ハドソンセレクション Vol.1 キュービック ロードランナー

【はどそんせれくしょん ぼりゅーむわん きゅーびっく ろーどらんなー】

ジャンル アクションパズル

対応機種 プレイステーション2
ニンテンドーゲームキューブ
発売元 ハドソン
開発元 ハドソン
ビリケンソフト
発売日 2003年7月10日
定価 3,000円(税別)
廉価版 【PS2】ハドソン・ザ・ベスト
2005年2月3日/1,800円(税別)
判定 シリーズファンから不評
ゲームバランスが不安定
ポイント 3D化による超絶難易度化
悪すぎる操作性
少ないステージ
ファンからは黒歴史「2Dの方が良い」


特徴

名作アクションパズルゲーム『ロードランナー』を3D化したもの。
「移動と穴掘りを駆使し、番兵から逃げつつ金塊を集める」というコンセプトはそのままに、マップに奥行きが追加され、立体的な構成になっている。

元の作品は操作も画面もシンプルであり、全体を把握しやすく取っつきやすいことが長所であったため、「3D化して大丈夫か…」とファンは不安になっていた。
そしてその不安は的中することになる。


問題点

  • ステージが見づらい
    • 3Dのため、視点を回転させなければならないのだが、回転に時間がかかるうえに一瞬止まることもある。
      • 特にハシゴやロープといったギミックが見づらく、また奥行きもわかりにくいため何度も回転させるハメになる。
    • 無論、回転中に敵に襲われることも。
      • ポーズ中にも回転できるのが唯一の救いだが、ゲームテンポを損ねてしまう。
      • しかしポーズをせず回転させてもプレイタイムは刻々と過ぎていくため、規定タイムクリアによる勲章(後述)を獲得するためにはポーズ併用がほぼ必須となってしまっている。
  • さらに追い打ちとして、どの角度から見ても死角になる部分がある。そこに敵がいて突然襲われる、或いは金貨があって気付きにくいといったケースが多い。
    • これは3Dのゲームだとよくあることなのだが、ロードランナーの場合、ゲームの特性上どうしても地形の凸凹が多くなるため、問題点として大きくなってしまうのである。
      • 高橋名人は過去作で「見えていない部分に向かっていくときに、敵ロボットが出現するのではないか? という、ちょっとした恐怖心を新たに生み出した事で、よりゲームらしくなった」とコメントしているが、本作でも、ロードランナーには相応しくないそういう要素を意図の有無はともかく取り入れることとなった。
      • そもそもロードランナーというゲームにおいて凸凹は、金貨を隠したり敵を閉じ込めたりと戦略上かなり重要な役割がある。それが見づらくなることで位置や大きさが測れなくなるとゲーム性が大きく変わってしまうのである。
    • 一応ポーズ中にブロックの列ごとをマスクして全体を見ることが出来るスライス機能はあるのだが、当然ポーズを解除すると元に戻ってしまう。
  • ステージが狭く、横幅や高さが過去作に比べて明らかにせせこましい。
    • これについては、おそらく広げると余計に見づらく難解になる(3Dのため)ことへの対処だと思われる。それに合わせ敵の数も減っている。
      しかし結果としてこの程度のサイズでも十分難解であるので、やはり3Dにしたことがまずかったと言えるだろう。
  • ステージ数は80。旧作をプレイした人はお察しの通り。FCでもPSのSuperLiteでも150備えていたことを考えると物足りない。

評価点

  • 音楽はFC時代のものを再現している。音質までしっかり再現しており、再現度は非常に高い。
    • そのため、旧作を未プレイであっても、時代と懐かしさを感じさせるものである。
    • またおまけで一部の曲をFC版の音源で鳴らすことができる。
  • 相変わらずエディットステージが存在するのも良い。
    • 作成したステージはメモリーカードに保存も可能。
  • 透ける床、掘り進んで取る金貨、敵に金貨を取らせるなど、過去作にあった難解さはそのままなため、やりごたえは充分である。
    • そのため高難易度化に拍車をかけているのだが。
  • ステージごとに規定タイムが設定されており、それを超えることで勲章を獲得出来るやりこみ要素が搭載されている。
    • またFCロードランナー同様条件を満たすことでフルーツが出現する。元はフルーツの出現はランダムだったが、こちらは条件達成した瞬間のタイムによって出現するものが決まっている。何を獲得したかやハイスコアも勲章獲得のタイムとは別に記録されるので、純粋なクリアタイムとは別のやりこみ要素となっている。
  • プレイを進めることでロードランナー含む過去のハドソンタイトルのTVCMを観覧できる。

総評

「3D化しない方が良い」の典型例。ファンからはこれはもはやロードランナーではない、とまで言われる有様である。
実際、本シリーズの「地形に凸凹や穴が多い」「一歩のミスが命取りになる為、ギミックの位置を正確に把握しなければならない」といった点は明らかに3D化と相性が悪い。

本作は単体のパズルゲームとして見てもかなり難解という、残念な1作となってしまった。
このジャンルがよほど得意でないとオススメできない。


その後

  • 2017年にロードランナーの日本市場での商品化権を保有するTozai Gamesより、3D作品の『ロードランナー・レガシー』がPCでリリースされた。
    • 今作と異なり、3D化されたのはあくまでグラフィックのみで、旧来通りの画面構成を採用している一方、一人称視点モードも用意されているという面白仕様で、発売後は好評を得ている。

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最終更新:2021年02月07日 21:51