神キャラ3人の仕様自体は女神と同等のものへと近づけられた。
システム
『U』からの変更点
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戦闘
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エグゼドライブゲージがボタン押しっぱなしでチャージできるようになった。
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コスチュームブレイクが削除された。
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当然残念がる声がかなり多いが、今回は外見、精神年齢共に5歳前後で初等部と明言されているピーシェがいるため実装できないのも仕方ない、という意見も多い。また『U』含めた他作品では年齢不詳のロムとラムも今回は初等部と明言されている。
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後にアップデートで『U』に登場した10人の破れコスチュームのみ追加された。
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アシストキャラの追加。
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スキルで消費するSPは時間経過による1ストックチャージ制に変更。
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これにより、前作ではSPコストに泣かされた(=回復アイテムのドロップに頼りがちだった)キャラもスキルを頻繁に使えるようになった。
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また今回は4つのスキルと超必殺技「エグゼドライブ」・合体技「リリィスペシャル」は最初から使用可能。
通常の2ボタンでの攻撃はその一部を後述するアビリティポイントの振り分けで習得することになる。
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カスタマイズ
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今回はレベルアップ自体で上がるのはアビリティポイントのみ。これを振り分けることでステータスの上昇や通常攻撃パターンの追加を行うことになる(APは一部のトレジャーでも獲得可。後に振り直し可に)。
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武器ごとに「アプデ容量」が設定され、その分だけ装備できる強化パーツ「アップデートパッチ」が登場。
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「アップデートパッチ」アイテムには使用回数制限が設定されており、一定回数クエストを行うと消滅する。難所となるクエストに挑戦する際に予めつけておく補助アイテムと言った扱い。
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アクセサリが追加された。
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プロセッサの代わりに装備することができる、黒歴史パーツという特殊な装備類が追加。入手がかなり難しいが強力。
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トレジャー
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『U』のメダルに相当する要素。
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特定の敵が落とすパーツを5種類集める事で、対応するアイテムが入手できる。
ストーリーモード
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『U』と同様に2人の操作キャラを随時交代するデュアルシステムが使用可能。
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『U』では全員が初期から使え、一部ミッションでのみ選択が制限されていると言う形だったが、今回はシナリオ進行で全ステージに解禁されていく本流シリーズ通りの形式を取る。
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ストーリーは端的に言えば『廃校寸前の学園を舞台にゾンビ退治しながら、ブラン執筆の自主製作映画を作り上げる』というもので、アクションパートがそのまま体当たりロケという体になっている。そのため通常会話&台本パート→アクションパート、という流れのステージが多い。
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ステージ毎に特定キャラの出撃によって、映画に登場するキャラが変化するギミックがある。あくまでオマケ要素のためシナリオには何一つ影響は起きない。
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ただし、ネプテューヌとブランは映画の主人公とヒロイン役で出ずっぱりなので必然的にこの要素は適用されない。また後半加入のうずめ、プルルート、ピーシェも代役として登場する機会はない。
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他にも、条件を満たす事で本編とは関係ない「楽屋裏トーク」が発生する。
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ラスボスはかつてゲイムギョウ界の闇に葬られた黒歴史を象徴する「八魔神」の一体、ハチマジーン。
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マルチモードで他の八魔神とも対決可能で、倒すことで前述の黒歴史パーツを入手できる。
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ちなみに、八魔神のモチーフはゲーム関連で物議をかもした諸々。
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このWikiでも黒歴史判定を喰らっているバーチャロンマーズ、3DSのご先祖様たるバーチャルボーイなど、本作ラスボスを張るヤツの元ネタは某まとめサイトだが、ネタ元が反応していたりする。
マルチモード
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4人まで参加可能の協力モード(Wi-Fi、アドホック対応1人プレイ可)。ストーリーモードとは全く異なる専用クエストが用意されており、ハチマジーン以外の八魔神とはここでしか戦えない。
それ以外にもVIIのダーク女神も登場する上、大型敵には全員登場演出あり(コンパチも割といるが)。
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この中には曜日限定クエストも存在し、日曜日は昼12時から2時間毎に月~土のクエストに更新される。
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曜日限定クエストでなければ入手できないアイテムもある。
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ストーリーモードで解放されてないキャラも使え、レベルは共有。
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ただしこのモードではデュアルシステムや戦闘中の変身は不可能。変身前14人+変身後14人の28人の中から操作キャラを選ぶことになる。
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代わりにエグゼドライブゲージを消費して、倒れた他プレイヤーを復活させる「エグゼキュア」が使用可能。
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リリィスペシャルはエグゼドライブをチャージ中のプレイヤーの傍で、別のプレイヤーがエグゼドライブを発動orチャージをすることで発動する。
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複数人でのプレイを前提としているため、敵のステータスが高めでソロだと結構厳しい塩梅。
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効果的なキャラを使って立ち回ればソロでも充分クリア可能だが、時間制限があるので半端なステータスでは勝利出来ない。
評価点
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女神11人全員が操作キャラとして登場する。
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Re;Birth3では不安定だったプルルートの演技も、Vに近いものへと戻った。
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また登場が遅く出番が少ないという事情もあるが、プルルートの性格は割と好評だったアニメ版に近く、Vのように周りを振り回したり理不尽な暴力を振るう場面はない。
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既存キャラ全員に新衣装(学生服)がある。
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評価点にするには大げさかもしれないが、このシリーズはDLC以外で新規衣装が登場する事がほぼなく、ただでさえ揃うことのなかった女神11人と記者二人にまとめて新規衣装が用意された事は極めて稀といえる。
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変身前はぬいぐるみをスタンドの如く操るスタイルから、変身後は蛇腹剣での広範囲攻撃と大きく変化するプルルートなど新キャラ4人も既存キャラと上手く差別化されている。
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戦闘開始時の専用会話の組み合わせが増えた。ただしロム→ネプテューヌはあっても逆はないなど、何故か一方通行の組み合わせもある。
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アクセサリ
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5つまで装備でき(同じものを複数装備可)、種類も多めでサングラスを脚になど部位も自由で、XYZ軸やサイズ、角度も自由に弄れるとかなりコーディネートの自由度が高い。
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イベントCGが登場した。
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Re;Birth1の流用が大半だったマップも新規マップが非常に増えた。
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メニュー画面ではブランが喋るが、本体時計がクリスマスなどのイベント時期になるとブランの専用ボイスが発生する。ただしその時期では汎用ボイスが発生しなくなるという欠点も。
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マルチモードに登場する偽4女神の登場演出は好評。
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マルチモードのチャット機能
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定型文型だがフルボイスであり、文章そのままではなく各キャラの性格に合わせた声が当てられている。女神11人+変身後11人+3人の25人分あり、定番のあいさつなど以外にもキャラ名の呼称など種類もそれなりに多い。
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特にうずめの各キャラに対する呼称はVIIでも女神全員呼ばれる場面はなかったため、本作で判明する事になった。
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BGMは高評価。
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『U』のオリジナル曲も続投し、プルルート&ピーシェのテーマ「Principal Prettiness」などを始めとした新規曲も評価が高い。
賛否両論点
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目に見えて火力が高いバランスブレイカ―が存在する(一部修正済み)、3人ともオンラインで協力要素があるゲームとしては致命的なほどお手軽高火力。
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ブラックハートの△攻撃が通常攻撃の6倍という高火力、さらにアップデート前はガードキャンセルが可能だった。
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ホワイトシスターラムのジャンプ□3連撃が大型の敵に連続ヒットし極端に火力が高い、またアップデート前はバフスキルのチャーミィボウルがアイコンが消えるまで攻撃力3倍、消えた後も30秒2倍というぶっ壊れ効果だった(アップデートで倍率が1.1倍に落ちた)。
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ユニは遠距離まで攻撃できるが、距離が離れると威力が落ちる、というコンセプトだったのだが、遠距離が他のキャラの近距離並で近距離になると威力が大幅に上昇するキャラとなっていたため、通常攻撃のみで上記二人以外の他のキャラを凌駕していた。(現在修正済み)。
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一方エグゼドライブはチャージができるようになった割に、チャージしてもそこまで火力が伸びない。
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マップが広くなった分、敵の分布が無駄に広がったマップがある。無双のように全域に広がるわけではなく数匹だけ離れた場所に出現する事も。マルチではいいのだがストーリーではただただ面倒なだけである、またストーリーでは近づくまで敵が出現しないステージもあり、パッと見詰んだようにすら見えるマップも。
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他方、「ステージ開始直後に周囲に居る敵をちょっと倒すだけでクリア」という短過ぎるステージも多い。初めて使うキャラの場合、操作方法を確認している間に終わってしまうこともしばしば。
問題点
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ストーリー
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『U』ほどではないがやはり内容の厚みもシリアスな要素も全くと言っていいほどなく、映画撮影という事もあって全編軽いノリで進んでいく。
レギュラーの女神8人は全体的に出番があるが、デンゲキコ・ファミ通・タムソフトのメーカーキャラは前半に集中し後半はほぼ出番なし、逆に『V~VII』勢のうずめ・プルルート、ピーシェは後半まで一切登場しない。
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また問題点とは少々異なるが、ブランの執筆能力はかなり酷いという公式設定から、映画のシナリオもB級以下レベル(以前プレイした異種族と対話するゲームの影響で唐突にゾンビを説得するシーンをぶち込む等)で、更に各章の最後に痛いポエムが挟まれるため、その手の茶番が苦手な人には苦痛かもしれない。
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なお、スタッフロールではPP同様シナリオ担当が「ブラン」名義となっている。その為、今作の正確なシナリオライターが不明となっている。シナリオ自体は薄いが批判されるような内容ではなかったためよかったものの、ライターを隠すような事をするのはどうなのだろうか。
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出撃キャラで映画の役者が変わる事があるが、本当に映画内の対応シーンしか変わらない。例えば本来うずめが喋るパートがユニになる場合、通常会話の部分でうずめが登場して撮影についての会話をするが、その後の撮影ではユニに切り替わるため整合性がなくなる。また役者が変わるだけで台詞も変化なしなので味気ない。楽屋裏トークを充実させるべきだったという意見も。
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この楽屋裏トーク以外のおまけ要素がないネプテューヌとブラン+後半加入の3人は、結果的に出撃させる機会が少なくなりがち。
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シリーズ恒例の女神化はピーシェとプルルート、プルルートの代役のベール&ノワールの4人のみ。ブランですらシナリオ内では女神化しない。全く女神化しなかった『U』に比べれば進歩しているといえるかもしれないが。
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シリーズ恒例のドット絵スタッフロールを見直す事ができない。アルバム機能もあるが、何故か見直せない。そのためセーブデータを初期化する必要がある。
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ブラン、ロム、ラム、ノワール、ベール、タムソフト以外のキャラにイベントCGが存在しない。
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主人公であるブランや新キャラであるタムソフトなどのCGが多いのはいい事だが、シリーズ主人公かつ、本作のもう一人の主人公たるネプテューヌにすらイベントCGがないのはどういう事なのか。また前作にあたる『U』にイベントCGそのものが存在しなかったため、デンゲキコ、ファミ通も未だにイベントCGは一つも存在しない。
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マルチモード
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バグが多く、マッチングのエラーでステージ強制終了や、出現位置が狂い操作キャラが延々とステージを落下し続ける事がある。
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チャットにEXボイスが1~10とあるが、そのうち1~8は全キャラ共通のため、事実上EXボイスは二つしかない。共通の1~8の中には通信状況が悪い、などの割と重要なボイスも含まれている。
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キャラの性格上ホワイトシスターラムとアイリスハートは、素で他のプレイヤーを煽ってるような言い回しのチャット台詞がある。
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アップデート
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ゲーム発売から11日後に最初のパッチが配信され、敵の体力低下と操作キャラのほぼ下方修正という露骨なソロプレイヤー向けの調整が施された。
確かに本作はボリュームや購入人数も多いとは言えず、その分オンラインの寿命も短いのは仕方ないのだがいくらなんでもソロ向けに調整が早すぎる。
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さらにこのパッチでアイリスハートの□初撃のあたり判定がほぼなくなるというバグに加えて、全体的に下方修正されたにもかかわらず、上記のバランスブレイカ―3人はほとんど調整されなかった。そのため上記3人を使えば簡単に敵が溶ける。
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このパッチには『U』の破れコスチュームやクエストの追加、パラメータ振り直しなどの有意義な要素も多く含んでいたのだが、オンラインの寿命を露骨に削ったためパッチを当てないプレイヤーも少なくなく、その結果パッチを当てたプレイヤーとのマッチングができず余計に過疎になるという問題も起きた。
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それから約3週間後に出たパッチでバグ修正とまともな調整がされたが、今度は遅すぎる。アイリスハートのバグはすぐにでも直さないといけなかったと言われていたわけで…。
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その他
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黒歴史パーツは従来作品のプロセッサのようにパーツ毎に装備できず、一括装備となるが、顔を隠すものが非常に多い。強力だがビジュアルに拘るプレイヤーからは不評。
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4女神以外の操作キャラと戦う事ができない。4女神にしても女神化前は未登場。
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ロックオンやカメラの使い勝手が悪い。
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ロード時間が長い、特にカスタマイズ画面は3Dモデルの読み込みが入るため非常に煩わしい。
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オンラインとの兼ね合いか勝利演出が削除された。また『U』同様に女神化の演出もないため演出面では更に簡素になった。上記の通り敵女神4人は登場演出と戦闘不能演出があるため本物より偽物のほうが派手になっている。
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リリィトークがなくなったためリリィランク上げが非常に味気なく作業感が強い。ただし1回戦闘する毎にかならず1上がる。
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ステータス強化と技パターンの増加を共通のポイント割り振りで行うため、なかなか技にAP割けず、アクションが単調になりがちである。
総評
ブラン主役のゲームと言いながらも実質『U』の続編であり、またストーリーもシリーズトップクラスのお気楽さ。
ネプテューヌもストーリーではブランとほぼ同格の扱いのため、あまりブラン主役という事は意識されにくい。
シリーズ初のマルチモードや自由度が高いアクセサリなど新要素は好評だったが、『U』から悪化した点も少なくなく、アップデートなどによるプレイヤー離れが目立ってしまったのは惜しい。
最終更新:2022年03月24日 15:20