くにおくんのドッジボールだよ全員集合!

【くにおくんのどっじぼーるだよぜんいんしゅうごう】

ジャンル スポーツ(ドッジボール)
対応機種 スーパーファミコン
発売・開発元 テクノスジャパン
発売日 1993年8月6日
定価 9,600円(税別)
プレイ人数 1~4人
配信 バーチャルコンソール
【Wii】2012年4月14日/800Wiiポイント
【WiiU】2014年7月16日/832円
判定 良作
ポイント 熱血ドッジの集大成
ダウンタウン+ドッジボール
ひたすら高い自由度
くにおくんシリーズ


概要

ファミコン(FC)版『熱血高校ドッジボール部』をスーパーファミコン(SFC)にてリニューアルした作品。
プレイヤーはドッジボールのチームを結成して、世界各国のチームを破り、世界一を目指す。

通常のドッジボールと違い、内野選手はボールを当てられてもダメージを受けるだけでアウトにならず、体力が0になる事で脱落(昇天)し、相手チームの全ての内野を脱落させることで勝利となる点もそれまでのシリーズと同じである。
リニューアルにあたって、ダウンタウンシリーズの流れも多く取り入れられ、様々なパワーアップが施された。


特徴

チームの結成

  • 最初にメインモードの「かちぬき」で使用するチームを作成する。
    • あらかじめ登録されている「くにお」をはじめとする無所属の選手20名から、1チーム10人編成(内野4人、外野3人、補欠3人)のチームを結成し、チーム名をつける。以後はこのチームを使用して世界最強を目指すこととなる。
      • 初期メンバーにはおなじみの「りき」や「ごだい」、「ダブルドラゴン兄弟」「やまだ」といった面々だけでなく「こばやし」「もちづき」「そのかわ」「よしの」「とうどう」など、いわゆるダウンタウンキャラが登録されている。
    • 最大3チームまで結成可能だが、最初は無所属選手に10人の空きがある。ショップで「せんしゅさくせい」を買って使ったり、「せんしゅひきぬき」等で相手チームから選手を引きぬいた際に自動で登録されるものとなっている。

選手の成長

  • 選手たちは最初はレベルが低いが、試合に出して勝つ事でレベルが上昇し、ステータスが上がっていく。
    • パラメーターはFC版『ドッジボール』に近いが、同シリーズの『時代劇』と同様に成長率の割り振りを変更する事が出来る。重要度の低いパラメーターの成長を止めて重点的に上げたいパラメーターを伸ばすことが可能。
  • FC版ではダッシュシュートとダッシュジャンプシュートで別々の必殺シュートが出ていたが、本作ではこの概念が撤廃され、必殺シュートの出し方をカスタマイズする事が出来るようになった。
    • 出すまでに必要な歩数(タイミング)に加え、アクションの種類(ダッシュ、ダッシュジャンプ、ハイジャンプ、ロングジャンプ等)までを自由に決める事が可能。
  • はじめは一つしか必殺シュートを覚えられないが、選手のレベルが上がるにつれて覚えられる数が増えていく。

対戦チームの増加とステージの仕掛け

  • 対戦チームも増加し、FC版からは「熱血高校」と「花園高校」が登場しなくなったが、それ以外のチームは軒並み登場*1。さらに「ドイツ」や「フランス」をはじめとする新チームが多数追加されている。
  • それぞれのチームのステージには様々な仕掛けが用意されており、非常に個性的。ステージによっては選手が雷で撃たれたり、コート全体が雪崩に巻き込まれたりする事はあるが一切ノーダメージ。ボールが当たるより遙かに痛いはずだが
    • 設定により仕掛けを一切オフにしたり頻度(強弱)を変更することも可能。『時代劇』と同様に非常に細かいコンフィグが用意されている。
    • 仕掛けによってボールや選手が画面外に押し出された場合、一定時間後にランダムな位置へ上空から降ってくる。
+ ステージの説明
チーム名 ステージ
日本 新チーム。桜をバックに巨大な金網の上が舞台。時折、傾いたりひっくり返ったりしてコートの上の選手もろとも落としてしまう
選手が浮かび上がるほどの風が吹く事もあり、浮かび上がっている間は線を無視して相手コート側に侵入できる。ただし、ジャンプをしてしまうとラインクロスを取られる。
イギリス FC版同様ロンドン橋が舞台。時折開いたり閉じたりするので投げたシュートが橋に当たったり、転がって落ちてしまう事がある
時折、霧がかかり、濃くなると画面全体が真っ白になり何も見えなくなる。
インド タージ・マハルが舞台。水辺なので足音が聞こえなかったり、一部のアクションが制限される、
水流で選手が流される他、蓮が浮かんでおり、蓮に乗って相手コートに進入することが可能。
アイスランド 氷原が舞台。時折、コートが山なりに盛り上がる他、選手が突然凍りつくシャツにブルマなので仕方ない
凍りついた選手は一定時間の間、一切操作できず、無防備になる。
中国 丸太でできた橋が舞台。常に回転しており、回転に逆らえばダッシュ速度が落ちる。
また、シーソーのように左右に傾き、選手やボールを落としてしまう。
イタリア 新チーム。海底遺跡が舞台。どうやって息をしているかはツッコんではいけない。
海底から来る泡に飲まれたり上から降ってくる柱に押しつぶされてコートから追い出される事も。
アラブ 新チーム。砂漠が舞台。アイスランド同様、砂丘によってコートの形が歪む他、
時折、発生する竜巻に選手やボールが吹き飛ばされてしまう。
フランス 新チーム。エッフェル塔前の噴水が舞台。コート内に点在する噴水に押し上げられて
上空からシュートを放つことも可能。
ケニア FC版におけるアフリカチーム。ジャングルが舞台。コートがぬかるむのは同様だが、放っておくと全身が埋まるほどの底なし沼になる事も
また、ステージに生えている木に乗ることで相手のコート側へ行くことが出来る。
ロシア FC版におけるソ連チーム。宮殿の前の雪原が舞台。シュートなどで転がるとそのまま雪だるまになってしまう。
時折雪崩が発生し、巻き込まれるとボールを含めて位置がメチャクチャになってしまう。
ブラジル 新チーム。ビーチに見せかけて海上が舞台、波によってコートが歪む他、海鳥がやってくる。
攻撃的な海鳥の場合はつつかれてダウンするが、選手を連れ去って上空へ運んでしまう海鳥もいる。
ドイツ 新チーム。ギアが回転する城が舞台、コートの大半がギアで覆われており、時折回転したり上下に動いたりする
回転中はギアの動きに合わせて選手が動くのでトリッキーな攻めが可能。
アメリカ 巨大なトランポリンの上が舞台。ジャンプしたり、シュートが当たったりするとその一辺が大きくバウンドする
たまに落雷が発生して選手がダウンすることも。
テクノス 新チーム。隠しチーム扱い。宇宙が舞台。どうやって息(ry*2
重力のかかり方が独特である他、マップの上空にも地形が有り、ジャンプする事で上下逆さになって乗る事が可能
また、ブラックホールが発生し、選手やボールが吸われる事が多々ある。
吸われたシュートはそのまま別のブラックホールから飛んで来るので思わぬ所からシュートが飛んでくる事も…。

顔グラフィックの追加

  • FC版ではタイプ別に顔グラフィックが決まっていたが、本作ではほぼすべての選手がそれぞれ固有の顔を持つようになった。
    • FC版に登場していたキャプテンの顔はそれぞれ「もるどふ(ロシア)」「へいるまん(アイスランド)」「らおちぇん(中国)」に当てられ、それ以外のキャプテンと選手はFC版と違う顔に変更された。
    • 脱落時の天使のグラフィックにも選手の顔が反映されるようになった。

必殺シュートの大量追加

  • FC版における数々のシュートに加え、ぶつけたボールが戻ってくる「りたーんしゅーと」、ボールの周囲の選手を吹き飛ばす「ばくふーしゅーと」、味方にもダメージが入る「もろはのしゅーと」といった個性的なシュートが多数追加された
    • また、「しゅーとごうせい」というアイテムを使う事によって、2つのシュートを合成して、それぞれの特性を引き継いだ新たな必殺シュートを作る事が可能となった。
      • 例として、敵チーム全てを攻撃する「ぜんいんしゅーと」と、命中時にシューターの手元までボールが戻ってくる「りたーんしゅーと」を組み合わせると、『敵全てを攻撃した後、ボールがシューターの手元まで戻ってくる』必殺シュートとなる。
      • 合成時には比率(50:50、25:75、75:25、ランダム)を決めるが、同じシュートを同じ比率で合成しても出来上がるのは全く違うものになる事すらあり、無限に近い数の必殺シュートが存在することになる。
      • 出来上がったシュートには名前をつけることが出来、誰かに覚えさせる事も出来るが、実際に投げるまではどんなシュートなのかは全くわからない。思い通りのシュートになる時もあれば全くのカスシュートになることすらある。
      • 合成で作成したシュートもまた合成に使うことが可能。繰り返す事でキャッチしづらい究極のシュートを作ったり、ネタに走ったシュートなど自分だけの必殺シュートを作る事も出来る。

アクションの大量追加

  • SFCになってボタン数が増加した結果、大量にアクションが追加された。
    • ダッシュ中にさらにダッシュすることで勢い良く進行方向へ向かって飛ぶ「ロングジャンプ」や、微量のダメージを受けるがシュートを高確率でバレーボールのように弾く「ブロック」、弾いたボールをスパイクのように撃つ「アタック」といった動作がボタンの組み合わせで行える。
    • 攻撃時以外にも選手同士をトーテムポールのように連ねる「トップマン」や選手同士を横に連ねる「サイドマン」といった合体が可能。ターゲットをそらしたり、ボールの代わりに選手を投げるので奇襲にも使える。
  • 攻撃、防御以外にもパスをする相手、狙う相手をボタン一つで変更できるようになったため、より自分の思い通りの試合運びが出来るようになっている。
  • アクションの自由度も上がり、相手のコートに入った際もボールを自動で落とすまでは操作をする事が可能。ロングジャンプで強引にコートに入ってボールを奪った後、落とすまでにシュートを撃って逃げる事も出来る。
    • 外野もダッシュやロングジャンプが可能な為、隙あらばコート内に飛び込んでボールを奪ったり、必殺シュートを放つ事も出来る。

ショップ要素と新チーム結成

  • 試合前にショップに入ることが出来、「必殺シュート」や「装備アイテム」に加え「せんしゅさくせい」、「せんしゅひきぬき」といったチーム編成用のアイテムを購入出来る。
    • お金は後述の「かちぬき」で得る事が出来、試合で稼いだお金でチームの強化を図ったり、他チームの選手を引き抜いたり、新たな選手の募集をかける事で無所属の選手を作る事が可能。
    • チームのメンバーはいつでも無所属のメンバーと入れ替える事が出来る他、無所属の選手を10人揃えることで3つ目のチームも結成できるようになる。
      自チームの選手の名前と顔は変更が可能なので、いつでもオリジナルのチームに作り変えることが出来る。

フォーメーションとマル秘作戦

  • フォーメーションとして、試合開始時の選手の位置を細かく決める事が出来るようになった。開始直後にボールを奪う為に全員を前方に置いておくといった事が可能。
    • フォーメーションは10個まで登録可能、出場選手を決める際に相手チームに合わせて変更する事が出来る。
  • マル秘作戦として、試合中に特定の操作をした際に、登録しておいた動作を選手に一斉に実行させることが出来る。これを使う事で、相手コートに飛び込む、全員を集めて合体させるといった指示を出す事が出来る。

コンフィグの充実

  • 試合前にゲームの設定を変更する事が可能。上述のステージの仕掛けの設定に加え、ゲームバランスを調整する事が出来る。
    • 設定項目は『時代劇』に似ており、互いのチームの強さのバランスに加え、重力や必殺シュートの出やすさ等を細く設定出来る。
      • 相手チームを「ちょよわ」にする事で強豪チームでもほぼ一撃で倒す事が出来たり、歯ごたえを求めて「ちょつよ」にするといった事も可能。対戦プレイの際のハンディキャップにも使える。

ゲームモード

どっじぼーる かちぬき

  • メインモード。FC版における「えんせいじあい」にあたる。
    CPUが担当する世界各国のチームと戦い、世界一を目指すのが目的だが、FC版と異なり、戦うチームの順番は固定されておらず、好きなチームと対戦する事が可能。
    全てのチームから一勝する事で優勝となり、エンディングを迎える。
  • 初めて戦うチームを選んだ場合、そのチームのコートが対戦ステージとして追加され、他のモードでも選択できるようになる。
  • 試合を行う事で賞金を得る事が出来る。当然、勝った方が多くの賞金をもらえるが、一度もダメージを受けずに完勝するとパーフェクトゲームになり、より多くの賞金をもらう事が出来る。
    • 試合を繰り返すことにより、選手のレベルをあげつつ、ショップでアイテムを買ってチームの強化を図り、次のチームへ挑んでいくのが基本の流れとなる。もちろん稼ぎ目的で、同じチームに何度挑んでも良い。
  • 優勝を果たすと、最後の試合の後、記念撮影が行われる。
    • この際もボタンを押す事で胴上げされているキャプテンのポーズを変更し、任意のタイミングで撮影する事が可能。カッコイイ胴上げにするかマヌケな胴上げにするかはプレイヤーに委ねられている。
      • 撮影された写真は優勝した日付を付けて「あるばむ みる」で見る事が出来る。
  • 条件を満たす事で隠しチームが対戦相手として出現する。
    • テクノスジャパンのスタッフチーム「てくのす」、各国のキャプテンで編成された「おーるすたーず」、各国よりランダム選出された選手が何故かパンツをかぶった「かぶりものぶろす」、FC版にも登場したプレイヤーのコピーチーム「なぞのぐんだん」が登場する。

どっじぼーる たいせん

  • 対戦用のモード。FC版における「たいこうじあい」にあたる。
    世界各国のチームを選べる他、プレイヤーが結成した3チームも対象に入るので育成したチーム同士でも対戦ができる。
  • 対戦条件も追加され、「1番の選手を倒すと勝ち」といったものや、実際のドッジボールのように「全員ヒットすると勝ち」という対戦用のルールを用いる事も出来る他、制限時間もつけることが可能。

めちゃぶつけ たいせん

  • 対戦用のモード。FC版における「くらぶかつどう」にあたる。
    ただし、「くらぶかつどう」では1チームの中で選手一人ひとりが独立してのバトルロイヤルだったのに対し、こちらはチーム対チームの対戦になるのでラインのない対戦に近い。
    • チームそれぞれで対戦人数を変える事が出来、1対4といった変則的な組み合わせで戦うことも可能。

評価点

育成の楽しさ

  • オリジナルチームを結成できる事に加え、選手のパラメーターの成長も自由に決める事が出来、なによりも「しゅーとごうせい」によるオリジナル必殺シュートの生成が非常に楽しい。
    自分だけのシュートを作った後は、シュートの出し方にまでこだわれるので選手に愛着が湧きやすい。

ステージの仕掛けの多彩さ

  • 必殺シュートが思わぬ形で潰されたり、霧で画面が見えない間に不意打ちをかけると言った、何が起こるのかわからないシリーズ独特のハチャメチャぶりがよく現れており、試合が盛り上がる。
    • コンフィグでやり過ぎな設定にすると次々に仕掛けが発動してまったく試合にならない程にも出来るが、それぐらい選択の幅が用意されている。
      • 発生する頻度の種類を混ぜることが出来るのも秀逸。たまに強烈な仕掛けが発生するといった事も出来る。
      • 勿論、全て無しにすることも可能。アイスランドの滑りやすさ、宇宙の上面コート、等とコートそのものは変化しないため、完全に没個性となるわけではない。

BGMの質の高さ

  • FC版から続投したチームの内、「アメリカ」「イギリス」「日本*3」はステージのBGMが変更されているが、それ以外のチームはFC版のステージBGMがアレンジされて使用されている。
    • FC版で人気の高い「対ソ連・チームのテーマ」もそのままSFCの音源で豪華にアレンジされており、
      FC版では、ややゆったりしていた「インド」や「アフリカ(ケニア)」のBGMもアップテンポ調にアレンジされ、より対戦BGMとしての質が高まっている。
      • 変更されたチームのBGMの質も高く、中でも日本チームのBGMはかなりの人気を誇る。
    • 新たに追加されたチームのBGMも既存のチームに負けないほどしっかりとその国のイメージが盛り込まれたものとなり、格調高さを感じさせる「ドイツ」や優雅な「フランス」、サンバ調の「ブラジル」といったイメージが浮かび上がり、かつ対戦BGMとしてのクオリティも非常に高い。

アクションの増加による自由度の高さ

  • あえてブロックに徹底することで、擬似バレーボールが出来たり、ボタンの組み合わせによって相手のシュートを変なポーズで避けたりと、アクションの幅が広まった。
    • ロングジャンプの追加やオーバーライン時の挙動の変更により、相手コートに入りつつ攻撃が出来るようになった為、コートのどこにいても油断が出来ない状況になり、戦略性も高まった。
    • また、わざわざ味方に近づかなくともパスを渡したい相手をボタン一つで選べるようになったのも嬉しい変更点。

チームの個性

  • ボールを取ると、あいかわらずキャプテンの「もるどふ」にパスを回す「ロシア」、ブロックを多用する「フランス」、やたらと整列したがるので貫通シュートの餌食になりやすい「ドイツ」といった国ごとの個性付けがしっかり行われている。
    • 敵専用のアクションとして「尻を叩いて挑発」するものもあり、インドチームとテクノスチームが多用する。前者は「無の境地」に達していて何をするかわからないという位置づけなはずだが…。

マルチプレイの楽しさ

  • 全てのモードを最大4人までで遊ぶ事が可能になった。
    • 同じチームの内野4人をそれぞれのプレイヤーが担当したり、1対3や2対2で対戦したりと選択の幅は大きい。
    • 「どっじぼーる かちぬき」で友達や兄弟と一緒にチームを育成出来るという楽しみ方も出来る。
    • プレイヤー同士の腕に差がある場合でも、対戦条件や設定変更でいくらでもハンディを加える事が出来るので盛り上がりやすい。

問題点

バグ

  • 細かいものから致命的なものに至るまでバグが多い
    • 「どっじぼーる たいせん」で対戦条件を設定した後に対戦せずに「どっじぼーる かちぬき」に戻ると、対戦条件がリセットされずに反映されてしまう。
      そのせいで試合時間を10秒に設定していた場合、相手がどんな強豪チームでも10秒待つだけで勝ってしまうという現象が発生する。
      当然、バランスもへったくれもないので多用すると一気にゲームがつまらなくなってしまう。
    • 対戦チームのステージを選ぶ際に、そのステージが地球のどこにあるかを示すマーカーが現れるが、チーム順に登場させないとメチャクチャな位置になってしまう。
      たとえば、ゲーム内のチーム順では「日本→イギリス」となっているが、最初に「イギリス」を対戦相手にすると、イギリスの位置が日本になってしまう
      進行に害はないものの、人によっては気になる所である。
      • ちなみに「日本」よりも「イギリス」の方がレベルが低い為、「イギリス」を最初の対戦相手にする事はよくある。
    • 必殺シュートによってはボールに選手がひっついたままになってしまい、試合が終わらなくなると言った致命的なものもある
    • 「ひっさつますたー」というシュートを売るか捨てるかをしてしまうと、道具欄がバグってアイテムで埋まってしまい、以後、まともに使用できなくなってしまう。
      • まずい事に当時の裏ワザ本等でこれが資金増殖の裏ワザとして紹介されてしまったために被害が広がるハメになってしまった。
        当時、テクノスに連絡をすると「らむくりあ」という名前の選手を作成し、所定の操作を挟む事でセーブデータを初期化する方法を教えてもらえた。これを利用する場合は当然データを諦めなくてはならないが、大量に出現する「ぼーるぱわーUP」を捨て続ければ時間はかかるが直すことができる。

ゲームバランスと操作の複雑化

  • 対戦の禁じ手として「人投げダメージ」を「あり」にした状態で、ひたすら合体を繰り返して選手を投げつけると、人投げダメージで相手が死んでしまい、どんなチームが相手でも勝ててしまう。
    • ボールではないのでキャッチも避けも通用しないという点が悪質さに磨きをかけている。デフォルトではダメージ「なし」だが、「あり」に設定出来てしまうのも問題。
      • 人投げのほうがシュートより優先されるため、やり過ぎるとボールを一切投げずに試合が終わり、もはやドッジボールではなくなる。
  • 難易度を自分で設定する事が可能なため、相手チームを「ちょよわ」にするとあまりにも歯ごたえがなく優勝する事も可能。普通にクリアした時と同様にアルバムに残せる。
  • ショップには各種のステータスUP(装備ではなく数値を直接上げるもの)が¥30で売られていたり、レベルも含めて全てのパラメーターを最大にする「すてーたすMAX」が¥9980という安値で売られている為、これらに頼ると育成が形骸化する*4
  • チームが成長するという仕様上、強くなりすぎたチームは既存のチームとの格差が激しく、対戦には向かない。
  • ボタン操作も複雑になり、「L+Y(フェイント、ブロック)」、「A+X+上(マル秘作戦1発動)」といった複合操作が大量に増えた為に覚えづらく、敷居が高くなってしまった。
    「避ける」動作一つとっても、ボタンの組み合わせで6種類も存在する。
    • 使いこなせれば戦略の幅は広がるものの、「SFC版のドッジはゴチャゴチャしすぎて好きではない」という声も聞かれる。

演出の劣化

  • FC版に比べて全体的に効果音が軽くなってしまった。出来は悪くないもののシュート時の音や必殺音などの迫力が損なわれてしまっている。
    • キャラが脱落する際も「ズウゥゥン!」と死んでいたFC版に比べ、「ブモッ…」いった味気ない音なので爽快感がない。
  • FC版で印象的だった必殺シュートを喰らった選手が世界を一周する演出*5も無くなってしまい、「圧縮シュート」がただの地味なシュートになってしまった。
    • 本作は必殺シュートのダメージで世界一周するかどうかが決まり、レベルを上げてダメージが上がれば世界一周する。

キャラクターの扱い

  • 本作での「くにお」は最初に登録されているデータという扱い(しかも専売特許と言えるナッツシュートを持っていない)。そのため名前や顔を変更出来るし、「せんしゅうりこみ」で売ってしまう事も可能。売ると二度とゲームに登場しない。
    • ご丁寧にタイトル画面の表記も「○○(最後にプレイしたチームのキャプテン名)くんのドッジボールだよ全員集合!」になってしまう。その気になれば「やまだくんのドッジボールだよ全員集合!」や「とうどうくんのドッジボールだよ全員集合!」のような『熱血物語』や『時代劇』での彼らの野望を実現することも可能。
  • 新チーム結成時のデフォルト名こそ「ねっけつ」だが、熱血高校の選手が「くにお」以外にいないという寂しい物になっている。花園(「りき」「よしの」)や白鷹(「にしむら」「さわぐち」)ですら2人いるのに…。
    • 逆に冷峰学園の選手が約半数(「やまだ」「とうどう」「りゅういち」「りゅうじ」「おにづか」「こばやし」「きのした」「もちづき」「たいら」と、20人中9人。残りは各校から1~2人)を占めるので、実質、「冷峰学園ドッジボール部」である。
    • FC版のドッジボール部員も登録されておらず、愛着がある人には辛い仕様となっている。
      • 更に顔グラフィックの都合上、「しんいち」や「みつひろ」と言った選手は顔がない為、再現する事も出来ない(サッカー編における「こうじ」と「ひろし」の顔はある)。
  • CPUは選手のオーダーを決める際にリストの上から順にしか選ばないので、リストの下の方に登録されている選手はプレイヤーが意図的に引き抜いたり順番を変えたりしない限りは永遠の補欠になってしまう。せっかく登録されているのにもったいない。
  • 各国のアルゴリズムは秀逸だが、選手自体の個性は薄れてしまった。
    • 本作では各国のキャプテンの必殺シュートはイギリスのジェームスを除き*6「ナッツシュート」「圧縮シュート」「貫通シュート」「串刺しシュート」で構成されている。FC版で強烈な印象を放っていた「んじょものブーメランシュート」や「へいるまんのワープシュート」等は無くなり、特別に印象に残る選手は少なくなった。
    • インドチームから「むはまど*7」がいなくなった他、へいるまん率いるアイスランドチームの体力が全体的に激減しているなどパラメーターの面でも特徴が薄れてしまったチームもある。
    • インドはキャラでなくステージにダメージを半減させる効果があり、インドで闘えばインド人はちゃんと硬い。

総評

本作を一言で表せば『熱血高校ドッジボール部』に『時代劇』のシステムを組み込んで登場チームやステージをパワーアップさせた作品である。
ゲーム内の登場人物やゲームバランスに至るまで全てがプレイヤーの手に委ねられているので自分で遊びやすいようにカスタマイズする事が出来、こだわればこだわるほど楽しめる作品である。
操作の敷居が高くなり、致命的なバグなどの問題点もあるものの、ハチャメチャな仕掛けに溢れたステージ、様々な表情を見せるキャラクター、くにおくんらしさに溢れた熱いBGM等は間違いなく熱血ドッジの集大成とも呼べる作品であり、当時のテクノスの真骨頂を感じさせる。


その後

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最終更新:2022年10月23日 20:51

*1 「アフリカ」→「ケニア」、「ソ連」→「ロシア」というチーム名の変更はある。

*2 ただし、PC番外編でも宇宙が舞台になった事があるので前例がある。

*3 厳密には花園高校だが、便宜上日本チームとして扱う。もっとも、FC版の花園高校戦の曲名は「対日本・チームのテーマ」となっていたのだが。

*4 一応、パワーアップアイテムを使った選手よりも純粋に育てた選手の方が売値が高いといった違いはある。

*5 FC版では一部の必殺シュートを食らったキャラクターは画面外に吹っ飛ばされ、反対側の画面端から戻ってくる。その様が世界一周しているように見えることから、該当するシュートに「世界一周シュート」という通称もあった。

*6 ジェームスはなぜか圧縮シュートを2つ持っている。イギリスはこれ以外にも控え選手の必殺シュートがおかしくなっている。

*7 脅威のうたれ強さを誇り、ほとんどのシュートのダメージを2以下にする。ただし、体力自体は全ての選手の中で最低クラス。