メタルギアソリッドV ファントムペイン

【めたるぎあそりっどふぁいぶ ふぁんとむぺいん】

ジャンル タクティカル・エスピオナージ・オペレーション #amazon plugin Error : amazonからデータを取得できませんでした。時間をおいて再度実行してください。
対応機種 プレイステーション3
プレイステーション4
Xbox 360 *1
Xbox One
Windows Vista/7/8 *2
発売元 コナミデジタルエンタテインメント
開発元 コナミデジタルエンタテインメント
小島プロダクション
発売日 2015年9月2日
定価 通常版:8,400円(税別)
SPECIAL EDITION:9,980円(税別)
PREMIUM PACKAGE *3 :29,800円
THE PHANTOM PAIN EDITION *4 :49,980円
プレイ人数 1人
FOB:最大2人
MGO:最大16人(旧世代機は最大12人)
レーティング CERO:D(17才以上対象)
判定 なし
ポイント シリーズ完結作
オープンワールド化で自由潜入
グラフィックやゲーム部分の完成度は高い
初代『MG』に繋がる物語…のはずだった
脱ムービーゲーなるも今度は描写不足に
疑う材料の多いシナリオ未完成疑惑
メタルギアシリーズ関連作品リンク


概要

序章『メタルギアソリッドV グラウンド・ゼロズ(以下、『GZ』)』から一年を経て発売された、いわゆる『V(ファイブ)』の本編。
ストーリーへの期待、前作より遥かに広大なオープンワールド、それに伴う自由潜入(プレイヤー自身が潜入方法を決める自由度)、『メタルギアソリッド4 ガンズ・オブ・ザ・パトリオット』以来となる『メタルギアオンライン(MGO)』の同時収録など、さまざまな点からファンのみならず新規ユーザーからも期待されていた。
特に今作はシリーズの始めである『メタルギア』に繋がる物語として注目され、シリーズ一番の謎に踏み込むものであることも、期待を高める後押しとなった。
しかし一方で発売前にコナミの小島プロダクションが定期的に行っていたストリーミング放送が突如打ち切られ、更に今作でも使用された「Fox Engine」で作られたホラーゲーム『SIlent Hills』の企画が頓挫したこと、コナミと小島プロダクションの確執の噂など、様々な不穏な情報が飛び交い、それを拭えないまま発売日を迎えた。
結果的に数字は600万本と大きなものになり、国内外でも数々の受賞があったが、疑問符を感じずにはいられない出来栄えに、この作品に対して困惑した声が広がっている。


ストーリー

9年前」、男は惨劇を生き延びた。
重傷を負い、左手を失い、仲間も、家も失った男の頭には、あの惨劇の生々しさを語る破片が突き刺さっている。
何事もなかったかのように穏やかに見える病院のベッドの上で、男は失った左手の幻肢痛(ファントムペイン)と、昏睡していた9年という時間に苦しんだ。
やがて男は更なる悪夢に遭う。
惨劇から惨劇へ、それでも生き延びて銃を握る男の頭には、破片が’’伸びている’’。
それはまるで鬼の角のよう。復讐の念を帯びて。


特徴(『GZ』からの変更及び追加点)

基本システムは前作を参照
マップ広大化

  • 前作『GZ』は「広大な拠点」という枠組みの中での潜入ミッションだったが、今作では一つの広大なマップの中にいくつもの拠点が点在している。
  • 主に舞台となるマップはアフガニスタンの果てしない荒野と、サバンナの広がるアフリカの大地(アンゴラ、ザイールの国境付近)の2つで、他にキプロスの病院とマザーベースがある。
  • 移動手段はプレイヤー次第。愛馬で駆けるも良し、敵の車輌を奪うのも良し、支援班に車を要請しても良し、自分の足で走っても良し。
  • 時間の流れが存在しているうえ、天候の変化もあるため、その都度潜入に影響が出る。
    • 夜になれば明かりを灯し、雨が降れば敵兵士が屋根のある場所へ移動するなど。
  • ミッション中は指定された範囲でしか行動できないが、ミッション外では自由に行動ができる。
    • ミッションの始め方は一部ミッションを除き「空中指令室(ヘリ内)から受注」または「ミッションの地域にいる状態で端末から受注した後に特定の位置に移動」することで開始できる。また、サイドオプスはマップ上の発生地点に移動する事で自動的に開始される。
  • 海外ドラマ仕立てなのか、ミッションでは毎回オープニングとエンディングにスタッフロールが挿入される。エンディングはスキップ可能。
    • オープニングのスタッフロールにはゲーム製作スタッフだけではなくマザーベーススタッフや出現する敵対勢力などの「キャラクター」も含まれる。
  • 「英雄度」と呼ばれるプレイヤーの英雄的名声を示す数値があり、行動によって上下する。高いほど、例えば「名声を慕って強力な部下が配下に加わってくる」と言った様々なメリットがある。
  • また『GZ』のほか、後述のように前々作『メタルギアソリッド ピースウォーカー』のシステムも改良して使われている。

出撃準備

  • 『PW』同様、出撃前に持っていく装備を選ぶシステムが採用されている。
    • 装備セット(ロードアウト)は3つ作ることができ、例えば潜入用・戦闘用・FOB用など用途別に使い分けることができる。
  • 従来作品と違って、主人公が幾多の武器を持てるわけではなく、体に背負い込める分の武器だけ持っていく仕様。
    • 例えばアサルトライフル及びショットガンは腰に携帯するが、左右腰に二つ持てるわけではなく、どちらか一方を携行可能で、ミッションに応じて取捨選択する必要がある。
  • また、潜入に協力してくれるバディ(相棒)を一人(一匹、一機)同行させることができる。
    • バディは狙撃と偵察で力を発揮するクワイエット、広い範囲の敵や生物をマーキングできるD-Dog、移動手段として優秀なD-Horse、高コストな代わりに目的に合わせた多彩なカスタマイズができるD-Walkerがいる。
  • また、今作では出撃時にコストが必要になった。
    • 「GMP」と呼ばれる資金に加え、装備によってはさまざまな物資が必要になり、コストが足りなければ装備することはできない。当然ながら強力な装備ほどコストも高い。
      • 例えば、高グレードの麻酔銃を使うには薬効植物、火炎瓶を使うには燃料資源が必要。

カスタマイズ

  • 今作では『MGS4』同様装備のカスタマイズが可能(バディの装備も含む)。
    • マガジンを大容量のものに変えたり、ロングバレル化して射程距離を伸ばすなどさまざまなカスタムが行える。
    • ビジュアル面のカスタムは、武器のほかに車両やヘリコプターなども可能。

マザーベース管理 『PW』同様、プレイヤー率いる部隊と拠点「マザーベース」の管理を行える。

  • 部隊は戦闘班、警備班、研究開発班、拠点開発班、支援班、諜報班、医療班と別れており、それぞれ役割が異なる。
    • 戦闘班は傭兵として資金調達をする。スネークの代わりに出撃することも可能。
    • 警備班はFOB (後述)の警備を行う。
    • 研究開発班は武器や装備を開発する班。1984年という時代相応のものから逸脱したものまで開発可能。
    • 拠点開発班は資源の採掘・加工、マザーベースの増築を行う。
    • 支援班はフルトン回収 *5 、作戦地域への物資補給や火力支援、現地語の通訳を行う。
      今作のスネークは頭に破片が突き刺さっているせいで言語障害を起こしており、現地作戦地域における会話を理解するためには通訳が必要である。
    • 諜報班は作戦地域における敵の位置や目的地、情報収集などを行う班。敵位置を特定してくれる心強いもので、レベルが高くなるほど精度と更新頻度が上がる。
    • 医療班は負傷及び心的外傷性ストレス障害を抱えてしまった隊員を看る班で、レベルが高いほど早く完治するようになる。また、負傷した兵士の回収成功率も上がる。
  • 隊員は『PW』同様フルトン回収と志願兵を募ることで増やしていく。
  • 隊員にはそれぞれ得意不得意の班が設定されており、EからS++までのランクで判別できる。
    • ただし、S+, S++の兵士の入手にはオンラインプレイが必須。
  • その分野のランクが高い隊員を多く集めれば、より強力な班となる。

FOB(Forward Operating Base)

  • 非対称型のオンライン対戦要素。
  • プレイヤーはマザーベースの他に前線基地(FOB)を建設できる。このFOBを舞台に、他プレイヤーと兵士や資源を奪い合うことになる。
    • 侵入者は甲板の最深部に辿りつくことで成功報酬を入手でき、さらに相手の隊員を奪うことができる。
    • 防衛者は侵入者を排除するか、制限時間まで守り切ることが目標。
  • 防衛者は基本的には侵入されていることが発覚しない限り防衛出撃はできない。
    • 核兵器を所有していると、一定数値以下の英雄度のプレイヤーには侵入されず、侵入されても即時防衛出撃可能になる。
      • しかし、慣れたプレイヤーなら防衛者が来る前に核を奪うことも可能なため過信は出来ない。サーバー上の核を全廃棄することで見れるイベントの存在が明かされて以降、核の争奪戦はますます激化している。
  • 甲板に警備班の兵士が巡回しており、地雷や監視カメラなどといった警備装置も配備されている。侵入側はそれらを掻い潜らなければならない。
    • 本編のアフガンやアフリカとは違う閉鎖空間を舞台にした難度が高い潜入なので、より慎重に、より大胆に行動することが要求される。
    • 防御力の高いバトルドレスを着て特攻することもできるが、アラートになると防衛者が来るリスクがある。
  • FOBの建設はストーリー上強制だが、自分から侵入しなければランクが上がらないため、侵入されることはまずない。逆に、何度も侵入してランクが上がると他のプレイヤーから狙われやすくなる。
    • ちなみに、損害補償(要課金)を使えば被害をなかったことにできる。

メタルギアオンライン3

MGS4』に同時収録もされていた『メタルギアオンライン2(MGO2)』以来の続編。
進化したグラフィックに加え、新たなカスタマイズ要素およびシステムが備わっている。

クラス制

  • 前作と違い、プレイヤーはそれぞれ固有の装備・スキルがある「重装」「偵察」「潜入」の3つのクラスから1つを選んでキャラクターを作成する。昨今のFPS,TPSに近づいたシステム。
    • 重装タイプは移動速度は遅いが高火力武器を装備でき、体力も高い。
    • 偵察タイプは敵プレイヤーのマーキングや狙撃に優れている。
    • 潜入タイプはステルス迷彩を用いた奇襲やショットガン・CQCでの近距離戦に特化している。
  • 試合開始前にキャラクターを変更することも可能なため、チームの構成の穴を埋めるようにする戦略も必要になってくる。

バディシステム

  • 本編にもあるバディシステムをコチラでも採用。他プレイヤー一人と組むことができる。
  • バディになることによってリスポン位置をバディのところからにしたり、常にバディの状態や位置を把握できる。
  • 一定の活躍をすれば戦闘中にバディのところへワープできる機能もあるため、離脱や奇襲、救援に駆けつけることが可能。

評価点

うまくマッチさせたオープンワールドシステム

  • オープンワールド系のゲームにある採集システムをマザーベース内の資源として利用するようにしたり、ダンボールを利用したファストトラベル等、メタルギアの特色を残しながらGZ以前のMGSシリーズにはなかったオープンワールドのシステムを上手く取り込んでゲーム性を高めることに成功している。
    • ポータブルオプス以降、エリア制が主流になってしまったことによる弊害で潜入できるエリアがミッション毎に制限されて潜入方法も選択肢が狭められがちであったが今作の仕様によってより自由度の高い潜入が可能になった。

ミッション

  • 救出ミッションや破壊ミッションなど、多種多様なミッションが用意されている。
  • 「自由潜入」と銘打たれているだけあり、本作のミッションクリア方法は非常に幅広い。
    • 「敵司令官を排除する」というミッションなら、敵に見つからない潜入を目指したり、重装備を用いて強行突破したり、遠距離から狙撃したり、ヘリで敵陣上空に強行突入するなど様々な方法がある。また、殺害以外にも無力化してフルトン回収でもクリア可能。
    • 「特定の捕虜を救出せよ」というミッションなら、それ以外の捕虜を救出するかどうかはプレイヤー次第。達成すれば評価ボーナスや新たな情報を入手する事もある。
  • 『GZ』同様、ノーキルノーアラートでなくともSランク評価は得られる。そのため高評価を取得するうえでも様々な方法が存在する。
    • とにかくクリアしたいだけなら比較的楽にこなせるものの、その場合だと追加条件のタスクが埋まらなかったり、謎を残すような終わり方をするケースも多く、本編やミッション背景を詳しく知りたい場合はじっくりと取り組む必要がある。
  • プレイヤーがどういった戦法をとるかについてはその時の装備、所持する携行品、バディの性能によって変わってくる。これらを変更したい場合はコストを支払えばミッション中でもヘリから指定場所に投下してくれ、柔軟に対応できる。
  • 前述の通り強力な装備を使うにはそれ相応のコストが必要なため、無暗矢鱈によい装備を使えばいいというわけではない。
    • マザーベースからの火力支援やヘリからの援護射撃はかなり強力だが、これらを利用するとSランクは取れないためバランス崩壊にはなっていない。
  • ミッション外でも敵施設の破壊、リソースの回収、人員の確保と、ミッションに備えてやれる事は沢山ある。戦術・戦略の立て方も幅広い。

より奥深く、シビアな潜入

  • 広大なマップで自由潜入だから難易度が低いと思いきや、敵兵の巡回や配置がいやらしかったりする。
  • 時間によって巡回するルートが変更するうえ二人で移動してたりするため、頭を使う必要がある。今までのシリーズでは味わえなかった潜入。
  • 敵兵士の反応によって潜入の仕方が大きく変わることも。一人だけ誘き寄せたいのに二人で確認しようとするなど、’’偵察’’の必要性が自然と生まれる。
  • 敵も学習するようになり、ヘッドショットばかり狙っていればヘルメット、催眠ガスばかり使っていればガスマスクを装備するなどの対応策をとってくる。
    • 戦闘班を派遣してこれらの供給を断つという戦法も可能。
  • 砂嵐に乗じて敵を無力化する、わざと音を出して敵兵の注意を一方向に固定させるなど、工夫が必要であるため歯ごたえ抜群。

進化したシステム

  • 『MGS3』のキャプチャーシステムに似た要素として「薬効植物の採集」、「野生動物の保護」が追加された。
    • 動物保護はNGOから依頼されたもので、動物を回収していくとGMPと英雄度を獲得できる。
      • 捕獲した動物はマザーベースの動物保護プラットフォームで自由に見物が可能。
    • 薬効植物は麻酔系武器・薬品系アイテムの開発・使用に必要。
  • マザーベースのシステムも強化されている。
    • メインの基地だけでも相当の人数を収容出来る上に、FOBによってさらに拡張出来る為、無能兵士を逐次解雇するような展開に陥りにくくなった。
      • 更に今作は派遣ミッションによって兵士のランクが成長するのである程度のランクならば補える。派遣ミッション自体も戦闘班以外のスタッフが必要なミッションも多いので、成長させる機会は意外と多い。
    • 志願、捕獲兵に関しても英雄度の上昇やシナリオ進行に伴って強力な兵士が出現しやすく、普通にシナリオを進めても終盤になればA~Sクラスならば比較的楽に入手できる。
    • また、今回はマザーベースを実際に歩いて回る事も可能になった。兵士に近づけば敬礼されたり、兵士同士の会話が聞こえてきたり、稽古と称してCQCを掛けてやると言った事も出来る。
  • 『MGS3』にあった施設破壊も再び出来るようになっている。
    • 対空レーダーを破壊すれば敵拠点近隣のランディングゾーンが使えるようになり、基地のアンテナと通信装置(こちらは常時修理される)を破壊すれば発見されても増援を呼ばれることが無くなり、配電盤や電柱を破壊すると近辺の照明や監視カメラが機能しなくなる等、潜入を有利に出来るようになっている。
      • 一部の設備(通信装置や移動式の電灯)を除いては破壊された設備はメインミッションでもそのままなのであらかじめ破壊しておくことでミッションを進めやすくすることも出来る。
  • 『PW』で出来た事も強化されている。
    • フルトン回収はアイテムにフルトンを選ばなければ使用できなかったが、今作ではボタン一つで手軽に行えるようになった。
      • また、今回は人間以外にも野生動物を、フルトンのレベルを上げれば銃座、コンテナ、車輌なども回収できるようになっている。
    • 補給支援や援護も『PW』では専用の装備が必要だったが、今作では端末から座標を指定するだけで行える *6

シナリオのテーマ性

  • 今作のシナリオは「テーマ性」という意味では非常に響くものである。
  • 偶然にも発売一か月後に現実にテロが発生し、いままで対立関係にあった国が「報復」という言葉で一つとなり、共同作戦を行う事態になった。敵キャラであるスカルフェイスが唱える「報復関係から生まれる平和」が、痛々しくも起こってしまっていることを肌で感じずにはいられない。
  • 報復をしようとするキャラクターと、報復を捨てたキャラクターの描写が丁寧に描かれており、どちらがいいのかという部分で考えさせられる。
    • スネーク達の報復にしても、これまでどことなく漂わせていたヒロイックさは皆無であり、陰湿かつ残酷に描写されてカタルシスよりも失った物やかつての生活はもう戻ってこない事を強く認識させ、虚しさが残る内容となっている。
  • シナリオの核となる「言語」は、ミッションでも度々敵兵士の会話として感じることができる。身を案じていても、相手には侮蔑を浴びせられたとすれ違いが生まれてしまう演出など、切ない。
  • 一方でシナリオは本作最大の突っ込みどころでもある…(後述)。

BGM

  • BGMは楽曲の質もさることながら、場合によってリアルタイムに変化するなど演出面で効果的に使われている。
    • 今作のボーカルテーマ曲「Sins of the Father」などは人気が高い。
  • 過去作品に引き続きウォークマンを装備しており、音声や楽曲が収録されたカセットテープを各所で入手すれば好きなときに聴くことができる。
    • またゲーム内当時である80年代洋楽やシリーズ主要曲が数多く収録されており、これらも自在に流すことができる。
    • 中には動物の鳴き声や「敵を倒した」という声の収録されたテープもある。これをNPCの近くで再生すると…。
    • PC版はカスタムサントラ機能も搭載している。

賛否両論・問題点

シナリオ

今作最大の問題点にして、当初の高評価だらけの状態を瞬く間にひっくり返した原因。
これを切っ掛けにして「未完成疑惑」まで浮上した。

端的に言えば物語は所謂「打ち切りEND」。

  • 今作はチュートリアルの序章を除けば2章構成だが、2章ではメインストーリーのボリュームが激減し、最後はかなり唐突に終わりを迎える。
    • 1章「報復」は9年前に旧マザーベースを襲撃したスカルフェイスに報復を遂げるまでを描く(要するに大目標はこの時点で終わる)。
    • 2章「種」はスカルフェイス亡き後も暗躍を続けるサイファーを追ううちにマザーベースにある悲劇が起きる、というところで脈絡なく最終ミッションが登場しそのままエンディングとなる。直前の「悲劇」を描くミッションと最終ミッションにはストーリー上のつながりが全くなく、かなり困惑させられる。
    • さらに、2章は全19ミッションからなるが、うち12ミッションは1章ミッションの高難易度版。この水増しや唐突な最終ミッションなどを根拠に未完成を疑う声もある。
  • 今作は「悪に堕ちる」というキャッチが示すように、ビッグボスが如何にして決起に至るのか(どのように初代に繋がるのか)が描かれることが示唆され、ユーザーも期待していたのだが、作中にそのような描写はない
    +  ネタバレ注意
  • ポスターなどには「メタルギア最大の謎に決着が付く」などという宣伝文句も書かれたが、決着以前に謎に触れられもしない。
    • 実際に謎の提示と種明かしが行われるのは、本作で初めて出てきたポッと出のものである。そもそも4の時点で物語の種明かしは行われているので「最大の謎」など既にほとんど存在していなかったのだが。
      • 強いて言うなら、ザ・ボスとの決着以降袂を分かったにも関わらず、なぜ『MG』でわざわざFOXHOUNDに戻り総司令官の任についたのか、という顛末が残っていた大きな謎といえなくもないが、今作でそれが明かされることはなかった。
  • 物語の途中ヒューイの発案で、バトルギアなる新兵器が開発されるが…
    • 完成しても話に絡まないどころか自分で使うこともできず派遣ミッションに出せるだけだった為、肩透かしを食らったプレイヤーが続出した。
      • PC版の解析によって搭乗可能な兵器として使える予定だったことが明らかになっている。
  • 初期PVから登場し話題になった「燃える男」は決着がつくことなく、かなりあっさり退場する。
+  ネタバレ注意
  • とあるキャラクターが離脱して以降の経緯がゲーム中では明かされない。
    • 実は、初回限定版に付属している特典映像に出てくる他、トレイラーでもそれらしき映像があった。要するに重要部分が本編から削られている。
    • 特典映像にはご丁寧に「完成度30%」とテロップが入れられていたり、本編では碌に活かされなかったヴェノム・スネークの色覚障害の設定もこのミッション中の重要なシーンで使われていたりと、これまた未完成の疑いを強めることになった。
      • PC版の解析によってこのミッション発生のフラグらしきものが存在することが発覚したが、現時点ではこのフラグを立てることができるかどうかは判明していない。
  • 第三の子供はご都合主義の塊。本作における本筋以外の事象の多くは「子供がすごい超能力を持っているから」で説明を丸投げしている節がある。
+  ネタバレ注意
  • ヴェノム・スネークと結末について
+  ネタバレ注意
+  『PW』で新登場したキャラの扱い

演出

  • 『MGS4』の反動なのか過去作と比べてカットシーンが極端に少なく、重要な事項もカセットテープという形で音声のみで語られることが多い。
    • ストレンジラブ博士の最期の重要なシーンやゼロ少佐を描いた『MGS3』ファン感涙の人気シーン等ムービーにして欲しかったというテープも多い。
    • 以前まではゲーム進行に合わせて流れるようにシナリオが進行していくのもシリーズの特徴だったが、その演出とゲームデザインの噛み合わさった巧みな構成もなくなってしまった。
  • 意図を理解し難い演出。
    • 全体的に想像させることを目的としたような『無言』『間』『迂遠な表現』が多い。カットシーンの大幅減少といった変更との食い合わせの悪さも相まって、結局何だったのかがよくわからないという場面が散見される。
    • その最たるものが序章。後半では「イシュメールと共に車で燃える男から逃げていたら背後で大爆発。天高く吹っ飛んだ消防車やら人間やらが降ってくる」「巨大な炎の鯨が現れヘリを飲み込んで撃墜」「燃える男が炎の天馬に乗って天を駆けて追ってくる」「馬で逃げていたら何故か都合よく目前で落雷が起こり地面が崩れ転落」というコメントに困る怒涛の展開になる *14

マップ移動が寂しく、回数が多い

  • オープンワールド化によって自由潜入が可能になった一方で、拠点から拠点までの道中が寂しすぎる。
    • 拠点以外のところは植物や動物がいるぐらいで、敵兵は巡回車両や捜索中の者以外ほぼいない。そのため拠点以外の場所は基本的に移動する以外にやることがない。
    • 元々ミッション数が膨大なこともあるが、ミッションの種類がある程度限られる上に移動するマップがわびしいため、一通りミッションが出そろった後の第二章から、所謂作業ゲー感がかなり強まるという指摘がある。
    • 尤も敵兵が各地に配備されて密度が上がってしまうと、今度は難易度が上がってしまったり車や馬を使いにくくしてしまうので、一概に批判できるものでもないのだが。
  • 車や馬などで移動するのはわかるが、わざわざ呼び寄せたヘリは帰還するだけの一方通行で、ヘリでマップ上を自由に移動することはできない。
    • 尤も、スネークや捕虜等を降下、回収出来る場所の問題や墜落の危険を考えればランディングゾーンが限られるのは当然とも言えなくもない。
      • 今作は敵戦力の中心地帯に闇雲にヘリを呼ぶと簡単に落とされるので、自由に移動できたとしても余り変わらなかった可能性もありうる。
  • 各拠点の配達施設で送り状を入手すれば移動時間の大幅なカット(いわゆる「ファストトラベル」システム)もできる *15
    • シリーズお馴染みの段ボール輸送であるが、大抵の配達施設は各拠点の内部にあったり、外部にあっても見張りの兵がすぐ近くにいることが多い。その為、移動する労力、時間を省略しようと「ファストトラベル」すると、「ファストトラベル」する為に「潜入」する(時間、労力をかける)必要がある。オープンワールドの移動手段としては本末転倒感が否めない。
  • 高さ10センチくらいの小さな段差に引っ掛かり、進めず迂回する羽目になる事がたまにある。小岩の中にも、登れるものとそうでないものの見分けが付きにくい物があり小さなストレスの原因となりうる。

オンライン開発

  • アップデートでリアルタイム経過で開発が進む「オンライン開発」という高性能装備が追加されたのだが、開発にはかなり高い班レベルが必要。
    • 無料で建設できるFOB1だけではかなり厳しく、課金してFOB2,3を購入する必要がある。
  • 開発時間も長く、10日以上かかるものもある。短縮するためには課金が必要だが、装備の数も多いためかなりの額になる。
    • MBコインを使わせる、すなわち課金させるためのものだと受け止められても仕方がないほど。
    • ただしMBコインはデイリーログインボーナスでも少量ながら入手可能であるため、無課金でもFOB2以降は時間はかかるがこまめのログインで建設可能である。

難しすぎる序盤

  • MGSシリーズは基本的に装備が現地調達、自部隊開発が原則である。そのため、序盤は装備が乏しく、物語が展開するにつれて充実していくことになる。それは当然今作も変わらない。
    • ところが、特に病院脱出直後にプレイする事になる初めての本格なメインミッションである「幻肢」初回時の構成に難があり、「マザーベースの支援システムは全て使用出来ない」、「バディがDHなので索敵は自分で行う必要がある」、「通訳がいないので尋問できない」、「麻酔銃の弾薬・サプレッサーは拾うしかない、サプレッサー自体もすぐ壊れる」、「フルトン回収もできないので敵兵を完全無力化するには殺害しかない」というように制約だらけの中で進める必要がある。その上救出までの時間制限、救出後のスカルズの襲撃といったミッション構成自体の問題、プレイヤーがシステムに慣れていないことなどもあってなかなかの厳しさになる。
      • ただし、バディやフルトン回収、一部の支援システムは『GZ』にはそもそも存在しなかった要素であり、『GZ』プレイ済みのプレイヤーにとってはそこまで問題にはならないとも言える。

野生動物保護について

  • 動物ごとにレア度が存在するのだが、出現しやすいはずなのになかなか捕獲できない動物がいる。中には生息域がフィールド全域になっている動物も。

進行不可能になるバグがある

  • 初期版では蝶のエンブレム(Front)を使用しているか、クワエットとの親密度をエピソード29か42で最大にしてクリアすると発生。修正パッチは配信されているがオンライン環境がない場合は注意が必要。
  • またPC版での症状として少年兵をトイレに隠すと消えてしまうバグもある。入れた判定はそのままだがトイレから出そうとしても操作不能になる。予防としては少年兵をトイレに隠さないこと。
  • このほかにも進行に必ずしも影響はしないが、一部の開発資料を手に入れてミッションクリアしても資料を入手していないことになっていて、元の場所に戻っても無くなっているなどのバグが存在した。修正パッチは配信済み。

時代錯誤なオンライン周り(『MGO3』)

  • 当初はオンライン対戦が可能になってかなりの時間が経っているのにも関わらず、ホストのログアウトで次のホストへ引き継ぐ機能が備わっていなかった。現在は修正され、ホストは引き継がれる。この際途中抜けしたホスト以外のプレイヤーの戦跡、経験値が反映される。
  • テキストチャットが打てない。無線が少ないといったコミュニケーションまわりも前作から劣化している。アップデートで一部コミュニケーション機能が強化された。ただし新規追加無線についてはボイスはなし。
  • これらはアップデートで改善される模様。

『MGO2』と比べて(『MGO3』)

  • コミュニケーションの幅が狭くなってしまったのは前述の通りだが、仕様変更に伴って良いほうにも悪いほうにも捉えることができる。
  • 今回の『MGO』は本編同様に体力ゲージが存在せず、自動回復制。
    • 姿を晒す危険性の増大と、冗長気味になってしまう銃撃戦が少なくなり、リスポーンシステムの変更もあって回転の早いものになった。
  • 前作『MGO2』では被弾時に0.2~3秒程度の非常に長い無敵時間が存在していたが、今作では撤廃された。
    • これにより前作ほどヘッドショットを重視しなくてよくなった。
    • 胴に数発当てても素早く倒せるようになり、ヘッドショットの重要性が下がり、前述の無敵時間の消去により複数人が逆に不利になる状況もなくなり結果的に漁夫の利を獲得する色が強くなった感はある。
    • ただし敵を倒す難度が下がったことにより、姿を晒す危険性が増え、慎重さが必要になってきた面も否めない。
  • クラス制によりプレイヤーの行動が個性となることが難しくなった
    • 脚の遅い重装の立ち回りといった具合に、そのクラスにおける最適な動き方が求められ、その点ではプレイスタイルの自由度は狭まったと言える。
    • キャラクター自体に個性が備わったため、嫌がおうにもその個性を演じなければならないということは、試合内容のバリエーションを豊かにしているとも言える。
  • 他にもマップの数やユニークキャラクターの数など差はあるが、前作『MGO2』もサービス開始時は少なく徐々に増えていったため、今後の『MGO3』に期待したいところ。

総評

大規模なオープンワールドとステルスゲームを組み合わせた今作は、リリース当初はその没入感や緊張感などゲーム部分を高く評価され、発売を待ち侘びたファンに称賛と共に迎え入れられていた。
だが、大ボリューム故に終盤で多少なりとも感じさせてしまう作業感のみならず、発売前に提示されたコンセプトとは異なる中途半端な物語によって「未完成」の烙印を押されその評価は大きく変動してしまった。
前者に関してはそれでも尚高く評価するプレイヤーも少なくない。
しかし、後者に関しては、仮にも完結作の看板を背負い、力を入れた壮大な前振りによって大きく売り出された本作に大いに期待されていたファンにとっては看過し得るものではなかった。
そのことを踏まえ、本作は本当に締め括りに相応しいものだったか?と問われたら、自信をもって首を縦に振ることはできないだろう。

オンライン周りに関しては、コナミと小島プロダクションの軋轢を感じさせるほど当初は致命的な部分で問題を抱えており、特に『MGO3』における前作『MGO2』からの教訓が生かされていないことが残念というほかなかった。

サイファーでありながら独自に行動するスカルフェイス、言葉を持たずに協力するクワイエット、復讐に燃えるカズ、そしてそのカズに賛同するスネーク。
ダークで、考えさせられるキャラクターたちの思想と結末は、今作最大の特徴であり魅力であると言える。

余談

  • 本作のストーリーはジョージ・オーウェル著の名作SF小説『1984年』から特に強い影響を受けており、本作の舞台も1984年である。
    • この影響が強く出ている(と言われている)のが登場人物の一人であるヒューイに関連したストーリー。核心部分のネタバレとなるためここでは触れられないが非常に興味深い考察をしてる方もいるため、興味があったら探してみよう。
  • またハーマン・メルヴィルの小説「白鯨」からの影響・引用が見られる。ファンによる考察や矢野健二氏のインタビュー記事に詳しい(この他にも「蝿の王国」、「闇の奥」、カセットテープにも収録されているデヴィット・ボウイの楽曲など)。
  • 未完成という話について。
    • いくつか既に触れているが、『発売前後のメーカー側のゴタゴタ』『不自然なシナリオ(尻すぼみ、物語比重の偏った2章構成、唐突に迎えるラスト)』『製品に入っていない幻のエピソード』など疑惑の種に事欠かなかったため極めて濃厚とされた。


*1 国内ではダウンロード販売のみ

*2 DirectX11対応のグラフィックボードが必須。

*3 コナミスタイル限定、SPECIAL EDITION&バイオニックアーム

*4 SPECIAL EDITION&限定PS4

*5 今作ではフルトン回収は支援班が行う為、支援班のレベルが低いと回収が失敗しやすくなる。

*6 フレアグレネードは続投。投擲武器扱いであるため、iDROIDを開かずシームレスに支援要請が可能

*7 描写が違っている部分もあるがほんの僅かであり、大半のプレイヤーにはムービーの焼き直しに映る。

*8 オセロットと馬に乗って逃げるパートは含まれない。

*9 ただし、オセロット曰く「証拠は全て海に沈んだ」、「あるのは事実だけ」とテープで語っているので確信犯だったとは断定できない。

*10 元凶はヒューイではあるが、(仲間とは認めないと断言して監視を付け、裏切りの証拠を回収させる等露骨に疑っていた筈の)彼の暴挙を見落としたり、(ヴェノムに無報告で)「悲劇」の初期対応を行って二次災害を引き起こす等カズの不手際も被害を拡散させてしまった原因なのだが。

*11 ただの同族嫌悪の可能性もあるが。

*12 行方を追跡して殺そうと言ったり、研究は引き継いだから奴がいなくても同じ等

*13 スカルフェイス抹殺後に証拠集めを開始したり、異変が起こる度にヒューイを真っ先に疑う等露骨な面も多い

*14 ただ、スネークは後遺症のために存在しない物が見えることがあるとテープの会話で語られている。

*15 シリーズお馴染みのダンボールに入って荷物と一緒に運ばれるという物