桜華
【おうか】
ジャンル
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ビジュアライズADV
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対応機種
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Windows 98~XP
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メディア
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DVD-ROM DVDPG:DVD-VIDEO 各1枚
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発売・開発元
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Carriere
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発売元
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DVDPG:mints 廉価版:Anise
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発売日
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2005年6月24日 DVDPG:2008年2月25日
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定価
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8,800円(税別)
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レーティング
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アダルトゲーム
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廉価版
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2008年5月23日/3,800円(税別)
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備考
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『心輝桜』を同梱
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判定
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なし
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ポイント
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ボリュームは増えたが、それによる弊害も多い 別人と化した静名
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Carriere作品リンク
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概要
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2002年6月28日に発売された『心輝桜』のリメイク。
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公式サイトで掲載されていた『心輝桜』の後日談『BLACK・RED』の内容も含んでいる。
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おまけとして『心輝桜』が同梱されている。
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DVD-ROM1枚の中に2本分のデータが入っている。
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原画は「ここのか」と「麺帝マブ」
シナリオは「空陽十」「JUN」「康盛禅」が担当。
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太字の人物は『心輝桜』に関わったスタッフを表している。
ストーリー
強い願いを奇跡に変える不思議な桜、
『霊木』によって守られた街……夢源郷。
霊木は不思議な力場を放つ存在で、
その中では善悪関係なく強い願いが奇跡になってしまう。
その為、
霊木の奇跡を鎮める『守人』と呼ばれる人間達が生まれた。
辛い過去を消したい願い、記憶を操る力を手に入れた者…
死にかけた大事な人を救うために癒しの力を手に入れた者…
守人には多くの能力者がいた。
ただし、そんな奇跡には必ず『代償』が必要だった。
主人公も破壊と癒しの力持ち、どちらも使えば死の危険がある。
二つの力は、『不幸』と『温かい家族』を運んでくる。
トラックすら軽々持ちあげる小さくて可愛い義妹。
怒ると黒いオーラが出て目が光るけど、
とびきり優しいお姉さん等々…
不思議な力のせいで強烈な個性を持ち、
奇跡と引き換えに『代償』を求める霊木によって、
心の痛みも背負ったキャラクター達が寄り添って織り成す……
『悲しくて優しい、にぎやかで温かい大家族物語』
特徴
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前作同様一般的なアドベンチャーゲーム。
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選択肢はほぼ最低限のため、全ルートを攻略することは安易。
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「桜華編」と「闇使い編」の2部構成。
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初回は「桜華編」で始まる。「桜華編」でエンディングを迎えて、「始めから」を選ぶと「闇使い編」が選べるようになる。
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「桜華編」は『心輝桜』の3人のヒロインに加え、新キャラの紗雪を攻略できる。
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既存の3人のヒロインは原作での、個別ルートをアレンジしたもの。
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一部の展開が違うが、基本的には原作と同じテキストやCGの構図が使われている。
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紗雪ルートのみ完全に新規のシナリオになっている。
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「闇使い編」は『心輝桜』の公式ホームページで公開されていた、サイドストーリー『BLACK・RED』が元になっている。
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こちらでは原作で攻略できなかった3人のヒロインを攻略できる。
評価点
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「桜華編」の4人のシナリオ
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前作で好評だった3人のヒロインのルートはアレンジされているが、元の良さを損なわない程度に肉付けされている。
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新キャラ紗雪ルートの評価も上々。
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「無表情な狐の霊獣少女」という特徴のあるキャラだが、世界観になじんでいる。
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場面に合ったBGM
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前作のアレンジ曲に加えて、新規曲も追加されている。
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『心輝桜』が丸ごと遊べる。
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シナリオやCGの相違点を探すなどの楽しみ方もできる。
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本作ではカットされている、一部のエピソードやバッドエンドも閲覧可能。
+
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ボリュームが増加された。
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攻略可能なヒロインは7人おり、共通ルートもそこそこ長い、フルプライスにふさわしいボリュームになった。
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立ち絵のなかった一部のサブキャラに、立ち絵が追加された。
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ほぼすべてのキャラにボイスが追加された。
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厳密には『キャリばん』の時点でボイスが付いている。
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快適なプレイが可能なコンフィグ
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選択肢で自動セーブ、クイックセーブなどの機能がある。
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賛否両論点
『家族』を強調する内容
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何かにつけて、血の繋がっていない人物を『家族』と呼ぶキャラが多い。
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「血縁的には他人だが、それらを『家族』と呼ぶことに感動した。」という声があるが、
一方で「押しつけがましい」「不自然な描写」という批判もある。
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一応、こうした表現自体は昨今の作品では珍しいものではない。
問題点
「闇使い編」の出来が悪い
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「闇使い編」は「桜華編」と打って変わり、主人公達に復讐を試みるキャラとのバトル物になる。
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前述したように『BLACK・RED』が元になっているが、それを知らず、雰囲気の違いに戸惑った人や拒否反応を示した人は少なくない。
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主人公達は宿敵と最終決戦をするのだが、決戦が終わってもエンディングに移行しない。
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ではどうなるのかというと、ここから3人の個別ルートに入る。
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締まりの悪い演出として不評。
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「闇使い編」の個別ルートは後述するキャラデザが不評な3人なので、「攻略する気が失せた。」「桜華編の4人だけで良かった」という声が多い。
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一枚絵もパースが狂っていたり、主人公の顔が同一人物と思えないほど違ったりするので、CG面は全体を通して不評。
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「闇使い編」の評価点
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新規曲「桜乱舞」は、バトルのクライマックスを盛り上げる。
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「守人に関する情報」などストーリーの補完ができている。
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「闇使い編」のまとめ
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「桜華編」と別物の内容になっており、蛇足と捉える人が少なくない。
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「闇使い編」が気に食わず「『心輝桜』の方が良かった」という人も少なくない。
CG関連
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本作のCGは2人が担当している。
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『心輝桜』に関わっていなかった「麺帝マブ」が新たに原画を担当しているが、
「ここのか」と力量差があり、「麺帝マブ」の担当したキャラはパースが狂っていたり、立ち絵が可愛くないと不評。
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両者の担当したキャラが、同一の画面に登場すると違和感がある。
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約半数のキャラの立ち絵がほぼ別人になった。
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単体で見ても微妙なキャラデザなので否定的な意見が多い。
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改悪点としてよく挙がるのが「鈴森 静名」のキャラデザの変更
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『心輝桜』ではお姉さんキャラだったのだが、おばさんのような立ち絵になってしまった。
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どのルートでも出番の多いキャラなので、「このキャラが不快」という声も少なくない。
シナリオ関連
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「何故か紗雪が最終決戦に参加しない」「あやルート以外ではほとんど触れられないキャラがいる」
などキャラとライターが増えた弊害としてシナリオがちぐはぐな部分がある。
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前者に関しては『BLACK・RED』の時点で紗雪が存在しなかったためと思われる。
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が、新キャラに合わせてシナリオも少しは変化させても良かったのでは?
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ご都合主義なイベントが多い
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都合の良いキャラが急に登場したり、出来事が起こることが多い。
誤字脱字
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ボリュームが増加したためか、誤字も目立つ。
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前作でもあった語表記「こんにちわ」も直っていない。
総評
笑いあり涙ありの「大家族物語」。
『心輝桜』から順当に進化した部分も多いが、キャラデザの変更や「闇使い編」など悪化した要素も少なくない。
良くも悪くも簡素な『心輝桜』と冗長な本作の、どちらを気に入るかは好みの問題だろう。
余談
クイックセーブのSEは『くまのプーさんのホームランダービー!』でホームランを打った際のSEと同じ。
移植
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2006年5月25日に『桜華 ~心輝かせる桜~』として、プレイステーション2に移植された。
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新エピソード「凍邪編」が新たに追加され、新ヒロインも2人追加されている。
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「Carriere」唯一のコンシューマー移植作となった。
最終更新:2018年03月25日 23:21