リズム天国 ザ・ベスト+

【りずむてんごく ざ べすとぷらす】

ジャンル ノリ感ゲーム♪
対応機種 ニンテンドー3DS
発売元・開発元 任天堂
発売日 2015年6月11日
定価 4,700円(税別)
備考 ダウンロード版あり
判定 なし
ポイント リズムゲームは相変わらず良質
しかしシステム部分がまさかの大幅劣化
妙な「ノリ」のストーリーも不評
リズム天国シリーズ
リズム天国 (アーケード) - ゴールド - みんなの - ザ・ベスト+


概要

音楽のリズムにノって遊ぶリズムアクションゲーム『リズム天国』シリーズの第4弾。
旧作と同様、一つあたりのゲームは1分から長くても数分程度で終わるものばかりで、どれもタイミングが重要となっている。

タイトルに「ベスト」と書かれていることから分かる通り、これまでのシリーズのベスト版とでもいうべき作品。

特徴

  • 旧作3作のリズムゲームの中で人気のあったものを収録している。
    • もっとも、新作ゲームも存在し、割合としては5分の1程度が新作ゲームとなっている。
  • 本編にストーリーがついた。しかしながらストーリーについての評価は否定的なものが多い。
  • 他にも従来のシンプルなインターフェイスの排除・リズムに全く関係のないミニゲームなど、『リズム天国らしくなさ』がそこかしこに散見される。
  • 連続でゲームにチャレンジするモードの導入。一通りクリアした後は単にリズムゲームを選んで遊ぶしかなかった部分にテコ入れを行っている。
    • 一部の再録リズムゲームを解放するためには、これらのやりこみが必須となる。
    • やり込み要素ではあるが、本編との難易度の差が大きすぎたことから否定意見も多い。
  • 本作もつんく♂が監修している。

システム

  • ストーリー進行に合わせリズムゲームが出現し、それをクリアするとまたストーリーが進み……という形式。一度解放されたリズムゲームは何度でも遊ぶことが出来る。
  • ステージは基本的にリズムゲーム4つで構成される。中盤以降はリミックスを含め5つのパターンもある。
    • 一部攻略順序が自由な部分もあるが、基本的には旧作と同様に一本道。
    • なお、各ステージの1番目が初代、2番目がDS、3番目がWiiより収録されたリズムゲームであり、4番目が新作リズムゲームである。
  • ボタン入力に使うのはA・B・十字ボタン。単純に押すだけなく、押し続けること、押し続けて離すことが要求されることもありゲームによって異なる。
    • DS版『リズム天国ゴールド』と異なり、本作ではボタン操作が基本となっている。
    • オプションから「かんたんタッチ」操作に切り替えることもできる。こちらではボタンの区別なく全てを画面タッチ(どこでもいい)で入力する。*1
  • ゲームが終了すると評価画面となり、寸評と100点満点の評価が出る。59点以下がやりなおし、60~79点は平凡(でも平凡)、80点以上はハイレベルとなり、60点以上でクリア。
    • ハイレベルの場合は寸評はほぼ固定だが、そうでない場合、寸評で良かった点、ダメだった点などが指摘されることもある。「よしとします」「がんばりましょう」など一言だけの場合も多いが。
    • 59点以下であっても良かった点がある場合は、点数が加算されて、60点を超えクリアになる場合もある。
  • この評価に応じてゲーム内通貨のコインをもらうことが出来る。このコインを使うことでリズムアイテム、ミュージックなどの購入が出来る。
    • リズムアイテムもミュージックもミュージアムで見る(聴く)ことが出来る。リズムアイテムはリズムゲームごとに存在し、一言メッセージが添えられている。ミュージックはリズムゲームの音楽(効果音無し)となっている。
  • ゲーム中にはレドロン、ブルック、イエモンという門番が出現する地点があり、ここでは上述のコインを使ってリズムゲームに挑戦し、クリアしなければ先に進めない。
    • 旧作でいうエンドレスゲーム(プレイヤーが失敗するまで延々と続くゲーム)であり、限られたライフで何回以上成功させるというクリア条件が定められている。レドロンが最も難しく、イエモンが最も易しい難易度であり、挑戦するのに必要なコインはイエモンが最も高く、レドロンが最も安い。
    • どれか一人をクリアすれば先に進めるため、腕に自信がなければイエモンで、自信があればレドロンで、といったことが可能。
    • 三人のコースをすべてクリアすると、ミュージアムにて当該ゲームをエンドレスで遊べるようになる。
  • 旧作から続投のパーフェクト(ノーミス)クリアを目指す「パーフェクトキャンペーン」や、通常とは違う制約(テンポアップした状態で何回ミスしたらアウト、等)を課された状態で連続でリズムゲームクリアを目指す「チャレンジトレイン」など、やり込み要素もある。
    • これらをクリアすると「ノリ玉」というアイテムがもらえ、これを集めることでストーリーには登場しないリズムゲームを購入することが出来る。なお、これらのリズムゲームはいずれも旧作からの再録である。
    • また、チャレンジトレインをコンプリートすることで、ちょっとしたおまけ要素のあるステージが遊べる。
+ おまけ要素ネタバレ
  • チャレンジトレインの最後に現れるコース・「メイド イン コース」「続・メイド イン コース」は、名前の通りリズムゲーム中のキャラクターが普段のものから「メイドインワリオ」シリーズのキャラクターに差し替えられたもの。
  • このバージョンのゲームはクリアしてもこのモードでしか遊ぶことが出来ない。

評価点

ゲームの採点や評価が詳しくなった

  • 旧作でも評価画面で寸評が表示されたが、「やりなおし」「平凡(でも平凡)」「ハイレベル」の3段階で評価されるのみであった(平凡、ハイレベルでクリア)。
    • 本作では点数が表示されるため、ハイスコアを目指す意義が生まれた。特に同じハイレベルであっても「ほぼ全てジャストタイミング」なのか「取り敢えずノーミス程度」なのかの違いがしっかりと点数で分かるようになった。
    • また、採点後のコインがもらえる場面ではミスを一度もしていなければ「ノーミス」と表示されるようになった。取得コインも少し増える。
  • プレイ中もボタンを押したタイミングが下画面でおおよそ分かるようになっている。
    • 中央で星が出ればジャストタイミング、それより左であればタイミングが早い、右であれば遅いというのが目で見て分かるようになった。
      • なお、この表示はオプションでオンオフ設定が可能。
  • また、評価基準が純粋にタイミングの一致による割合評価になっているため、旧作と比べると、クリアが簡単になっている。
    • 但し、キホンの判定はこれまでのシリーズより甘めではあるのだがジャスト判定そのものはかなり厳しめ。96点以上の高得点を狙おうとすると難易度は格段に上がる。
  • また、各ゲームに「ここはキメたい」というポイントが設定されており、そこの入力を成功させることで「キメ星」が取得できる。
    • こちらは普段の判定の表示設定に関係なく下画面に強制表示される。こちらも成功していればゲーム後の取得コインが少し増える。

グラフィックを一新した再録ゲーム

  • 旧作のリズムゲームはグラフィックが描き直されたり画質が上がっている。特にGBAとDSのものは従来のドット絵からWii版準拠のグラフィックになっている。
  • また、3DSの立体視に対応したことで、元々極端にパースを強調した描き方だったゲームを中心に臨場感が上がっている。それら以外も、平面的なキャラを奥行きの異なるレイヤーに表示する画面デザインは3D表示と相性良好。
    • ステージ選択画面等も「とびだす絵本」風のデザインとなっており、かなり立体感がある。
  • ただしグラフィックが進化した一方で、再録ゲームのゲーム内容(曲や譜面)は基本的に変わっていないため、旧作をプレイ済みの人にとってはやや目新しさに欠ける部分も。
    • 「2」が存在したリズムゲームも、多くは通常版より難易度の低下したものと、「かえってきた○○」(従来の通常版)までの収録となっている。

クオリティを保った新作リズムゲーム

  • 可愛かったり、独特のセンスのキャラクターによるアニメーションや小気味いい入力感など、新作のリズムゲームも数こそ多くないものの粒ぞろいの出来。
    • 旧作同様にアニメーションもしっかりと作られており、失敗した場合の動きなどもコミカルに表現されている。

その他の細かい改善

  • 一度クリアしたリズムゲームは、開始時に練習を飛ばすことが出来るようになった。旧作では、わざわざ練習に入った際にスキップしなければならなかったためテンポが良くなっている。
  • プレイ中のポーズ画面で「やりなおす」を選べるようになり、同じリズムゲームを選択画面に戻らず最初からやり直すことが出来るようになった。

賛否両論点

旧作のリズムゲームの選定

  • ベスト版ということで仕方がない面もあるが、リズムゲームの選定が偏っている部分がある。
    • 特に槍玉にあがるのが「カラテ家」である。初代から常に存在し本シリーズを代表するリズムゲームだが、本作にはカラテ家及びその亜種が合計5つも存在する。いくら何でも多い。
  • ストーリー本編に登場するゲームは、GBAからの再録、DSからの再録、Wiiからの再録、新作が均等な数入っているが、ノリ玉で買えるゲームに関してはGBAとDSのものが3個ずつなのに対し、Wiiのものは12個と極端に多い。
    • アスペクト比や画質の関係で素材の流用が前2作に比べ比較的容易だったためと推測される。
  • また、旧作でもあったことだが、同じリズムゲームを曲などを変えることで2種類に分ける手法を本作でも用いている。「旧作のゲームをわざわざ曲違いで出すくらいなら別のゲームも出して欲しかった」という意見もある。

旧作リズムゲームの細かな改変

  • 旧作のリズムゲームはチュートリアルや一部演出の変更されたものが多い。
    • GBA版カラテ家の「ノリ」ゲージが廃止されている(それに連動したボイスやギミックも廃止)。後作に合わせた仕様だが、初代の『メイドインワリオ』に近い雰囲気が損なわれてしまったとの声もある。
    • 練習時のBGMも殆どは本番時のアレンジへと変更され、専用のBGMが廃止されてしまった(マーチャ等)。

本編難易度の低さ

  • 特に序盤の難易度の低さが目立つ。
    • 序盤のリズムゲームはミュージアムのミュージックで「○○入門」と書かれていることから分かるように敢えて簡単にしてあり、旧作のゲームにも短めの新曲を用意して低難易度版のステージを新設している。
      • 旧作では序盤のゲームも簡単なりに一つの作品としてまとまっていたが、今回は曲自体も盛り上がる前に終わり、直後のリミックスもないせいで"単なるチュートリアル"感が強いリズムゲームが少なくない。
      • 当然これらのゲームもパーフェクトキャンペーンなどの対象になり、退屈に感じても何度かのプレイは強いられることになる。
      • 良くも悪くも新規に配慮した難易度となっているが、ハイスコア狙いを始めるときはその触り始めになるので、「ノリカンを鍛える」という点ではバランスが取れている。
    • ほとんどのリズムゲームは原作でいう「○○2」に相当する高難易度バージョンは収録されていない(「アイドル」や「はたらくまんじゅう」等、全くないわけではないものの、登場するまでにかかる時間は今までとは比べ物にならないほど遅く、その上膨大なステージ量に対してたったの12個しかない。これはシリーズでの絶対数が最少である『みんなの』と同数であり比率ではぶっちぎりで過去最低)。
  • また、評価点で述べたが、クリア判定自体は甘くなっていることから、シリーズプレイヤーなら一度の「やりなおし」も受けることなくクリア出来るほどとなっており、ストレスなく楽しめるが、ゲームとして物足りない一面がある。
  • ここまで述べたのは本編での話。後述する門番やチャレンジトレインについてはむしろ前作までと比較して難しすぎるほどであり、総合的には「難易度が低い」よりも「不安定」とした方が良いかもしれない。

ノリ玉によるリズムゲーム収集

  • ストーリーでプレイ出来ないリズムゲーム18種類については、ノリ玉を集めて入手することになる。
    • 旧作同様ノーミスによるボーナスは「パーフェクトキャンペーン」の時しかなく、くわえてリズムゲームの数そのものが多いため、ノリ玉集めはかなり作業感が漂う。
    • 一方でチャレンジトレインは序盤はともかく、中盤以降になるとテンポが速くなったリズムゲームをライフ制(一定回数のミスで失敗)でクリアする、など条件が格段に難しくなり、ノリ玉集めはかなりの腕前を要求される。
      • なお、このテンポアップであるが、通常のモード(ミュージアム含む)では一切設定出来ないため、練習のしようがないのも難点。『メイド イン ワリオシリーズ』のようにテンポを調整出来るようにしてくれてもよかったのではないかと思われる。
    • 一応、全てのノリ玉を集めずとも全てのリズムゲームの入手は可能だが、それでも大半のノリ玉を集めることは必須であるため、リズムゲーム収集には避けて通れない。
    • 従来はハイスコアなどでアンロックされる要素は裏設定のテキストなどおまけ部分がほとんどだったので、これらの仕様にストレスを感じるシリーズプレイヤーも多かった。

パーフェクトキャンペーンの仕様変更

  • 従来はリズムゲーム終了後にランダムにメッセージが表示され、指定されたゲームを選択することでそのままキャンペーンに挑めたが、今回は独立したモードとなった。
    • そのため、キャンペーンに挑戦するにはいちいち通常のゲーム選択画面から抜ける必要がある。当然挑戦が終われば今度はゲーム選択画面に自分で戻ることになる。
      • 通常のステージ選択画面からであればまだいいが、「ミュージアム」画面(クリア後に解放される、ゲームが一覧表示される画面)からの行き来は操作数が多く地味に面倒。ショートカット等も存在しない。
    • 同リズムゲームであっても通常プレイとは別となり、コインも取得できずスコアも記録されない。
    • 更にその挑戦前後の担当キャラクターの台詞が「地味に長い」「ウェイトが設定されている(表示スピードの変更も不可能)」「パターンが極端に少ない」の三重苦。相当数Aボタンを連打させられるハメになる。
    • リズムゲームやアイテムのショップ・キッサ店のマスターなどの台詞は一瞬で表示されるのに対し、間違いなく作中一番繰り返し目にすることになるこれらの台詞のみがこの仕様である。
      • この台詞に関する不親切な仕様はチャレンジトレインにおいても同様。
    • また、今回はミスをした時点でゲームが強制終了されるようになった。従来もポーズメニューから中断はできたので、最後まで練習することが不可能になっただけとも言える。

ノリ感の仕様変更

  • シリーズを通して存在する要素「ノリ感」。シリーズ独自のバロメータであり、これまでは詳しい計算式はわからず、漠然といい成績でリズムゲームをクリアしていればじわじわ増えていく数値だった。従来の上限(ほぼ理論値)は140。
  • 今回はゲームごとの採点が100点満点で表示されるようになったのに合わせ、こちらも上限が100に。
    • 計算の仕方も、単純に全てのゲームの成績の平均点である。(ただし画面には表示されない小数点以下の数値があり、自分で計算するとわずかにずれることも。)
    • ただしこの計算、文字通り「全てのゲーム」を基準に行われる。 未開放のゲームも例外ではなく 、それらは0点として計算される模様。
    • つまり、ノリ玉を集めて全ゲームを解放するまでは目に見えて低い数値となる。
    • 数値上限自体の低さと合わせ、従来より上がっていく喜びの低い、シビアな表示となっている。
  • ただし、「ノリ感を上げるためにはどのゲームのスコアを上げる必要があるか」はわかりやすくなり、やり込みの目標としては歓迎する声も。

問題点

ストーリー

  • 本作ではストーリーが存在する……が、一部のシリーズ経験者からの一言でいうと「ない方がマシ」と評される出来。
  • 簡単に言うと、テビリというキャラクターが天界から落ちてきてしまったので、天界まで届けてあげるという内容。
    • ストーリー自体は「道が閉ざされている」「道を開けることが出来るキャラは困っており気分が落ちている」「リズムゲームをプレイしてノリノリにしてあげよう」という流れの繰り返し。
    • 初回クリア時はクリアごとにちょっとした寸劇が挟まれるが、たいした内容ではない。ストーリー性が薄く、テンポが悪くなっているだけ。
  • ステージ単位でフィールドを分けてしまっているため、「このリズムゲームがやりたい」と思った時に、目的のリズムゲームが存在するステージまでの移動が面倒となっている。
    • ミュージアムでは旧作同様にリズムゲームが並べられているため、こちらでプレイすればいくらかマシにはなる。
      • ただし、アイコンが並ぶのは上画面のみ。従来より大きくなったアイコン・増えたゲーム数と合わせ、目当てのゲームを探す操作は非常に煩雑になる。DSの「ゴールド」ではスライド操作で快適に操作できていたのに…
      • ちなみに下画面には真ん中にでかでかと"現在のノリ感"が表示されているのみ。どう見てもスペースの無駄である。
      • また、このミュージアム自体も妙に奥まった所にあり、起動から直接こっちに行かせてほしいという声も多い。
  • ちなみにゲームの最後の最後で「そこまで深い話ではなかったですね」とストーリーの薄さを認めたナレーションが入るが、「だったら入れるな」と思ったプレイヤーも少なくないだろう。
    • このナレーションに象徴されるように、ストーリーはテビリの性格を始め、全体的に物事を茶化し、冷やかすようなノリで進む。
    • 焦らず肩の力を抜いて遊ぼう、という意図も感じられるが…
    • 例え低年齢向けのシンプルな話であっても素直なストーリーであったなら、またスキップが可能だったならここまでの反発はなかっただろうと思われる。

門番の存在

  • 前述の通り序盤はリミックスステージが存在せず、おそらくその代わりとして先のゲームをプレイするために旧作のエンドレスゲームをクリアするノルマが定期的に課される。難易度は3つあり、一応初心者にも配慮がないわけではないのだが…
  • 特に問題とされる点は、最初にプレイさせられるミニゲームが、よりによってDS版から出典の『コイントス』であること。「視覚に頼らず自分でリズムを取る」ことを強制されるゲームであり、シリーズ全体のエンドレスゲームの中でも画面の演出のヒントが少ない方に分類される。
    • 「最初が一番むずかしい」と評判。シリーズ初プレイのプレイヤーはここで詰まる人も少なくなかった。
      • ちなみに二個目の門番のゲームは初代より出典の「バイキン博士」。こちらは画面・音楽共に演出が豊富で自然にリズムに乗りやすいゲームである。
  • 低難易度に挑むにはそれなりにコインを貯める必要があり、リズムゲームを繰り返しプレイする必要がある。しかし最初の門番に会った時点でプレイできるリズムゲームはわずか8個のみ。
    • コインはスコアに応じて溜まるので、初心者は更に繰り返す回数が増える。
    • 更にその中にコイントス系の「自分で隙間のリズムを刻む」タイプのゲームは存在せず、あまり練習にもならない。

チャレンジトレインの難易度

  • ストーリー本編の難易度は低めだが、チャレンジトレインに関してはむしろ従来シリーズと比べても非常に高い。特に最高難易度のレドロンワールドの難易度はかなりやりこんだ人向け。
    • リズムゲームのテンポが上がった状態でミス一つなくクリアするといったパーフェクトチャレンジを難しくしたようなお題をはじめとして、条件はかなり厳しいものとなっている。
  • チャレンジトレインはノリ玉獲得に関わる要素であるため、完全に避けることも出来ない。
    • 一応、パーフェクトキャンペーンを全てのリズムゲームで成功させれば、レドロンワールドはクリアせずとも全てのリズムゲームを解放することが可能である。それでも充分に厳しい条件だが…
  • レドロンワールドに限った話ではないが、チャレンジトレインでは購入限定のリズムゲームが出現することがある。旧作をやっていない場合は初見のゲームに条件を課した状態で挑戦させられることに。

リズム要素の全くないミニゲーム

  • ゲーム中主に休憩のために訪れるキッサ店にはヤギがおり、集めた野菜をコリントゲームのような形で打ち出して与えるミニゲームがあるのだが…
    • このゲームについては、フォローのしようがない程に一切リズムも音楽も関係ない。スライドパッドでパワーを調整し、ただひたすら野菜をヤギの居る場所に落とすのみである。
    • 更には後半はヤギが常に動き回るなど、単にイライラさせられるだけの単純作業を延々と続けさせられる。ヤギのレベル上限も非常に高い。
    • ヤギのレベルが上がると手に入る『マスコット』は、ロード画面に表示されるキャラを増やすだけの些細なおまけ要素なのが救いか…
      • しかし当時は過去作でいう「ドラム」や「ギター」の位置に居るのがこいつか? というシリーズ既プレイ者の落胆の声が数多く聞かれた。

リミックスステージの少なさ

  • 今作は過去シリーズからそれぞれリズムゲームが再録されており、シリーズの垣根を越えたリミックスもウリのひとつ。実際そのクオリティは高く仕上がっているが…
    • まず、何と言っても、登場するのが遅い。遅すぎる。ゲームを始めてから最初に登場するリミックスは、『初代』で6ステージ目、『ゴールド』と『みんなの』で5ステージ目だったのに対し今作ではなんと29ステージ目。それも門番を含めずである。「リミックスステージはいつ登場するんだろう?」と気になり続けたプレイヤーは決して少なくなかったことだろう。この作品、発売前は過去曲と新曲のリミックスを大々的に紹介していたのである。
    • リズムゲーム数は格段に増えたにもかかわらず、リミックスの数はこれまでと変わらず10個しかない。
    • その上、エンディング2の前に登場する7つのリミックスのうち4つは曲目がエンディング1の前のものと同じ。半分以上のリミックスにおいて、「今回はどの曲がリミックスされるのか?」が各タワーのステージ1を見ただけでわかってしまう。
    • メドレーリミックスを除くリミックスにはそれぞれテーマがあるが、明らかにアレンジされたリズムゲームと入れ替えるべき他のリズムゲームがある。
    • シリーズで最後を締めくくる「メドレーリミックス」はリズムゲーム数が多いためか、3つに分かれている。ファイナルリミックスには3つのリミックスに既に出たレフトタワー、ライトタワー、テビリママのレベルアップリズムゲームが出現しているが、他のリズムゲームとの不平等さを感じる。
    • 膨大な曲数に対してリミックスがたったの10個、その上メドレーで3個分も枠を消費してしまっている(前作までメドレーは1枠のみ)ので、リミックスにおける枠数の実質量は相対的にどころか絶対数が減少している
      • メドレーにすると曲が多すぎるのは確かにわかる。ただ、せめてリミックスそのものの数と登場の遅さはどうにかして欲しかった。

すれちがい通信

  • 今作はシリーズではじめてすれちがい通信に対応した。
  • セーブデータのMiiとノリ感・好きなゲームといったプロフィールがすれ違った相手と交換されるのだが…
    • この 「好きなゲーム」は、自分で設定することができない。 単純にプレイ回数の多いゲームが勝手に表示される上、自分のプロフィールを直接確認する手段もない。*2
    • そのため、多くの場合表示されるのは「 ハイレベルを取るのに苦労したせいで何度もプレイさせられたゲーム 」である。
  • すれ違った相手とは、「マッスル人形」というリズムゲームで対戦できる。相手のCPUはノリ感に応じて強さが設定される。

劣悪なインターフェイス

  • 前述の項目で幾度か触れているが、従来のシリーズはゲームのアイコンがずらっと並ぶ画面がメインメニューであり、ボタン操作にしろタッチペン操作にしろ非常に直感的にリズムゲームにアクセスできることもウリであった。
  • しかし今回はその画面が非常に奥深くに格納されている。具体的に操作を述べるとメイン画面から"左下のアイコンをタッチ→十字ボタンで右に2回移動→Aボタンで決定"
    • この例でもわかるように、このゲームでは タッチ操作とボタン操作に相互互換性が一切ない。 にもかかわらず例えば"メインメニューの普段の移動はボタンのみ・ちずを開いてのワープ移動はタッチのみ""同じ下画面を閉じる操作でもせっていは開くのも閉じるのもタッチのみ、キッサ店から抜けるのはBボタンのみ"等、随所に両操作が混在した恐ろしく統一感のないインターフェイスとなっている。
    • 上の例でもタッチ操作でキッサ店に入った後そのままタッチ操作で移動できないなど、メニュー画面にいる間は常に違和感がつきまとう仕様となっている。
      • 例えばこの場合なら左右に一つずつアイコンがあるのでL・Rボタンでも同様の操作ができるようにするなど、ちょっとした気配りでずっとユーザーフレンドリーなものにできると思われる。
  • もうひとつ違和感を覚えるのが、十字ボタンとスライドパッドも共通の操作となっていないこと。これはこのゲームではスライドパッド自体が無効になっていると納得しているユーザーも多かったのだが…
    • 前述の通りミニゲームであるヤギへの餌やりだけは唯一スライドパッドを使用する。リズム要素が一切ない仕様にするぐらいなら、ボタンを押す長さリズムを取る形の操作で良かったのでは?
    • これらを指し、ニンテンドーDS発売直後に数多く見られた"無理やりタッチ操作を使わせるサードパーティ製ゲーム"を彷彿とさせるという意見が散見された。
  • また、クリア後主にプレイするモードであるチャレンジトレインモードとミュージアム画面がかなり離れた配置になっているのも非常に行き来がしづらく、失敗したゲームを練習しようとする際にストレスになる。
  • 通常メニューでゲームを選択する際、前半の地上ステージと後半の「天の国」ステージが別マップになっており、いちいち行き来のアニメーションを挟んで移動する必要がある。これはクリア後でも変わらない。
    • この場合の操作も「ちずを開き、地上と天の国をつなぐ場所まで移動し、ちずを閉じる」操作はタッチペンで行った後、実際に移動するためにはAボタンを押す必要がある。
    • 同マップ内の移動自体にもちょっとしたアニメーションがある。飛び出す絵本風の演出自体はそこまで悪くはないのだが、一画面に表示されるゲームの少なさなどと合わせると…
  • パーフェクトキャンペーンやチャレンジトレインなどは前述の門番キャラが担当するのだが、プレイする際にいちいちちょっとした台詞が表示される。キャラの愛嬌のなさとパターンの少なさから、特に繰り返しプレイする必要のあるモードについて批判が相次いだ。
    • 特にパーフェクトキャンペーンプレイ時の台詞は微妙に長い。

「クイズ」

  • 初代のページで述べた通り、「クイズ」はリズムゲームとは言い難い。そのため、シリーズファンから「他のゲームを入れて欲しかった」という声が多い。
    • パーフェクトキャンペーンで、練習から開始すると、一回も入力せずパーフェクトを達成できるというバグが追加された。(参考動画
      • バグの原因は、練習中はパーフェクトの判定が行われていない(左上のPが点滅していないことからわかる)。他のリズムゲームでは練習中に終了することはないので問題にならないが、クイズではある。
    • 「キメ星」は他のゲームと違い「全ての入力がリズムを取ったら、終了時自動にもらえる」という仕様。初見で取ることは不可能に近い。

その他細かい問題点

  • ファイナルリミックス内の「マーチャ」における「Aボタンと十字ボタンの同時押し」という操作が、初代を知らないプレイヤーには完全な初見殺しとなっている。
    • 初代では高難易度の「マーチャ2」で初めてこの操作が要求されるのだが、本作に「マーチャ2」は収録されていないため、簡単な操作しか知らない状態で挑むことになるのである。
      • しかもこの操作は長いリミックスの中盤で一度しか要求されないため、なぜミスになるのか初見では気づきにくい。最悪の場合、原因がわからないまま何度も最初からやり直す羽目に…

総評

高難易度化が進む音楽ゲーム界隈において、シンプルにリズムにノるという遊びのわかりやすさは本作においても健在である。
多くは旧作のリズムゲームの使い回しであるものの、新作のリズムゲームも決して少なくない数が収録されており、ボリュームは充分。
また、旧作のゲームに関してもバラバラのハードで販売されたシリーズのゲームがこれ一作で遊べるというメリットはやはり大きい。
旧作プレイヤーであっても新作リズムゲーム・新リミックスを目当てにプレイしても損はないと思われる。

しかしながら、ストーリーやキャラクターの追加によるゲーム全体のテンポの著しい低下・ある程度までのやりこみを半ば強制するような仕様など、従来シリーズの持っていた「気軽さ」は少なからず失われている。
また、本シリーズにはリズムゲームに登場する魅力的なキャラクターが多数いるのだが、今回のストーリーに絡むのはそれとは別の完全なぽっと出キャラクター達。
それらのキャラクターも門番達を除けば担当ステージをクリア以後の出番はほぼないため、ストーリー自体の出来と合わせ、評価する声は多くない。
チャレンジトレインなどのやり込み要素が増えたこと自体は評価点であると言いたい所だが、「やりこまないと一部リズムゲーム自体が遊べない」という仕様は賛否両論。
本編の難易度の低さと相反する高難易度っぷりであり、リズムゲームを全て開放する前に心折れてしまったプレイヤーも少なくない。
リズムゲーム一つ一つの出来は悪くないものが揃っているのだが、従来と違い気ままにプレイして収集要素を集めていくような気軽さが薄れたり、
メニュー画面の改悪といった、ふとした時に起動して再プレイしようという気を失わせる要素がそこかしこに散見され、良くも悪くも「次作に期待」という声の残る出来となった。
Switchで新作発売を求める声があるが、本作品を最後に新作が製作されておらず、事実上の凍結状態である。


余談

  • 本作に登場する楽曲「I'm a lady now」はつんく♂の娘が歌っている。
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最終更新:2024年01月15日 21:15

*1 『ゴールド』からの再録ゲームでも、「はじく」入力は削除されている。

*2 スタッフロールにて全リズムゲームのプレイ回数が表示されるので、それを見て確認することはできる。その手間をかける意味があるかはともかく。