Infernal: Hell's Vengeance

【いんふぁーなる へるず う゛ぇんじぇんす】

ジャンル TPS
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対応機種 Xbox 360
発売元 ラッセル
開発元 Metropolis Software
発売日 2009年12月24日
定価 7,140円(税5%込)
レーティング CERO:C(15才以上対象)
判定 クソゲー
ポイント テンポの悪い要素満載
劣悪な操作性
水準以下のグラフィックとモーション


概要

海外で2007年に発売されたPCゲーム『Infernal (旧題 Diabolique: License To Sin)』の移植作品。
もともと大して評判のよくない作品を、2年の後に移植することでさらなる悪評を招くことに…。

ストーリー

君の名はライアン・レノックス。天界の地上における武力代行組織、イーサライトの特殊工作員だった男だ。
しかし今はイーサライトの敵であるアビスに雇われ、善と悪の霊的均衡が崩れることを阻止するために戦っている。

イーサライトの総帥が、人々から自由意思を奪う技術を生み出したのだ。
ミレニアム・エクリプスと呼ばれる、地上が天界の目から隠れるわずかな期間に、彼はこの技術を実際に用いるつもりでいる。
イーサライトの宿敵たるアビスとしては守りを固めなければならない事態だったが、敵の策略によって精鋭部隊を壊滅状態に追い込まれ、地獄の勢力はその力を大きくそがれることになってしまった。

今やアビスの手元に残っている目ぼしい戦力は、任務遂行のやり方を問題視されてイーサライトから追放された男、つまり君だけだ。
この戦いを通じて君はイーサライトの真の目的を知ることになるだろう。そしてアビスがどうして君を雇ったかも……

問題点

  • セーブが手動
    • 本作にはオートセーブ機能がなく、メニューから手動でセーブすることになる。
    • 大抵のTPSでは数分ごとにチェックポイントが入るため、それを全て手動でやると非常に面倒。
    • ゲームオーバーになると最後のセーブポイントから再開となる。
    • もしセーブを怠っていた状態でゲームオーバーになった場合、たとえボス戦であろうともう一度プレイする羽目になる。
  • 手動回復制ゆえの弊害
    • 本作の主人公、ライアンには体力ゲージが設定されており、ゲージが無くなるとゲームオーバーになる。
    • 体力は自動で回復するが、ダメージを受けるたびに上限値が減ってくる。
    • 上限値を回復するには、倒した敵の遺体からエネルギーを吸収する必要がある。この動作で同時に弾薬も回収できる。
    • ただ、この動作一回で2,3秒かかるうえに、必ずしも一回で全回復するわけではなく、消耗具合によっては複数回行うことになる。
    • さらに敵の遺体が消えるのが早いため、戦闘に手間取ると全回復できるだけの遺体が残っていないことも。
    • 遺体がない場合、体力回復には探索が必要となる(後述)。
  • 煩雑な謎解き・探索要素
    • ゲームを進めるとパスワードを求められるドアが何個か出てくるが、単純な作業にしかならない。
      • ライアンは通常の視界では見ることの出来ない物でも、超能力「インファーナルビジョン」で見つけることができる。
      • パスワードもこのインファーナルビジョンを使って探すことになるのだが、どれもすぐ見つかるような場所にある。
      • インファーナルビジョンを使えば、体力や魔力を回復、上限値を1.5倍にするアイテムなどが見つけられるが面白みはなく、必要に迫られてする程度。
    • ライアンの超能力の一つ、「テレポート」を使って登れない場所などにあるドアをアンロックする機械を操作する場面がある。
      • これも同様に手間のかかる作業にしかなっていない。
      • 「テレポートができるなら直接ドアの向こうに行け」と思うかもしれないが、本作のテレポートは一定時間で元の位置に戻される仕様である。
      • テレポートに必要な魔力を戦闘で消耗していた場合、最悪詰む恐れがある。
    • ゲームを進めると手に入る「テレポートツール」が役に立たない。
      • 物体や敵をテレポートさせることができるアイテム。
      • やはり謎解きに使わされることになるのだが、操作性が良くない。
      • 透明な物体のイメージをテレポートさせたい位置まで動かす必要があるが、透明なイメージがほかの物体につっかえる。
      • 敵を高所にテレポートさせて落下死させるなど戦闘にも使えるが、そんな悠長なことをやっていると他の敵に袋叩きにされる。
    • パスワード入力、ドアのアンロック、水密扉の開閉などにも2,3秒の時間がかかる。さらに水密扉が二連続で続くことも。
  • 劣悪な操作性
    • 照準が絞れない
      • スナイパーライフル以外の武器では照準地点を拡大して狙うことができない。しゃがむと精度が上がるといったこともない。
      • FPSでは作品によっては照準が絞れないことがあるが、カメラから敵の位置が遠いTPSでは非常に照準が定めづらい。
    • 二連続でスティックを倒すことでローリングして回避するが、暴発しやすい。
    • 敵が近くにいるときに発砲しようとすると自動で格闘攻撃になるが、それより銃で撃った方がよほど早く倒せる。
  • 機能していないカバーシステム
    • 物陰に隠れて銃だけを晒して撃つといったことが可能だが、大半の壁でカバーができないか、カバーに入り辛い。
  • 攻撃できない敵
    • 終盤になると、こちらの攻撃を透過して無敵状態になる敵が出てくる。
    • さらに無敵状態の時でもこちらには平気で攻撃をしかけてくる。
    • ダメージを与えるには無敵状態でないときに攻撃するしかないが、まとめて複数体で出てきて代わる代わる無敵になったりする。
    • 無敵状態の時間は決まっておらず、状態が変わる前兆も一切ないために、攻撃しようとしたら無敵になるといったことも。
  • 水準以下のグラフィックとモーション
    • 2009年に発売されたゲームとしてはグラフィックが悪い。
      • これは2007年のゲームをそのまま移植したために仕方のない事ではあるが。
    • モーションが不自然。
      • 金網から飛び降りるとどれだけ低くても一回転してから着地する、梯子から飛び降りると異様にゆっくりと落ちていく、等。
      • ムービーのアクションもどことなくもっさりとしている。

評価点

  • ダークヒーローとしての能力を使った斬新な戦闘システム
    • テレポートを使い敵の背後に回り込むことで敵を翻弄し、こちらを見失っている間に一方的に攻撃できる。
      • 先述の通り一定時間で元の位置に戻るため、敵がこちらに気付いて後ろを向いたとたんに元の位置に戻る、そして再度テレポートといったことも。
      • 魔力は敵を倒すことで回復するため、上手くやれば延々と続けることもできる。
      • テレポートをしている間は敵の動きもスローモーションになるため、狙いが付けやすくなっている。
    • 強力な「インファーナルアタック」を使用できる。
      • 魔力を消費して銃の威力を上昇させる必殺技。
  • インパクトに溢れる敵キャラ達
    • 青白く光る謎の手裏剣で攻撃してくる修道士や、頭全体を覆う明らかにヤバいヘルメットを被せられて自爆攻撃を仕掛けてくる雑魚等の特徴的な敵が多数登場する。
  • 欠点を緩和する難易度設定
    • 本作には3つの難易度があり、難易度によって敵の攻撃の威力、1マガジンに装填できる弾薬の量が異なる。
    • マガジンサイズが大きい低難易度では、照準が定まらなくとも弾幕を張ることで敵を倒すことができる。
  • 良質なBGM
    • 世界観に合ったBGMがステージ毎に用意されており、戦闘を盛り上げてくれる。

総評

テレポートを使った戦闘システムは面白く、爽快感のある出来になっているが、戦闘以外の部分で手間のかかる探索要素があるため全体としてテンポの悪い作品になっている。
上記の欠点を承知した上で、ダークヒーローとして手裏剣を投げ、頭上にコンテナをテレポートさせて圧殺するなど、他ではプレイできないキワモノの戦闘を体験したいのであればプレイする価値はあるだろう。

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最終更新:2022年10月24日 17:00