太鼓の達人 Vバージョン

【たいこのたつじん ぶいばーじょん】

ジャンル 和太鼓リズムゲーム
対応機種 プレイステーション・ヴィータ
発売元 バンダイナムコエンターテインメント
開発元 バンダイナムコエンターテインメント
セブンスコード
発売日 2015年7月9日
定価 5,690円(税別)
レーティング CERO:A(全年齢対象)
判定 なし
ポイント 音ゲーとしては良作
ストーリーは作業ゲー
太鼓の達人シリーズ


概要

Vita初の太鼓の達人。ソニー機種ではPSPの『ぽ~たぶるDX』以来となる。

特徴

  • パッケージに書いてある通り、主にアニメ、ボーカロイド、ゲーム曲等が80曲以上収録されている。
  • 本作のストーリーモードに当たる「ドンだークエスト」。
    • ヒロインの「メイプル」と一緒に協力な敵「ノイズ」を退治する様々なクエストを受けて行くモード
    • 難易度は中辛~激辛の3段階で選択可能。
  • つまみ食いモード
    • 好きな曲で好きな所を練習出来るモード。
    • 新たに速度を0.5倍~1倍に変更が出来るようになり、より練習しやすくなった。
      • ただし遅くするとBGMは流れない。
  • 本作は難易度は高めで鬼の最低難易度は★6の7曲だけで他は全て★7以上。
    • その内3曲に裏譜面があり。

ドンだークエストのシステム

  • クエストを達成し名声値を上げて行くと段位が上がり、受けられるクエストが増えて行きステータスが上がる。
    • メイプルの家
      • ここでデッキや着せ替えの準備が出来、難易度の変更が出来る。メイプルは留守番させてどんちゃん一人で挑むことも可能。
    • クエストボード
      • ストーリーのクエストを受けられる。一定の段位が上がると段位毎の最終クエストが受けられるようになる。
    • ミッションボード
      • ストーリーとは別のクエストが受けられ、主に武器や着せ替え等を集めるボード。ストーリーが終わった後にメインとなるボード。
    • キズナミッション
      • 通信プレイでミッションボードのクエストを協力してクリアを目指す物。
  • 戦闘システム
    • 基本的に時空大冒険などと同じく、コンボを繋げば攻撃、可と不可を出すと敵が攻撃してくる。敵のHPを無くせば勝利。
    • ステータスに「はやさ」がありG~SSの段階がある。ランクが高いほど少ないコンボ数で攻撃が出来る。
    • HPはどんちゃんとメイプル別々で、どんちゃんのHPが無くなると即クエスト失敗になる。
    • 必殺音符を叩くと2人に装備している必殺技が発動し、敵にダメージを与える物、一定時間ステータスアップ等の有利な効果が発動する。
      • 必殺技は太鼓キャラ以外にも様々な作品からキャラがゲスト参戦している。
    • 敵との戦闘は一体の物から、連戦、メドレー形式など様々な戦闘がある。
    • クエストは敵退治以外にお題を達成する物もある。
    • 攻撃には無、火、草、水、光、闇があり火属性の敵には水属性で挑むと有利と言った戦略を取れるように。

評価点

  • 豪華な収録曲。
    • アニメは「Butter-Fly」「only my railgun」「マジLOVE1000%」といった収録希望は高かったものの旬を逃してしまっていた曲が、
      ゲームは「DADDY MULK」「Blood Rage」*1「TO MAKE THE END OF BATTLE」*2と言った評価の高いマニアックな曲が並ぶ。
    • AC10限定曲だった「Dual Moon」も収録された。
      • 物凄く遅い音符があるが、これは原作の「METAL BLACK」のRound2にある2つの月を再現している。
    • 他社とのコラボイベントとして行われていた「ゲームミュージックトライアングル」の第一弾の楽曲も収録されている。
    • ボーカロイドは「ロストワンの号哭」「恋愛裁判」等が収録。
      • 「聖槍爆裂ボーイ」は本作限定曲とされている。
    • バラエティには小林幸子による「千本桜」、プロレスラーのオカダ・カズチカの入場テーマ曲「RAINMAKER」、ライト層にも人気の高い「やわらか戦車」が収録。
    • J-POPは太鼓の達人初登場アーティストとなる「ギミチョコ!!」(BABYMETAL)や「デジタルモグラ」(ゲスの極み乙女。)、「華振舞」「夏祭り」といった曲を収録。
      • 「ギミチョコ!!」には高難易度の裏譜面も用意されている。
    • ナムコオリジナルは「ヤマタイ★ナイトパーティー」「闇の魔法少女」等アーケード限定だった曲が収録。
      • 新2000である「ノるどん2000」は原点回帰というコンセプトで難易度は前2作と比べると大分簡単になっている。
  • DLCは「ビタッとソングキャンペーン」と題し配信して欲しい曲を募集し、「Daydream café」「コネクト」「ミュージックリボルバー」
    「maximum the hormone」「僕らは今のなかで」(※2018年11月2日に配信終了)「幽玄ノ乱」といったアーケード限定曲や「Rising Hope」「Bravely You」「ウミユリ海底譚」等新曲が配信されておりこれらは評価が高い。
    • 当時家庭用未収録のままACから削除され二度と遊べない曲になっていた「maximum the hormone」が家庭用初移植、
      再録が望まれていたがコナミ「遊戯王」のタイアップ曲であること、アーティストが既に解散していることから復活はほぼ無理と思われていた「快晴・上昇・ハレルーヤ 」が当時の出典表記『遊☆戯☆王デュエルモンスターズGX』ごとアニスペから約10年振りの復活となり救済された点は評価が高い。
    • 更に家庭用では初登場となる「東方Project」の楽曲をなんと期間限定無料配信するというサービスを行った。
      • 配信されたのは「ナイト・オブ・ナイツ」、「ネクロファンタジア ~ Arr.Demetori」、「明星ロケット」の3曲。他にも「Bad Apple!! 」や、ACで行われたコラボの「NAMCO SOUNDS」によるアレンジ楽曲4曲も人気曲パックに含まれている。
    • その他にもJ-POPでは、一般にも知名度の高い「紅」の次として同じX JAPANの「Silent Jealousy」を配信。譜面内容、コンボ数ともに紅の上位として位置づけられており評価が高い。
      アニメソングではキャッチコピーに違わず「シュガーソングとビターステップ」「クローバー♣かくめーしょん」「Checkmate!?」など
      シリーズであまり収録されてこなかった深夜アニメの曲を積極的に配信しておりこちらも評価が高い。
    • ACで復活した際譜面変更されその譜面で本作に収録された「THE IDOLM@STER」は旧譜面を裏譜面として無料配信している。
    • DLCの新規配信は全14+1(上記の東方3曲パック)回で一旦終了。“一旦”と書くあたり『ぽ~たぶる2』のように再展開があるかも知れない。
  • 演奏オプションに「真打」「とっくん」の追加。
    • 前者は前から望まれていたため好評。ただしアーケード版と違い王冠は通常と別々の扱い。
    • 後者はミスをすると演奏がやり直しになる物。
      • ポーズ画面を開いてやり直す手間が省けるのでフルコンボを目指す際に有効。
  • ドンだークエストの難易度に「激辛」が追加。
    • 過去シリーズの冒険系モードの難易度にはかんたん~ふつうまでが登場する「甘口」、ふつう~むずかしいが登場する「中辛」、むずかしい~おにが登場する「辛口」が
      存在したが、各難易度とも基本的には前者の方が登場し、後者はボス的な立ち位置のみで登場していたため、おにをメインに遊ぶプレイヤーからは物足りないとの声もあった。
      今作ではおにのみが登場する「激辛」が追加され、上級プレイヤーの声に応えた。
  • 例えばどんちゃんはサポート構成、メイプルはスピード重視のアタッカーといった自分のプレイスタイルに合わせてストーリーを進められる。
  • ストーリーで手に入る支援と必殺技の豊富なゲストキャラ。
  • ミッションボードでは小林幸子がクリア後のラスボスとして登場するというサプライズクエストがある。

賛否両論点

  • DLCは評価は高いが一方で発売後に単品配信された予約特典曲等を除き全てパック配信のみとなっている。
    • 基本的に1パック5曲で540円で特典等の単品曲は162円とパックは1曲辺りの価格は安いが、1曲だけの為に540円は割高に感じてしまうので単品配信も望まれている。
    • 但し、パックに配信終了された楽曲が含まれていた場合、配信終了していない曲のみ1曲ずつ購入する事ができる。
  • アニメの新曲は似たような譜面で★7下位に偏っており物足りない。
    • 逆に言えば初心者でも叩きやすい譜面なので一概に悪いとは言えないが、ターゲット層を考えると手応えのある譜面が欲しかった所。
  • クラシックは全てアレンジ曲。
    • アレンジの評価は高いが普通のオーケストラ音源曲も入れて欲しかったという意見もある。

問題点

  • ドンだークエストについて
    • ターゲット層が中高生向けのためかゲームフローが狩りゲー風味(クエスト受注→挑戦→名声を溜めて各ランク毎のボスクエスト)となっているが、
      DS、3DS作品のRPGモードのようにフィールドを移動する要素が無いため、ひたすらクエストに挑むだけになっており、非常に薄味で単調。
      加えてストーリーの進行も各ランクの最後だけでしか起こらず単調さに拍車を掛けている。
    • 難易度に「激辛」が追加されたのはいいのだが、何故か過去作品にはあった「甘口」が代わりに削除されてしまっており、初心者には少し難しい。
    • ボスの妨害が鬼畜すぎる物が多く(音符の色をほぼ見えなくさせる上、下の文字も見えにくくするなど)、難易度「激辛」だと譜面の暗記がほぼほぼ必須となる。
    • 本作は中高生向けのはずだがストーリー内容は本作よりターゲット層が下のDS系列作品と代わり映えしない。
    • 本作の敵である「ノイズ」も結局何者だったのか分からず終い。
    • ストーリークリア後に「ノイズ」が凶暴になった会話が始まり、ミッションボードがメインになるがストーリーの会話はこれで最後。
      • 最高段位になってもお祝いの会話が無いので達成感があまり無い。
  • UIもあまり親切ではない。
    • 武器や必殺技は数が多く並び替え機能が無いので探すのに手間が掛かる。
  • いまいち存在意義の薄い属性の武器。
    • 同時期に手に入る無属性の武器と比べると攻撃力があまり高くない上、どんちゃんの着せ替えでも属性は付けられるので、無属性武器+属性着せ替えの方が威力が高くなる。
  • 相変わらずの和田かつの扱い
    • 過去作品では和田どんのみがメインのストーリーが多いが今作は珍しく和田かつが同行している。
      しかしかつはプレイヤー切り替えで能力が変化するわけではなく、メイプルから「ドンだーの才能が無いから」という理由で単に風船連打で風船を割るだけの役になっている。
      以前からネタキャラの立ち位置に置かれているもののこの扱いを快く思わないプレイヤーも多少なりとも存在する。
  • クエストにはクリアすると着せ替えや武器等の報酬があるがこれらが一定の確率でドロップするという仕様。
    • その為ドロップするまで同じお題を数回こなさなければならず、余計に作業ゲー感に拍車を掛けている。
      • 着せ替えで確率を上げる物はある。
    • 似たようなお題もあり水増し感がぬぐえない。
  • 使い回しの多い敵キャラ。
    • ただの色違いが多く過去作に比べバリエーションが少ない。
  • ミッションボードのミッションは譜面難易度固定
    • クエストボードのミッションは難易度変更が可能だが、ミッションボードの難易度は変更不可。
    • そのため評価点であるラスボスの小林幸子と戦うには、おに譜面のほとんどをクリアができる腕前が必要である。
  • 通信プレイがキズナミッションのみ。
    • 何故演奏ゲームの通信プレイを削ったのだろうか。
    • ちなみに『ぽ~たぶるDX』では通信した相手と楽曲成績を交換しランキングが表示される機能があったが、これも削られている。
  • 千本桜は『Wiiごうか版』から5作連続収録されている。
    • 確かに人気曲とは言えるのだが、前作の時点で既に4作品連続収録だったので流石にうんざりだとの声が多く上がっていたが、
      今作にもまた収録されたため毎作購入するファンからはかなり不評。
    • 一応、家庭用最多収録数ではないが、最多収録数を誇る他の楽曲は連続収録はされておらずちょうどいいほどに期間を空けて収録されているため好評を得ているが、5作品も連続で収録されることは極めて異例である。
      • 超ごうか版で、計3作品連続収録されていた『New スーパーマリオブラザーズ』がゴリ押しと捉えられ、不評だった前例があるにもかかわらず5作連続収録するのは、いくら人気があってもうんざりと言われるのは仕方ないことであろう。
  • 全ての場面でスクリーンショット撮影不可
    • 成績画面含めスクリーンショットの撮影が禁止されている。そのため、成績画面を残す(共有する)にはスマートフォン等で成績画面を直接撮るなどしか方法がない。
    • 余談だがBEMANIシリーズには成績画面をシェアしTwitterなどに掲載出来る機能が実装されている。つまりこの手の需要が確かに存在するということである。
    • ちなみにWiiU版シリーズだとMiiverseを通じることでスクリーンショットが取れる。
      • なのだが、3DS版2作目『太鼓の達人 どんとかつの時空大冒険』ではそのHOMEボタンを押すとなぜか画面が暗転してしまい成績画面を投稿することはできない。
    • 権利関係などの問題は無いと思われるのだが、撮影出来ない理由について説明が無いので不満を残す結果となってしまっている。
      • 後に本作のシステムをベースに発売された『アイドルマスターマストソングス』ではスクリーンショット撮影が可能となっている。
  • ゲームの問題点ではないが、Vitaのボタンが固めなので操作には慣れが必要。
    • 慣れればそこまで問題にはならない。
  • タッチ操作はモードや選曲の時のみで残念ながら演奏には非対応。
    • WiiUやスマホ版の実績があるので期待の声は高かった。
  • テレビで遊べるVitaTVには対応していない。

総評

音楽ゲームに本格的なRPGを求めるのはお門違いであろうが、おまけとして見ても本作のストーリーモードには見過ごせない点が多い。
しかしながら太鼓の達人シリーズとしての良さはもちろん健在であり、今までのシリーズ作とは一線を画す楽曲セレクトも評価が高い。
本作のみの収録曲も多いので収録曲リストを見て「ビタッ」とハマる曲があるのなら十分購入する価値はあるだろう。

+ タグ編集
  • タグ:
  • リズムゲーム
  • バンダイナムコエンターテインメント
  • 太鼓の達人

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2021年05月16日 04:49

*1 「GOD EATER 2 RAGE BURST」からの出典

*2 日本ファルコムの「イースI&IIクロニクルズ」からの出典