このページでは『DEAD OR ALIVE 5』及びそのアッパーバージョンである『DEAD OR ALIVE 5 Ultimate』『DEAD OR ALIVE 5 Last Round』について解説する。
また、参考記述としてPSV移植版『DEAD OR ALIVE 5+』と、アーケード移植版『DEAD OR ALIVE 5 ULTIMATE ARCADE』についても軽く触れている。
本記事においては『DEAD OR ALIVE 5』を『5』と、『DEAD OR ALIVE 5 Ultimate』を『5U』と、『DEAD OR ALIVE 5 Last Round』を『5LR』と略して表記する。



DEAD OR ALIVE 5

【でっど おあ あらいぶ ふぁいぶ】

ジャンル 格闘エンターテインメント

対応機種 プレイステーション3
Xbox 360
発売元 コーエーテクモゲームス
開発元 コーエーテクモゲームス(Team NINJA)
発売日 2012年9月27日
定価 パッケージ版:7,800円
ダウンロード版:
【PS3】7,048円【360】6,858円(全て税別)
レーティング CERO:D(17才以上対象)
判定 なし
ポイント グラフィックが大幅に進化
艶めかしいほどの汗や汚れの描写
システムを一新、奥深さと爽快感がアップ
露骨なDLC商法と完全版(?)商法
DEAD OR ALIVEシリーズ

概要(5)

早矢仕洋介氏が率いる新生Team NINJAによる3D格闘ゲーム『DEAD OR ALIVE』シリーズの第5作。
前作より7年ぶりの新作で、本作はマルチプラットフォームとなっている。PS系のハードとしては『2』以来12年ぶりの登場。

グラフィックが旧作から大きく進化しモデリングも一新されている。汗や水で濡れたり、ダメージを受けることで汚れていったりとリアリスティックな描写が増えている。
パワーブロー、サイドステップ、クリティカルバーストといった要素が追加された一方、全て買おうとするとソフトの値段を軽く凌駕するDLCコスチュームの多さには批判が多い。

さらに『バーチャファイター』シリーズから晶、サラ、パイが参戦。本作のルーツといえる同作からのまさかの参戦はちょっとしたサプライズであった。うち、晶とサラはストーリーモードにも登場している。
あくまでゲスト扱いの為、物語の本筋には全く絡まない。一方これまで常連だった「レオン」と「アイン」がリストラされてしまったが『Ultimate』で復活した。


システム(5)

  • 本シリーズの攻撃方法は大きく分けて「打撃」「投げ」「ホールド」の3種類となる。
    • 打撃とは殴りや蹴りといった攻撃であり、投げとは相手を掴み、投げる攻撃であり、ホールドは「相手の打撃をさばき、返し技を放つ」までの一連の動作を繰り出す。これはシリーズでおなじみとなっており、ホールドこそが本シリーズの特徴といっても良い。
    • これらの攻撃方法は3竦みの関係であり「打撃は投げに強い」「投げはホールドに強い」「ホールドは打撃に強い」性質を持っている。
      • この3竦みによるプレイヤー同士の駆け引きは本シリーズの醍醐味となっている。
    • 実際の対戦においても、例えば打撃一辺倒で攻めようとしてもホールドで簡単に返される。その為「詰んでいる」状況というものが殆ど起きず、大きく腕に差のある相手ともある程度戦えるようになっている。
    • 逆にホールド中の相手に投げを決めると「カウンター投げ」となり、投げのダメージが大きく増加する。
      • ただし、本作ではホールドのダメージが減少し、旧来のように「どれだけコンボを決めても1〜2回のホールドで試合がひっくり返る」といった事がなくなったことで立ち回りやコンボの重要性が増した。
  • 特定の攻撃がヒットしたり、カウンターで打撃がヒットすると「クリティカル」という特殊な状態になる。
    • クリティカルはキャラクターがダメージを受けた事でよろけてしまって打撃に無防備となる危険な状態だが、ホールドを出すかレバガチャで回復することが可能。もし相手の次の打撃が読めていればホールドを出して瞬時に切り返せる。これにより例え攻撃をくらっても常に緊張感ある心理戦が展開される。
  • パワーブローは体力が半分以下の時に、対応技を溜めてヒットさせることで大ダメージを与える必殺技。
    • また吹き飛ばす方向を選ぶことが可能であり、このとき各キャラごとに専用の演出が入る。
  • サイドステップは素早く画面の手前や奥に移動する。攻撃の回避も可能だが、追尾性能のある特定の打撃や投げに対して弱い。
  • クリティカルバーストは通常のクリティカルと違い、回復もクリティカル中のホールドも出来ないバースト状態を誘発する。これにより、今までわかりにくかった浮かせ技の確定状況をプレイヤーが明確に作る事が可能になり、爽快感の大きな向上に繋がった。前述のパワーブローも決めることができる。
  • 対戦とは直接関係ないが、動き回ったり攻撃したりすることでキャラクターは汗をかき、服が濡れたり、場合によっては透けたりする。
  • また、ダメージを受けたり、地面に倒れたりすることでキャラクターの服や肌が汚れる、といった描写もされる。
    • これらは対戦中はよくみないと分からないが、ポーズして拡大したり、ムービーを確認したりするとよく分かる。
      • また、本作では女性キャラクター達ほぼ全員の乳房が大きい*1為、女性キャラクターを操作すると動く度に乳房がよく揺れる。ビキニのようなコスチュームを着た時には左右の乳房が別々に揺れる。設定で揺れを減らすことも出来るが、逆にものすごく揺れるモードもある。
+ 最高設定の乳揺れ ※エロ注意
  • 試合結果はリプレイとして残せる他、写真として保存することも可能。
    • 写真はアングルやカメラの距離などを変更して撮ることができる。
  • オンライン対戦は同一ハード同士で行うことが出来る。

評価点(5)

キャラクターのきめ細かな描写

  • 『4』までの半アニメ調のキャラクターモデルから一新し、リアリティが増した。
    • 分かりやすく言えば『真・三國無双』シリーズと似ている。
    • リアリティが増したといっても、キャラクターのイメージを損なうようなことはなく、過去作からのファンからも好評である。
  • グラフィック面でいえばPS3/360の作品としてもトップクラスの出来といえる。
  • 汗をかいたり、汚れたりするといったリアリスティックな描写は先に述べたとおりであるが、表情の変化もしっかりとしている。対戦中はそれほど気にならなくとも、リプレイなどで確認してみるとよく分かる。
  • 服等もキャラクターの動きに合わせてしっかりと動く。むしろ"そういう"ゲームである為、女性キャラクターのパンツは非常に見えやすい。

初心者でも取っつきやすい

  • 複雑なコンボを覚えるよりも重要なことは3竦みを覚えることであり、取っつきやすい。
  • ボタンごとに打撃、投げ、ホールドが分けられている為、どのような行動をする時にどのボタンを押せば良いかが分かりやすい。
  • 複雑なコマンド入力があまりないため、初心者でも取り敢えず触っていると技が出せる。さらに本作ではかなり展開が速く、中・上級者でも完全な対処は難しい。
    その為、上達は別として適当にやっているだけでも経験者相手にそこそこ戦える。この点が他のタイトルと大きく異なる点である。
  • もちろん初心者側の使用キャラにもよってはくるが、「ただ触って動かすだけで楽しい」という試みは評価できる点である。
    • 特に『DOA』初代からの看板である「かすみ」はガチャプレイに非常に向いた性能をしており、使いやすい。もちろんきちんとやりこんでいけば上達も実感でき、初心者にも上級者にもオススメできるキャラとなっている。

リプレイ機能で写真を撮れる

  • 対戦でリプレイを残すと、自由に一時停止し、写真を撮ることが出来る。
    • アングルなどは変更がきくが、ある程度の制約はある。

賛否両論点(5)

ホールドの弱体化

  • ホールドが弱くなったことによって打撃重視のバランスとなってしまった。
    • 一方で今までホールドの威力は「2〜3回決めれば試合が覆る」レベルであった為、単にホールドを乱発しているだけでは勝てなくなりプレイヤーの実力も必要となった。
    • 対戦ツールとして実力が反映されやすくなった反面、今までのホールドに頼る戦い方が出来なくなった事を批判している旧シリーズプレイヤーも多い。

問題点(5)

ストーリーが分かりづらい

  • ストーリーの進行に応じて語られるキャラクターが変化するのだが、これによりストーリー展開が非常に分かりにくくなっている。
    • 個々のストーリーが短く、描写も最小限、そして気付けば次のキャラクターとなっているため、理解し辛い。
    • 一応、時間軸のようなものは付けられているのだが、読み解きにくいことに変わりはない。
    • シリーズ全般に言えることであるが、特別な事情がなくDOAに参加しているか、大会主催者との因縁が無いキャラクターがいるためだと思われる。

オンライン周りの不具合が多い

  • 現在はパッチによって修正がされているが、オンライン周りの不具合は少なくない。
    • ラグやグレードポイント(強さのレーティング)の不具合、条件を指定してもそれ以外のプレイヤーとマッチングしたりといった不具合など、オンライン絡みでの問題点はかなりあった。
      • パッチによる修正は見られているが、オンライン関係に対する技術力不足からか、後の『5U』や『5LR』でも同じような不具合が出ている。

ダウンロードコンテンツ(DLC)のコスチュームが多い

  • ゲーム内のキャラクターの衣装の他にDLCのコスチュームが配信されているが、かなり数が多い。
    • しかも、1キャラクターの1コスチュームが200~300円程度であるため、全て購入しようとするとソフトを軽く超える費用が必要となる。
      • 当たり前といえば当たり前かもしれないが、コスチュームの配信量は男性キャラクターと女性キャラクターでかなり違う。
    • もちろん「買わなければ良いだけ」という意見は一理ある。しかしながら、問題点としてデフォルトで用意されているコスチュームがカラーバリエーションだったり、出来が微妙だったりするものが多く「DLCとして販売する為にソフトに入れるコスチュームを省いたんじゃないのか」と感じてしまうことが挙げられる。
      • また、購入は自由とはいえ1つ200~300円程度といった値段は費用対効果が見合っていないのではないかという声もある*2

総評(5)

7年ぶりの新作ということでキャラクターのモデリングを一新。技術の向上も相まってビジュアルは正にシリーズの生まれ変わりを体現している。

対戦に白熱するとそこまで見る余裕がないかもしれないが、一見して分かる美しいグラフィックと艶めかしいキャラクターだけでもグラフィックレベルの高さに引き込まれるだろう。
またゲームシステムそのものは旧作において作られた3竦みのシステムをベースとした上で爽快感と対戦ツールとしての奥深さとシビアさを適度に上乗せしており、対戦重視のプレイヤーにも概ね好評である。
格闘ゲームという初心者が取っつきづらいジャンルにおいて、初心者でも取っつきやすい3竦みのシステム、そして魅力的なキャラクターと美麗なグラフィックは、他の格闘ゲームにはないこの作品ならではの魅力といえる。
キャラクターに興味があるならば、腕に自信がなくとも楽しむことが出来るし、単純に可愛いキャラクターが格闘している姿を見たいというだけのプレイヤーであっても楽しめるだろう。

その一方で、フルプライスゲームにも拘わらず、大量のコスチュームをDLCで販売するといったメーカーの姿勢に対する悪印象から評価を悪くしている側面は否定できない。
オンラインの対戦も現在ではパッチによって改善されているが、発売当初は不具合も多く、格闘ゲームにおいて重要な他のプレイヤーとの対戦が上手く出来なかった点が残念と言わざるを得ない。

「可愛いキャラで3D格闘ゲームをガチで遊びたい!」というプレイヤーから「可愛い女性キャラクターが色んな格好で格闘している姿が見られればそれでいい!」というプレイヤーまで、ある一定の共通点を持った幅広い層で楽しめる格闘ゲームといえる。


DEAD OR ALIVE 5+ (参考記述)

  • 2013年3月20日発売のPSV版。PS3版ベースの移植で、PS3版とデータ共有が可能。
  • 新要素として、タップ操作&主観視点でプレイする「タッチバトル」モードが追加。

DEAD OR ALIVE 5 Ultimate

【でっど おあ あらいぶ ふぁいぶ あるてぃめっと】

対応機種 プレイステーション3
Xbox 360


発売日 2013年9月5日
定価 パッケージ版:5,800円
ダウンロード版:5,143円(共に税別)
備考 基本無料版あり
360のDL版は2015年2月20日で販売終了
判定 なし
ポイント 新キャラ、新システム、新モードが追加
基本無料版というプレイスタイルは斬新
フルプライスに疑問符がつくボリューム

概要(5U)

2012年9月27日に発売された『5』のマイナーチェンジ版。基本システムはそのままに新キャラ、新ステージ、新システムといった要素がある。
同じくコーエーテクモゲームスから同年同月に『無双OROCHI2 Ultimate』が発売された。「Ultimate」が共通なだけであんまり関連性はないが。

ただ、『無双』側には本作から『かすみ』『あやね』『リュウ・ハヤブサ』と『レイチェル』*3が登場。
本作側には無双のキャラクターの衣装のプロダクトコード(初回限定、後にDLCで有料配信された)がつき、相互にコラボはしていた。
マイナーチェンジであるが、『5』を持っているユーザーに対する割引は一切なし。

『5』のデータの引き継ぎやDLCの利用は可能。また、一部DLCは最初から使用可能になっている。基本無料版がダウンロード限定で配信。
利用出来るキャラクター等の制限はあるが、対戦回数等の制限はなく、製品版とも対戦可能。『5』と同様にオンライン対戦は同一同士でのみ可能。


新要素(5U)

  • 5人のプレイアブルキャラクターが追加。
    • 新キャラクターとして「紅葉」と「レイチェル」が『NINJA GAIDEN』から、「ジャッキー・ブライアント」が『バーチャファイター』から参戦。そして復活キャラとして「レオン」「アイン」が参戦。
    • 上記に伴い対戦バランスが大きく修正。このバージョンは非常に練られており、以降の調整でもここから極端な変更はされていない。
  • チームバトルモードが追加。
  • オンライン対戦の仕様に連勝ボーナスなどの追加。
  • パワーランチャーが追加。パワーブローと同じ条件で出せるが、相手を大きく打ち上げてより強力なコンボを決めることができる。
  • ムービーシアター、スキルインフォなど、細かい部分の改善点多数。
  • 発売から間を置いてからであるが、DLCでの新キャラクター「マリー・ローズ」「女天狗」「フェーズ4」の追加。

評価点(5U)

基本無料版というプレイスタイルの提供

  • 格闘ゲームのネックというべき「初心者が始めづらい環境」に対する一つの打開策といえる。
  • 使えるキャラクターが「かすみ」「あやね」「リュウ・ハヤブサ」「ハヤテ」の4人で、コスチュームも限られているといった制約はあるが、オフライン対戦、オンライン対戦共に回数制限はない。
    • 製品版ともオンライン対戦出来るため、この4人が好きなキャラであるなら、基本無料版でも然したる問題はない。
  • ストーリーモードはロックされているが、ぶっちゃけあってないようなものなので問題はない。
  • 興味があれば取り敢えず触ってみるだけ触ってみることが出来るのは、格闘ゲームという間口が狭い作品においては非常に大きいことである。
  • 基本無料版では気に入ったキャラクターのみを有料でアンロックするといったことも可能なので、「このキャラだけ使えれば良い」といったプレイヤーにとっては、1000円未満の出費で十分楽しむことも出来る。ストーリーやDLCのコスチュームなども購入することが出来る。

DLCで追加されたAC版のキャラクターは好評

  • DLCで追加された「マリー・ローズ」「フェーズ4」「女天狗」は好評を博した。
    • 特に、これまでのシリーズイメージを覆す「小柄で胸が控えめ」なビジュアルの「マリー・ローズ」は非常に高い人気を博し、作品を代表するキャラクターとなった。後述の『5LR』の日本版では「かすみ」と共にパッケージを飾っている*4
      • この人気を裏付ける要素として、2016年3月24日に発売された『DEAD OR ALIVE Xtreme 3』の出場を掛けた選挙では堂々の1位を獲得した*5

問題点(5U)

『5』からの大きな変化がない。

  • ゲームのシステムそのものはほとんど変わっていない。
    • 6,000円というフルプライスには、かつて有料だったコスチュームの値段やキャラクター・対戦バランスが含まれているのだろうが、それらを都度購入して最新の状態にしていたユーザーにとっては不満が大きい。
    • 新規ユーザーが購入する分には良いが、『5』をずっと愛してきたプレイヤーにとっては今まで大量のDLCを買って来たのに再度パッケージを買わされる事になってしまった為、購入するしないに関わらず不満の声は大きかった。
  • また、新キャラクターが登場しているのにもかかわらずストーリーモードに一切の追加要素はない。

総評(5U)

新キャラクター追加、ゲームモードの追加、パワーランチャー追加という追加要素で『5』より1,000円ほど安い為、『5』を持っていないプレイヤーであればお得感のあるソフトとなっている。
しかしながら、新作というほどのインパクトは備えておらず、DLCをずっと購入してきたプレイヤーにとっては割高感が強く、『5』を持っていたプレイヤーからは不満の声が大きい。
対戦を重視するプレイヤーにとっては対戦格闘ゲームの慣習である「対戦は最新バージョンで行う」点から買わざるを得ないだろうが、旧来ファンの満足度的には賛否が分かれるパッケージだったと言える。


DEAD OR ALIVE 5 ULTIMATE ARCADE (参考記述)

  • 2013年12月24日稼働。『Ultimate』のアーケード移植版。APM2(ALL.Net P-ras MULTI Ver.2) での配信タイトルとなっている。

DEAD OR ALIVE 5 Last Round

【でっど おあ あらいぶ ふぁいぶ らすと らうんど】

対応機種 プレイステーション4
プレイステーション3
Xbox One
Xbox 360
Windows(Sterm)

発売日 【PS4/One/PS3/360】2015年2月19日
【Win】2015年3月31日
定価 パッケージ版:
【PS4/One】6,800円【PS3】5,800円
ダウンロード版:
【PS4/One】6,000円【PS3】5,143円
【Win】6,800円(全て税別)
判定 なし
ポイント まさかの2度目のバージョンアップ
PS4/Oneではやわらかエンジンの導入
旧世代機は一部だけ『Last Round』
旧世代機はバージョンアップ打ち切り

概要(5LR)

『5』2度目のマイナーチェンジ。『5U』とそのDLCで完全版だと思っていたプレイヤーの多くを悪い意味で驚かせた。
次世代機であるPS4/Oneに加えSteamでWin版が配信されており、対応機種は360も含めると5種類となった。
360については『5LR』としての販売はされていないが、『5U』を無料アップデートすることで『5LR』となる。PS3版も同様に『5U』を持っていれば無料アップデートで『5LR』にすることができるが、PS3/360共に無料アップデートでは追加要素は一切反映されない。

次世代機ではメーカー曰く「やわらかエンジン」が導入されており、肌の質感等がさらにクオリティアップしており、女性キャラクターの乳房の揺れ表現にも改良が入った。
具体的な言及はないものの、PS4/One世代のゲームに数多く採用されている表皮下散乱(肌の質感をより現実の人間に近い形で表現する為の概念)に近いものが採用されていると思われる。
しかし、PS3/360版だけでなくWin版であってもこのやわらかエンジンは導入されていない為、PC版でありながらPS4/One版より画質が劣る。

オンライン対戦は同一ハード同士でのみ可能。同じメーカーであってもPS4とPS3、Oneと360での対戦は不可。


新要素(5LR)

全機種共通

  • 新キャラクターとしてシリーズで最も乳房が大きい「ほのか」が追加。また、3DS版の『DOAD』より「雷道」が追加され、キャラクターは2キャラ増えた。
    • ただし、新キャラクター2人の技はそのほとんどが既存キャラクターの技を組み合わせたものである為、これまでの新キャラに比べると目新しさに欠ける。
    • 『5U』からのアップデート版の場合、これらのキャラクターは有料DLCとなる。
    • 発売から約1年後にDLCとして『戦国無双』シリーズから「井伊直虎」が、『KOF』シリーズ及び『餓狼伝説』シリーズから「不知火舞*6」が参戦した。

PS4/One/Win版

  • 女性キャラクターに髪型が追加された。かなり大胆なイメージチェンジをしているものもあり、概ね高評価。

PS4/One版

  • 旧作のステージをアレンジしたステージが2つ追加された。
  • やわらかエンジンの導入。これにより、肌の質感が増した。
    • 見比べないと分かりにくいが、質感は大きく向上している。公式サイドではこのやわらかエンジンの導入をかなり大々的に推していた。
  • 各ステージのエフェクトが派手になった。
  • 『閃乱カグラ』とのコラボコスチューム(有料DLC)を皮切りに、一部追加コスチュームにはコスチューム破壊*7のギミックが導入された。
    • 余談だが、オプションにおける乳房の表現で「OFF」「ナチュラル」に設定している場合にはコスチューム破壊は起きない。
    • 『スクールガールストライカーズ』とのコラボコスチューム(有料DLC)以降、一部追加コスチュームはパワーブローやアピールなどの行動でコスチュームが変化する変身機能が実装された。
  • また、以後も時折ステージが追加されているが、こちらもPS4/One版のみである。

評価点(5LR)

  • PS4/One版限定ではあるが、グラフィックの向上。
  • PS4/Oneといった次世代機やPCで発売された為、これらのプラットフォームでプレイ出来るようになったこと。
  • 『5』や『5U』のDLCコスチュームが一部収録されているため、新規プレイヤーにとっては優しい。

問題点(5LR)

ゲーム根幹部分の変化がない

  • 『5U』もそうだが、キャラの追加やステージの追加、コスチュームの追加以外のゲームシステム面での追加要素はほとんどない。
  • ストーリーモードも『5』と変わらず。『5U』『5LR』の追加キャラクターのストーリーは一切語られない。
    • 『5U』で追加され、一躍看板キャラとなった「マリー・ローズ」は文字通りパッケージイラストにも起用されているにもかかわらず、ストーリーモードは『5』のままなのでキャラの掘り下げがないまま。これは他のDLCキャラにも当てはまる。
  • PS4版のバグが余りにも多い。進行不能になったり、突然切断されたりというバグがかなりあり、一部は今尚修正されていない。

旧世代機版の寂しい仕様

  • PS3/360版では、『5U』を持っていれば無料アップデートで『5LR』にアップデートされる。
    • しかし追加キャラクターはDLCとして使用権を買わなければプレイできない為、その場合の恩恵は対戦バランスのアップデートと『5LR』のプレイヤー及びキャラと対戦可能になるのみ。
    • やわらかエンジンもこれらのハードでは未実装。新コスチュームや髪型、新ステージもなし。
    • PS3版ではパッケージ版が発売されているが、上記と同様で「マリー・ローズ」等のDLCや『5LR』での新キャラが追加されているものの次世代機版のみの要素は一切なく、新要素の大半はPS4/One版でないと楽しめない。
  • PS3/360版のDLCの許容量が上限に近づいていることから、将来的に新規DLCの配信が出来なくなったり、アップデートが出来なくなったりする可能性が示唆されている。
    • 2015年9月27日現在、以後のお知らせはなされていないが、このことからも旧世代機の切り捨てが見て取れる。
      • PS3/360版のDLCについては「みんなのハロウィンコスチューム2015」を以って追加がなくなり、タイトルバージョンも1.04Aを以て更新が終了された。
      • その後、2015年11月17日に次世代機版でVer.1.04Bが配信されたことで、旧世代機では最新版をプレイ出来なくなってしまった。
      • 結果として、PS3版については本バージョンの発売からわずか9ヶ月足らずで更新が打ち切られてしまったことになる。

Win版固有の問題点

  • グラフィック、エフェクト等の基本部分は旧世代機版準拠。一部、次世代機版準拠の部分はあるが、やわらかエンジンも未対応。
    • ゲーミングPC等、ハイスペックなPCで美麗なグラフィックを堪能したい、というプレイヤーにとっては残念な話である。グラフィックにもこだわっている作品だけに尚更*8
    • その為、動作は軽快であり「Intel HD Graphics」等のオンボードGPUでもほぼ60fpsで動作する。ただし、動作が重い場合、解像度を下げたり影の表示をオフにするなどの対処が必要。
      • ちなみに続編である『6』は要求スペックが高めのため、オンボードGPUでの動作はまず無理と考えて良い*9
  • 2015年発売のPCゲームに拘らず、キーボードのキーコンフィグ未対応。フリーソフトのゲームでも対応しているものが相当数あるという現状でありながらこの体たらくである。
    • ゲームパッドについても、まともに動作が確認されているのは純正の360コントローラのみ。同じXinput互換*10のパッドであっても純正のOneコントローラですら何かしら不具合が出る*11。この場合以下の対処が必要。振動機能は非対応。
      • 360以外のXinput対応パッドを使用する場合はコントローラ設定で「Xbox設定サポート」にチェックを入れる必要がある(ロジクール製ワイヤレスパッドで確認)。
      • PS4/PS5のパッドを使用する場合はコントローラ設定で「PlayStation設定サポート」に、Switchのパッドを使用する場合はコントローラ設定で「Switch設定サポート」にチェックを入れる必要がある。
      • それでも正常に認識しない場合、ライブラリからタイトルを右クリックしてプロパティを開き、コントローラー設定のオーバーライドの項目を「Steam入力を有効にする」か「Steam入力を無効にする」かのどちらかに変更する必要がある。
      • 従来の形式であるDirectInputのパッドも使用可能だが、初期設定では変な配置になるのであらかじめ自分でボタンの配置を変更する必要がある(ホリのPS3用パッドで確認)。
  • 発売当初はオンラインモードが不可能であり、3か月以内にパッチで対応するとしていたが、オンライン実装は10月と半年後のことであった。
    • 『5』や『5U』のオンラインモードの不具合で、既にわかりきったことであるが、Team NINJAのオンライン技術不足が露骨に現れた結果である。

『5U』同様の「ファンほど付加価値の少ない」ボリューム

  • 同一ハードであれば無料でアップグレード出来るが、PS4/Oneで完全にプレイしたい場合には再度フルプライスで購入が必要になる。
    • セーブデータや購入したDLCはPS3版であればPS4版、360版であればOne版でも使えるのはせめてもの救いである。もっとも使えなかったら大問題だが。
  • PS4/One版では髪型や新ステージの追加、そして目玉システムのやわらかエンジンの実装などの追加要素があるが『5U』も同様の問題があったが、ずっと『5』や『5U』を追ってきたユーザーにとっては追加要素がメインであり、それだけにフルプライスを出すのは非常に割高感が強い。しかも2度目である為、ユーザーの不満は殊更大きいものとなっている。
    • 新キャラクターは2キャラのみで、髪型、やわらかエンジン、ステージと、今回の追加要素はビジュアル面重視であるため、ストイックに対戦を求めるプレイヤーからは『5U』以上に不満であろう。
      • そしてPS3/360版は上述の通り、発売後9か月足らずで更新が打ち切りになってしまっており、最新版を遊ぶためには否応なく買い直しが必要となる。

総評(5LR)

新たなタイトルが加わったアップデート版であるものの、その実としてはPS4/One/Winの3プラットフォームへの対応(移行)といった側面が強い。
髪型ややわらかエンジンなど多くのビジュアル的追加要素はあるが、フルプライスであることに関しては『5』シリーズの熱心なユーザーであるほど腑に落ちない面が多いパッケージとなってしまった。
対戦シーンを追うだけであれば、購入が必要ない点は『5U』と比べ良心的であるが、1年未満で更新が終わってしまったことも考えると微妙なところである。

『5LR』という商品に納得できるかどうかは、新規ユーザーかどうか、追加されたビジュアル面にどれだけお金を出せるか、新機種対応にどれだけお金を出せるかという点が大きく影響する。
なお、オンライン対戦人口は多く今後新キャラクターやアップデートの追加がある事が発表されているので、2015年10月8日現在の格闘ゲームとしての将来性は高く、やり込むには十分選択肢に入る作品といえる。

まとめてしまえば、新規プレイヤーにとっては、十分オススメ出来る作品である。
コスチュームを今まで買ってきたプレイヤーにとっては、『5』自体のグラフィックレベルが高かっただけに、髪型などの追加要素程度しか魅力的に映らないかもしれない。この場合は価格に見合わぬ完全版商法と映ってしまうかもしれない。
また、Win版についてはPS4相当の値段に拘わらずPS3レベルのグラフィックということを考えると、こちらは流石に劣化移植と言われても致し方ないかもしれない。

2017年9月以降で旧世代機版を購入するメリットは皆無といってよく、Steam版は次世代機版を劣化させたものであるため、購入するハードを迷っているのであればPS4/One版がオススメされる。


余談

  • 『5LR』は青野武氏からゲン・フー役を引き継いだ大塚周夫氏が最後に出演したゲームとなった。
  • エナジードリンクメーカーRedBull主催のゲーミングトーナメント「Red Bull 5G 2015」の格闘ゲーム部門の種目に選ばれた。
  • 『5U』の360版は、『5LR』と誤って購入することを避けるため2015年2月20日にダウンロード版の配信が停止された。
    • 360版『5LR』を入手するためには、それまでに『5U』を手に入れておくか、或いはパッケージ版の『5U』を購入する必要がある。
  • 『5LR』ではコスチュームのシーズンパスと題したものが販売されており、所定期間(3~4か月程度)の間に配信されるコスチュームが安く購入できる。ただし、シーズンパス自体は税込10000円と、ソフトの値段を軽く超えてはいるが。
    • 実際のところ、毎月1種類のコスチュームが主として女性キャラクターに配信されてはいるので、3〜4種類分のパスであるといえる。
  • 『5LR』発売当初はPS3/360で購入した『5』や『5U』のDLCがすぐに適用できない状態となっていた(現在は利用可能となっている)。
  • 続編の『6』では無双シリーズ等に用いられるゲームエンジンが採用された為、本作はTean NINJAの内部スタッフが改良を重ねつつ使い続けてきた『DOA』シリーズ用のエンジンを採用した最後の格闘ゲームとなった。
    • また、同作では人体を表現するエンジンにも「やわらかエンジン」に代わる新しいものが採用された為、本作は「やわらかエンジン」を採用した唯一の格闘ゲームでもある*12
  • 2016年8月にユニバーサルブロスから『SLOTデッド オア アライブ5』としてパチスロ化された。
    • パチンコでは2013年に大一商会から『CRデッド オア アライブ』がリリースされているが、パチスロはその間を飛ばしていきなり『5』ベースでの登場となった。

その後の展開

  • 2019年3月1日にシリーズナンバリング最新作『DEAD OR ALIVE 6』がPS4/One/Winで発売された。発売前はe-Sportsを視野に入れた新世代の『DOA』との触れ込みだった。
    • しかし、多数のバグやシステムの不備が大きく目立ち大炎上するほどに発展し、そこに格闘ゲーム大会「EVO Online」のトラブルが追い打ちを掛けた(参照)。
      • その結果、運営も対応不可能と判断したのかアップデート無期限停止という最悪な結果となってしまった。
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最終更新:2023年09月11日 11:00

*1 ほとんどの女性キャラクターの乳房はFカップ以上ある。もっとも、現実的に考えれば格闘で戦うにおいて巨乳だと胸が邪魔になってしまうはずなのだが...。

*2 なお、近年の『Call of Duty』や『バトルフィールド』でも、ゲーム内通貨での購入だが似たようなDLCが散見される。

*3 ただし、レイチェル自身は『NINJA GAIDEN』のキャラクターとして本作に参戦したキャラクター。

*4 海外版では「かすみ」と「フェーズ4」になっている。

*5 ちなみに2位は『5LR』で追加されたほのかであり、メインヒロインのかすみは3位。

*6 初出は『餓狼伝説2』だが出典は『KOF』とされている。

*7 元々は『閃乱カグラ』原作準拠のシステムと思われるが、その後発売された多くのコスチュームにも採用されている。

*8 例えば、PC版『GTA5』のようにスペック次第で家庭用ゲーム機よりも高品質のグラフィック描写等を行う作品は発売されている。

*9 これはゲームエンジンの変更も影響している。公式のGPU要求スペックも最低ラインがNVIDIA GeForce GTX 770、推奨ラインがNVIDIA GeForce GTX 1060であることからも明白である。

*10 現在もっとも多くのPCゲームでサポートされている形式。

*11 LT、RTが反応せず、Rスティックボタンが何故かポーズメニューに割り当てられる。

*12 『DOAX』シリーズには現在もこの「やわらかエンジン」が採用されており、エンジン自体も改良が進められている。