バーンアウト ドミネーター
【ばーんあうと どみねーたー】
ジャンル
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アクションレーシング
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対応機種
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プレイステーション2 プレイステーション・ポータブル
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発売元
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エレクトロニック・アーツ
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開発元
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EA UK
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発売日
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2007年9月20日
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定価
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【PS2】7,140円 【PSP】5,040円(各税5%込)
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レーティング
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CERO:B(12歳以上対象)
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廉価版
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【PS2】EA:SY!1980:2008年7月24日/1,980円 【PSP】EA BEST HITS:2008年8月21日/2,940円(各税5%込)
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配信
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【PSP】2010年7月15日/2,200円(税5%込)
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判定
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なし
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バーンアウトシリーズリンク
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暴走(はし)りたくて、破壊(こわ)したくて、ウズウズするぜ~!
概要
特徴
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ドリフト、対向車線走行など、危険な走りをすることによってブーストが加算され、より速く危険な走りが可能になる。
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相手から衝突されたりするとブーストが減少する。クラッシュしたり、相手からテイクダウンされるとブーストが減少する。
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本作は『2』にあったブーストチェインが復活した。
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ブーストが最大まで溜まると「SUPERCHARGE」がオンになり、ブーストの色が赤から青に変わる。
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スーパーチャージブーストを使用するとブーストが減少し、上記の危険な走りをする事によって黄色いメーターが増加する。最大まで溜めればメーターが点滅。
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ブーストが全てなくなるとバーンアウト達成となり、黄色メーターが全て溜まっていたならブーストが全て回復し、スーパーチャージブーストを継続できる。この流れの繰り返しをバーンアウトチェーンという。
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逆に溜まっていなかった場合はSUPERCHARGEが終了しノーマルブーストに戻る。戻ってもブーストを最大まで溜めればまた発動できる。
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本作は6つのシリーズがあり、CLASSIC、FACTORY、TUNED、HOT ROD、SUPER、RACE、DOMINATORの順で攻略していく。
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シリーズ内の車を5台全てアンロックするとDOMINATORチャレンジがアンロックされ、ゴールドメダルを獲得すればDOMINATORカーをアンロックする。
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DOMINATORシリーズをプレイするにはDOMINATORカーを最低一台以上入手しておく必要がある。
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危険な走行で点数を競う「マニアック」系のイベントが追加。
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種類は多彩で、「MANIAC」「DRIFTチャレンジ」「NEAR MISSチャレンジ」「BURNOUTチャレンジ」「DOMINATORチャレンジ」「TOTAL MANIAC」の6種類がある。
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因みに「BURNOUTチャレンジ」は本作で最初にプレイする事となる。
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マニアック系のイベントは前述のブーストチェーンにより点数を倍増させる事ができる。
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前作まではただイベントをクリアしていくだけで新しい車をアンロックできたが、本作ではアンロックするのに条件がつくようになった。
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条件は様々で、一定以上のドリフトやニアミス、特定の車を数回テイクダウンする等。
評価点
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グラフィックがPS2、PSP共にかなり綺麗。PS2/PSPシリーズでは最高クラス。
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敵車を破壊できるという爽快感は本作でも健在。
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過去作『2』『3』『リベンジ』に登場したスペシャルカーが一部登場。
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ただ本作ではほぼ全てノーマルカー扱いであるが、過去作の車両同士でレースが出来るというオールスターな気分を味わえる。
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クラッシュブレイカーの使用制限が無くなった。
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前作では特定以上ランクのイベントでないと使用できなかったが、本作では最初のレースイベントから使用できる。
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相変わらずサウンドトラックの評価は高い。
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EA TRAXとして多数の曲が収録。本作はAvril LavigneやAlice In Chains、Saosin等豪華なアーティスト曲が勢揃い。
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特に本作の為に書き下ろされたタイアップ曲であるB'zの「FRICTION」が収録された。パッケージ表に「B'z FRICTION収録」と表記されている。
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歌詞は全て英語だが、まさしくバーンアウトらしい歌詞に仕上がっている。
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Avril LavigneのGirlfriendも収録されており、英語、日本語、スペイン語、中国語の4種類が収録。
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前作に続き日本コースも登場。首都高のコースだった前作とは違い、山道と市街地を走るコースになっている。
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勿論コースの作り込みは高く、洋ゲーに有りがちな「おかしな日本」は全くといっていい程存在しない。
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『リベンジ』で難易度が高かったバーニングラップ(1ラップタイムアタック)の難易度が低下した。
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ノークラッシュでショートカットを多めに通らないとゴールドが難しかったが、本作はショートカットを通らず1回クラッシュしてもゴールドクリアが可能になった。
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また『リベンジ』ではコース中の障害物が多く走り辛かったが、本作ではそれが殆どなく走り易くなった。
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やりこみ要素の特殊テイクダウンがやや簡単になった。
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本作では「スペシャルショートカット」と呼ばれており、コース中の黄色い障害物に相手をテイクダウンするとショートカットがオープンする形式に。
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過去作では特定の一般車や分かり辛い場所にテイクダウンする所があった。
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『3』は20個、『リベンジ』は24個だったが、本作では16個と数も減っている。
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『リベンジ』にはなかったシングルモード(いわゆるイベント、コース、車が自由に選択できるモード)が復活した。
賛否両論点
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トラフィックチェックの廃止。
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『リベンジ』で追加された要素で、同じ向きに走っている一般車を吹き飛ばす事ができるというもの。
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車をぶっ飛ばす爽快感が大きく好評だったのにもかかわらず削除された事に不満の声が多かったが、車を避ける緊張感が再び出せるようになったという声もある。
問題点
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ボリュームが過去作の半分程しかない。
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イベント数が過去作と比べ大幅に減少しており、『3』は173、『リベンジ』は169もあったのに対し、本作はたったの88。
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当然車の数も少ない。『3』は67台、『リベンジ』は79台(360版はスポンサー車を含み89台)に対し、本作は36。
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これは後述のクラッシュイベント自体が存在しない為仕方がないとはいえ、レース専用だけでも『3』は56台、『リベンジ』は59台もある。本作は1シリーズにたった6台しかないのは少なすぎる。
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本作が最も批判された点として、バーンアウトシリーズにおける目玉要素でもあった、道に車を突っ込んで大事故を起こし被害総額を競うクラッシュイベントが削除された。
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ただ、無理に作っても『リベンジ』のクラッシュイベントより作り込みや進化が甘くなることはもはや目に見えており、少しでも他の要素を充実させようとした結果かもしれない。
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本作の元である『2』にもちゃんとクラッシュイベントはあった上、敵車を追いかけてテイクダウンさせる「チェイス」も存在しない。そのくせマニアック系は無駄に数が多い。
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新規追加された「DRIFTチャレンジ」「NEAR MISSチャレンジ」「BURNOUTチャレンジ」はただその内容をひたすら行う単調なイベントなので面白味があるのかというと微妙。
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レースゲームなのに車の性能表がない。
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レースゲームにあって当たり前な速度やハンドリング、重さ等の性能は本作には一切無い。2007年のレースゲームでこれはおかしい。
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なお本作と同じ開発元である『レジェンド』にも性能は存在していなかった。
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敵車が硬くなり、テイクダウンがやりにくくなった。
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前作までならブーストしてなくても敵車にぶつかれば簡単に吹き飛ばせられたが、本作ではスーパーチャージブーストを使用しないとなかなか吹っ飛んでくれない。
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ただ敵車を壁にぶつければいとも簡単にテイクダウンできるし、最終ロードレイジイベントの要求テイクダウン数が過去作では30だったのに対し本作では15と低くなっているのが良心。
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ブーストチェイン中は常にボタンを押しっぱなしにしなければならないので、指が痛くなりがち。(特にPSP版)
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ボタンを一瞬でも離してしまうとその時点でチェインが終了しノーマルブーストに戻るので、マニアック系のイベントだとスコアの倍率がリセットされてしまう。
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その為、途中でポーズをしたい時はボタン押しっぱなしにしながらポーズをする必要がある。解除する時も同様。
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最終イベントの「TOTAL MANIAC」の難易度が異常に高い。
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これはMANIACイベントと同じだが、ゴールドの要求スコアが桁違いに多く、これまでのMANIACイベントとは比べ物にならない程の難易度を誇る。
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そのため今までプレイしてきたMANIACイベントと同じだと思ってプレイすると泣きを見る羽目になる。下手すればブロンズすら取れず、初見ならこれクリアさせる気があるのかと思ってしまう程。
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どれくらい難しいのか簡潔に書けば「最高速度が最も速いDOMINATORカーで常に最高速度を出しながら最低25チェーン以上稼いで危険走行をひたすら繰り返しクラッシュしないでそこそこ長いコースを二周半以上走る」というもの。コースを3周走ればイベントは終了する。
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更にタチが悪い事にDOMINATORチャレンジと同じくゴールドメダルを獲得しなければクリア扱いにはならず、ブロンズ、シルバーメダルを獲得してもエンディングが見られない。
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一応、コースを一周半するまでに一回クラッシュしても立ち直れるし、このイベントで出現する一般車の数がいつもより控えめなのが良心か。
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過去作ではトロフィーを全て獲得するとスペシャルカーを手に入れられたが、本作では全て集めても何も起こらないのでトロフィーを集めている意味が薄い。
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ゲームを進めていくとメニュー画面右下に亀裂が最大二回入るようになるが、PSP版は酷く処理落ちする。幸いオプションで消す事が可能。
総評
バーンアウトとしての面白さは健在してはいるものの、過去作の半分ほどしかないボリューム、シリーズ定番のクラッシュイベントの削除によりファンから不評を買った。
ただ単体としての出来は悪くない。過去作と比べて劣っているだけなのだ。勿論レースゲームとしては十分楽しめるし、難易度はTOTAL MANIACを除けばシリーズ中簡単な方であり、過去作から劣化しているという点に目を背ければ十分楽しめる。
余談
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本作の曲の大半が『バーンアウト パラダイス』に収録された。
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B'zのFrictionも収録されているが、Girlfriendは英語のみの収録となった。
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PSP版は追加されたコースのデータが2つ存在するが、現在入手不可能。動画1 動画2
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日本版での使用は公式には認められていないが、使用自体は可能だったらしい。
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このゲームのPSP版のゲームエンジンは後にPSP版『ニード・フォー・スピード シフト』に流用されており、よく見比べると挙動や演出などが似通っていたり、効果音が一部使い回されていたりする。
最終更新:2022年10月27日 23:19