オメガクインテット

【おめがくいんてっと】

ジャンル アイドルRPG

対応機種 プレイステーション4
メディア BD-ROM
発売・開発元 コンパイルハート
発売日 2014年10月2日
定価 通常版:6,980円
限定版:8,980円
DL版:6,000円(全て税別)
プレイ人数 1人
判定 良作
ポイント もっとシリアスなガラパゴスRPG
殺るか殺られるかの戦い
アイドル要素はしっかり完備
公式サイト
ガラパゴスRPG
フェアリーフェンサーエフ(ADVENT DARK FORCE) / オメガクインテット
Death end re;Quest(2) / 竜星のヴァルニール / アークオブアルケミスト


概要

  • コンパイルハート初のPS4タイトルとして発売されたRPG。ファンからは主に「オメクイ」と呼ばれる。
    PS2時代のアイディアファクトリー作品や『フェアリーフェンサーエフ』におけるニッチ路線を引き継いだ『ガラパゴスRPG』第2弾。
    パッケージ上の正確な表記は『*ω*クインテット』*1
    キャラクターデザインには『限界凸騎 モンスターモンピース』でも主要キャラを担当したフカヒレ氏が起用されている。

ストーリー

その世界は、「beep」と呼ばれる現象に浸食されていた。生命を変質させ、人の精神を蝕む「beep」。
あらゆる攻撃も通じず、瞬く間に増殖する「beep」は今や世界中を覆い、
残された人類は既に小さな街一つに閉じ込められた数万人を残すのみとなっていた。

そんな「beep」に、唯一対抗する力を持つ『詠巫女』。
詠巫女は数世代前から極わずかに誕生した、特殊な力を持った人間。
彼女達は歌や踊りの力で「beep」を消滅させることができ、その力を以て、残された人類を守り、夢や希望を与え続けている。
(※公式サイトより抜粋)


パーティキャラ・世界観

  • タクト(CV:浅沼晋太郎)……何かと斜に構えがちな少年。数奇な運命に導かれて5人のヒロインのリーダー(表向きはマネージャー)に。自らも剣を武器に斬りこむ。
  • オトハ(CV:飯田里穂)………幼馴染の天然元気キャラ。得意武器は槌。ヒロインともアイドルともマッチしないが、最強の打撃力を誇りRPGヒーローらしい戦士タイプ。
  • カナデコ(CV:豊田萌絵)……あけすけな怪力巨乳、絵に描いたような脳筋。壁を壊すなど朝飯前。得意武器は拳。
  • ネネ  (CV:水瀬いのり)……おどおどした銃器マニア。すぐに はわわっとなる割には意外とちゃっかりしている。得意武器は銃。
  • キョウカ(CV:田辺留依)………やる気が空回りするタイプの真面目委員長キャラ。タクト達とは別に単独で活動していた。得意武器は槍。
  • アリア (CV:山崎エリイ)……常時眠そうな不思議キャラ。異様にゆっくりと喋る。得意武器は扇。
  • モモカ (CV:井上麻里奈)……ヒロイン達の大先輩で先代アイドル。ぶりっ子少女として活躍していたが、その実態は熱いハートを秘める39歳の毒舌娘*2
  • アユミ (CV:新井里美)………上記全員を統括する立場の女性。戦闘中はナレーター役として、中継を見ている視聴者(プレイヤー)に事細かにノリノリでファンキーな実況をぶつける。
  • 現代を舞台に、アイドルグループが主人公のガラパゴスRPGというと確かに人を選ぶように見える。
    • だがストーリーのあらすじ・システム自体はまたもRPGに於いては王道な部類に入る。
      • アイドルがメインメンバー*3というキャッキャウフフを想像しそうな第一印象を容赦なくぶっちぎってくる。
    • パーティキャラの方向性で『ネプテューヌシリーズ』を髣髴とさせるが、ストーリーはそのねぷねぷ無印をすら上回るシリアス展開。
    • ヒロインたちとの交流イベントや個別エンディングもあるが、主立っているのは危機への対抗である。
  • 何しろ人類、残り数万人で滅亡、というところまで来てしまっている。
    • 序盤こそそんな事情を横に置いた明るいノリが続くが、後半は苦く悲惨な展開が待っている。
    • 他にも、今までのコンパイルハート製ゲームでもなかなかお目にかかれないようなきついデザインの敵が登場する。初のPS4でそんなところで張り切らなくても。
    • 作中で入手できる数々の資料には、過去の記録や装備品にまつわる裏話など、本編とは直接関わりがないが気になる話が色々載っている。

特徴・評価点

  • 戦闘中の様子が市内で放映されているという設定のため、戦闘中は実況ボイスが流れる。
  • ライブ(歌を歌いながらライブ中継で戦い、観客のリクエストが届く)パート、といった様々な要素がある。
    • 戦闘は位置固定のコマンドバトルで、武器は全員共用と言う特徴がある*4
      • 5種ある武器はそれぞれに性能や技の特性に差異があるので、状況に合わせて選択するといい。前身作の『FFF』と違い、戦闘中に武器タイプの変更はできない。
  • 戦闘に参加するメインメンバーはアイドルヒロインたちのみだが、主人公も詠巫女達のサポート役として追撃したり、詠巫女を庇ったりすることができる。
    • 攻防合わせて実行できる回数は決まっているが、戦闘ごとに回復するので、前提となる短期決戦を仕掛けるためにも活用は必須。戦闘中も条件を満たすことで少し回復する。
      • チュートリアルには「回数は事務所に戻ると回復する」とあるがこれは誤記と思われる。
      • 主人公による追撃は対象の行動遅延、防御はバステ完全無効化という強力な効果があるため、それらを活用しきらないと厳しい。
        特に本作は複数のバッドステータスを複数人に叩き込んでくるボスが結構いるので、主人公が的確に手を封じてやらないと死ぬ。
      • このあたりは『メガテンIII』を彷彿とさせる。
      • 防御は担当キャラだけを守るかある程度近い距離にいるキャラ複数を守るかを都度選択できる。ダメージ軽減効果は薄まるが、消費回数とバステ防御は変わらない。
      • 後述するゲームバランスの関係上、ほとんどのバステが看過できないレベルの被害を齎すことになるため、尚更この選択は運命の分かれ道になる。
    • また、主人公がサポートについているキャラはサポートスキルによって特殊効果を受けられるほか、主人公のステータスの何割かが付与される(どの程度かはスキルの種類と好感度による)。
  • アクティブターン
    • 各武器の熟練度に応じて1ターンでの攻撃回数が増えていく仕様。
    • 通常攻撃のコンボ数が増えるのではなく、行動回数そのものが増えて都度スキルやアイテムの使用ができる。
    • 最初に行動回数分だけコマンドを指定し、それによるSPの増減を加味してから行動を開始する。途中で防御を選ぶと強制的に行動終了となり、その防御効果は残した行動回数分に比例する。
      • 敵を倒すなどいくつかある条件のいずれかを満たすと、次のターンにおける行動数が増加する。行動回数の最大は基準値の2倍まで。
      • ただしスキルはキャラのターン毎に一度ずつしか使えず、さらに行動すればするほど次ターンへのウェイトも増えていくので、何も考えずにラッシュをかけるわけにも行かない。
  • ハーモニクス
    • 仲間同士の行動順がたまたま連続していた場合に限り、キャラ全員を連携させるモード。
    • この際、各キャラが特定のスキルを使うことで、ド派手な合体技「チェーンスキル」が発動する。
    • チェーンスキルと必殺技は、所謂ガードゲージが切れている相手に使うとヒット数が増加するようになっている。
      • 中には必殺技の組み合わせによって発動するものもあり、これがなかなか派手。消費SPが激しいのが難点だがトップクラスの威力を持ち、積極的に狙うべき。
      • 基本的に参加人数が増えるほど演出が派手になる。5人参加の技となるとかなりかっこいい。
      • 1人が武器を投げ、そこに続くメンバーが次々に追い打ちし、詠唱を完成させていた最終メンバーがトドメ…と、コンパ作品でも未だに最高クラスの演出が拝める。
  • 無数の衣装
    • 各キャラの衣装には耐久度があり、ダメージを受けると衣装が破けていく命懸けで獲りにきて
    • 最終的には下着姿となるのだが、衣装・小物以外にもその下着を個別に変更可能。
    • サラシとかあるあたりさすがはコンパ、変な方向にも全速である。
      • 衣装の耐久度は活動拠点である事務所にて回復することができる(有料)。
    • 衣装には「アンプ」と呼ばれる専用の装備を装着することができる。
      • アンプの効果は単純なステータス強化の他、耐性強化やレベルアップ時のステータス増加量など、かなり重要なウェイトを占める。衣装は戦闘中に変更可能(当然受けるアンプの効果も変化する)。
      • ただし衣装が完全に破壊されて下着姿になってしまうと、アンプの効力は消えてしまう。アイドルとして放送事故な事態でもあるためライブモードも強制的に解除される。
      • 他にも数々のアクセサリーや髪型変更なども可能で、見た目を拘りたいプレイヤーには嬉しい。
  • プロモーションビデオシステム
    • アイドルということで、PV作成もでき、カメラアングルからモーションまで設定可能な要素が膨大。またネットワークを通じて公開できる。
      メインゲームの進行に影響しない趣味要素なのだがその本気度は十分で、多くの死線をくぐり抜けることになる本作の中で一種の清涼剤として機能している。
    • 5人のテーマソングに合わせ、100にも及ぶダンスモーション、カメラアングル、立ち位置の指定、誰が歌うのかさえ細かいパートごとに指定できる。突き詰めるとこれだけで数時間が飛ぶ。残念ながら歌は5曲しかないが。
      • プリセットのPVから少し手を加えるだけというのも可能。
  • お察しの通り、ダンスとの兼ね合い次第では下衆い撮影も可。ダンジョン探索時は断固ガードするのに。
  • 視聴中にプレイヤーの判断でさらにちょっとしておまけを付加できる。
    • 金の玉が降ってきてキャラに直撃したり、衣装が透けたりする。むしろ放送事故な気がする。
  • 戦闘アニメーションの美麗さ
    • 大型技のチェーンスキルやライブモードの演出はバリエーションも多く、それぞれが非常に作り込まれている。
    • これらを組み合わせて強力モンスターに総攻撃を仕掛ける様は臨場感と迫力に溢れており、緊張感溢れる戦いの中にあってその演出はプレイヤーも熱く盛り上げてくれる。戦うアイドルという本作のコンセプトを最大限に表現していると言えるだろう。

賛否両論点

  • 後半のストーリー展開
    • かわいいビジュアルで油断させて鬱展開で刺しに来るのはネプテューヌシリーズでも少なくないが、
      本作終盤は非常にきついデザインのモンスターの出現・「一般市民」の悪意が剥き出しになるシーン・メンバーの裏切り(=深刻な戦力ダウン)と、難易度と合わせてこちらの精神を削ってくる。
    • さらにトゥルーエンド条件を満たせないと、作中において最初で最後の死者を出しそのままエンディング、というとどめが入る。しかも黒幕は雲隠れ。
      • 本気で戦隊ヒロイン物を目指してきた』と考えれば、甘ったるいだけの展開よりメリハリがあってマッチしていると見ることもできる。
      • その意味ではコメディとネタを重視したネプテューヌシリーズとは対照的といえる。
  • 通常攻撃が弱すぎる
    • 序盤はともかくとして、ストーリーが進んで強力なスキルを覚えていくとどんどん通常攻撃との威力差が顕著になり、使用する意味がほぼ無くなる。
    • 結果として、SPが切れた時の苦肉の策や、あと僅かで倒せる敵のとどめを刺すときくらいにしか使われない。
  • スキルの燃費が悪い
    • キャラクターの最大SPに対してスキル発動に使用するSPが高い。特にこのゲームでは武器熟練度の強化やボーナスなどで1ターンに複数回行動を行うことが当たり前になるため、強力なスキルを連発しているとすぐに枯渇する。
  • 回復アイテムが高い
    • 全体的に資金不足に陥りやすいゲームの中にあって回復アイテムが高額なのでアイテムに物を言わせた強行突破は現実的ではない。
  • 以上の3点から、特にボス戦においてはどのようにSPを運用していくかという長期的なプランを考える必要がある。これを折角協力スキルの演出が豪華なのだからもっと贅沢にスキルを使えるようにして欲しかったと捉えるか、戦略性があって面白いと捉えるかは人によって分かれるところだろう。
  • ゲームバランス
    • 少なくともNORMALクリアまでは絶望的に難しすぎるというわけではないが、他の同社有名作と比べても決して簡単ではない
    • 全体的に敵のステータスが高め。中盤以降は雑魚相手ですら相当なダメージ・状態異常を喰らうことになるため、先手必勝・一撃必殺が重要。
    • 当然、中・大ボスクラスともなるとそれがより苛烈になる。というのも成功確率100%を超える即死を含む状態異常攻撃まで使用してくるため、100%以上の耐性強化を持つアンプなど、装備を含めた対策なしではどうにもならない。このあたりの準理不尽さまで『メガテンIII』を(ry。
  • はっきり言うと中盤以降は最低でも4人が万全の状態でないと勝ち目がない。
  • 裏ボス*5に至っては1ターンオーバーキルが求められるレベル*6
  • 本作はHPが0になった相手にさらに最大HP分のダメージを与えていると『オーバーキル』として専用ドロップが入手できるのだが、上位2階層にいる中ボス&ボスは一度しか戦えないにもかかわらずオーバーキルボーナスが強力レアアイテムという鬼仕様。
  • 敵の「オーダーブレイク」
    • 修羅道をさらに凶悪たらしめているのが、敵のみが発動するカウンター攻撃「オーダーブレイク」。
    • 特定の条件を満たしてキャラのターンが終了すると発生する行動順の割り込み追加で、高難易度モードになるほど発動頻度が増す。しかも本来の行動順は据え置きな上、複数条件を満たしていればそれだけ連続発動する。
      これによりただでさえ超ステータスなのに数回連続行動される場合があるため、追い詰めたと思っても瞬く間に蹴散らされる可能性を排除しきることができない。
      • 難易度NORMALでならラスボス戦時の高い緊張感が評価されうるが、HARDでの途中ボス戦ともなると絶望感が上回ることがほとんど。
  • 本作は敵のターンが回った時点でガードゲージが全回復するため、ガードブレイクを狙う戦術に信頼性が置けない。オーダーブレイクされただけでもガードゲージが戻るためかなり鬱陶しい。
  • 一方で、弱化効果に実質下限はないという仕様で、全ステータスを下げるチェーンスキルも存在するため、一方的に不利というわけではない(強化は上限あり)。とは言え頼みの綱は一貫してこの点なので、大味さもここまでくるとある意味いつものIFとも思えてくる。
  • 最適解が「最強技が出せる編成を整えてとっとと殲滅しろ」(に限る)
    • これらから導き出される基本的な対策は『シンボルアタックで確実に先制を取り、行動数MAXのハーモニクスでオーダーブレイクをさせる暇なくありったけのチェーンスキル&必殺技を以って一気に叩き潰す』というもので共通してくる。
      このうちどれかを欠かすと集団オーダーブレイクの可能性が出て、奇襲を受けたも同然な目も当てられない惨事になりかねない。そしてそれは各種雑魚戦も例外ではない。
      • 雑魚戦開始→初期配置によってオーダーブレイク*7→パーティ半壊→逃走、という流れはおそらく誰しもが通る道。
    • 強力であるため条件も厳しく、ハーモニクスに4人以上参加していないと達成は不可能。
      • ハイエンドのボスはまず行動順を調整し、初手にハーモニクスを使いステータス減少と行動遅延のチェーンスキルを連発して相手のステータスを激減させ、なおかつ追撃をほぼ全て決めないとまず勝ち目はない。
  • このように最終的には非常に大味なバランスとなる一方で、少なくとも本編ボスまでは最高難易度のVERY HARDであってもまともな駆け引きのある戦闘が楽しめるので、極端に心配する必要はないだろう。本編クリア後のやり込みコンテンツが大味になるのは何もこのゲームに限った話ではない。

問題点

  • 移動が遅い
    • 広大なマップに対して移動速度が非常に遅く、極めてテンポが悪い。
    • ストーリーも終盤に差し掛かる頃のクエスト達成報酬に移動速度アップがあり、これを獲得することで一気に快適になるが、そこまでが長いので救済措置としては遅すぎる。
      • 後のアップデートによりダッシュ機能が追加された。ダッシュすると元の移動速度の倍近くになったが、元が遅すぎるので常時ダッシュにしてもテンポは良いとは言えない。それでもあると無いとでは全然違うし、上記の移動速度アップと合わせると目に見えて快適になる。また、このアップデートにより移動速度アップを周回プレイで引き継げるようになったので、二周目以降は最初から快適になっている。
  • フィールドアクションスキルの演出が冗長
    • 現在の操作キャラクター以外のスキルが必要な場面では、調べる度にそのキャラクターに交代してスキルを使用し、また元の使用キャラに戻るという一連の動きを見る必要がある。キャラクター交代は自動で行ってくれるとはいえ、演出やボイスのスキップができず、フィールドアクションを要する箇所が非常に多いこともあって極めてテンポが悪い。
    • 特に厄介なのがアリアで、非常に間延びした喋り方をするので一人だけ群を抜いて待ち時間が長い。しかもアリアはオトハと並んでスキルを使用する頻度が他キャラより圧倒的に多い。
    • オトハとアリアのスキルはフィールド上に落ちている特殊なアイテムを拾うことのできるというもの(アリアは隠されたアイテムをダウジングする能力)だが、落ちているアイテム毎に必要スキルレベルが設定されているため、レベルが足りないと拾うことができない。フィールドスキルを制限することによって探索できる場所を段階的に増やしていく狙いのある他キャラのスキルと違って彼女達のスキルは探索自体には全く影響を及ぼさないので、回収を二度手間にしてプレイ時間を長引かせているだけである。拾えるアイテムに大したものは殆どないというのが余計に作業感を感じさせる。
      • オトハのスキルで拾えるアイテムは事前に現在のスキルレベルで拾えるかどうかわかるためまだマシだが、アリアのスキルで拾えるアイテムはそのアイテムを発見し、回収を試みるまでわからない。前述の長い演出を待たされた挙句にレベル不足で結局拾えないということも多々起こる。スキルレベルが最大になるまで無視しようにも、アリアのスキルの特性上後から回収しようとすると全フィールドをくまなく探索し直すハメになるのでそれはそれで面倒な思いをすることになる。
    • 他にも特定の箇所を通行する度にスキルを発動する必要のあるキョウカとカナデコもテンポは悪いが、数が少ないのでまだマシである。
  • エリアの全体図が見れないなど、面倒なダンジョン探索
    • マップの数自体は少ないが、ストーリー進行やフィールドアクションのレベルアップによって1つのマップの探索範囲を少しずつ広げる仕組みを取っているため、何度も同じマップを行ったり来たりする必要がある。1つのマップ自体がかなり広く、上述の移動速度の遅さやテンポの悪いフィールドアクションもあってダンジョン探索はかなり苦痛に感じるレベル。
      • クエスト報酬の一部はダンジョンに配置されるため、一々取りに行かなければならない。殆どが緊急に必要なものではないため、ゲームクリア後に纏めて取る方が楽。
  • 雑魚敵の移動速度や大きさが厄介
    • シンボルエンカウント制を取っているが、広大なマップに対して通路が狭いところが多く、移動速度が速い敵や大きな敵には意に反して接触してしまいやすい。このゲームは雑魚敵が強く、行動速度も早いため逃げる前に結構な被害を受けてしまうこともしばしば。
      • 逃走確率も表示される数字より明らかに低く設定されているようで、6,70パーセント台の成功確率でも2回に1回以上失敗する。
  • 衣装の耐久度が低すぎる
    • 雑魚敵との戦闘でも容赦なくゲージが減り、ボス戦などでは無傷の状態から戦闘終了まで持たないことも多い。
    • ショップで耐久度を上げることもできるが、どんどん高額になっていくため、特に初回プレイではとてもではないが資金が持たない。耐久度回復にかかる費用も考えると猶更である。
    • 衣装自体が破壊された状態であっても、ライブモードの発動が出来ないこととアンプの効果が乗らなくなること以外にデメリットがないため、初回プレイでは敢えて破壊させたままゲームを進行させる方がいいと攻略サイトに書かれる始末である。
  • ここまでに上げた問題点を総括すると、代わり映えのしない無駄に広いマップを遅い移動速度やテンポの悪い演出を見ながら何度も往復させられ、その都度狭い通路で雑魚敵に接触され、HPや衣装の耐久度が削られていくとなる。この仕様でストレスを感じない人は少ないだろう。
  • 5種類の武器のうち槍スキルだけが弱い
    • 武器のリーチを活かして直線上に攻撃できるスキルが多いが、攻撃範囲が横に狭い上に縦にもそれほど広い訳ではなく、他の武器種にある範囲円攻撃の完全下位互換といって差し支えない(この範囲円攻撃は槍だけが使えない)。そもそも本作の敵の出現パターンで縦方向にモンスターが大量に並ぶことは殆ど無い。
    • さらに追加効果も他の武器に比べて少なく、攻撃力も並と武器としてのアイデンティティが殆どない。
    • そのため、本来槍を得意とするヒロインであるキョウカはその煽りをまともに受けており、攻略Wikiにも「活躍させたいなら他の武器にすべき」などと書かれる始末。劇中では5人の中で最強の歌巫女として描写されているだけに哀愁を誘う。
      • 具体的には学習力がネネに次いで高いことを活かして第二の銃使いになるのが良い。それでもネネの下位互換になってしまうが、槍使いのままでいるよりは戦力になってくれる。
  • クエスト「スキルを見せて!」シリーズが不親切
    • 本作のスキルシステムは、ディスク解析というツリー上に伸びているスキルを段階的に解除していく仕組みであるが、この「スキルを見せて!」関連のクエストはディスク解析を進めることで使用できるようになる複数のスキルを組み合わせた特定のチェーンスキルを発動することでクリアできるようになる。
    • ここで問題なのはこのクエストが特定の章の特定のタイミングにならないと受注できず、ゲーム内では事前に条件を確認できないという点にある。つまり、受注した時点でスキルポイントが足りないと必要なスキルを入手できず、新たに溜まるまでクエストをクリアできないという事態になる。
    • 関連クエストは真ルート突入のためにクリア必須のものが多いばかりか、達成報酬でフィールドアクションのレベルを解放していくものも含まれるため、クリアしなければそもそもストーリーを先に進められないという場面が出てくる。
    • さらに厄介なことに、本作ではスキルポイントを振りなおすアイテムが登場せず、スキルポイントを増やすアイテムもない。よってキャラクターレベルアップか武器熟練度のレベルアップ時に貰えるポイントを溜めるしかないが、このうちキャラクターレベルアップでは僅かしかポイントが貰えないため、実質的に武器熟練度を上げるしかない。しかし武器熟練度のレベルアップはキャラクターレベルアップよりも多くの時間が必要になるため、考えなしにスキルを振るとここで大きく足止めを食うことになる。
    • また、クエストの発生条件が拡張ディスクというチェーンスキルを使用できるようにするアイテムを獲得することであるため、取りこぼしているとクエスト自体が発生せず、詰まってしまうこともある。
      • 大抵の拡張ディスクはその時点で行けるフィールドの回収できるアイテムを全て取っておくことや、その時点で受けられる他のクエストをクリアしておくことで回収できるが、中には本編とは関係ないダンジョンである訓練施設をクリアしないと手に入らないものもある。
    • これらの仕様のせいで特に初回攻略時は下手にスキルを振ることができなくなり、RPGにおいて最も楽しい部分の一つであるスキルビルドを気軽に行えないという重大な欠陥を抱えている。仮に攻略情報を確認したとしても自分の意思とは関係なく特定のスキルを獲得しなければならないという部分に代わりはなく、自由なスキルビルドができないという点で問題点は解消されない。
  • 装備品作成の仕様が面倒
    • 本作で最下位アイテム以外を購入するためには、素材となるアイテムを一旦分解する(売る)必要がある。
      • しかしアイテム購入画面で素材を分解することができないため、必要数に足りていなければわざわざ分解画面と購入画面を行き来する必要がある。さらにソート機能なども一切無いので、製作に必要な素材を覚えた上で莫大な数の所持品の中からそれを探して売らなければならない。
    • 前述のアンプや衣装は、6属性の幻素と呼ばれる値を消費する必要あり。
    • 幻素は分解するごとに素材ごとに決められた値だけ上昇するようになっているのだが、ハイエンドの品の必要量が相当多いのが難点。
      • ちなみに素材が異なる理由は、素材を必要とするタイプは物質的・機械的な装備で、幻素を必要とするタイプは幻想的・魔術的な装備という設定である。
  • 引き継ぎにゲーム内通貨が必要
    • 周回するにあたって、1周での入手個数に限度がある「コイン」を消費して引き継ぎ要素を選択せねばならないが、コインは衣装やアクセサリーの解禁にも必要であるため、下手にそれらのアイテムを購入しすぎると周回時に必要なものが引き継げないという事態になってしまう。このことは引き継ぎの直前までゲーム内で注意喚起が無いので引っかかりやすい。
    • 引き継げる要素も少なく、特にレベルとディスク解析の状況を引き継げないのは厳しい仕様である。
  • トゥルーエンド狙いのプレイヤーをあざ笑う4章の構成
    • 簡潔に言うと、物語の進行に合わせて2つのダンジョンへ強制移動してそこをクリアするとすぐ終わるのだが、そのまま素直にクリアしてしまうと到達不可になる。
      • 実は4章限定のクエストがごまんとあり、ストーリー的には危機的な状況にもかかわらず、わざわざダンジョンを脱出してのんびり町人のクエストを受けにいくことが必須。

総評

PS4本体発売から1年で登場した国産RPG。PS3と地続きとはいえ不慣れなハードということを考慮すれば、アップデート後も含めると致命的な問題はあまりなく、出来は十分なものと言える。
高いビジュアル技術を誇るAAAタイトルには流石に分が悪いが、PS4のスペックを生かしたビジュアルも抜かりはない。
それだけにテンポの悪さを始めとした面倒な仕様の多さがゲームの魅力を大きく損なってしまっていることは残念としか言いようがない。
とはいえ『ガラパゴスRPG』の名は伊達ではなく、アイドルらしさをしっかり持ちつつも、その面が半ば隠れ蓑と化した様なシビアな作風として仕上がっている作品といえる。
主立ってはこれらの鋭く尖った難易度・ストーリー、面倒な要素などを受け入れられるかが鍵であろう。


余談

  • コンハー製ゲームの常として、DLC多数。
    • 強力な装備品やお金の類がメインなのでさほど重要度が高くないのは救いだが、ハイエンドの装備品はDLCを買うか途方も無い時間をかけないといけないほど高い。
    • トロフィー獲得までならそこまで影響はしないとはいえ、即死無効など、強敵の攻略として無視不可能な装備を作るのに結構な素材を稼がないといけないので、必然的に手を出さざるを得ない可能性も他シリーズより大きい。
  • 有料サービス『PlayStation(R)Plus』にて、2018年7月の無料配信ゲーム・フリープレイ枠*8)として、コンパイルハートから本作と、『聖魔導物語』が抜擢された。
    • 同年7月から当Wikiの「今日の人気ページ」で、本作が日々上位に位置している。
      • SNSでもプレイ感想が久々に多くあらわれ、あえて無料にしたぶんの宣伝効果はあったと思われる。
  • 海外ではWindows版がSteamで配信されているものの日本からは購入できない「おま国」である*9。尚、「音声のみ日本語で字幕/UIは英語」というありがちパターンである。
  • NTTぷらら,ズー,アイディアファクトリー,アクセルの共同開発タイトルとなる2019年1月から配信中の新作スマホアプリ「メガミラクルフォース」に キョウカ以外 (2020年2月現在)が参戦している。
    • キャラの初期レアリティはまちまち。

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最終更新:2022年03月23日 15:34

*1 公式サイト等ではオメガクインテット表記

*2 オープニング兼チュートリアル担当キャラクター。その後は引退するが、隠しキャラとして加入可能。本作を象徴する迷キャラ

*3 作中資料によると、ヒロインたちの力の源である民衆の支持を効率的に集め、且つ絶望に沈む民衆を励ます目的でアイドル組織として立ち上げたとのこと。色気路線に見えて、しっかり相応の理由が用意されているのである。

*4 得手不得手はあるが、全員がすべての武器を装備できる

*5 『訓練施設』という所謂稼ぎダンジョンは、各階層をクリアするためにボスを倒す必要がある。本編には関与しないのだが、強力アイテムの設計図があったりと非常に重要。さらに、最初に選択した難易度が高いほど上位階層に挑めるという厄介な仕様なのだが、上位階層のボスともなると本編のラスボスを大きく上回る強さとなる。

*6 当然耐久力も凶悪なのだが、それでも一度行動させた時点ですべてが終わる。

*7 オーダーブレイク条件の中には「エネミーの数が一定数以下」というものがあるが、これはエンカウントした瞬間に満たされる可能性がある。このケースはそうそう頻発こそしないのだが稀という訳ではない。

*8 提供期間:2018年7月4日(水)~2018年8月7日(火

*9 SteamDBによると日本と韓国だけがおま国