※本稿では、『Dance Dance Revolution 3rdMIX』及びそのPS移植版について解説する。(ともに良作
アーケード版『3rdMIX PLUS』は参考記述扱いとして記載。



Dance Dance Revolution 3rdMIX

【だんすだんすれぼりゅーしょん さーどみっくす】

ジャンル ダンスシミュレーション
対応機種 アーケード
プレイステーション
発売・開発元 コナミ
稼動開始日 1999年10月30日
判定 良作
ポイント 曲を総入れ替え! コマンドで過去の曲も遊べます!
決められた4曲を連続で踊る「NONSTOP」モード
2人で協力するように踊る「UNIZONモード」
Dance Dance Revolutionシリーズ

概要

Dance Dance Revolutionシリーズのナンバリングとしては3作目となるゲーム。

新システムなど(一部の評価点も含む)

  • 通常モードでの収録曲の総入れ替え・上級譜面の別モード化
    • 今回、通常モードの選曲画面は『3rdMIX』の新曲のみで構成されている。
    • タイトル画面でスタートを押す前に選択ボタンで左左右右とコマンドを入力することで、2ndMIXまでの楽曲が収録された「2ndMIX」モードに切り替えられるため、旧曲はそちらでプレーできる。3rdに戻す場合は左右左。
    • だが、「3rdMIX」通常モード(以降「ARCADEモード」と記載)で選択できる譜面難易度はBASICとANOTHERのみ
      • 旧MANIAC相当の譜面はタイトル画面でコマンドを入力する隠しモード「STEP STEP REVOLUTION」として独立モード化することになり…(後述)
      • 一方で2ndMIXモードの方は旧来通りMANIACを選ぶことが可能。
  • 「ノンストップ」モードの追加。
    • コースで指定された4曲を休みなくダンスする、beatmaniaのEXPERTに相当するモード。
    • ARCADEモードとSSRモードでコース群が用意されており、後者は曲目が同じだが全難易度がSSRになる。
      • 残念ながら(無印3rd時点では)2ndMIXモードにはNONSTOPが存在しないが、コース内には本来ならARCADEモードで遊べない「butterfly」や「BOYS」等の一部の2ndMIX以前の楽曲も選出されている。
    • 4曲すべてがランダムで選出されるコースも2種存在する。
      • 「CAPRICE」コースは事前にランダム選出された曲が見えるが、「ROULETTE」コースは全て曲が伏せられていざ遊ぶまで何が来るか分からないという違いがある。
    • 家庭用からのリンク機能で「エディットコース」を設定する事ができる。あらかじめ家庭用で好きな4曲を設定して、そのメモリーカードをリンクさせることでエディットコースをプレーできる。BEMANIシリーズでは初めてのコースエディット機能。
      • こちらも3rdMIX新曲だけでなく、2ndMIX以前の楽曲も指定可能。
  • beatmania IIDX」シリーズとコラボレートした「2ndMIX club version」、およびその家庭用移植である家庭用作品「2nd ReMIX APPEND club ver.(1,2)」から以下の要素が本編にも継続導入された。
    • 最高難易度表示の更新。
      • 足9*1の譜面が登場*2。クリアするとギャラリーから拍手が送られたという『PARANOiA MAX』の難易度をさらに超える譜面が多数登場し、よりストイックな方向への進化を成し遂げる。
    • 譜面表示の色分け。
      • パネルを踏むタイミングを表示する矢印オブジェが4分音符以外の間隔で配置されている場合、4分音符の間隔で配置されている矢印とは色グラデーションがずらされて表示されるようになった。オプション名としては「VIVID」という扱いになっている。
      • コマンド入力でこの色わけを行わないようにする「FLAT」オプションが使用可能。
      • 家庭版限定だが、EDITモードやDDR SOLOのようにオブジェがハッキリと色分けされるNOTEモードも本作から実装。AC版に搭載されるのは、ここからかなり先の事となる。
    • アレンジ移植曲
      • 詳細は賛否両論を参照すること。
  • 新モード「UNISON」
    • 赤と青と黄に色分けされた一つの譜面を二人でプレーする対戦モード。過去作までのCOUPLEモード*3とは違い譜面は自動生成であり、旧シリーズの曲もこのモードで遊べる。
    • 以降のシリーズには収録されていない本作だけのルールである。ただし4thにはこれをアレンジしたルール「BATTLE」モードが存在する。
  • 民族音楽とダンスミュージックを融合させたRE-VENGE(RevenG)名義の楽曲が初めて収録されたのもここから。以降の作品でも中〜高難度曲の常連として登場する。
    • 本作収録の「AFRONOVA」のSSR譜面における「←↑→←↓→←↑→…」と8分で踏ませる配置が印象的だったことから、「アフロ踏み」という用語が定着した。

評価点

  • この時代の版権曲のレーベルである「Dancemania」シリーズの中でも、ハイスピードレイブ系の楽曲を寄せ集めた「Dancemania SPEED」シリーズの楽曲が初収録された。
    • SPEEDシリーズには従来のDancemania楽曲をハイスピードアレンジしたものも多く収録されており、今作のチョイスにもその色が見て取れる。初代及び2ndMIXの看板曲と言える「butterfly」「BOOM BOOM DOLLAR」のアレンジや、当時のレーベルの看板アーティストであるCAPTAIN JACK、E-ROTICの楽曲のアレンジなどが収録され、ユーザーを喜ばせた。
      • 直系の次回作である4thmixでは更に多くの過去楽曲アレンジ版が収録されたほか、それ以降では「DDRのKONAMIオリジナル曲がSPEEDシリーズにアレンジ収録され、それがDDR本編に逆輸入される」という現象も発生した。
  • 選曲画面中の難易度変更が容易となった。
    • 選曲画面でフットパネル↓↓で難化、↑↑で易化させる事ができる。難易度変更の方法も画面に表示されている。
    • 以前では選曲画面で難易度を変更するためにはフットパネルで特定のコマンドを入力する必要があったが、
      今作で上記のように簡易化され、以降のシリーズでも同様の方式になった。
    • 「2ndMIX」モードでは前作では隠しコマンド専用だったMANIAC譜面も普通に選択出来るようになったが、ARCADEモードではBASICとANOTHERのみ。
  • ダブルプレーにおけるSSR(旧MANIAC)譜面の導入。
    • 前作ではダブルプレーに旧MANIAC譜面が存在しなかったが、今作からSSR(旧MANIAC)譜面が導入された。
    • 現行バージョンでも遊べる「La Senorita」を始め「TURN ME ON(HEAVENLY MIX)」「Gentle Stress(AMD SEXUAL MIX)」など、SPとは別物と言える強烈な難易度・配置を持った曲はこの頃から散見される。シリーズにおける「SPは仮の姿」の元祖的立ち位置とでも言えよう。
  • 2ndでSTEP BATTLE専用曲だった「KEEP ON MOVIN'」「LET THEM MOVE」「20,NOVEMBER DDR version」の3曲が、STEP BATTLE廃止に伴い、譜面とバナーとCDラベルを一新して再登場した*4
    • これら3曲は先行してPS版『2ndReMIX』でも単独曲として遊べたが、いずれも譜面が簡単でCDラベルと楽曲バナーもステップバトルのものを改変しただけだったため、本作で一新されたことは評価されている。
  • 新曲のみ、ゲーム画面に歌詞が流れるようになった。
    • 不要な場合は決定ボタン*5で隠すこともできる。
    • 歌詞表示は本作限定であり、以降のシリーズには搭載されていない。

賛否両論点

  • 楽曲の高速化および全体的な譜面難易度の上昇
    • レベル9の追加、SSR DOUBLEの追加、高BPM楽曲の大量導入、更に後述の厳しいゲージといった要素が重なり、上級譜面の難易度は青天井の様相を呈し始めた。
      • これにやりがいを感じるヘビーユーザーも多数いた反面、中級者以下のプレーヤーには上達を諦める人も出始め、前作で社会現象を巻き起こしたほどのブームは今作を機に収束に向かい始めることとなる。
    • ちなみに、当時のSSR譜面は16分連打や地団駄、超高速BPMやBPM変化などは今ほど頻繁には導入されていなかった反面、同時押し絡みの変則的な8分連打や、左右の足で交互に踏み切るのは難しい配置が多く導入されている。最近の譜面とはまた違った独自の傾向を持っているため、現在ではその個性の強さを再評価する声もある。
      • 当時の公式HPで、各譜面の作成者から配置のコンセプトがコメントされていた。
  • ミスした際のダンスゲージの減りの異常な厳しさ
    • 具体的に言うと「フルゲージでコンボを大量に繋いだ状態での1ミスの減りがものすごい*6」かつ「ある程度連続で矢印を見逃すとゲージが一気に減り、ややもするとそのままGAME OVER」という2点が鬼畜。
      • GAME OVER時はガシャンという大きな音と同時に金網が締まる演出のため、正直心臓にも悪い。
    • 前作までのEASYモード*7もなく、失敗してFAILEDになると1曲目だろうと強制的にGAME OVERとなり、救済措置も無い厳しさにクリアを諦めるユーザーもちらほらといた。
    • これを受けてか家庭用では、初期設定のゲームレベルが4から2になっており*8、ゲージの減りの激しさが緩和されている。
  • 使用キャラクターによって選べる曲が変わるシステムの導入
    • 上述のAPPEND club ver.で登場したうちの4曲のアレンジバージョンが新曲として登場したが、プレー前に選択したキャラクターセットによって選べる曲が異なる。
      • キャラクターセットは1Pと2Pで別々に出来ない。
    • カジュアルなレイジ&エミには「LUV TO ME」、サイバーなアストロ&チャーミーには「GRADIUSIC CYBER」と、ある程度考えられた組み合わせになっているが謎の組み合わせもある。ディスコティックなボルドー&トレーシーに「gentle stress」、そして謎のコンビであるコンセントロボ&デビルずきんには「Jam Jam Reggae」である。
    • 隠しコマンドで選択出来るキャラクターも同様の設定がされている。
    • キャラクターで制限される楽曲については家庭用で一旦解消されるが、次回作の4thMIXではキャラクターごとに更なる制限がつくことになる…。

問題点

  • MANIAC譜面の改名と別モード化。
    • 高難易度はもはや「Dance」では無い…という事からか、前作のMANIAC譜面は隔離処置され、タイトル画面でコマンドを入れて「STEP STEP REVOLUTION」モードに切り替えないとプレー出来なくなった。それに合わせて今作では、新曲のMANIAC譜面が「SSR」に改名されている。(2ndMIXモードではそのままMANIACの名称は継続)
      • そのため、通常モードではSSR譜面を選ぶことが出来ない。
      • SSRに切り替えるコマンドも、タイトル画面でスタートを押す前に選択ボタンを「左左左右右右左右」というやや複雑なものとなっている。初心者が誤って選ばないようにという配慮なのかもしれないが。
      • 一度このモードに入るとANOTHER以下の譜面は選択できない。3rdMIXのSSR譜面には難易度足5以下がないため、必然的に足6以上がプレーできる実力が必要となる。
    • このモードでは強制FLATがかかる。今作で導入された色分けを導入する場合はVIVIDコマンドを入力する必要がある。
    • 初見でどのようなモードか分かりにくく、通常モードにわざわざ制限をかけてまでこのような高難易度のモードを作る必要性も無いに等しいため、このモードは上級者にもあまり評判は良くなかった。一応隔離されたことで、初心者がSSR譜面に突っ込んで返り討ちという事故は避けられるようにはなったが。
      そのため、アッパーバージョンであるPlusでは通常モードでもSSR譜面が選べるようになり、次回作4thMIXではこのような隠しモードは無くなった。
  • 旧曲にDOUBLE MANIAC譜面が追加されていない。
    • 「DOUBLE SSR」はSSRモードのみであり、2ndMIXモードで遊べる1st・2ndMIXの楽曲に「DOUBLE MANIAC」は追加されなかった。
      • これらの譜面は4thMIXで制作され、プレー可能となった。
      • 家庭版では4thMIXの姉妹作である「EXTRA MIX」内に収録されているデータバンクから、譜面をエディットデータとしてダウンロードする事でのみプレー可能。

総評

全体的な難易度が上昇し、ブームがひとしきり落ち着く結果を迎えたものの、収録曲も多く(3rdモード内でも38曲ほど)、新モード・新機能・輸入要素で遊びやすくなった側面もあり、DDRが好きな人なら十分に楽しめる作品といえる。

Dance Dance Revolution 3rdMIX PLUS(参考記述)

  • 翌年の2000年6月21日に、マイナーアッパーバージョン『3rdMIX PLUS』が稼働。ただし、出回った数は非常に少ない。
  • 無印『3rdMIX』で物議を醸した「SSR」モードが廃止され、旧来と同じ「MANIAC」に戻った。これにより普通にMANIAC譜面を遊べるようになった。
  • デフォルトの3rdMIX PLUSモードでは次作『4thMIX』からの先行収録曲、PS版『3rdMIX』からの移植曲の他、初めて韓国のダンスミュージックが収録された。
    • 唐突に収録されたK-POPは、実は韓国で稼働していた『3rdMIX ver.KOREA』からの移植曲。韓国の方ではさらにK-POPを増加した『3rdMIX ver.KOREA2』も稼働したが、そちらの楽曲は日本に登場することはなかった。
    • 同バージョンが入荷されなかった店舗でも、『3rdMIX ver.KOREA』収録分のK-POPは次回作『4thMIX』で遅れてプレー可能となり、さらにマイナーアッパーバージョン『4thMIX PLUS』まで収録され続けた。
  • デフォルトが「3rdMIX PLUS」に変わっているが、前作同様にタイトル画面でスタートを押す前にコマンドを入れることで無印「3rdMIX」や「2ndMIX」モードも遊べる。さらに変化コマンドも簡略化されており、3rd切り替えは右ボタン×3、2ndは左ボタン×2となった(PLUSに戻す場合は左右左)。
    • このため、無印3rdの楽曲を遊びたい場合はひと手間追加されたことになってしまった。尤もこれは無印版において1st・2nd楽曲を遊ぶ場合と同様の事態でもあり、さらに高難易度プレーヤーにとってはわざわざ複雑なコマンドでSSRモードを出す手間が省かれたことにもなる。
    • 2ndMIXモードの方でもPS版『2ndReMIX』の楽曲も遊べるようになったという微妙な違いもある。ただし、2ndMIXモードに限りDOUBLE MANIACが選べないのはそのまま据え置き。
    • また、3rdMIX PLUSモード・2ndMIXモードにもそれぞれ個別にNONSTOPコースが追加。これにより、純粋にコース数が倍増した形である。
      • 独自コースは各モード別に3コースずつ存在。3rdMIX PLUSモード専用のコースには2nd・3rd楽曲の一部が組み込まれたものもある。
      • RANKINGコースは前作と同じまま、全モード共通で同内容のものが選択可能。
      • また、CS版と違いランダム系コースも全収録曲から選出されるため、現在のモードと無関係な楽曲が混ざって選出されることもある。
      • SSRモード廃止に伴い、フットパネルを踏むことでコースの難易度を任意に「通常のBASIC/ANOTHER混じり ⇔ 全ANOTHER ⇔ 全MANIAC」へと変更可能になった。これはCS版にも無い機能となっている。なお、メモリーカードのエディットコースには無効。
  • DDRシリーズ初の削除曲として「STRICTLY BUSINESS」が削除。アーティスト関連の事件によるものと推測されている。旧来のファンからは「 マイケッシャ 」の愛称でネタとして愛されていた曲でもあるため惜しまれた。

余談

  • SOFTモード(譜面)の存在
    • ARCADEモードには通常通り「無加工」の譜面を遊べるMEDIUMモードと、MEDIUM譜面の主に曲前半部分における矢印配置を簡略化し、難易度を少し下げたSOFTモードが存在した*9
      • 後発作品における本作の譜面はMEDIUMモード準拠であり、前半だけ難易度を落とす傾向にあるSOFT譜面の枠組みは本作のみの要素である。
  • XANADUの背景
    • 80年代を代表するポップシンガー、オリビア・ニュートンジョンの同曲のカヴァーなのだが、背景が地獄のような怖さを連想させるものとなっている
      • そのためトラウマになった人や、この背景が嫌いな人もいる。
      • 実はAC版2ndMIXの没データには曲名からイメージしたとされる本曲の背景が収録されている*10。ちなみにこの背景キャラクターはのちに海外版DDRのとある専用収録曲に流用されたので、そちらで見ることも可能。
      • ディスクの画像も変更されており、こちらの未収録版は六芒星を模したもの。こちらの変更は止む無しと言ったところだが*11
      • ただし、どちらのイメージもこの曲の歌詞(DDRに収録されている部分だけでも)を考慮するとかなりおかしいのだが…*12
  • AFRONOVAの背景
  • 収録曲「OPERATOR」のタイトルを間違ってアレンジ版「OPERATOR (Two Gees Mix)」として表記。
    • こちらも3rdPLUSで「OPERATOR」に修正されている。
  • E-ROTIC(アーティスト)の楽曲
    • DDRとコラボしていたDanceManiaシリーズの当時の看板アーティストとも言える「CAPTAIN JACK」と「E-ROTIC」の楽曲が今作3曲づつ追加された。中でも、E-ROTICの楽曲収録は色々な意味で驚かれた。
    • と言うのもE-ROTIC(エロティック)はその名が表す通り性にまつわる楽曲が殆どであり、期待はされていたがゲームでの収録はムリだろうとファンの間でも諦められていた。それが今回収録されたことにより、E-ROTIC特有の性的に過激な歌詞やあえぎ声がDDRのスピーカーから響いたのであった。
      • ド直球で過激なワードが並ぶ男性ラップパートの歌詞表示が丸々カットされたり*14、代表曲のSPEEDアレンジ版がレベル9の強烈なDOUBLE SSR譜面でプレーヤーを苦しめたり*15、あげくは上裸にブリーフ一丁で拳銃を構えた男が背景画像だったり*16と、突き抜けっぷりが後発作品より凄まじい。
    • ちなみに家庭用3rdMIXに収録され、後にAC版にも移植されたオリジナル曲「AFTER THE GAME OF LOVE」は歌詞がE-ROTIC楽曲に匹敵する過激さであり、海外版ではボーカルがカットされ「AFTER THE GAME」と改められている。

Dance Dance Revolution 3rdMIX(PS版)

【だんすだんすれぼりゅーしょん さーどみっくす】

ジャンル ダンスシミュレーション
対応機種 プレイステーション
発売元 コナミ
開発元 コナミコンピュータエンタテインメント東京
発売日 2000年6月1日
定価 オープンプライス
判定 良作
ポイント 収録曲はPSシリーズ最多で、驚きの57曲!!!
過去のコナミオリジナル曲をすべて収録(一部を除きすべて隠し)
PS版DDR最高傑作候補

概要(PS版)

上記アーケードゲームの家庭用移植版。

評価点(PS版)

  • 新モード「ダイエット」モード
    • スコアの代わりに、消費カロリーが表示される。
      • 家庭用において本作のみの仕様として、消費カロリーが食べ物に換算されるという機能があった。見ていて楽しいユニークな機能である。最高カロリーのカツ丼を目指してプレーした人も少なくはないだろう。
      • 本モードにおける食べ物のカロリー対応表も付属していた。
      • 後にこの機能は10年以上後のAC版DDR2014の累計消費カロリー表示に食べ物換算表示ごと引き継がれている。
    • 自分の体重と、目標(プレー時間、消費カロリー)を設定することができる。
    • このモード限定で、エクササイズウェアに着替えた女性ダンサーキャラが使用可能。
    • 後記で説明する隠し曲をこのモードでも遊ぶことが可能。
    • アナログコントローラーでもプレー自体は可能。勿論、本当にダイエットするためには、専用コントローラーを使おう。
  • オリジナルのノンストップコースを作成可能になった。
    • NONSTOP ORDERで、曲と難易度とオプションを決められる。
      • 次作である4thMIXからの先行収録曲*17や、エディットデータも使用可能である。
  • 新モード「3rd ReMIX」モード
    • 他作品のEVENT MODEに相当するモード。
  • 2ndにはない機能が追加されている。
+ 新機能一覧
  • BASIC&ANOTHERとSSRが同じモードで遊べるようになる。
    • 1人ずつ別々の難易度で遊ぶことも可能。
  • キャラクターを自由に選べるようになる。
    • 1Pが女性キャラを選ぶことも、2Pが男性キャラを選ぶことも可能。
    • このモードでしか選べない隠しキャラもいる。
  • 上述のキャラ別限定曲がキャラに関係なく全曲遊べる。
  • PS版3rdの新曲や、2ndまでの旧曲(ただしすべて隠し)はこのモードでしか遊べない。
  • ×ボタンを押さずに、プレースタイルを選ぶことが可能。
  • ゲームオーバーやFINALSTAGEのクリアによってゲームが終了しなくなる。
  • これまでも既存オリジナル曲に独特なアレンジをしてきた2MBの家庭版リミックス楽曲は建材。
+ 軽いネタバレ注意
  • ラテンビートに乗せて恋模様を熱く歌った「La Senorita」が、自分に優しくしてくれるゲームの中の女性に愛を求め続けるという、ぶっ飛んだ解釈でリミックスされた。
    タイトルは「La Senorita virtual」。virtualはスペイン語読みでビルトゥアルと読む。*18
    • 曲のラストではプレイステーションの蓋を開けてディスクを取り出す様が表現されている。今聞くと懐かしく感じ取れるかもしれない。
  • 余談だが、編曲担当の浅見祐一氏は当時「ときめきメモリアル」シリーズのサウンドを担当していた。
  • コナミオリジナルの旧曲すべてが隠し曲として収録されている。その数16曲。
    • コナミオリジナル曲とは、コナミの社員*19がDDRに書き下ろした曲で、出典に「KONAMI ORIGINAL REMIX」と表示されている。
      • PS版限定のモード「3rd ReMIX」モードで遊ぶことができる。旧曲を選ぶと、SSRの表示がMANIACに変わる。
    • 隠し新曲も含めて5曲から10曲クリアするごとにポンポン解禁されるため、プレー・解禁の重さはほとんど感じない。
      • INFORMATION*20では、ご丁寧にも解禁した旧曲の解説を読むことができる。登場した当時を懐かしむのも一興。
  • 矢印オブジェを自作できるモード、「PAINT」モードが前作から連続での搭載。
    • ドット単位で色を選んで、自分だけの矢印オブジェを作ることができる。とは言えドット打ち込みで1から作るのは流石に大変なので、テンプレートが複数パターン用意されている。
    • 前作ではトレーニングモードでしか使えなかったが、今作では通常のモードでも使用可能になった。
  • この作品からのディスクチェンジで、初代や2ndReMIXを3rd準拠のシステムで遊ぶことが可能になる。
    • 特に2ndReMIXについては、ステップバトルからの3曲や先行収録2曲も3rdのバナーやディスクに変化し、譜面もきちんと3rd仕様のものになるという凝った仕様。
      • 前作で再現されていなかった「GET UP'N MOVE」の3連符も、ディスクチェンジすればAC版の譜面がそのまま再現される。
    • なんとNONSTOPモードも各ディスク別に用意されている。当然選出されているのは各ディスクの収録曲のみだが、AC版と比べてコース数がかなり増加している。
      • 1stや2ndにはSSRモードが無く、AC版3rdPLUSのようなコース難易度変更機能も無いため、同内容の曲構成のコースでBASIC/ANOTHER混じりと全MANIACをそれぞれ重複して用意した形の各6×2コース(が1st・2ndそれぞれに存在)+ランダム系コース(当然選出されるのは該当ディスクの曲のみ)となっている。
    • 上記のほか、2ndReMIXのアペンドディスクである『club ver.』(vol.1とvol.2の2つ存在)のキーディスクとしても使用可能だが、残念ながらこちらは2ndReMIXをキーディスクにした場合とゲーム内容は同じのまま(2nd仕様)になる。ただし3rdのユーザーサポートで隠し要素は解禁可能。
      • 元々アーケード版3rdはクラブバージョンに対応していなかったこともあり、こちらは仕方ないだろう。
  • ENDLESSモードも過去作に引き続き搭載。システム面が改良されている。
    • 本作は得点計算の仕様が変わった事で、前作より気軽にハイスコアが狙えるようになった*21
      • これにより、時間さえかければ比較的楽にカウンターストップが狙え、一つのやり込み要素として確立されている。
      • 尤も、一日潰すくらいの時間をかける必要があるが。ブレイクステージなし&専用コントローラーでの達成は恐らくほぼ無理だろう。
    • 曲だけでなく、譜面単位で(しかもSP・DPにまたがって)出現の可否を自由に決める事が可能な「MUSIC ORDER」モードを搭載。
    • 休憩時間も大きく増加。ブレイクタイムに入る際に休憩時間の長さを選択できるようになっており、最大30分まで休むことが可能になった(前作では最大5分)。専用コントローラーで挑む人にはとてもありがたい仕様変更。
    • 全曲のスコアを競うCOURSEモード*22を搭載。明確なゴールに向かってハイスコアを競う事が可能となった。
    • COURSEモード全クリアやカンストによって軽い専用エンディングが流れる(それぞれ内容が異なる)。かなりハードだが、ユーザーにある種の目標を与える要素となっている。
    • ただし容量等の都合ゆえか、本作のENDLESSではムービーや新曲の歌詞表示はオミットされており、プレー開始時の曲毎の固有背景画面で固定される。
      • 通常通りのムービー付きでプレーできるのは次回作の4thmixから。
  • この他、豊富なモードと隠し要素。
    • 他のバージョンと比べてみても、本作のモードの量はダントツに多い。間違いなく家庭版最多量であり、ユーザーを飽きさせない。
      • オプション周りも非常に快適。EDITデータ選択に関する表示形式から、モード選択時のカーソルの初期位置まで弄ることができ、別段痒くないところにも手が届くステキ仕様。

問題点(PS版)

  • アーケード版にある一部の楽曲の未収録
+ 未収録曲リスト
  • FOLLOW THE SUN (90 IN THE SHADE MIX) / TRIPLE J
  • IT ONLY TAKES A MINUTE (Extended Remix) / TAVARES
  • XANADU / THE OLIVIA PROJECT

ただし、これらの曲はPS版では遅れて次作4thに3曲とも全て収録されることになった。

その他

  • 音源収録形式の変更
    • 1stからAppend club ver.までの家庭用ソフトは、収録曲の音源がCD-DA形式、つまり一般的な音楽CDと同じ形式で収録されていた。これによりCD並みの高音質でプレーを楽しめるだけでなく、ソフトをCDプレイヤーなどで再生することで収録曲*23を聴くことができ、擬似サントラとしても使えるという性質も持っていたのだが、その代償として非常に振動に弱く、決定的な振動を感知するとプレーが自動停止し、リセットや再起動をしなければならないという弱点を抱えていた。ビニールマット製の初期型専用コントローラとは特に相性が悪かったのである。
    • 今作からはCD-DA形式でなくなり、上記の心配は解消された。その代償として当然ながらサントラCDの代わりに使うことはできなくなった。
      • 言うまでもないが、楽曲はサウンドトラックやDancemaniaのCDで堪能しよう。サントラのブックレットにはゲーム画面に表示される歌詞はほぼ完全掲載されている。

総評(PS版)

プレー周り・オプション周りともにアーケード版から徹底改善が図られ、非常に快適なユーザビリティを有する。ダイエットモードの設立や、2ndではお試し要素の強かったPAINT・ENDLESSが本格実装されるなど、隠し要素も豊富で長く遊べる。過去のコナミオリジナル曲も含めた全57曲という収録曲数も初代PSとしては十分及第点であり、ボリューム満点の傑作といっても差し支えない出来となっている。
また、1stや2ndを3rdのシステムで遊べるディスクチェンジも搭載しているため、過去作を持っていた人にも嬉しいソフトになっている。 なお、プラットフォームがPS2に移行してからの流通量が少ない作品とは違い、本作は現在でも中古品が十分に出回っており、送料込みでも安易かつ安価に入手できる。
コスト面や入手難易度までまで考えるとある意味PS2版EXTREMEにも比肩しうる、初代PS版最高傑作として挙げる人も多い。

余談(PS版)

  • アーケードモードのSINGLEで難易度1の譜面が遊べない
    • 唯一BASIC譜面で難易度1だった「XANADU」がCS版には未収録のため、デフォルトで難易度1の曲がないという状況になってしまった。
      • ちなみに、最初の隠し曲である新曲「AFTER THE GAME OF LOVE」がBASIC難易度1である。10曲クリアか、アーケードモードでゲームオーバーになると出現する。
    • Doubleだと「Get Up Dance」もBASIC難易度1である。
    • なお、BEGINNER譜面が導入されたEXTREME以降ではこのような事はありえなくなっている。*24
  • 本作は後発作品でユーザーサポート*25が受けられない。
    • 本作を使うことで1st、2nd、アペンドclub ver.の各要素を解禁できるのに対し、本作自体の隠し要素は後発作品で解禁させることが一切できない。後の5th→4th/EXTRAのサポートはあるのに何故か本作だけハブられている。
      • 隠し曲といい、BG COLLECTION*26といい、ユーザーサポートで解禁したくなるようなものが多くあるのにもかかわらずである。
      • 連続プレーが可能なので、根気よくプレーしていれば早期に全解禁可能であり、最後の隠し曲もとある条件を満たせば既定の回数より早く解禁ができる。
+ タグ編集
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  • Dance Dance Revolution

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最終更新:2024年01月23日 05:04

*1 つまりレベル9、現在の難易度13相当。

*2 ただし前作の収録曲『PARANOiA KCET』の最高難易度は後期のシリーズで足9に変更されている。しかしこれを「逆詐称」とするプレーヤーも少なくはない。

*3 2プレーヤーに用意された異なる譜面で対戦するモード。BEMANIシリーズ黎明期の作品にはこうした異なる譜面での対戦モードが存在した。

*4 プレー背景は流用のままだが、タイトルの部分が変わっている。

*5 家庭版ではスタートボタン

*6 特にFINAL STAGEでの減少量が極端に厳しく、この状態からだと「筐体内のゲームレベル設定に関係なく連続3ミスでGAME OVERになってしまう」というほどである。そのため、最後に難しい曲に突攻して返り討ちにされてしまうことも多かった。

*7 1曲で終了だがゲージが無くなっても必ず最後までプレーできる

*8 1から8の順で厳しくなり、アーケード版が4相当。オプションで変更可

*9 後半はMEDIUMと全く同じ配置が流れてくるため、SOFT・BASICでありながら終盤で8分踏みが降ってくるような曲もある

*10 Xanadu(ザナドゥ)とは桃源郷の意味

*11 海外展開するメディア作品では六芒星が宗教上の関係でアウトになる事例が多い。

*12 恋を桃源郷と言い表しているだけであり、「百万のライト」や「ネオンがきらめく」といったワードも含まれている

*13 実はこの野生児、当時パフォーマンスプレーで超有名だったプレーヤーに似ているとプレーヤー間では話題になっていた。

*14 DO IT ALL NIGHT

*15 TURN ME ON(HEAVENLY MIX)

*16 OH NICK PLEASE NOT SO QUICK(邦題は「ジラせてNOT SO QUICK」)

*17 2曲存在、15曲クリアで出現の「BONUS TRACK」モードで遊べる。

*18 DDRerからは「裏セニョ」と呼ばれており、「俺たちの曲」などとと呼んでいる人もいる。

*19 3rd当時はNAOKIとU1だけだが、『LOVE THIS FEELIN'』の作曲者をたどると山岡晃も含まれる。

*20 隠し要素の解禁などを教えてくれる掲示板のようなモード

*21 前作はコンボ数に応じて点数がインフレしていく形式だったため、ハイスコアを狙うとなると一度のミスも許されず、かなり精神的負担が大きかった。

*22 先行収録曲2曲を除く55曲をプレーする

*23 勿論ゲームサイズだが

*24 基本的に難易度1、BPMが速い曲や不明にされている曲が2及び3、ごく一部の譜面が4

*25 過去の家庭用作品の隠し要素をすべて解禁できるシステムのこと。

*26 オリジナルの背景画像を集め、実際のプレーにも使用できる