龍が如く4 伝説を継ぐもの

【りゅうがごとくふぉー でんせつをつぐもの】

ジャンル アクションアドベンチャー

対応機種 プレイステーション3
プレイステーション4
Xbox One
Windows
メディア BD-ROM 1枚
発売・開発元 セガ
発売日 【PS3】2010年3月18日
【PS4】2019年1月17日
【One/Win】2021年1月28日
定価 7,980円
プレイ人数 1人
レーティング CERO:D(17才以上対象)
判定 なし
ポイント 複数主人公制を採用
新鮮なシナリオとゲーム性
しかしスケールは縮小
加えてシナリオは超展開に
コイヨキリュー
龍が如くシリーズ



それは熱き男達の、奇跡の記録。



概要

『龍が如く』シリーズの5作目。前作から大きな変更点はないが、本作から複数主人公制を採用。
従来の桐生一馬に加え、秋山駿、冴島大河、谷村正義の新キャラクター3人を加えた4人の主人公で物語が展開される。


ストーリー

2010年3月1日、深夜24:05。東京・神室町。 アジア最大の歓楽街で同時に起きた“日常的な”2つの事件。

東城会系の弱小組織「金村興業」のシマで起きたチンピラ同士の些細な抗争と発砲事件。
射殺されたのは東城会と親戚関係にある組織、上野誠和会の男だった。
事件の収拾に奔走する金村興業の若衆たち。
しかしその最中、金村興業の組長が刺殺死体となり発見される―
>神室町ではよくある極道組織の小さな抗争事件。 だがそれは、とある計画の伏線に過ぎなかった……

この時既に男たちの短く、そして熱い闘いは始まっていた……

事件を皮切りに露になる、野望を秘めた男たちの本性。
金と権力、地位と名誉。剥き出しとなった欲望が、激しくぶつかり合う。
しかしその中心には1人の女性の姿があった……

儚き希望のために働く、美しくも哀しき1人の女。
その存在が、今まで決して交わることの無かった男たちを結び付けてしまう。

誰彼構わず金を貸すという謎の金貸し。 過去にたった1人で18人もの極道を殺害した死刑囚の男。 神室町でダニと呼ばれる汚職まみれの若き刑事。
そして、過去にこの街で幾度と無く奇跡を起こしてきた、伝説の元極道……

それぞれの強き信念を持った“4人”の男たちは、1人の女性に導かれるように再び街へと集い、そして出会う。
まるでそれが4人の「運命」であったかのように……

チンピラ同士の陳腐な発砲騒動により幕を明ける、 権力者たちの“壮大な計画”と東城会の過去……
騙し騙され、数々の裏切りを経て明らかになっていく事件の真相。
神室町に新たな伝説が生まれる。


特徴・新要素

  • 複数主人公制の採用
    • 本作は、シリーズ初の複数主人公制となっている。
    • ストーリーは、それぞれ4章構成の「第一部」~「第四部」と「最終部」の計17のパートに分かれている。
      第一部~第四部にはそれぞれ1人の主人公が設定されており、最終部で4人の主人公が一堂に会すという流れとなる。
      • 所持品や所持金は主人公ごとに分かれており共有はできないが、最終部では全員の所持品及び所持金が1つに纏められることとなる。
  • レベルアップシステムの変更
    • 本作では、レベルが1つ上がるごとに3個の「スキルソウル」が手に入るようになっている。
      • レベルアップに伴って習得できるスキルやヒートアクション等は、今まではレベルごとに習得できる内容が決まっていたが、本作ではそれぞれ1個~4個のスキルソウルを消費することで習得する形式となった。
        この変更によって、スキルソウルのストックさえあれば基本的に好きなスキルをいつでも習得できるようになった。
  • 神室町内の新マップの追加
    • 本作では、神室町のビルの屋上や地下街を探索可能になっている。地下スペースは、地下街や地下駐車場の他にマンホールを使って下水道を探索することも可能。
      また、今までは操作キャラクターが入ることのできなかったビルの隙間のスペースに、東南アジア系の移民や出稼ぎの住民が住む亜細亜街という新マップが追加された。
      • このうち、最終章になれば開放されるものの「マンホールからの下水道への出入りはマンホールの蓋を道具なしで開けられる冴島のみ可能」「亜細亜街への出入りはアジア圏の語学に堪能な谷村のみ可能」といった制限がある。

評価点

複数主人公制の採用により更に広がったゲーム性

  • 4人とも、戦闘面での性能が異なるため、戦闘シーンでバリエーションに富んだバトルを堪能出来る。
    • 秋山は一撃の威力よりも手数とスピードに重点を置いた蹴りメインの戦闘スタイルが特徴。
      • ラッシュコンボの4段目が□ボタンの入力数によって攻撃回数が増える「スラッシュキック」となっており、修行によって最大13回まで増加可能。
        更に、掴んだ敵や倒れた敵に対してヒートゲージ増加量の多い専用挑発を行うという専用スキルがあり、ヒートゲージを溜めやすい。
    • 冴島は攻撃が大振りな分リーチが大きく、全体に攻撃力が高い。
      • ラッシュコンボから△ボタンで派生する攻撃が「チャージフィニッシュ」となっており、ボタン長押しによって溜めることが可能。
        また、チャージフィニッシュには敵をバウンドさせる攻撃が多く、追撃などを含めて大ダメージを奪いやすい。
    • 谷村は直接的な攻撃性能に乏しいが、投げ技や防御・回避能力に優れており、警察官らしい手錠を使った捕縛技も使用可能。
      • さらに、ガードボタンを押した直後の一定時間(谷村の身体が光っている間)に敵の攻撃を受けると、「捌き」が発生して攻撃を無力化した上に敵の体勢を崩させることができる。
        「捌き」は一部ボスの攻撃に対しては発動できないものの、全方向からの攻撃に対応している上、捌いた敵を壁や別の敵にぶつけてダメージを与えることも可能。
  • シナリオ面も様々な境遇、地位の主人公のシナリオが徐々に収束し、散らばった伏線が回収されていくストーリーは今までのような桐生1人のストーリーでは味わえない新鮮さがある。4人主人公制を採ったことで、新たな遊び方やシナリオの見せ方を見出したと言えるだろう。特に4人の主人公がたった1人の女のために結託するシーンのBGM、演出は評価が高い。
    • 後述の通り完成度が低く、支離滅裂な本作のシナリオだが、本作で極道同士の抗争に回帰したのは評価されている。
    • 下記通りラスボスに対しては人選賛否が多いが、秋山のラスボスは過去と因縁と実力から称賛される事が多い。
  • システム面でも各主人公の特性が生かされている。
    • 金融会社社長とキャバクラのオーナーを兼任している秋山は、前作にも登場した「No.1キャバ嬢をつくろう!(キャバつく)*1」がプレイ可能。育てたキャバ嬢は別の主人公で指名することもできる。
      また、神室町で顔が広いため、『2』の要素であった「顔馴染み」を作ることができる。
    • 脱獄囚である冴島は、警察の目を掻い潜って行動しなければならない。
      自由行動中に大きな制約が掛かる訳ではないが、警官に見つからないように目的地を目指すミッションが何度か発生するため、新マップの屋上や地下を上手く利用する必要がある。
      また、格闘家を育てる「格闘家をつくろう!」というミニゲームがプレイ可能。育てた格闘家は闘技場で戦ったりタッグパートナーとして共闘することもできる。
      25年も刑務所に居たという境遇から現代社会には疎く、各店舗に入ろうとするとまるで浦島太郎のようなコメントを残す。
    • 警察官である谷村は警察無線で各地で起きる事件の情報を得られる。街を歩いているとランダムで事件が発生し、一定時間以内に現場に駆け付けると戦闘やチェイスバトルが発生する。
      無視も可能で、その場合は他の警察官が解決するが、自分で事件を解決すると一定件数ごとにアイテムを受け取れる。
      また、アジア圏の語学に堪能で亜細亜街に住む東南アジア系の住民とは友好関係を築いているため、唯一最初から亜細亜街に自由に出入りできる。
    • 桐生はあるイベント以後、ギャングチームが戦いを挑んでくる「チームエンカウントバトル」が発生するようになる。これを返り討ちにしてチームを潰していく。
      また、クリア後のプレミアムアドベンチャー限定だが、今回もシリーズヒロインの遥と出掛けることが可能。
  • これまで師匠と言えば古牧のみであったが、本作では4人全員に個別の師匠が付いた。
    • 凄まじ過ぎて現実味のない武勇伝の数々を語る元傭兵の西郷、父が戦時中に埋めたものを探すために25年も前から神室町の地下を掘り続けているホームレスのセンニン、家族を惨殺した犯罪組織の首領を追って来日した女性刑事のナイールなど、それぞれサブストーリー並みのキャラクター設定とストーリーが用意されている。
    • ちなみに別の主人公で他の師匠に会いに行けるというおいしい展開も用意されている。
  • 第4作にして複数主人公制、それも桐生以外は全員新キャラクターと、かなり思い切った変更が施されているが、新主人公はいずれも高い人気を獲得し、秋山と冴島は以降の作品でも主人公として登場している。2013年に龍が如くシリーズ公式サイトにて行われた「龍が如くシリーズ キャラクター総選挙」でも冴島3位、秋山4位、谷村7位という人気ぶりである。
    • 特に谷村は、容姿のモデルと声を担当した成宮氏のスケジュールの都合なのか、以降の作品では名前が出る程度で姿を見せてくれず、そのこともあって新作発表の度に再登場を期待する声が上がっていた。
      • 2016年に成宮氏が芸能界を引退した事もあり谷村の再登場は絶望的になったとも一時期言われたが、PS4版リマスターにて容姿と声が変更され(詳しくは余談にて)、成宮氏のオリジナル谷村はともかく彼自体の再登場のハードル自体は絶望的というほどでもなくなった。

その他

  • 相変わらず高評価のBGM。特に主題歌とは別に用意されたメインテーマ「For Faith」は人気。
    • インストール画面はこの曲をバックに各主人公の紹介が表示される演出となっており、これから始まるゲームへの期待感を存分に高めてくれる。この演出は以降のシリーズで恒例となる。
    • 最終決戦では主人公4人が1人ずつそれぞれのラスボスと対決していくのだが、そのBGMには「For Faith」のアレンジ曲(しかも全員個別)が使用されており、シチュエーションと相俟ってシリーズでも屈指の熱いラストバトルとなっている。
      • 更にはラストワンとの対決では原曲(ボーカル無し)が流れる。
  • 今までは3箇所であったタクシー乗り場が6箇所に増え、移動が更に快適になった。
  • 前作のラストバトルで好評だった、スローからの代紋と肩書き、名前が登場する演出が大幅に増加しており、そのいずれも凝ったものが多く好評。
    • 以降、このスロー演出はシリーズ定番の要素になった。
  • チェイスバトル
    • アクションの追加、操作性の改善
      • ダッシュ移動が標準の移動方法になったり、クイックターンの追加で軸回避が楽になったりと、操作自体が3に比べ格段に楽になった。
      • 敵の体力を減らすとQTEが発生するように、猶予は短いがボタンは固定なので覚えれば相手に大ダメージを与えやすくなった。
      • バトル中にビンが置かれるようになった、拾って殴れるほか、投げ飛ばして相手にぶつけることもできる。
      • 目的地へ向かって地面にラインが敷かれるようになり、相手との距離によって色が変化するようになった。
    • 今作でのチェイスバトルは序盤から唐突に始まるが、初見でも無理なくクリアできるようになっている。
    • ちなみに、チェイスバトルでキャラクターごとに性能差は用意されていない。
  • よりリアルな世界観を生み出すダイナミック広告
    • これは、いわゆるバナー広告のようなものをネットワークに読み込みに行き、神室町の広告スペースに貼り付けるというもの。
      現実のように広告が移り変わっていく様子を楽しめ、過去には『ゼブラーマン2』など公開前の映画等とのコラボレーションも行われていた。
    • また、通行人も口コミという形で商品を宣伝するようになっている。
    • 設定でこのオプションを切ることも出来る。
  • ミニゲームは卓球が追加された以外は前作までとあまり変わりはないが、釣りに関しては釣れる対象が変な方向で増えている。
    • また東京湾での釣りとなるため、結果的にだが前作と比べるとかなりバカバカしくなっている。最終的には東京湾には居るはずがないサメやシーラカンスすら釣れてしまうが、ゲームなので…。
    • 卓球は非常にユニークで、対戦相手の女性の胸元を見るとスマッシュを打つための集中ケージがピンポイントで球を打ち返すよりも大幅に溜まり、リードするほど浴衣がはだけていくというSEGAらしいバカゲー要素である。
  • 前作までのストーリーダイジェスト、チュートリアルもよりしっかりしている。
    • 新主人公がメインということもあってか、『2』や『3』で起きた事件が尾を引くことはあまりないものの、『1』と繋がる要素自体は存在する。
  • 前作のトロフィー獲得難易度が高く批判されたからか、今作ではミニゲームを少し触れば獲得できるトロフィーが多くなった。
  • 前作で問題になった最大までキャラを成長させるのに実質周回が必須という問題も改善。各種イベントをこなしていけば1周目でも無理なくレベル最大までの育成が可能になった

賛否両論点

シナリオ・キャラクター

桐生の出番が弱い

  • シリーズ主人公である桐生は今作では一歩引いたポジションであり、新主人公3人の方が物語のメインとなっている。
    • シリーズ全体の主人公として圧倒的な実力や活躍を見せるシーンはあるが、従来より控えめ。桐生パートも他3人に比べると少なめである。そしておいしいところは持っていくものの、実質的に本筋にほぼ絡まないため、「桐生一馬という存在自体、物語に不要になっている」と指摘する声すらある。
      • しかし『龍が如く3』のストーリーで桐生が動く理由には無理もあったため、桐生を中心としたストーリーにマンネリや限界を感じたプレイヤーも少ないとは言えなかった。マンネリ打破を優先した結果とも言える。
    • 実際、本来この作品はタイトルにある通り世代交代を意識しており、サブタイトルにある伝説を継ぐものは秋山になるはずだった。
      さらに、当初は冴島は死亡、谷村は構想にすらなかったことから複数主人公の予定すらなく、桐生をプレイアブルキャラとして出す予定も無かった。
      商業的事情から主人公の1人となったが、その方針転換の煽りを受けている。
      • しかしながら、「『龍が如く』シリーズに桐生一馬は欠かせない」と考えるプレイヤーからは桐生のプレイアブルキャラ化は評価されており、まさに賛否両論である。
      • 『龍が如く』シリーズの世代交代は本作から10年後に発売された『7』まで待たなければならない。

堂島大吾

+ ネタバレ注意
  • 今回の桐生のラスボスである。
    • 前回もそうだったが今回もあまり良い活躍をしておらず、成長を感じられないという意見も。格としては東城会6代目なので十分なのだが、逆に活躍が格に見合ってないようにも見える。 そもそも『3』において、桐生を敵に回すと東城会が潰れると大吾本人が語ったにもかかわらず、部下も連れずにのこのこ1人で現れて桐生とタイマンすることになる。
      • 歴代ラスボスと比較すると、『2』の第一章のボスであり、散々な目にあった大吾は桐生のラスボスにはふさわしくないという意見もあった。
      • 後述の通り戦闘ボイスに問題があり、よりによってネタ的な扱いを受けてしまった点も、ラスボスとして相応しくないという意見を大きくする結果となった。
    • しかしながら1~3のボスは皆黒幕やその他雑魚を倒してからの戦いであるが、今回それがなくシリーズでも唯一桐生と対等に戦ったラスボスと言える。
      • 戦闘面も、本作最大の体力を持ち、モーションも決して弱くなく、演出も派手で冷遇されているわけではない。 しかし、これまでにシリーズをプレイしたことがあるならば、これまでに桐生が1人でラスボス戦まで駆け抜けたこともあり、おそらくプレイヤー側は桐生を徹底的に鍛え上げていることから、堂島大吾ではやはり力不足感が否めない。

エピローグ

  • エピローグについてはシリーズ屈指の評価を受ける内容であり、希望に満ち溢れるラストとなっている。
    • …しかし細かい事だが、このエピローグも多少の賛否がある。
+ ネタバレ注意
  • ミレニアムタワーでの決戦の後、冴島は殺人罪が冤罪となり、また既に25年という殺人未遂や傷害罪としても長過ぎる刑期を過ごしていたことから釈放されることとなる。
    自由の身となった冴島は、脱獄を手伝った亡き「兄弟」である浜崎豪の最期の願い「東城会を守って欲しい」という遺言に従い、桐生と真島の推薦を受けて東城会直系冴島組を旗揚げし、再び人生を歩み始める。
  • 上記の概ね好評のエピローグに関しても「そもそも、襲撃事件を起こして結果的に東城会に損害を与えたことについては柴田組の横槍を考慮して帳消しにするとしても、東城会への所属経歴は精々2年そこそこで功績の類は一切ない冴島が直参の組長に一気に昇格するという展開は、無理があるのでは」という指摘がある。
    • だが、『1』で(たった一日で自ら辞したとはいえ)東城会の四代目に就任した桐生も、「堂島の龍」として有名だったとはいえ東城会所属歴は7年程度、大幹部の舎弟頭補佐かつ3次団体立上げが確定していた程度の実績しかない。
      また、東城会の五代目・寺田行雄は元近江連合本部長とはいえ東城会にとっては新参者であり、六代目・堂島大吾も東城会の構成員としての実績はほとんどないなど、無茶な人事は冴島に限ったことではない。
    • また冴島は東城会若頭補佐である真島と兄弟分であり、口実としての極道の格としては申し分ない。加えて、四代目である桐生直々の推薦を受けているため、コネ人事を押し通す口実は一応揃っている。
    • ちなみに次回作である『5』では、冴島の「18人殺し」は「堂島の龍」とも並び称される有名な逸話とされており、『0』でも近江連合までその名声が届いていることが後付けながら描写されている。
      そのため、「東城会本家が功績がないが名声のある冴島の起用を容認したのは、武力面で他の組織を牽制する意図ではないか」という意見も擁護として挙げられる。
      • さらに、『5』のストーリーの軸となるのは「コネによる無茶な人事が横行している状況に対して不満が噴出しクーデターが勃発する」という東城会の内乱であるため、シリーズ物として設定が活かされているとは言える。

その他

  • キャスト
    • 全員が全員ではないが、一部のシーンにおいて演技の違和感が目立つ。
      他の作品でも言えることだが、映像作品メインの俳優と舞台俳優・声優では求められる演技の質が違うため、特に叫びの演技など感情を剥き出しにするシーンで差が出てしまいやすい。
      中でも終盤で戦う堂島大吾の「来いよ桐生…!」という台詞は、「通常時の演技は『2』の頃に比べればかなり上手くなっているが、よりによって一番大事なシーンが一番酷い」と盛大に突っ込まれ、「コイヨキリュー」「お湯を切る」と大きくネタにされた。
    • 主人公のうち谷村だけは本職の声優ではなく俳優の成宮寛貴氏が務めている。そのため、他3人に比べると若干浮いてしまっている。
      • 成宮氏の声優としての演技は、後に『レイトン教授VS逆転裁判』で批判の的となってしまったが、今作の場合は「容姿が成宮氏本人をモデルにしていることもあって違和感はそれほど無い」「『自分なりの正義感は持ちつつも、普段の姿はどこからどう見てもやる気のない駄目刑事』という谷村のキャラクターには合っている」という意見もあり、賛否両論。
  • サブストーリー
  • お馴染みサブストーリーも、各主人公の立場や境遇、人格に沿ったものが用意されており、様々な視点で体験することができる。
    • 桐生に関しては従来通り過去作に登場した神室町の住人たちとの交流*2、秋山は主にお金に関するトラブル、冴島は人情話、谷村は己の出生と義父が追っていたもう1つの事件がそれぞれ主軸になることが多い。相変わらず笑える話も多いが、割合でいうとそちらは秋山の物に多い。
    • しかし『龍が如く』シリーズはサブストーリーの豊富さも売りだったが、本作はサブストーリーを4人分用意したせいか、前作までに比べてかなり少なくなっている。
      『1』では70以上、『2』以降のシリーズ作はいずれも100以上のサブストーリーが用意されていたのだが、本作は1人につき15~16程度。4人分合わせても量的には過去作に届かない。
      • しかし、質では批判されておらず、長編や連作形式のサブストーリー、過去のキャラクターの再登場、桐生編の各主人公の共演などは評価が高い。
        また、以前のサブストーリーは専用のムービーシーンが用意されているものは多くても3つか4つ程度だったが、今回4人の主人公×2の8種類のムービーがある。
      • 『1』~『3』にあった「将棋」「麻雀」などのミニゲームと絡ませたサブストーリーが今作には無い。恐らくその分のサブストーリーが本作で減った分だと思われる。
        しかしミニゲームと絡んだサブストーリーは難易度が高い物も多かったため、コンプリートがしやすくなった面もあり賛否が分かれる。
      • 『1』~『3』『見参』で名物サブストーリーキャラだった「秋元」と「美月」のサブストーリーも無い。
  • 『見参』からお馴染みの天啓も4人の主人公それぞれの形で出来るようになった。
    • 天啓を授かる場面はどれもバカゲー的ノリが多く、特に冴島の天啓は街中で木彫りをするという爆笑必至の物である。
    • だが一方で使い回しが多く、桐生の天啓はそれまで他の主人公で見てきた場面であり少々がっかり。

問題点

ゲーム

  • 谷村編終盤のボートチェイス
    • 谷村編の終盤では、逃走する犯人とのボートチェイスイベントが発生する。
      しかし、このボートチェイスが『1』のカーチェイスを思わせる唐突さと高難易度であり、更にコンテニューを使わずにやり直そうとするとムービーのスキップなどの手間がかかるため、不満の声が上がった。
      • ボートの慣性がリアルに再現されているために操作が難しく、しかも舞台が夜の海であるため、暗さや水面の乱反射で障害物が見えにくくなっている。
        基本的なルールはチェイスバトルと同じで、障害物にぶつかると減少するチェイスゲージに気を付けながら相手のチェイスゲージを削るという流れになるため、障害物の回避の難しさによって初見でのクリアが非常に困難になっている。
  • 谷村編第二章のロングバトル
    • 戦闘前に谷村はとある人物と世間話をしつつ神室町を一緒に歩くムービーが流れるが、これが長いうえに一切のスキップ不可。周回ややり直しする際は大きなストレスになる。
      • このロングバトル自体長めで、途中に制限プレイとチェイスも挟まるため比較的難易度が高く、失敗すればやり直しが面倒。
    • その制限プレイだが、戦闘時に谷村の武器がアタッシュケースに固定されてしまう場面があり、捌きなどが使えなくなりバトルがつまらなくなってしまう。
  • 街の施設利用において主人公ごとに差がある。
    • 今回闘技場は桐生、冴島のみで他2人は参戦しない。
    • また、冴島はキャバクラとカラオケは性格上入店できない。一方の谷村はカラオケには入店可能だが、本人は歌えない上、合いの手も「サイッコー(棒読み)*3」などとやる気がない。キャラの性格的にはあっているとも取れるが…。
      カラオケの曲のレパートリーは主人公ごとに決まっているため、1人の主人公で全曲を制覇することも不可能。
      • 各主人公の個性を演出する意図なのだろうが、主人公ごとにできることとできないことが決まっている仕様に不満を覚えるプレイヤーもいる。
        ちなみに、次回作『5』では冴島は娑婆に慣れたためかカラオケ、キャバクラが入店可能になっている。
    • 質屋の品や武器屋で販売される武器、改造武器のレシピにも特定の主人公でしか入手できないものがあるため、ある程度下調べをしておかなければ主人公の切り替え場所であるニューセレナと目的地を何度も往復することになる。
  • キャバつく
    • 全てのドレスを入手する条件である22ターン経過が面倒。普通にクリアを目指すと22ターン経過前に全てクリアしてしまい、その周ではターン経過やドレスの購入ができなくなってしまう。そのため意図的にクリアを遅らせる必要がある。
  • ルーレット
    • 本作で追加されたカジノのバカラは1回の勝負がルーレットとほぼ同じ所要時間ながら10000枚のチップを賭けることが可能である。
    • しかし、ルーレットに関しては本作以降も1000枚のままであり、制限をかける必要性がよく分からなくなっている。
  • 今作の舞台はいつもの神室町のみであり、街が2つ存在した『2』、『3』に比べるとスケールが狭まってしまった。
    • その代わりとしてはパンチに欠けるが、前述のようにビルの屋上や地下スペースを探索可能になっている。だが屋上や地下という事でプレイスポットやショップが全く増えていない。また、屋上や地下はシームレスではなくロードもそこそこある。
      • また、「本作ではメインとなる事件がほぼ東京近辺で進行するため街を増やそうにも選択肢が少なく、無理に増やしてもインパクトに欠けるので見送られたのでは」という意見もある。
    • 次回作『5』では5つもの街を収録し、逆に神室町に関する扱いが小さくなっている。

バトル

  • 武器の使用制限があり、秋山、谷村は銃や日本刀が使えない。またトンファーは秋山、桐生しか使えないなど差があり自由度が薄れている。
    • ちなみに谷村は警察官なのに挑発でしか銃を使えない(黄金銃は除く)。
  • また傘、バット、ドスなど共通して使える物はヒートアクションが使い回しである。ヒートアクションは武器以外にも使い回しが多く、せっかくの複数主人公が活かされていない。
  • IF7-R
    • どの敵を倒したかはコンプリートで確認できるが、誰がどの敵を倒したかについて確認する手段が無い。
      • IF7クリアによる能力強化は敵を倒した種類数によって決まり、それがキャラ個別に管理されるため、倒した敵を忘れると最悪総当たりするハメになる。
  • 最終章のバトル
    • 最終章のラスボスのバトルは四人の全員用意されている。問題はそのことが全くアナウンスされてない。
    • ネタバレになるので仕方ないとはいえ、その為桐生以外にラスボスがいると知らず、他の主人公の準備が出来てないプレイヤーが出てしまった。

シナリオ

  • 秋山に関する矛盾
    • 秋山は"7年前から憧れの存在であり、ニュースで報道されて顔が衆目に晒されたり、週刊誌に顔写真が掲載されたこともある桐生の顔すら知らず、初対面時には桐生に襲い掛かった"ことが無理があるという意見がある。
      • 過程を考慮しなければ主人公同士のバトル自体は好評なのだが、それなら上記の設定は必要なのか疑問が出る。
  • 秋山のシナリオが未解決。
    • 秋山は東都銀行で矢守彰彦にはめられ懲戒免職になり、恋人絵里を奪われるという設定であるが、それについては結局解決されなかった。なお、『5』のサブシナリオでようやく伏線が回収された。
  • 沖縄第弐刑務所
    • 現実の世界においては、死刑囚が送られるのは原則として刑務所ではなく拘置所であるが、今回冴島が送られる場所が刑務所である。しかし、別にそれについて特別なフォローがされていない。
    • 秋山が意図せず加担させられた『1』の100億円事件だが、あれは元々は単なる神宮個人の政治資金だった。しかし本作では、神宮が宗像の要請を受けて調達した機密施設である沖縄第弐刑務所の建設費用という設定になっている。
  • 冴島の18人殺し
    • 上野吉春襲撃事件による上野誠和会幹部18人の殺害により、冴島は「ヒットマン」「殺し屋」という肩書きで東城会の生ける伝説のように扱われている。
      だが真島吾郎の親分である嶋野組組長・嶋野などは、海外マフィア・ジングォン派の皆殺しを命じられ、過激な作戦内容に同僚の風間組長が実質的にストライキを起こしたため、銃などで武装した構成員約30名をたった1人で、しかも半裸に拳銃一丁という軽装備でありながら無傷で仕留めている。
      また、本編でも桐生が18人ぐらいであれば何度も倒していることを考えると、18人殺しの何が伝説になるほどなのかピンとこないプレイヤーもいる。
      • だが嶋野組長の場合は、実状はどうあれ風間組長と2人掛かりだったことも事実であり、最大の実力者と思われるボスを殺害したのも風間である。
        ジングォン派の内情が当時は不透明で、諸々の理由で表沙汰にならなかったといった要素もあり、既に組長となっておりいちいち逸話を語られる立場でもなかったため、事情は異なる。
        また、桐生の場合も大勢の幹部を一度に仕留めると言うのはやったことがない。
      • 擁護すると冴島は三次団体の駆け出しの身でありながら、頭の出所祝いという一大イベントの場にたった1人で真正面からカチコミをかけ、回避もままならぬ狭いラーメン屋の店内でありながら1発しか被弾を許さず、幹部一同を仕留めている。
        駆け出しの一構成員が、1発撃たれた程度であっと言う間に幹部18人を殺したからこそ伝説となったのであろう。
    • 主人公の1人である冴島は、当初のシナリオでは最終的に死亡する予定だったが、スタッフ内で人気が出たことにより生存することとなった経緯を持つキャラクターである。
      • このためか、いくつか無理のある展開が生じている。
+ ネタバレ注意
  • 「極道18人殺し」の矛盾。
    簡単に説明すると「冴島と真島が東城会直系組織である堂島組の援助で対抗組織・上野誠和会の襲撃を決行しようとするが、当日になって東城会の2次組織である柴田組によって真島が拉致され、冴島は1人で襲撃を決行。ところが組長を仕留め損なったために東城会は格下の上野誠和会と対等の同盟を結ぶ破目になった」ということになっている。
    • ここで問題となってくるのが、「冴島の所属する笹井組と柴田組は直系組織昇格を巡って争っていたが、事件後に柴田組は直系組織に昇格、笹井組は笹井組長が冴島が起こした襲撃事件の責任を負って急遽引退し、解散した」という点。
      笹井組解散だけならばともかく、柴田組の昇格については明らかに不自然な処遇で、例えるなら「社長直々のプロジェクトを妨害した社員がなぜか昇進した」くらいのありえない出来事である。
    • さらに終盤では、堂島組経由で手に入れた「正真正銘の本物」であるはずの拳銃が実は特殊なゴム弾入りのものにすり替えられており、冴島は1人も殺していなかったというあまりに無茶な真実が明らかとなる。
      一応、その件については作中でも「現場の改竄に手を貸した刑事が黒幕に不自然な点の数々を指摘されて脅迫を受ける」という展開になっている。
      --だが、ゴム弾であるのに襲撃の際に血が出ている、冴島が気が付かない、幹部たちが都合よくゴム弾1発で気絶するなどご都合主義と批判される。
      • そのため、「本来は『襲撃は冴島と真島が独断で決行しようとしたものであり、表向きは柴田組がそれを阻止しようとしたことになっている(そのため柴田組は真島の所属先である嶋野組に恩を売った形となり昇格できた)』という流れであり、襲撃事件の真相も含め、冴島を生かすために彼の非となる部分を削った結果ちぐはぐな描写となったのでは」と推測する意見もある。
        実際、「当初の脚本では襲撃計画は冴島たちの独断のはずだった」とも推測できるような、作中の状況とは微妙に噛み合わない台詞がいくつか存在する。
        なお、過去を舞台にした後年の作品『0』においては、真島の行動に関しては「東城会の意向に逆らった」ということに設定変更されている。
  • 「当時東城会と一触即発の危機下にあった上野誠和会の幹部全員が、銃撃や放火対策の護衛を一人も外に立てずに揃って狭いラーメン屋で食事。それどころか拳銃を携帯するのは護衛を兼ねた下っ端の葛城のみで、しかも店の奥で会長の隣という特等席に収まり、他18人は全員非武装」等という点のおかしさも発売当初から指摘されている。
    葛城の陰謀であるのなら、例えば襲撃前に警察の強制捜査があり、武器等が押収されたなどのフォローが欲しいところ。
  • 詳細は避けるが、この時期の堂島組と嶋野組及び笹井組と柴田組の勢力関係に関しては矛盾を通り越して支離滅裂な域に入っている。
  • 終盤の展開
    • 4人のラスボスと戦う最終部の展開は演出、BGM共に良く熱くもあるのだが、それに至る過程については超展開で評価が低い。
      本作では、物語の軸となる上野誠和会絡みの騒動が最終部開始直前に「首謀者」の死によって事実上決着している。
      そのため、最終部前後でストーリーの流れがぶつ切れている感があり、最終決戦の場にラスボス担当者たちを呼び出す材料や、実際に誘い込まれるまでの展開は歴代シリーズの中でも特に強引で、超展開扱いをされている。詳細は以下に記載する。
+ ネタバレ注意
  • 宗像の死亡偽装
    • 最終戦直前に新井は宗像を裏切り射殺しているのだが、実はゴム弾であったため生きていたというお粗末な展開も批判されている。
      劇中では自らの銃撃がゴム弾であることを把握していなかった冴島が葛城からマヌケ扱いされ嘲笑される描写があったこともあるため、同じ行為をしている新井の評価も低いと見なされることになる。
    • 『2』でも伏線の乏しい死亡偽装があったが、今度も伏線が無いに等しい。
  • ラスボスを集める方法の雑さ
  • 元々秋山が保有していて、黒幕の葛城から取り戻した1000億の金を60階建ての超高層ビルの屋上に放置し、あえてその情報を筒抜けにして取引の余地を匂わせることで、ラスボス達が回収しに来るのを待ち伏せする。それで誰が黒幕であるかを確かめるという作戦とも言い難いもの。
    実質挑発に近い行為とはいえ、ラスボスたちは揃いも揃って見事にそれに乗っかる。
    • 組織が経営難に陥っており、道端に落ちている金ですら利用したい心境の堂島大吾が資金を求めていたのはともかく、葛城の協力者に過ぎない警視庁副総監の宗像は、1000億円を別に必要としていない。
      彼の野望を実現するには確かに大金が要るが、立場を考えれば用立てる方法は他にいくらでもあり、極めて慎重で用意周到とされる彼がこんなゴキブリホイホイのような浅はかな罠に敢えてかかる必要はない。
    • そもそもこの1000億は、秋山が銀行への不信故に政府機関へは申告せずに隠し持っていた財産であり、城戸はそれを発見後、大吾に報告。大吾は宗像に相談した。という経緯である。これについて桐生達は「恐らく宗像が葛城に命じて、葛城の部下が鑑識を装って運び出した」と推測している。
      しかし宗像は、(正規の鑑識に限らず)警察内部で自由に動かせる私兵を多数抱えている。1000億を独占出来る状況で、持ち逃げするのが目に見えている葛城に1000億の存在を教えて、わざわざ極道を鑑識に偽装させて運び出させるリスクを負う意味が一欠片も存在しない。
      • また、この葛城から1000億を取り戻すべく、宗像は新井を差し向けたが、その新井は桐生を撃って1000億を取り戻せる状況でみすみす桐生に譲る。そしてその後、新井は何故か屋上に来て、一度譲った1000億を奪いに来る。
        「お札が舞い散る中での決闘」というシチュエーションを優先したからか、キャラクターの動機と行動が合致せず、経緯が支離滅裂になっている。上記の宗像のゴム弾の件もあり、新井のボスとしての格は低いと見なされる要因となっている。
  • 秋山の隠し金庫
    • 秋山の財産が盗まれる契機となったシーンとして、スカイファイナンス内の隠し金庫、及び開閉の為のボタンが偶然城戸に発見されてしまう、というものがあるが、管理がいくらなんでも杜撰すぎる。確かにボタン自体はそれなりに分かり辛い所に設置されているものの、一切の施錠がなされることも無くワンタッチで1000億円もの現金が収められている金庫が開く様は失笑を誘う。
      しかも、城戸がボタンを隠している本棚の真ん前で怪しい動きをしている所を戻って来た花に目撃されているのに、金庫の存在を知っているはずの花はドアを施錠せずにドンキで買い物をして無警戒であるのも不思議な話である。
  • 最終戦の意味や意義が薄い
    • 『1』の神宮は、証拠が不十分であることもあってか最後まで抵抗した。一方本作では、証拠を残さず巧妙に動くという宗像の犯罪の決定的証拠を、伊達はたった1週間で掴んでマスコミに公表。絶望した宗像は自殺する。宗像が死んでも決定的な証拠はあるため、関係者達も芋蔓式に逮捕されようとしている。
      以上が本作の結末である。つまり、屋上で主人公達が黒幕達に対峙した時点で、彼らが法の裁きが下ることは確定している。しかも、少なくとも秋山は伊達に合図を送っていたことから、伊達が黒幕が誰か、そしてその証拠をつかんでいることを知っていたのである。
      よって、そもそも1000億円を使って黒幕が誰かを確かめる罠を張る意味も、法の裁きを受ける者達を殴り倒す意味も無く、ただ主人公達による憂さ晴らしの為だけの決闘という点も多く指摘されている。
      そもそも一人目の大吾は黒幕では無い。精神的に参って警察に首を垂れた大吾への説教、という意味合いはあるのだが「全て投げ出して押し付けた桐生に大吾を殴って説教する資格はない」と度々指摘される。
      二人目の新井は行動が意味不明な上にゴム弾と実弾の区別がつかない冴島並みのうっかりさん。これも秋山が説教する立場ではあるのだが、はっきり言って彼が新井に何か言う資格は特にない。
      三人目の城戸は、偶然発見した裏金の1000億をネコババすらせず、包み隠さず上司に報告した功績と誠実さを買われて昇進したチンピラに過ぎない。銃撃されて重傷を負った城戸が遥か格上の冴島と渡り合う展開も謎ではあるが、そもそも極道としては上役に忠を尽くして成すべきことをしただけなので、説教される道理さえ無い。
      総じて、説教バトルで終局を飾るに適切かと言えば首をかしげる面子である。

ちなみに上記の三人は桐生達のヘリが飛来するのが遅れたら宗像に用済みと判断されて護衛隊に射殺される寸前であった。 この四人が仮に桐生達に勝利しても、宗像対他の三人によるバトルになっていただろう。

  • ムービー銃
    • ムービー中の銃による死亡シーンが多いのは以前からだが、今作ではかなりそれで人が死ぬ。しかも、真相を知っているキャラが撃たれたり、味方が拳銃を放置して自殺やピンチになるなどご都合主義と言える部分が多い。
    • 特に、主人公が敵から話を聞いている時に黒幕の刺客が敵を殺害するシーンなどは「 何故主人公を殺害しないのか 」というツッコミが相次いだ。
    • 特に主要キャラが「主人公等を庇って撃たれて死亡」する例は時代劇の『見参!』を除いて毎度のように使い回されており、批判が多い。案の定今作もあり、『1』の由美、『2』の瓦、『3』の力也に続いてなんとこれで4度目、『1』で手榴弾から庇って死亡した風間も含めると5度目である*4
      • その影響か、以降の作品ではこれほど露骨なパターンは減っている。ムービー銃自体は残っているものの、理由付けがされるなどして正当性が失われないように配慮される場面も増えた。

キャラクター

  • いくつかキャラクターについても批判的な意見がある。
+ ネタバレ注意
  • 城戸武
    • 冴島のラスボスに当たる。「金村興業」若衆という格の低さに加えて、序盤に秋山や花に助けられるというなんとも情けない描写もある。一応喧嘩が強いという設定もあるが、ラスボスとして魅力に欠ける。
    • 冴島との因縁も薄く、アジトを提供するなど冴島にとっては助かる行為もしている。シナリオ的にはむしろ被害者的な立ち位置で殴る理由が少なく、盛り上がりに欠け可哀想になってくるというユーザーもいる。
    • 下記の葛城が死亡したため、無理やり冴島の相手をさせられているようである。しかも、新井に銃撃されて急所こそ外されているが胸を撃たれる重傷を負っているはずだが彼は普通に全力を出して戦える。これに関してはゴム弾であれば説明は付くが…。
  • 葛城勲
    • 上野誠和会若頭であり、今回の秋山、冴島、谷村の3人が関わった事件の首謀者(事実上の黒幕)。
      • 全ての元凶のようなキャラクターだが、その最期は桐生編の最終章において、冴島の無実証明を餌に手駒として使っていた冴島の妹・靖子の逆襲に遭い、相討ち同然の形で射殺されるというもの。
        上記の通りは「ゴム弾で実は生きていた」という展開が随所であるハチャメチャな展開が満載なのだから、無茶でもいいから「自分の操作する桐生で葛城を殴りたかった」というプレイヤーの意見も多い。
      • また、葛城の死亡によって一連の騒動自体は決着してしまっため、「最終章自体蛇足になってしまった」という意見も度々出る。
  • 宗像征四郎
    • 警視庁副総監であり、今作におけるラスボスのラストワン。
      『龍が如く』シリーズのおいてラスボスは常に議論の的だが、今回も賛否両論。
      • 今回は最終決戦のトリは桐生一馬ではなく、谷村が代わりに飾っている。この点が不満かどうかは人による。
      • その宗像はラスボス兼黒幕というポジションの割に『2』や『3』のラスボスと比べると人気はいまひとつ。また極道ではなく堅気という点も問題視された。
        そもそも、宗像は本作の物語の軸となっていた事件に関しては、首謀者である葛城の「協力者」に過ぎない。どちらかといえば、一連の事件とは離れた所で自分の大きな野望を進めていたというポジションである。ストーリー上の黒幕の割には小物臭く、バトル面に関しても宗像の周りを固める護衛隊がメインの相手であり、宗像本人は一定以上距離が離れた場合に拳銃を撃ってくる以外は、主人公達より遅い速度で逃げ回るだけ。単純な強さならば護衛隊の隊長の方がまだ厄介である。
      • シリーズ初作『1』や『2』のラスボス直前のボスキャラクター、『見参』のラスボスも、宗像と似た仕様ではある。しかし、『1』の場合は「かなり強い護衛二人が、その護衛対象のボスを倒すまで永遠に復活する」というシステム。『2』はボスが使うのはマシンガンな上に、失敗時のダメージが高いQTEも定期的に発生するために油断すると痛い目に遭う。『見参』の場合は敵の動きはかなり素早い上にライフ回復能力を持つため、宗像とは似て非なる別物。いずれも飽きさせない工夫がある。
        宗像の場合は復活しない護衛を排除してしまうと、谷村の主要技が関節技ばかりな所為もあって、「ただ無抵抗のまま必死に逃げ惑い、一切反撃しないか弱いおじいさんの全身の骨を丹念にへし折りながらひたすら追い回す」という、単調かつ凄惨な拷問染みた光景が延々と展開される。
        「黒幕の一人をこの手でボコボコに出来てスカっとする」といった意見もあるものの、「陰惨な虐めを長時間強要されているようで、果てしなく萎える」「ラスボス前の戦闘ならばともかく、よりによって作品の締め括りとなる戦闘でこの仕様はどうなのか」という意見も相当多い。
    • また、「ノンキャリアの身でありながら警視庁副総監に出世してのけた」という壮大な設定の割には余りにも実力と胆力が伴っておらず、完全に設定倒れになっている。
      • この実績は控え目に行って奇跡に等しい。
        具体的に例示するならば、かの日本を代表するテレビドラマ「相棒」の主人公である杉下右京が、ただのコミュ障に見えてしまう。そのくらいの文武両道で策謀にも長けた超人でもない限りはまず不可能である。
    • とはいえ『見参』の天海は老人一人で物寂しいシチュエーションだったが、宗像は大勢の護衛がいるためバトル面では派手さはあり改善されている部分もある。
      • 護衛自体は数の暴力も合わさって相当強く、宗像本人の援護射撃もあり、排除するまではそれなりに歯応えもある。

総評

システムが成熟した一方でマンネリ化を指摘する声もあった『龍が如く』シリーズだが、本作にて複数主人公制を採ることで新鮮味のあるシナリオ、ゲーム性が生まれ完全にマンネリを打破することに成功した。
しかし、その反面シナリオ面の完成度としては粗さ、稚拙さが目立ってしまい完成度を重視していたプレイヤーからは残念に思われてしまった。


余談

  • 以降の本家シリーズは複数主人公制を基本とするようになる。
    • また、賛否両論点で述べたように本作では主人公の交代は見送られたのだが、後の『7』においてようやく新主人公・春日一番への世代交代が行われた。
      • と思われていたが、2022年9月に発表された最新作『龍が如く8』ではその春日一番と桐生一馬のダブル主人公となることが明かされた。一方であくまでもシナリオ上は春日の方がメイン扱いになると告知されている。
  • 作中で冴島が発した
    人を殺すっちゅうんはなぁ……! ごっつ恐いもんなんじゃ!」
    という台詞はファンの間では『0』の「俺は、誓って殺しはやってません。」と並んでネタにされがちである。
    • 涙ながらの台詞であり劇中でも重要なのだが、「普段の戦闘からしてヒートアクション等は明らかに殺人級だろ」というのは否定できる話ではない。
  • 前作『3』同様本作もリマスター版がPS4で発売された。後にOne/Win(Steam)にも『Yakuza 4 Remastered』として移植されている。
    • 先述の通り谷村正義役である成宮氏が芸能界を引退してしまったため、本職の声優である増田俊樹*5氏に変更された。また、谷村自体のモデリングも一部変更されている。
    • 『龍が如くONLINE』もリマスター版のモデリングを採用している。後に発売されたアクリルスタンド等のグッズでも同様。
  • 今作は、後に『ネプテューヌ』シリーズでブレイクする声優の石原夏織氏のデビュー作でもある。
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最終更新:2024年04月12日 22:58

*1 キャバ嬢を育成してキャバクラを経営するミニゲーム。

*2 今作の場合、ユウヤや一輝と言った顔馴染みはもちろん、『1』にのみ登場したカラーギャングのボスたち、『2』に登場した偽桐生など懐かしい人物も再登場する。

*3 後述するリマスター版では改善済み。

*4 今作はいつもの「武器が目の前にある状態の敵を放置して反撃される」のパターンとは少し異なるが、流れとしては似たようなもの。

*5 「僕のヒーローアカデミア」の切島鋭児郎など。