Destiny

【ですてぃにー】

ジャンル FPS

対応機種 プレイステーション4
プレイステーション3
Xbox One (海外のみ)
Xbox 360 (海外のみ)
発売元 Sony Computer Entertainment*1
Activision
開発元 Bungie
High Moon Studios
Radical Entertainment
発売日 2014年9月11日
定価 7,900円(税別)
レーティング CERO:C(15才以上対象)
判定 なし
ポイント HALO』シリーズ開発元の完全新作
圧倒的なスケールとグラフィック
しかしボリュームも圧倒的に不足
運営側の姿勢にも問題あり
まさかの課金させないロックDLC商法



BECOME LEGEND



概要

Xboxの代表作である『HALO』シリーズを生み出した開発会社Bungieによる完全新作FPS。
開発の中心はBungieだが同じアクティビジョン傘下のHigh Moon StudioとRadical Entertainmentも開発協力として関わっている。
その壮大な世界観とBungieの『HALO』シリーズでの実績もあり、新作ながら発売前の期待度が非常に高かった一作である。
事実、2014年7月に行われたβテストに家庭用ゲーム機では当時最大となる463万人ものプレイヤーが参加したと発表されるほどであった(参照)。


あらすじ

人類が宇宙進出を果たしてから間もない頃、火星にて「トラベラー」と呼ばれる未知の存在と遭遇する。
トラベラーは遥かに高度な科学技術を携えており、その恩恵を受けた人類は様々な太陽系の惑星への開拓を始める。
この宇宙開拓は後に「黄金時代」と呼ばれ、人類は有史以来かつてない規模で大きく繁栄するかに見えた。

だがトラベラーは太古より「暗黒」と呼ばれる存在と敵対していた。
人類とトラベラーを見つけた暗黒は太陽系の惑星を次々と侵略。
その強大な力の前に為す術なく、人類は絶滅寸前の状態にまで追い込まれ文明は崩壊。
わずかに生き残った人類とトラベラーは地球に「シティ」と呼ばれる拠点を築き、暗黒に抵抗を続け辛くも生き延びることができた。

トラベラーは暗黒の侵略を受け、自らの力を操ることのできる人類の守護者「ガーディアン」を生み出す。
ガーディアンはシティの安全を守りながら、再び人類の未来を取り戻すため、暗黒との壮絶な戦いに身を投じることとなる。


特徴

  • 他プレイヤーと世界を共有する「シェアード・ワールド・シューター」
    • ベースは一般的なFPSに近いが、MMORPGのようにマップ上には不特定多数の異なる目的を持ったプレイヤーが存在する。
    • ミッション中は暗黒域という同じファイアチーム(他のゲームで言うところのパーティー)でしか行けない場所が存在するので、正確には「MMO要素のあるMO型FPS」といったところである。
    • Bungieはこれを「シェアード・ワールド・シューター(世界共有型シューター)」と呼んでいる。
  • キャラクターメイキング
    • プレイヤーは最初にキャラクターを作成する際にクラス、性別、種族、顔のパーツをカスタマイズすることができる。
    • 性能に影響を及ぼすのはクラスのみで、性別や種族で声や一部のアピールアクションは変化するものの性能自体に変化はない。
    • 1アカウントにつき最大3キャラクターまで作成可能。
  • クラス
    • いわゆるRPGにおける職業に相当し、機動性の高いトリッキーな「ハンター」と、高い防御力を誇る「タイタン」に加え、超能力を操る「ウォーロック」から1つ選択する。
    • クラスには「サブクラス」と呼ばれるものが存在し、それを選択することで性能がさらに変化する。サブクラスはゲーム中いつでも変更が可能。
  • スーパーチャージ (SC)
    • レベル4に達すると習得する必殺技。画面左下のゲージが全て溜まることで発動可能。
    • ゲージは敵を倒す、時間経過、味方のSCで敵を倒した際に出現する「オーブ」と呼ばれる物体を取得することで溜まる。
    • ちなみに本来の名称は“スーパー”だが、日本版ではゲージが全て溜まった際に表示されるアナウンスが「スーパーチャージ完了」となっているせいかこちらの呼称の方が定着しているため、当記事ではSC表記で統一する。
      • ちなみに原語版でのアナウンスは「SUPER CHARGE (“スーパー”が溜まった)」となっている。
  • 武器・防具
    • 武器は標準的な装備の「プライマリ」と、ショットガン等の特殊な条件下で威力を発揮する「特殊」に加え、強力な重火器である「ヘビー」の3種類を装備可能。
      • ただしプライマリ扱いのショットガンなどの例外も存在する。
      • パークと呼ばれるものがランダムで付き、安定性や射程、特殊効果などが変わる。そのため、同一武器でも性能にかなりの違いが生まれる*2
    • 防具は頭部、胴体、腕、足にそれぞれ装備可能。
      • クラスアイテムと呼ばれるアイテムも装備できるが、これは装飾用途で性能には影響しない。
  • アイテムのレアリティ
    • 武器・防具含むアイテムにはレアリティが存在し、「コモン」「アンコモン」「レア」「レジェンダリー」「エキゾチック」の順にレアリティが高くなる。
    • エキゾチックの武器・防具はそれぞれ1つずつしか装備することができない。例えばエキゾチックの頭部アーマーを装備した場合、その他の部位にエキゾチックの防具を装備することはできない。
    • アンコモン以上の武器・防具には「装弾数が上昇する」というような様々な付属効果が存在する。
      • 付属効果はエキゾチックとNPCから入手するもの以外は全て変動する。同じ武器・防具でも付属効果により性能が異なるといったこともある。
  • エングラム
    • 敵を倒したりミッションクリアの報酬で手にすることの出来るアイテム。
    • クリプトアーキというNPCに渡すとエングラムを解析し、ランダムでレアリティに応じた武器・防具に変換してくれる。
    • 敵を倒した際のドロップ品はエングラムで、武器・防具が直接ドロップすることはない。
  • 光レベル
    • キャラクターはレベル20までは経験値を溜めて上昇させることができる。レベル21以降は防具に設定されている「光」と呼ばれるステータスの合計値に応じてレベルが上昇するという仕組みになっている。
    • DLC実装などで度々仕様が変わり(後述の問題点を参照)、現在はレベルは40まで、それ以降は武器防具の平均で光レベルが上昇し、最大400まであがる。
  • ゲームモード
    • その名の通り物語を追いかける「ストーリー」
    • マップを自由に探索できる「パトロール」
    • 事前マッチングを行い、最大3名で挑むことのできるミッション「ストライク」
    • 最大6名で挑める高難易度の「レイド」
    • プレイヤー同士の対戦モード、いわゆるPVPである「クルーシブル」
    • その他に一度ストーリーをクリアすると内容が日替わりの「日刊英雄ストーリー」と、週替わりで高難易度のストライクに挑める「週間英雄ストライク」に加え、週間英雄ストライクよりさらに高難易度な「週間ナイトフォール」を選択することが可能となる。

評価点

  • 美麗なグラフィック
    • 本作のために開発したというゲームエンジンによって描写されるグラフィックは見事。細かなオブジェクトまでしっかり作りこまれている。
    • レンズフレアはかなり気合を入れて作られており、JJエイブラムス*3作品のごとく光り、距離や角度で違った表情を見せる。
    • 昼夜の概念も存在し、同一のマップでも景色の違いを見せてくれる。なお、昼夜によるゲーム性の違いはない。
  • ありそうでなかった共有型シューター
    • FPS部分はオーソドックスであるものの、不特定多数のプレイヤーと世界を共有しながら遊ぶのは新鮮。道中苦戦していると他のプレイヤーが助けてくれたり、アイテム集めに協力してくれたり、ふとした切っ掛けで協力できる仕組みになってる。
    • マップ上では時折「公開イベント」と呼ばれる自由参加型のイベントが発生し、目標の敵を倒す任務やオブジェクトを守る任務が与えられる。周辺にプレイヤーが居ればこの任務により続々と集まり一致団結して挑むことになるので、他の協力型のゲームとは違う偶発的な楽しさがある。
  • 壮大な音楽
    • オーケストラを中心とした楽曲はその世界観にふさわしい壮大さを持ち、評価が高い。
    • テーマソングは手がけたのはなんと元ビートルズのポール・マッカートニー氏である。しかも、本作のために無償で書き下ろした新曲である(参照)。
      • 無償で引き受けた理由は「新たなクリエイティブな機会を求めた」からとのこと。その他、ゲーム中に使用されてる楽曲の一部も手がけているという。
  • 日本語吹き替え
    • 本作はローカライズに辺り全編日本語吹き替えがされている。メインキャラやNPCはもちろん、大したセリフのないモブキャラまでしっかり吹き替えされている。
      • 文字も英語になってしまうが、本体言語の切り替えにより英語音声でもプレイ可能。
    • 大塚明夫氏などのベテランや実力派声優が参加しているので吹き替え自体の質も高い。

賛否両論点

  • クルーシブル
    • クルーシブルの報酬が成績に関係なく完全にランダム。上位のプレイヤーに何も手に入らないのに下位のプレイヤーにレアな報酬が手に入ったりするので、それに不満を持つプレイヤーがいる。
    • ただし上位のプレイヤーを優遇すると成績の悪いプレイヤーが途中抜けを繰り返しゲームにならなくなるなど弊害が出る可能性があり、一概に問題であるとは言い切れない。
    • 武器バランスが良いとは言えない。
      • 毒ダメージによりヘッドショット2発でプレイヤーを沈める「トルン」や強力なレーザーを連射できる「ポケットインフィニティ」などが強武器として挙げられている。
      • バランス調整が難しい事情として、PvEとPvPで武器の性能が同一という点が挙げられる。CPUを相手にするPVEと人間を相手にするPVPでは武器のバランスや公平性に求められるものが違うので、一方の不満を解消しようとするともう片方に不満が出やすいという状態になっている。
      • ただ強武器を使えばまず負けないというわけではなく、プレイヤースキルがあれば初期で手に入る武器でも活躍できないわけではない。
      • 2016年10月現在の調整では、いわゆる強武器と呼ばれるようなものなく、ある程度の改善は見られている。
    • 狭く遮蔽物が置かれすぎて近距離偏重になってしまうマップや特定のリスポーン地点を押さえるとかなり有利になるマップ、スナイパー偏重のマップなど、マップのバランスも全体的に悪い。
      • 現在はオシリスの試練という3vs3がPvPのメインになっているが、マップによってはいつまでたっても決着がつかない。
    • 終盤になるにつれてゲーム展開が大味になりやすい。
      • 原因はヘビーウェポンとSC。SCは特徴の項目に記述した通り味方のSCキルによりゲージを回復できる「オーブ」が出現するので、SCが使われ始めるとゲージ回収率が良くなり、チームのSC使用頻度も上昇していく*4
      • ヘビーウェポンは最初は弾がなく時間経過で出現するようになるが、それが3分おき(ルールによって2分おき)なので順当に回収できれば1試合に最低3回以上使うことができる*5
      • ヘビーとSCは余程有利な状況でなければプライマリや特殊で勝つのは難しく、撃たれればまずキルされる。時間が経過するにつれヘビーとSCによる即死キルが増え、展開が大味になりやすくなってしまう。
      • ただ、大味になるのはただの撃ち合いが苦手なプレイヤーにとっては面白くもある。SCやロケランでまとめて敵を倒すのはなかなか爽快でもある。
    • マッチングに関する不満
      • 6vs6のルール等で6人ファイアチームを組んでいる相手とマッチングしたりすると、為す術なくボロボロにされることも多々ある。特にアイアンバナーなどのイベントでは多く、運が悪いと全く勝てないことが続くことも。

問題点

  • ボリュームの薄さ
    • 本作最大の問題点で、本編のみではあまりにもボリュームが薄い。
    • ストーリーはクリアまで初見でも10時間以内で終わってしまうほどの長さしかない。
      • βテストでは地球マップの全てのストーリー、ストライクを遊ぶことができた。本作の舞台となるマップは「地球」「月」「金星」「火星」であり、それぞれボリュームは均等に分けられているので実質的にβテストの内容が本編の4分の1だった。
    • 特徴の項目に記した通り、ストーリーをクリアすると3種類のモードが追加される。しかしこれらは通常のストーリー、ストライクの敵のレベルが変わっただけの使い回しである。
    • ストーリークリア後の目的はより強い装備を集めて高難易度のコンテンツに挑む、いわゆる「ハック&スラッシュ」に近いものになる。
      • が、ただでさえストーリーが短い上に前述のようにエンドコンテンツがほとんど使い回しなので飽きが早く、やればやるほど作業感が増してくる。
    • 独自のモードであるレイドは難易度が高いとはいえ慣れれば1~2時間程度でクリアできてしまうので、これを含めてもボリュームがあるとは言えない。
    • DLCを購入すればある程度は解決するが、1つ2000円とやや高額な部類に入る。
    • 後に大型DLCが2つ追加されてマップも増えたが、相変わらずストーリーミッションだけではボリュームは薄い。
  • コンテンツの時間制限
    • 「日刊英雄ストーリー」「週間英雄ストライク」「週間ナイトフォール」「レイド」には時間制限があり、一度クリアすると次の更新まで報酬をもらえなくなる。
    • 1日で更新される日刊英雄はともかく、他のコンテンツは一度クリアすれば1週間待たされることになる。プレイ自体は可能だが、アイテムが手に入らない以上やる意味がほとんどない。
    • 週更新のコンテンツは火曜日に更新されるので、レアアイテムを販売するNPCの出現する曜日と合わせて「火曜日と金曜日だけログインするゲーム」と本作の時間制限を揶揄する声もある。
  • 敵バランス
    • 敵勢力ごとの個性はあるものの、結局は同じような戦い方となるので戦闘が単調。
    • ボスキャラクターはほぼ全て雑魚敵のグラフィックだけ変えた使い回しなので肝心のボス戦の個性が薄い。
    • 高難易度になるほど敵がやたら固くなり、1度の戦闘の時間が長引くためテンポが悪い。
      • また攻撃力もかなり上昇するので安全地帯に逃げながら戦うやり方を強いられがちになる。
  • ストーリー
    • 基本的には「特定の場所に行き、相棒ロボットがデータを解析するまで守る」を繰り返すだけであり展開がワンパターン。
    • ボリュームの薄さにも起因するが、意味有りげな単語や設定を出すだけ出してスルーし、ラストも「俺たちの戦いはこれからだ!*6」を地で行く終わり方で消化不良。
    • 有料DLC第1弾でいくらかストーリーを消化したので、今後DLCで謎めいた部分が明かされていくものだと思われる。しかし有料DLCを遊ぶことが前提のストーリー構成には問題があると言える。
  • 不便なマッチング
    • 自動マッチングが通常のストライクとクルーシブルにしか存在しない。それ以外のモードで誰かと遊ぶ場合は自力で人を集めるか、招待されるかしかない。
    • 同一マップで近くに居るプレイヤーならゲーム内で招待することができる。しかしマップ内には最大で16名しか入れず、サーバーの振り分けは自動で行われるので人の出入りが不安定であり近くに誰も居ないことも珍しくない。そのせいでマップ上で誰かを誘ったり待ち合わせをするのは難しい。
    • 結局他のプレイヤーと確実に遊ぼうとすると外部サイトなどを使ってゲーム外であらかじめ連絡を取り合う必要がある。
    • レイドは攻略手順が少々複雑なので、理解しているプレイヤー同士で遊べるよう自動マッチングはなくても良いという意見もある。
      • だが、レイドをプレイする気のあるプレイヤーをゲーム内で6人も集めるのはかなり難しく、その割に前述したように最大レベルにはレイドの装備が必要で何度も挑戦しなければならない。
      • 自動マッチングでなくともゲーム内で募集用の掲示板を用意するなど他の方法はいくらでもあり、難易度とは関係のない部分で遊びにくくしていることは批判されている。
    • マッチングについて多数の指摘を受けた結果、「週間英雄ストライク」だけ自動マッチングが追加された。
    • 自動マッチングにしても細かい設定が一切できないので融通が利かない。例えば「ストライクをフレンドと2人だけでプレイしたい」「身内だけでクルーシブルを遊びたい」と思っても勝手にマッチングするので実現できない。
      • 現在はクルーシブルに関してはプライベートマッチが実装されている*7
  • ロードが長い
    • 長い時はミッションを始めるのに10秒以上かかることがある。
    • プレイヤーの拠点となる「タワー」に戻るのにも同様の時間がかかるので、装備を預けるなど簡単な用事のために戻るのも段々億劫になってくる。
    • PS4版では問題ないがPS3版は日本語の読み込みが遅く、ステータス画面が全て表示されるのに何秒もかかってしまう。
  • 報酬が少ない
    • ゲーム全体を通して手に入る報酬が少ない。
    • 敵からドロップするエングラムはアンコモンがほとんどで、レアも出なくはないが確率は低め。レジェンダリーに至っては極稀にしか出てこない。
      • 最終的に装備はレジェンダリーとエキゾチックで固める必要があるので、ある程度進めればアンコモンもレアも装備する意味がなくなる。分解して素材にできるが、やり込むほど溜まってくるので必要性が薄くなる。
    • 現在はアップデートで改善されたが、初期のエングラムはそのレアリティ以下の武器・防具に変換されることもあった。ただでさえエングラムが手に入りづらいのにレアリティに見合わないアイテムに変換されては溜まったものではない。
    • 現在は様々な報酬でレジェンダリーエングラムを確定で入手することができ、またエキゾチックエングラムも特定アイテムを使用した状態でボス級を倒せば、それなりに入手することができる。
  • 不手際の多い運営手法
    • Bungieの運営は不手際が多く、プレイヤーから反感を買い度々公式フォーラムが荒れている。
    • 下方修正が早く上方修正が遅い。つまりプレイヤーが不利になる修正は早いが、有利になる修正はすこぶる遅いのである。
      • 効率の良い稼ぎ手段や敵の攻撃を受けない安全地帯は発見されてから修正までがかなり早く、おおよそ1~2週間程度、遅くとも1ヶ月以内には修正される。
        これらは一部疑問に感じる部分はあるものの、この修正自体が間違っているというわけではない。
      • だが上方修正全般はとにかく遅い。例えばレアリティの割に弱いと言われたエキゾチック武器の強化に2ヶ月、初期から発覚していたヘビー弾のバグや他コンテンツの自動マッチング追加に5ヶ月もかかっており、下方修正のスピードに比べるとかなり動きが鈍い。
    • 調整に見切り発車なところがありグダグダ。
      代表的な例としてベックスミソクラフトという武器の調整経緯がある。この武器は初期はクルーシブルでかなり強く、プレイヤーから弱体化してほしいという声が挙がり調整が施された。
      しかし、今度は運営が「やり過ぎた」とすぐさま声明を出すほど弱体化してしまい、プレイヤーから批判され再調整するハメになった。
      • この他にも調整予定のない武器が何故か弱体化するなどアップデート後に新たな問題が発覚し再修正することが多い。
    • 不定期でBungie主催の特別イベントが開催されるが、初回の「女王の怒り」を除くと「アイアンバナー」というPvPのイベントしか開催しておらず、運営のやる気に疑問が残る。
      • もっとも「女王の怒り」はこれまたストーリーを使い回しているのでアイアンバナーの代わりに再び開催してほしいという声は少ない。
  • 有料DLC導入にともなう仕様変更
    • 2014年12月に第1弾DLC「地下の暗黒」が配信されたが、それに伴う仕様変更で多くの批判が出た。
    • 前述したように最大レベルに到達するにはレイドで手に入る装備が必要なのだが、DLC配信後にNPCがそれを上回る装備を売り始めた。
      • ここで上回るのはDLC前のレイドである「ガラスの間」の装備で、地下の暗黒で追加された新レイドの装備はNPCのものよりも性能が上である。
      • しかし、「DLCの度にNPCがより強い装備を売る」という前例が生まれてしまい、レイドをやりこむ意味を失わせてしまった。
      • レイド装備を手に入れてなかったプレイヤーにしても、新装備の購入にこれまで必要のなかった「勲章」と呼ばれる通貨を要求されるようになったため、素直に歓迎されていない。
    • DLC導入後にレジェンダリーとエキゾチックの装備の基礎ステータスが上昇した。
      • だが、これまで持っていた装備の数値はそのまま。新しく手に入るものより確実に性能が劣ってしまうので、せっかく集めた装備が無駄になってしまった。
      • エキゾチック装備はDLC導入後のステータスに上昇させる救済措置があるものの、それを利用すると強化がリセットされてしまうので再び経験値を溜める作業が必要になる。
    • 「日刊英雄ストーリー」「週間英雄ストライク」「週間ナイトフォール」にDLCステージが加わることになった。
      • それによりなんとこれらのコンテンツにDLCステージが選ばれている間、DLCを購入していないプレイヤーは遊べないという制限が設けられた。
      • さらには既存コンテンツで手に入る報酬を減らし、その分を有料DLCのみで遊べるコンテンツに移した。アンロックDLC商法ならぬロックDLC商法である。

総評

発売前の期待度は非常に高かった本作。ゲームの出来自体は極端に悪いものではないが、致命的なのはボリュームの薄さ。
一つのゲームとして見ても物足りず、クリア後のハクスラ的なシステムにも悪影響を与え、ゲーム自体を極めて作業的なものにしてしまった。

継続的アップデートが行われることは表明されているが、これまでの運営手法とDLCの仕様からして根本的な問題点が解決されるかは疑問が残る。
ボリュームの薄さを差し引いてもシステムの不備や単調さを感じるゲーム性、何よりプレイヤーの神経を逆なでするような運営姿勢への批判も多い。

発売元のActivionは本作に5億ドル規模の予算を投じたそうだが、先行きはいささか不安の残るものとなったと言えるだろう(参照)。


余談

  • 「地球穴」と呼ばれる、良くも悪くも本作を象徴する出来事があった。
    • これは地球マップのとある洞窟から出てくる敵の群れの再出現が早いことを利用し、その洞窟から出現する敵をひたすら倒してエングラムを手に入れる稼ぎ手段のこと。
    • 前述したように初期のエングラム事情は悲惨であり、最盛期はこの稼ぎポイントに行けば誰かが居るというほど多くのプレイヤーが利用していた。
    • 当然Bungieはこれを早急に対処し、再出現時間を延ばすことで稼ぎの効率を大幅に低下させた。
    • おまけにその洞窟に敵の死体グラフィックを用意し、近づいて調べると敵の恨み節を聞かせるという若干手の込んだイヤミジョークメッセージを残した。
    • Bungieの運営姿勢を端的に示した出来事だったためか、有志が地球穴を再現したゲームを制作したり、別の会社のゲームで茶化されたり、海外メディアのレビュー記事で皮肉られたりと、何かとネタにされている。
    • 地球穴はただ洞窟から出てくる敵の群れを倒すだけではなく、効率良く稼ぐためのセオリーが存在する。そのため会ったことのないプレイヤー同士でも妙な連帯感があり、「地球穴が一番楽しかった」「このゲームのコンセプトが一番生きてる」と皮肉るプレイヤーもいる。
  • Bungieの出世作『Marathon』とは並行世界という関係にあり、とある武器がMarathon世界由来の技術で作られていることが仄めかされている。
    • また、「Destiny」というタイトル自体も『Marathon Infinity』のエンディングメッセージから引用されている。

その後の展開

  • 2017年9月6日に続編となる『Destiny 2』がPS4/One/Winで発売された。
    • しかし、その『2』も相変わらずの運営体制やボリュームの問題など不満点が多かったためにセールが振るわず、結果として2019年1月にパブリッシャーであるActivionは開発元のBungieとパートナー契約を打ち切り、『Destiny』の版権もBungie側へ譲渡する形で手放した。
      • Activionは『Destiny』シリーズが同社の『Call of Duty』シリーズに続く大型フランチャイズとなることを目指していたようだが、この『2』のセールス不振によりその目論見は失敗に終わることとなった*8
    • 一方、『2』そのものはBungieの自社パブリッシングという形でシリーズ展開を継続させており、2019年10月2日には3年目の大型コンテンツ「影の砦」の配信と共に『Destiny 2 「新たな光」』として基本プレイ無料の作品となった。
      • さらに、2020年9月23日に次なる大型コンテンツ「光の超越」が配信され、同年12月9日にはPS5/XSX版をリリース、加えて2021年の「漆黒の女王」を筆頭に今後数年に亘り大型コンテンツが配信されることも明らかとなった。
      • しかし、新型コロナウイルスのパンデミックの影響から2021年2月に「漆黒の女王」のリリースが一度延期され、その後2022年2月23日に配信された。なお、2023年3月1日には最新の大型コンテンツ「光の終焉*9」がリリースされた。
      • そして、2024年6月5日には『Destiny』シリーズ10年の集大成とされる最後の大型コンテンツ「最終形態」がリリース予定。
  • 2022年2月1日にBungieはSIEから36億ドル(約4140億円)で買収され、SIEの傘下スタジオとなった。
    • なお、SIEの公式発表では「開発や運営の独立性は今後も保たれ、マルチプラットフォーム向けのゲームスタジオ兼パブリッシャーとして今後もサポートする」旨を述べている。

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最終更新:2024年01月30日 16:00

*1 国内PS4/PS3版のみ。

*2 例外として一部の武器とエキゾチック武器はパーク固定となっている。

*3 『ミッション:インポッシブル3』やリブート版『スタートレック』で知られるハリウッドの映画監督。レンズフレアを多用することで有名。

*4 現在は味方のオーブで溜めたSCで敵を倒しても、得られるオーブの量が減るように調整されている。

*5 現在はカオスルールを除いて1試合1回のみになっている。

*6 作品の打ち切りにおいて定番とされる文句。同年に発売された同社の人気作『Call of Duty: Advanced Warfare』においてもエンディングでこのセリフが使われていた。

*7 バウンティは消化できるがクエストなどは進めることはできない。

*8 Activionの親会社であるActivision Blizzardは、2016年にBlizzard Entertainmentから発売されたチーム対戦型FPS『オーバーウォッチ』を世界的にヒットさせており、大型フランチャイズの計画はそちらにシフトした可能性が高い。

*9 「漆黒の女王」と同時に発表されていた大型コンテンツ。