Nursery Rhyme -ナーサリィ☆ライム-

【なーさりぃ らいむ】

ジャンル ピュアラブは~とふるADV

対応機種 Windows 98~XP(Vista*1)
メディア DVD-ROM
発売・開発元 Lump of Sugar
発売日 2005年11月25日
定価 8,800円(税別)
ディスクレス起動 可能
レーティング アダルトゲーム
廉価版 Lump of Sugar コレクションVol.1
2010年8月6日/6,800円(税別、Win98~7対応)
判定 なし
ポイント 通称「きしめん」
OPの空耳から一気に有名作に
内容は普通の萌えゲー


甘く ほろ苦く───それは優しい恋物語。




概要

  • Lump of Sugarの処女作。
  • 至って普通の萌えゲーだが、印象的なOPで知名度が一気に上がった。

ストーリー

この春から「将星学園」への入学が決まっていた静真は、

両親について行くことよりも学園での新しい生活を選んだ。

知人は、子供のころに何度かあったことのあるヒューマンの「巴」ご一家。

静真と同い年の双子の娘「有希奈」と「真紀奈」、そして母の3人家族。

彼女たちの家は学園からも近く、また大きなお屋敷であった。

屋敷にはこの3人以外にも下宿している少女たちがいた。

近くの女子大に通うエルファンの「凛」と、年下ながら飛び級で静真たちの先輩にあたるライカンの「クルル」

そして隣の屋敷に住む同い年ヒューマンの少女「ティータ」

彼女達に囲まれながら、静真は屋敷に初めての男性下宿人として住むことになる。

家でも学園でも女性たちと深く関わり合いになる静真は、しかし真面目で堅物。

これまで女の子と付き合ったこともなければ、女友達すらほとんどいなかった純情少年。

同居していることで起こる様々な出来事を乗り越え、やがて1人の特別な相手と親密になっていく。

そこに待ち受けているのは、祝福か、それとも…。

幼い恋が、触れ合って、互いに認め合って、大人の愛に育っていく。

これはそんな、甘く優しい恋物語。

(公式サイトから抜粋)


特徴

  • 主人公は巴家に下宿して一人の少女と親密になることが目標。
    • 終盤には特定の少女との仲を深めるために、他の少女達が協力してくれる。
  • ファンタジーな世界観
    • 生まれつき魔法を使える人物がいる。魔法を使ったスポーツも行われている。
    • 普通の人間の「ヒューマン」耳が長い「エルファン」、獣の耳や尻尾がある「ライカン」の3種類の人種が存在する。
  • 選択肢を選ぶだけのオーソドックスなシステム。
    • ただし選択肢は多めで難易度はやや高い。

登場人物

  • 支倉 静真(はせくら しずま)
    • 朴念仁の主人公。趣味はアクアリウムや読書など。ヒューマン。
  • 巴 真紀奈(ともえ まきな)
    • 静真の幼馴染の双子の妹。運動が得意な活発的な少女。ヒューマン。
  • 巴 有希奈(ともえ ゆきな)
    • 静真の幼馴染の双子の姉。ガーデニングを趣味にしている。腹黒い一面も。ヒューマン。
  • ティータ・F・ブラント(てぃーた ふろーれす ぶらんと)
    • 巴家の隣家に住むお嬢様。典型的なツンデレ。ヒューマン。
  • 敷島・クルル(しきしま くるる)
    • 巴家に下宿する少女。無口だが無愛想ではないボクっ娘。ライカン。
  • アズラエル(あずらえる)
    • クルルの所持するぬいぐるみ。毒舌だが憎めない性格。
  • 凛・リム=ウェムス(りん りむ うぇむす)
    • 巴家に下宿する少女。教師を目指すドジっ娘。エルファン。

評価点

  • 萌えゲーとして手堅い出来。
    • ヒロインと出会い、一緒に困難を乗り越えて結ばれるというお約束の流れ。
    • 日常会話が楽しい。登場人物に記していない脇役も、魅力的なキャラが多く日常パートを盛り上げている。
    • 一部には重い会話などもあるが、極端に鬱になるようなイベントなどはない。
      • ただし後述する有希奈ルートは、人によっては萌えゲーのタブーと感じられるので注意。
  • 美麗なCG
    • 処女作ながらCGの質が高い。
  • 音楽関連が良好
    • OP「true my heart」は明るいゲーム内容をよく表せている。
      • 重要な場面ではこの曲のアレンジ曲が使われるが雰囲気に合っている。
    • 話題にならなかったがED曲の「Dearness」や日常のBGMも悪くない。

賛否両論点

  • 一部のルートは好みが分かれる。
    + ...
  • 有紀奈は中盤に思いを寄せていた男が結婚したことを知り、静真と付き合うことになる。
    • 最終的には静真に気が移るが、そのことに納得できない人もいる。
    • 本作に限らず「ヒロインが主人公以外を好きになる」設定は萌えゲーでは地雷扱いされることもしばしばある。
    • クルルは終盤に世間体のために両親に連れて帰られそうになるが、自分の意思を伝え巴家に下宿を続けることになる。
      • 世間体を気にするような両親がクルルの思いを聞いたからと言って、すぐに下宿を認めてしまうのはご都合主義と言われることも。
    • 凛の扱い
      • 貴重なエルファン枠でありながらも、魔法が使えない上、ドジっ子な部分ばかり強調されていて見せ場が少ない。
      • しかも後半は主人公の引き立て役になりほとんど立場なし。ファンの間ではいらない子扱いされている。

問題点

  • やや選択肢が多く、好みのヒロインのルートに入るのが困難。
    • 一部のCG回収も面倒。
  • 魔法や人種の設定はほとんどシナリオに関係しない。
    • 魔法が使うスポーツがある。獣のような人種がいる。といった風味程度にしか設定が使われていない。
    • ファンタジーものを期待すると肩透かしを食らうかもしれない。
  • 『Nursery Rhyme』は「童謡」という意味だが、内容は童話とは関係ない。
  • バグがあったためパッチで対応されている。

総評

OPの空耳から有名になり、一時期はプレミア値になった稀有な経緯を持つゲーム。
特徴的な要素もあるがストーリー自体は無難な出来。キャラや世界観に興味を持てた人なら楽しめるだろう。
公式サイトでOPムービーや体験版をダウンロードできるので、興味を持ったなら試してみるのも悪くない。


きしめんに関して

  • 動画サイトに本作のOP『true my heart』がアップロードされた際に歌詞の「素直な気持ち抱きしめ」及び「想いは 優しいキスで」の太字の部分が空耳で『きしめん』と聞こえることが話題になり広まった。
    • これにより「『Nursery Rhyme -ナーサリィ☆ライム-』というタイトルは知らないが、きしめんで有名なOPは知っている」といった人も少なくない。
    • 話題性になった時期には10,000円を超えるプレミア値が付いていた。現在は廉価版が発売され、沈静化している。
    • 注記しておくと、本作のOPは歌が下手な訳でも滑舌が悪い訳でも無い。もっとも、冷静に聞くと「きしめん」という空耳自体が若干無理があるのだが、当時は皆がそう歌っていた。ブームがいかに強い影響を及ぼすかがよく分かる。
    • おそらく、OPの歌い方が「素直な気持ち抱きしめー」と伸ばしている為、「きしめーん」と聞こえるようになってしまったんだろう…。「想いは優しいキスでー」と「想い胸で輝いてー」の方は若干…というか、やや無理があるが。
  • 『Nursery Rhyme -ナーサリィ☆ライム-』というやや長いタイトルであること、これといった略称がないことから現在でも本作を「きしめん」と呼ぶ人は多い。
  • 発売から10年以上経過しても、OPパロディが作られるなど根強い人気がある。
  • ちなみに作中にうどんやそうめんは登場するが、きしめんは一切登場しない。
  • 2017年に音ゲー『CHUNITHM AIR PLUS』に「true my heart -Lovable mix-」が収録された。
    • 難易度MASTERでは「きしめん」の文字が流れてくる小ネタがある。
    • 2019年には同じくセガの音ゲー『maimai FiNALE』にも収録された。
  • 2020年7月22日には、ライトノベル『マジカル★エクスプローラー エロゲの友人キャラに転生したけど、ゲーム知識使って自由に生きる』とのコラボレーションPV「【きしめん】マジカル★エクスプローラー×true my heart」がYouTubeで公開された。
    • PV制作のために、当時の制作陣が再集結しており、Lump of Sugarも特別協力扱いとなっている。

余談

  • 約1ヵ月発売延期している。
  • 脇役のアズラエルは人気からLump of Sugarのマスコットキャラクターになった。
    • 後続の作品にもゲスト出演している。『運命線上のφ』においては、ホラー要員の「アズ鬼」として登場しプレイヤーを驚かせた。
  • 2008年発売の『タユタマ -Kiss on my Deity-』は本作と世界観を共有しており、本作の500年前の世界であるとされる。
    • 本作以降も『学☆王 -THE ROYAL SEVEN STARS-』と『Magical Charming!』のように、一部で世界観の共有が見られる。
  • ブランド設立10周年記念作品第一弾の『恋想リレーション』ではエッチシーンで本作のコスプレ衣装が登場する。
  • TCGや小説などの関連作品を発売している。
    • 人気投票1位に選ばれたクルルとアズに関するグッズが多い。
  • 以前にリリースした「kiss my lips」にも「抱きしめて」という歌詞があるのできしめんと聞こえてしまう。
    • というか…『true my heart』と曲調が似ているので、仕方ないといえば仕方ないのだが。歌手も一緒なので。
    • さらに言えば「kiss my lips」は、「true my heart」のカップリング曲である。どうりで…
  • 廉価版レーベル
    • 2005年発売の本作の廉価版は2010年に発売された。レーベルは「Lump of Sugar コレクションVol.1」。
    • 2007年発売の『いつか、届く、あの空に。』は2018年に「ランプオブシュガーこれくしょん」として再販された。抱き枕カバーが付属しているが定価は変わらない。この形態の販売は数作品続いた。
    • 2017年発売の『タユタマ2 -After Stories-』は2020年に『タユタマ2 -After Stories- 普及版』として何故かファンディスクのみ廉価版が発売された。
      • このように再販のレーベルが一致しないため、「Vol.1」と付いた再販は本作のみである。

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最終更新:2021年09月13日 00:43

*1 動作確認はされているがサポート対象外。