カドゥケウス NEW BLOOD - ゲームカタログ@Wiki ～名作からクソゲーまで～

カドゥケウス NEW BLOOD

【かどぅけうす にゅー ぶらっど】

ジャンル	医療アクションゲーム
対応機種	Wii
発売・開発元	アトラス
発売日	2008年1月17日
定価	5,800円(税別)
レーティング	CERO：B(12才以上対象)
判定	良作
ポイント	新たな主人公、環境を一新 ドラマ性、手術性も向上 待望のフルボイス
カドゥケウスシリーズ

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概要

医療アクションゲーム『カドゥケウス』シリーズの第3作目。
主な舞台をアメリカに移し、主人公も新キャラの2人(マーカス、ヴァレリー)に変更されている。
前作の主人公・月森とアンジュも出演(*1)。
台詞や音楽から外国ドラマのような雰囲気が作られている。

ワイド表示(16:9)、プログレッシブ出力対応。
ゲームとしては、2人で手術する協力プレイが追加されている。
また、ニンテンドーWi-Fiコネクションにより、スコアランキングをユーザー同士で競うことができるようになった。

前作『カドゥケウスZ 2つの超執刀』と同様に、日本に先んじて北米で発売され、30万本以上のセールスを記録した。

ストーリー

北アメリカ北極の地、アラスカ 内陸の街"フェアバンクス"からほど近く、 雄大な自然に囲まれ、人々が強く春の訪れを待つこの地に、 街を見守る小さな老人のように"モンゴメリ記念病院"は建っていた。
主人公のマーカス・ヴォーンとヴァレリー・ブレイロックは その小さな医療所で勤務していた。

ある日、2人に一通の手術依頼書が届く。それは、未知のウィルスに感染した本院の教授からの物だった。
| ウィルスの名前は「スティグマ」。

恐るべき侵襲力を持つ「スティグマ」に戸惑うも、2人はなんとか手術を成功させる。だが教授は、自身の回復を待たず謎の失踪を遂げてしまう。
そして程なく世界中に「スティグマ」が蔓延したのだった。

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特徴

• ストーリーは2人の医者の内どちらかを選択して、手術を行う。
  • マーカス・ヴォーンは超執刀が最初から使える。またヴァレリーより若干超執刀の時間が長い。
  • ヴァレリー・ブレイロックは最初は超執刀が使えないが、超執刀中にミスしてもバイタルへの影響が無いので初心者向けとも言える。
  • ちなみにﾀﾞｸﾀｧﾂｷﾓｩﾘの 超失踪 も二人に受け継がれている。

• 前作『カドゥケウスZ』の人気が高かった北米市場を意識したためか、難易度が若干高くなっており、EASYモードでも相当の試行錯誤を要するステージが存在している。
  • その難易度と制作背景故に、ある程度コアなゲームユーザー向きの仕上がりとなっている。

• 主なゲームシステムは前作とほぼ同じ仕様となっており、キャラクターデザインも前作同様に土居政之氏が担当している。

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評価点

• 本格アメリカ医療ドラマ風味のシナリオ
  • マーカス・ヴォーンとヴァレリー・ブレイロックの2人の医者は事件、事故、テレビ出演、生物兵器との対決、戦場での医療業務など多種多様なドラマに巻き込まれる。
  • また個性豊かで国際色が強いキャラクター達がまるで海外ドラマのような雰囲気作りに貢献している。
  • 前作と比べてシナリオはクールな印象を受けるが、最終部ではプレイヤーを熱くさせてくれる。

• 豊富な立ち絵
  • 前作までは立ち絵が少なくキャラクターは無表情という意見があったが、今作では大幅に増加した。
  • 加えて多くのキャラクターに表情差分も追加されたり、以前は普段着で手術を行うなど不自然な点があったが、今作はちゃんと手術着で描かれている。
    • また以前は患者などのイラストが省かれる事もあったが今作は概ね描かれている。

• フルボイス
  • 以前は名前を呼ぶ、手術道具を叫ぶなどにしか無かったボイスであったが、今作は全てについた。
  • これにより以前は時間経過中だとキャラクターの台詞を読んでいる暇が無い、という欠点が解消された。
  • オペ中の臨場感も大幅にアップ。演じる声優陣も小山力也氏や大塚芳忠氏、飯塚昭三氏と海外ドラマの吹き替えを数多く行っている方々があてられており、前述の医療ドラマの雰囲気をさらに向上させてくれる。

• 多様な手術
  • 以前はギルス中心で本格的な手術をしたい人には肩透かしを食らう内容だったが、今作は交通事故、臓器移植、果ては犬の手術までとバリエーション豊富となっている。
  • またヒールゼリー制限、回復制限という本編とは違った攻略法を強いられる事になる。

賛否両論点

• キャラクターの背景が薄い
  • キャラクターの設定は個性豊かであるが、一人一人の背景が無い。
  • 過去を掘り上げる事も少なく、主人公の二人が何故医者を目指したかなどが説明される事はない。
    • また基本メンバー以外のキャラの人間模様が、あまり描かれていないという意見もある。

問題点

• 2人の主人公にした意味が無い
  • 前作『2つの超執刀』が2人の主人公で違うストーリーだったのに対して今回は同じストーリーなので、主人公を選ぶ意味がない。
  • このような複数主人公制のゲームでは「主人公ごとに性能が違う」や「シナリオが変化する」などがよく採用されるが、本作は2人の主人公の性能の変化が乏しく、シナリオも変化しない。
  • また、シナリオによる主人公選択制限も無い。例えばヴァレリーに縁ある人物のオペをマーカスが行うことも可能。
  • そのため、「もう少し差別化しても良かったのでは」という意見がある。
    • 一応キャラごとにクリアランクは記録されるのだが、結局高ランクを目指すには超執刀を封印しなければならず、上の問題点がのしかかってくる。

• 長時間の手術が多い
  • 本作は制限時間が10分間の手術が多く、加えてカドゥケウスシリーズは最もWiiでリモコンを激しく動かすゲームとも言われており手に負担がかかりやすい。
  • そのため長時間のプレイは厳しくなっている。

• 難易度選択が面倒
  • 早送り機能は付いているが、手術に失敗して、難易度を変更してもう一度やるとまたシナリオを見なければならない。

• オニュクス
  • オニュクスというスティグマは、抗生剤を投与するとダミーを出して逃げる。ダミーに攻撃するとバイタルが下がるのだが、このダミーを見分けるのが困難である。
  • 本物とダミーは同じ色をしていて形状が少しだけ異なる。体内に潜る時の方向から潜伏場所を絞り込むことになるが、逐一追っていないと分かりづらい。
  • その為最終的に運ゲーになりがち。

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総評

キャラクター・環境を一新したカドゥケウスシリーズの第3作。
医療ドラマとしても、海外ドラマを意識してか深みが増し、没入感が向上。
また立ち絵・キャラクター・ボイス・手術の種類なども増え、順当に進化した続編と言える。

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*1 ちなみに2人の仲は進展が無いと思われる。