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SDガンダム GGENERATION-ZERO

【えすでぃーがんだむ じーじぇねれーしょん-ぜろ】

ジャンル ウォー・シミュレーションゲーム

対応機種 プレイステーション
発売元 バンダイ
開発元 トムクリエイト
発売日 1999年8月12日
定価 6,980円(税別)
廉価版 BANDAI THE BEST
2001年5月2日/3,800円(税別)
判定 良作
SDガンダム Gジェネレーションシリーズリンク


概要

ガンダムシリーズ作品が集結したGジェネ据置機シリーズの2作目。
登場作品と機体数の大幅増加、システムの追加・変更が行われ、トムクリエイト系Gジェネの基本システムの大部分が完成した。


特徴・前作からの変更点

機体関連

  • 武器のカテゴリとして「必殺技」が追加された。
    • パイロットのMPを大量に消費する代わりに威力が高いのが特徴。
  • また、ファンネルのようなサイコミュ兵器は射程がパイロットのテンション(後述)で変動するようになった。
    • 射程は通常は6、最低で4、最長で10になる。
  • 機体の地形適性が宇宙・空中・地上・水上・水中の5項目になった。
    • これにより、ドムのようなホバー走行の機体は水中に沈まなくなり、地上と同じように移動できるようになった。
    • また、前作では地上と空中のどちらかの適性しか持たなかったが、本作ではどちらの適性も持つ機体が登場した。
      • 単独でも飛行可能だが適性が低いため地上に降ろしたほうが移動力が上がる、といった機体もある。

ACE登録

  • 前作では機体を開発すると自動的に生産リストに登録されたが、本作では開発しただけでは生産リストに登録できない。
    • 代わりに「ACE登録」として機体をACEまで育てることでリストに登録する形になった。
    • 自軍だけでなく、ゲストの機体をACEまで育てることでも登録可能。
      • そのため、強力なゲスト機体をACEまで育てて登録するか、純粋に自軍の機体を育てるかを選べるようになり、戦略性が増した。
      • アムロのガンダムを登録するチャンスは多く、詰み防止に一役買っている。序盤でのガンダムは頼もしいし、開発だけでサイコガンダム系に行き着くため最終的な戦力としても申し分ない。

階級

  • 前作同様、階級が設定されている。階級は伍長から大佐まで、また階級にはAからDのランクがありDから始まりAでランクアップすると階級が1つ上がる。
    • ゲストキャラのレベルを上げるとステージ終了後、上がった階級に応じてボーナスが加算される。これによってACE登録と合わせてゲストキャラの価値が上がった。

改造

  • ACEになった機体は、さらに経験値を貯めて改造することで能力の底上げができるようになった。
    • 思い入れのある機体を好きなだけ強化できるので、コロニーを一撃で撃墜するザクなんていうものも作れる。

ボーナスステップ

  • おそらく本作最大の特徴。
    • 敵を撃破した場合、行動終了にならずもう一回行動できる。そのため、撃破したら次の敵に攻撃したりヒット&アウェイで母艦に帰還したりと様々な戦術が取れる。
    • 当然敵に味方を撃破された場合も適用されるので、味方に弱った機体がいるときは注意が必要になる。

キャラクター能力の細分化

  • 射撃・格闘・回避といった純粋なパイロットとしての能力以外にもリーダー・艦長としての適性となる指揮、後述のブリッジクルーとしての適性となる通信・操舵・整備・魅力といった能力が設定され、よりキャラの個性が出るようになった。
    • また、キャラの成長率にも変化がつけられ、初期能力が高い=最後まで強いとは限らなくなった。
  • オリジナルキャラクターたちにも個性らしい個性が付き、台詞の使い回しも撤廃、一部キャラはカットイン(とボイス)が用意されるなど扱いが良くなった。
    • 後に「良家のお嬢様を装っているが地は極道」というとんでもないキャラで知られるようになったフローレンス・キリシマがこうなったのは本作からである。前作にも登場はしていたが、台詞がお嬢様系の使い回しだったため特にネタ要素は無かった。
      • 余談だが、本作での彼女の性格は「弱気」。

戦艦関連

  • 戦艦には艦長に加え通信士、操舵士、整備士、ゲストの4人までブリッジクルーとして搭乗可能になった。
    • クルーにはそれぞれ効果があり、数値の高いキャラを配置することで部隊のサポートを行える。効果は以下の通り。
      • 艦長:戦艦のパイロットとして扱われるほか、指揮の数値が高いほどグループレベルが上がり指揮範囲が広くなる。
      • 通信士:通信が高いほど搭乗している戦艦の攻撃命中率が上がる。
      • 操舵士:操舵が高いほど搭乗している戦艦の回避能力が上がる。
      • 整備士:整備が高いほど搭載しているユニットの1ターン当たりのHP・EN回復量が増加する。
      • ゲスト:魅力が高いほどキャラクターの1ターン当たりのMP回復が早くなる。グループレベルにも関係する。
    • これにより、アストナージ・メドッソ(整備が高いメカニック向け)やリィナ・アーシタ(魅力が高いゲスト向け)のようなおよそ戦闘向きでないキャラも的確なポジションに配置することで有効に使えるようになった。
  • また、戦艦には最大3チームまで編成できるようになった。1チームは最大8機なので、戦艦の最大搭載数は24機にまで増えた。
    • もっとも、それだけの搭載数を持つ戦艦はほとんどないが。

テンションシステム

  • キャラクターには通常の能力の他にMPが設定されており、現在のMP/最大MPで普通・強気・弱気の3段階にテンションが変化するようになった。MPはサイコミュ兵器や必殺技を使うことで消費するほか、戦闘の結果やイベントによって細かく上下する。そのため、いかにテンションを高く保つかが戦術の肝の一つになる。
    • 弱気になると与えるダメージが少なくなり、サイコミュ兵器は射程が4に短縮される。さらに下がってMPが0になると「混乱」となり、反撃や攻撃が一切できなくなる。
    • 逆に強気になると与えるダメージが高くなり、サイコミュ兵器の射程が8に延長される。さらに進んでMPが満タンになると「超強気」となり、全ての攻撃がクリティカルになる。また、サイコミュ兵器の射程は10に達する。
      • また、テンションが超強気になると能力や武器が変化する機体が追加された。シャイニングガンダムなどMFのスーパーモード、ガンダムF91の最大稼働モードが該当する。
  • 消費したMPは戦艦に搭載すると回復できる。
    • MPの基本値はグループレベルで決まり、グループレベルが高いほど基本値も高くなる。
  • また、このシステムの搭載に伴い、キャラごとに「性格」が設定された。
    • 性格によってテンションの弱気・普通・強気の比率が異なる。「普通」は普通の、「強気」は強気の比率が高い。
      • 特殊な例としては普通の比率が高く強気にも弱気にもなりにくい「冷静」、逆に普通の比率が少なく強気と弱気の比率が高い「激情」、激情からさらに普通の比率が減った「強化人間」があり、原作におけるキャラクター性再現の一端を担っている。
  • また、テンションによってキャラクターの顔グラフィックが変化するようになった。
    • ストーリーパートでも使われており、演出向上の助けとなっている。
  • また、ファンネル系のMP消費武装は、使用すると同時にMPを消費してしまうため、超強気の恩恵を受けることが出来ない。
    • ただ、そのせいで敵が強化人間だらけになる『Ζ』終盤や『ΖΖ』終盤の難易度がマシという点も一応ある。
    • なおサイコミュ兵器で敵を撃墜すると消費量と増加量がちょうど釣り合うため、MPが変動しない。そのため、サイコミュ兵器を使う際は一撃必殺が求められる。
      • 必殺技は消費量のほうが増加量より多い場合が多く、1回使うと間違いなくテンションが下がる。

評価点

シナリオ・作品数

  • CD-ROM2枚組となったことで収録作品が大幅にパワーアップ。
    • シチュエーションモードでは新たに『ガンダム・センチネル』『機動戦士ガンダムF91』『機動戦士Vガンダム』のストーリーを収録。機体も原作に登場したものはほぼ網羅している。
      • 特にそれまで知る人ぞ知る作品だった『センチネル』は、後述のムービーやBGMのカッコよさから一気に知名度が上がった。
    • また、前作では1ステージずつの再現だった『第08MS小隊』『THE BLUE DESTINY』『0080 ポケットの中の戦争』は、主立ったステージがほぼ再現された。
      • なお、初代『機動戦士ガンダム』(以下、ファースト)のストーリーの途中で挟まる形なのは変わっていない。
    • ほとんどの作品は前作よりボリュームアップしていると言っていいが、『ファースト』のみ前作と比べるとステージの減少やシナリオの省略が見受けられる。とはいえ、偏っていた前作のステージ構成が是正されたという見方も可能な程度ではある*1
  • 全50話だが、いくつかの話では前後半に分かれており、前半で条件を満たすことで後半戦に進むことができる。そのため、実質的なステージ数は80近くになる。
    • 第1話からして前後編となっている。ここでは前半がブリティッシュ作戦(ジオン軍による人類史上初のコロニー落とし)を再現したステージで、コロニー落としを阻止できなかったことで後半の『ファースト』第1話再現ステージに移る。
      • 無論ゲームを始めたばかりでは阻止できるはずもなく、一種のやり込み要素と言える。
    • 単なる原作再現だけではなく、『ファースト』のソロモン攻略戦において他作品が絡んだストーリーが展開されるなど僅かではあるがクロスオーバー要素も用意されている*2
  • 『機動武闘伝Gガンダム』、『新機動戦記ガンダムW』、『機動新世紀ガンダムX』といった宇宙世紀以外のアナザーガンダムはそれぞれ1ステージだけキャンペーンステージとして収録された。
    • なお、これらのステージでは自軍の出撃ができず、あらかじめマップに配置されたゲスト部隊だけで攻略することになる。本作ではあくまでゲスト扱いとも言える。

収録機体

  • 収録作品が増えたことで機体数もさらに増えた。
    • 今ではすっかり有名になったHi-νガンダムやナイチンゲールは本作がGジェネシリーズ初登場。
      • 元々人気の高い機体の上位機に近い扱いのため性能も高く設定され、ファンの間での知名度を大きく向上させた。
    • 前作では主役機だけだった『G』『W』『X』も序盤に登場する機体が一通り収録された。
      • 逆に前作で存在したゴッドガンダムやウイングガンダムゼロ、ガンダムDXといった後期主役機が登場しなくなった。
    • また、純粋なゲストとして∀ガンダム(とロラン・セアック)も登場。
      • ただし当時放映中だったため、月光蝶など後半で見せた能力のないオーソドックスな性能になっている。
    • SDガンダムワールド ガチャポン戦士 スクランブルウォーズ』版サイコガンダムがサイコロガンダムの名前でまさかの登場。
      • サイコロにサイコの頭がくっついているという冗談のような見た目とは裏腹に本作最強の戦闘能力を誇り、後のシリーズでは「四角い死神」と渾名された。
      • 前作最強だった「丸い悪魔」ハロは弱体化され、中堅どころの機体となった。

難易度

  • トムクリエイト系Gジェネといえば好きな作品のステージから始められるイメージがあるかもしれないが、本作まではステージ順固定かつ後戻り不可。ステージクリア型のSLGとしては一般的な仕様となっている。
    • ステージ選択式と比べてプレイヤーごとの保有戦力差が小さいため、簡単すぎる・難しすぎるということにはなりにくい。次作『F』には無い本作ならではの強みといえるが、どちらが良いかは好みの問題か。
    • ゲームの難易度そのものはそれほど高くないが、後戻りができないため、計画的に機体を育てていかないと最悪詰む。
      • 中盤を過ぎる頃からは自軍で支援してやらないとさすがにゲストでもきついので、あまりアテにすることもできない。
      • とはいえ、後述のACE登録システムが導入されたため大抵はなんとかなる。
  • 最終ステージクリア後は、好きなステージを選択して何度でもプレイできるシチュエーションクエストモードに移行する。

BGM

  • 本作のBGMは原曲と大差無い物になっている。主題歌のインストアレンジされた物も収録されておりファンには嬉しい所。
    • 非映像作品である『センチネル』のBGMはオリジナルの楽曲が採用、評価は高く作品自体の人気を高める事に成功している。
    • オリジナルキャラの戦闘BGMも多数収録されておりキャラ個性を上手く引き立てている。

ムービー

  • 前作に引き続き、ハイクオリティな3DCGムービーも収録。
    • 中でも『センチネル』の山場とも言えるEx-SガンダムとガンダムMk-Vの戦闘を描いた「エアーズの攻防」は本作のムービーの中でも特に秀逸な出来で、現在でも人気が高い。
      • このムービ-で使われたBGMは、『F』以降で主人公リョウ・ルーツのBGM「Superior Attack*3」の元となり、『センチネル』を代表する一曲として『ガンダムバトルユニバース』など他のガンダムゲームでもSガンダムのテーマ曲として使われている。
    • アナザーガンダムのステージでも各作品ごとに1本ずつムービーが収録されている。

難点

敵フェイズのテンポの悪さ・ロードの遅さ

  • 終盤にもなると1ステージに登場するユニット数が半端ではないうえ、戦艦が多いと搭載機の出撃などを行うので、敵フェイズはとにかく時間がかかる。
  • CPUの思考時間や戦闘アニメのローディングも長く、ゲームのテンポはかなり悪い。
    • ただ、やはり前作と同じく戦闘アニメはオフにすることが可能。むしろ前作からはかなり改善されてスピードは早くなっているので、一概に問題点とは言えない。

ボーナスステップの強さ

  • 現在のGジェネでも問題視されているが、敵を撃破さえすれば無条件で再行動可能なので、極限まで鍛えた機体を用意し、テンションを超強気に保つと無双プレイが可能になり、作業ゲーと化してしまう。
    • 通常であればENが切れてしまえば攻撃できなくなるので母艦に帰艦して終了なのだが、本作のMFはENを一切消費しない。そのため、鍛えたMFは射程内に敵がいる限り帰艦すらすることなく延々と戦う修羅と化す。
      • さすがにまずかったのか、『F』以降はMFの武装もENを消費するようになった。

プロフィールの仕様

  • ユニットプロフィールにバグがあり、一部の機体が登録されないため絶対に100%にならない。
    • そのためか、後の『F.I.F.』には本作のプロフィールが100%のセーブデータが収録されている。
  • また、本作では生産可能な機体は生産リストに加えないとプロフィールに登録されない。
    • そのため、捕獲と開発で入手した機体を登録するにはACE登録を利用する必要があり、埋めるのがかなり面倒になっている。
      • 単純な経験値稼ぎはもちろんだが、生産リストそのものにも登録できる限度があるため、プロフィール埋めのために空きを用意する必要がある。
    • 以降の作品では機体を入手するだけでプロフィール登録されるようになった。

ブリッジクルーの成長システム

  • 本作では戦艦が敵を撃破しても経験値を得られるのは艦長だけとなっている。
    • そのため、元々の能力が高いならともかく、育てようとするならパイロットか艦長にして、心許ない能力で戦わせる必要がある。

レンタルキャラクター

  • 原作キャラクターは資金を支払うことで1ステージ限りの助っ人として使用可能になる。レンタル可能キャラクターの数がやや改善された以外は前作と同様。
    • 当然ながらそのキャラがゲストとして登場するステージではレンタル不可。
    • また、『ファースト』と『逆襲のシャア』のアムロのように年代の違う同一キャラクターを重複してレンタルすることも不可となっている。
    • レンタルキャラもゲストキャラ同様にランクが上がればボーナスが加算されるがランクが1つ、階級が1つ上がった位ではレンタル料すら回収できないためリターンは少ない。
  • 「毎回資金が必要」「育成することができない」といった点から評価は芳しくない。これらは後のシリーズで改善されていく。
  • レンタル兵という自軍専用の一般兵も登場したが能力が低いため戦力にならない。

総評

前作からさらにボリュームアップし、現在のトムクリエイト制作Gジェネの根幹となっているシステムのほとんどを確立した良作。
さらに『センチネル』といったマイナーな作品にもスポットを当て、知名度を上昇させた功績は大きい。
この路線は次回作の『F』でさらに強化され、ガンダム図鑑とも呼べる作品へと昇華される。


余談

本作における『G』のガンダムローズのローゼス・ビットはビット扱いのせいかサイコミュ兵器にカテゴライズされており、パイロットのジョルジュ・ド・サンドもニュータイプ扱いとなっている。
以降の作品では修正されており、前作の強化人間ヒイロ・ユイに並ぶ本作オリジナル設定となっている。

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最終更新:2023年06月26日 20:27

*1 前作は『ファースト』のステージが全体の3割を占めていた。

*2 前作でも一年戦争ステージに別作品のキャラクターが配置されていたが、シナリオには絡まなかった。

*3 曲名は長らく不明だったが、家庭版『機動戦士ガンダム EXTREME VS. FULL BOOST』への参戦に伴い判明した。