このページではニンテンドーDSiウェア『プチコン』『プチコンmkII』、ニンテンドー3DSダウンロードソフト『プチコン3号 SMILE BASIC』の三作品を紹介しています。
判定は共に「なし」



プチコン / プチコンmkII

【ぷちこん / ぷちこん まーくつー】

ジャンル ツール
対応機種 ニンテンドーDS
(ニンテンドーDSiウェア)
メディア ダウンロード専売ソフト
発売元
開発元(mkII)
スマイルブーム
開発元(無印) スマイルブーム
JOEDOWN
ロケットスタジオ
発売日 無印:2011年3月9日(配信終了済み)
mkII:2012年3月14日
定価 800DSiポイント
判定 なし

概要

「手のひらでプログラミング」を合言葉に、ニンテンドーDSi上でBASICプログラムを走らせるツールとして開発されたダウンロード用ソフト。
BASIC言語での開発となるが、スプライトやBG、MMLによる作曲といった拡張要素が追加されゲーム開発も可能となっている。
海外でも『Petit Computer』のタイトルで配信され、愛好者も多いソフトである。
なお、続編の『mkII』は無印に機能追加などを行ったバージョンアップ版でほぼ同じ内容のため、同時に解説する。

特徴

  • かつてのマイコンを彷彿とさせる単純ながら扱いやすいBASICでの開発をサポートしている。
    • 実行画面と編集画面により手軽にプログラムを編集しながら実行してテストすることが可能。ある程度プログラムをかじった経験があれば、すぐに使えるようになる。
  • スプライト機能、BG機能によるグラフィックをサポート。
    • ゲーマーなら聞いたことがあると思われるが、スプライトとはFCなどで使用されているキャラクターを描画するための機能、BGは背景を滑らかにスクロールするための機能といったところ。これらを使用することで高速な画面描画を実現している。
    • 回転、拡大機能、パレット機能にも対応しているため、グラフィックパターンの圧縮も容易。
  • 多彩なプリセットのBGMや効果音を内蔵。効果音は音程や音量を変更することもできる。
  • DSらしく、入力はボタン操作に加えタッチペン入力にも対応。
    • ソフトウェアキーボードを搭載しており、このキーボードからの入力も読み取ることが出来る。
  • サンプルプログラムとして、ドット絵作成ツールや簡単なゲーム、サンプルグラフィックも収録されている。
    • これらのサンプルは読み込んで自由に改造が可能。シューティングなどゲームの基本は詰め込まれているので、なかなか参考になる。
  • 無印版は、上位互換のバージョンアップ版である『mkII』配信開始に伴い、配信を終了している。

mkIIの追加・変更点

  • トップメニューが追加され、タッチペンで作品のファイルを選択して起動したり、ファイルの管理をしたりできるようになった。
  • 製作したデータをSDカードに保存する事が可能になり、データ保存数の問題を解決。
  • QRコード読み取り機能を追加。公式サイトのQRコード作成ツールで変換したデータを読み込むことが可能になった。
    • これにより、ネット上を通じて他のプチコンユーザーにデータを配布することが可能になった。従来通りの通信によるやり取りも可能。
  • MML*1の再生が可能になった。
    • 16音同時発音に対応。音色は128種類+ドラム68種類+PSG8パターン+ユーザー定義波形32パターン+ノイズと豊富。機能も豊富でピッチや音量なども自由にいじることができる。
    • 他にも細かい設定が存在し、FCやSFCの楽曲を再現することすら可能になっている。
    • その実力は、本格的なシーケンサーを制作した人が現れ、音楽制作の総合誌である「DTMマガジン」で特集が組まれたほど。
    • 8チャンネルまで並列に再生することもでき、ゲームでBGMを鳴らしながら効果音を鳴らすような使い方も可能。
  • 音声合成機能の追加。
    • 12種類の声質を用いて合成音声を鳴らすことが可能になった。さすがに機械的ではあるが、これによって作成できるソフトの幅も大きく広がった。
  • スプライト機能の拡張。
    • スプライトの画像サイズが可変になり、合わせて衝突判定の機能も拡張。
    • 他にも回転、拡大の基点がスプライトの中心に変更されたり、アニメーション状態のチェック機能の拡充など細かいが便利な変更が多数盛り込まれた。
  • プログラム部分の変更点。
    • 実行速度がアップ。複雑なプログラムもサクサク動くようになった。
      • たとえば、無印では処理落ち気味だったサンプルプログラムのシューティングゲームが、今作ではむしろ速すぎるぐらいに。
    • 命令の追加・拡張。
      • ELSEによる分岐、ラベル指定に変数が使えるようになった、ACLS命令での画面初期化、GPAGE命令により4枚の画面を同時に扱える…など多彩な命令が追加された。
    • その他、変数名・ラベル名が最大16文字まで可能に、配列バッファサイズが256K個になるなどの拡張が施され、柔軟なプログラムに対応した。
    • パッケージ化の追加により、実行に必要なファイルを一括読み込み可能になった。
  • 他にも非常に多くの変更点が存在し、全体的に完成度が向上している。

評価点

  • 非常に高い自由度。
    • 製作できるソフトの幅は広い。プログラムでの製作なので当たり前だが、DSiでこの当たり前を実現したこと自体が大きな評価点である。
    • ゲームはもちろん自作OS、ファイル管理ソフトなど様々なソフトが製作されている。動画サイトやTwitter、自身のHP、および非公式Wikiなどで公開している作者も多い。
    • DSの特長である2画面やタッチパネル、マイクを活用することもできる。
  • BASICとしては高速な動作速度。
    • BASICはひとつひとつ命令を解釈しながら実行する仕組み上、動作速度が遅くなりがちだが、プチコン、特にmkIIにおいてはキャラクターを複数動かしても60FPSをキープし続けられる程度の動作速度がある。
  • 内蔵ツールがプチコン自体で作られている。
    • ドット絵や背景を作成できる内蔵ツールが付属するが、これ自体がプチコンのBASICプログラムのため、自分で改造して機能を拡張することも可能。
    • プチコン自体が内蔵ツールの制作に充分耐える機能を持っている、ということでもある。
    • 初期バージョンのツールには特定の操作でエラーとなるバグがあったが、公式サイトにプログラムの修正箇所が掲載され、アップデートを待たずに一足早く修正できたという思わぬメリットもあった。
  • QRコードで手軽に作品の交換ができる。
    • 枚数が増えると確かに若干の手間はかかるとはいえ、QRコードを共有するだけで携帯ゲーム機向けの自作ソフトを配布できるというのは非常に画期的である。
  • 表現力が多彩。
    • ドット絵から音楽まで自作することもできるし、作るのが面倒なら内蔵データを使うこともできる。
    • MML(サウンド)の機能が非常に強力で、この部分だけを取り上げて見ても800円という価格は破格。
    • 合成音声の機能もよくできていてで、喋るパラメータを変えるだけでも結構楽しい。ゲーム中に鳴らしても処理負荷にならない点も便利。
  • 豊富なサンプルゲーム。
    • ドットイート、3DダンジョンRPG、シューティング、CPUとの対戦格闘、会話ゲームやゲームに使えそうなサンプルも豊富に用意されている。
    • 特に3Dダンジョンやシューティングはなかなかの出来栄えなので、これを改造するだけでもそこそこのゲームは作れる。

問題点

  • DSのハードウェアに備わった3Dポリゴンには一切未対応。
    • シリーズを通してポリシーとして完全に割り切られている。とはいえ、DSと800円のダウンロードソフトだけで3Dモデルを作らせるのは現実的ではなく、あらゆる面での複雑化も避けられないので賢明な判断とも言える。
    • 三角関数や線などのグラフィック描画はできるので、自前で3Dを実装した猛者は複数人存在する。
  • この手のソフト共通の問題としてハードルが高め。
    • ほとんどのゼロの状態から手を着けねばならないので、プログラム初心者がいきなりちゃんとしたゲームを作成するには当然不向き。
    • 当たり前だが、初心者はまずサンプルの改造から手を付けてみるといい。サンプルと説明書を見比べながらプログラムの構成を理解することで自分のモノにしていく根気が重要である。
    • mkIIでは公式サイトに初心者講座が公開された。非常に分かりやすく完成度の高い読み物であり、いきなり詰むという状況に陥りにくくなった。
  • マニュアルもリファレンスを兼ねているため、内容が非常に膨大でDSで見るには向いていない。公式サイトに同様のマニュアルが掲載されているので、そちらを開きながらプログラムした方が良い。
    • あくまでリファレンスなので、数学三角関数なども書式、引数、戻り値、エラーが掲載されているのみで、具体的な使い方は解説されていない。どうやって使うのかは自力で学ぶ必要がある。
  • プログラムの編集画面が見づらい。
    • 基本的にプログラム画面は黒背景に白文字だけの構成。現代は命令部分を色分けして見やすくするのが当たり前なので、さすがに古すぎる。
    • 続編の『プチコン3号』では文字の色分けが実装された。
  • リソースゆえ仕方のないことだが、基本文字がカタカナとアルファベット、記号類しか対応していない。
    • 漢字はまだしもひらがな未対応。フォントを自作することはできるので、使わない記号をひらがなに置き換えるなどの工夫が必要になる。
  • ソフトウェアキーボードにしか対応していない。
    • DSゆえの問題点だが、USBキーボードなどが使えないためプログラムは下画面のソフトウェアキーボードでタッチ入力していく方法以外存在しないため、非常に書きづらい。
    • これにより、ユーザーによってPC上で書いたプログラムをプチコンで読み込める形式に変換するソフトウェアやQRコード精製ツールが作成された。
  • 無印・mkIIとも、一般的なゲームソフトにはない自由度の高さ故、初期バージョンは非常にバグが多かった。
    • しかし、両作ともバグ情報の収集・発信が誠実に行われ、緊急性の高いバグは初回アップデートでほぼ修正。2回めのアップデートにおいて細かいものを含めたほとんどのバグが修正されたため、バグへの対応については逆に信頼を得る事になったともいえる。

総評

DS上で手軽にプログラミングを行え、かつてのマイコンを彷彿とさせるツールとして一部で話題になった。
その高い自由度により、昔のゲームをDS上で再現するユーザーも多く*2、他にも1画面内に収まるプログラムだけでゲームを作るなどといった遊びも行われている。
プログラムゆえにハードルは高いが、現状DS上でゲームを製作できるツールは本作や『RPGツクールDS』、『メイドイン俺』くらいしかないため、貴重なタイトルと言えよう。


プチコン3号 SMILE BASIC

【ぷちこんさんごう すまいる べーしっく】

ジャンル ツール imageプラグインエラー : ご指定のURLまたはファイルはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLまたはファイルを指定してください。 imageプラグインエラー : ご指定のURLまたはファイルはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLまたはファイルを指定してください。
対応機種 ニンテンドー3DS
(ニンテンドー3DSダウンロードソフト)
メディア ダウンロード専売ソフト
発売元 スマイルブーム
開発元 スマイルブーム
JOEDOWN
ポリフォニー
発売日 2014年11月19日
定価 1,000円
判定 なし

概要(3号)

ハードを3DSに移したプチコンシリーズの現最新バージョン。

特徴・評価点(3号)

  • 作品の配布がより簡単になった。
    • 公式サーバーにデータをアップロードし、発行されるパスワードを公開することで手軽にダウンロードしてもらえるようになった。パスワード自体も4~8文字と比較的短め。
    • 前作は作品規模によっては100個以上のQRコードを読み取る必要があったため非常に手間がかかっていたので公開する側も受け取る側も楽になっている。
    • また、公式サーバーにアップされる関係で作品の審査も行われるようになり、著作権的に懸念のある作品(実際にあった例では『テトリス』のクローンゲームや、市販ゲームのBGMの打ち込みなど)は公開停止されるようになり、さらなる健全化に成功している。
    • 2015年6月17日に配信されたVer.3.2.0にて「追加機能の購入」が追加された。
      • この機能でゴールド会員権を購入すると、アップロードしておけるファイル数が10個から100個に、1ファイルあたりの最大サイズが4MBから20MBに拡張されるようになった。会員権は有効期限があるが、期限切れになってもアップ済みの11個目以降のファイルも保持されるので、必要な時だけ購入すればよい。
  • プリセットの画像・音楽データが拡充された。
    • 特に画像データについては、前作ではRPG風とシューティング風の2種類に偏っていたが、様々な作品に対応できる汎用性の高い画像が大幅に追加された。
  • プログラムの編集機能が大幅に強化された。
    • 命令や文字列、数値の部分が色分けされ、解像度の向上により表示文字数も増えたため、大幅に見やすくなった。
    • 行を画面端で折り返すことができるようになった。
    • 範囲選択してのコピーペーストができるようになった。(前作は1行ずつしかできなかった)
    • 最大行数が9999行から999999行になった。
    • 同時に4つのプログラムを編集・実行できるようになった。
      • 自作のライブラリ(汎用的なプログラムの部品)を読み込んで連携したり、プログラム間でコピーペーストしたり、柔軟な使い方が可能。
      • プログラムから空きスロットにプログラムを生成することもでき、データコンバータなどのツールが作りやすくなった。
  • タッチパネルに「SMILEボタン」が新設され、押すだけで任意のプログラムをその場で呼び出せるようになった。
    • 初期状態では「SMILETOOL」という内蔵ツールが登録されていて、ドット絵や背景、アニメーションの編集や、内蔵グラフィックやサウンドのプレビューなどができる。もちろん、自分でSMILETOOLを代替するツールを作ったり、その他都合がいいプログラムを登録したりできる。
    • 前作までは作成中のプログラムを一旦保存して内蔵ツールのプログラムを読み込む必要があったので、非常に便利になった。
  • 必要なファイルを、作品ごとにプロジェクト(フォルダ)にまとめられるようになった。
    • 前作までは様々な作品のデータファイルが一緒くたになっていたため管理が大変だったが、このお陰で管理しやすくなっている。
    • 不要になったらプロジェクトフォルダごと全ファイルを削除できるので、面倒な手間が減った。
    • 保存先がSDカードになり、空き容量のある限りデータを保存できるようになった。
      • 前作まではデータの保存先がセーブデータの扱いであり、保存容量に上限があった。
  • ハードウェアの向上により、使用できる文字数やスプライト数などが大幅に増えた。
    • 標準でひらがなも使用可能になったので従来のように文字セットを自作する必要がなくなった。記号類もさらに増えている。
      • Ver.3.2.0のアップデートでついに漢字(JIS第一水準まで)にも対応。8x8ドットとは思えない可読性に定評のある「美咲フォント」を採用している。
    • 内部構造も見直され、命令セットも大幅に変更されている。
    • 実行速度も、BASICとして比較的高速な部類だったmkIIより、さらに大幅に上昇。ほぼ同じ動作のプログラムでも約10倍の高速化が確認されている。
      • 実は地味にNew3DSの恩恵を受けられるソフトであり、さらに高速(サンプルプログラムではおよそ3倍)での実行が可能になる。
  • サブルーチン用にユーザー定義関数が使えるようになった。
    • これまで擬似的に再現する必要のあった引数、戻り値が定義できるようになったので非常に便利に。
    • 再帰処理も可能になったので、前作では工夫が必要だった複雑な処理もコンパクトに組めるようになった。
  • 3DSならではの機能に対応。
    • 立体視、3DSで追加された入力(スライドパッド、加速度センサー、ジャイロセンサー、拡張スライドパッド、マイク)に対応し、より豊富なゲームを組めるようになった。
  • さらにワイヤレス通信に対応した。
    • これにより、通信対戦ゲームを組むことが可能になった。前作で対人戦ゲームを作るには工夫が必要だったので大きな進歩と言えよう。
    • もっとも、テストのために2台以上の本作が入った3DSが必要なので開発は容易ではないが。
  • サンプルもより実用的にパワーアップしている。
    • 技術デモも用意されたので、各種命令でどんな事ができるか視覚的に理解しやすくなった。もっとも、実際にプログラムを解析して理解する必要はある。
    • サンプルゲームもクオリティがアップしており、立体視対応の3DダンジョンRPGや上下2画面を使った縦STGなどが楽しめる。
      • もちろん、これらサンプルを読み込んで改造することも可能。
    • プログラムを一度プレイした後プログラム作成に行くと、プレイしたプログラムが読み込まれた状態になるため読み込む手間が減った。
  • ヘルプ機能が強化され、プログラミング中でも各命令の詳細やエラー表などを確認できるようになった。
    • 命令の例文がある場合、例文をコピーすることも可能に。
    • 特にプログラム中の命令にカーソルを合わせた状態でヘルプキーを押すと即座にその命令の詳細を確認できるため、サンプルやDLしたプログラムの解読がしやすくなった。
  • 今作でも頻繁にアップデートが行われているが、トップメニュー画面にアップデート内容などがお知らせとしてテロップ表示されるようになり、重要な変更点が分かりやすくなった。
  • 今作よりバグ修正だけでなく、機能追加・強化も含むアップデートが無償で配信されるようになった。
  • 3DSのソフトなのでMiiverseに専用コミュニティが設置され、情報や作品の交換の幅が大幅に広がった。
    • Miiverseがサービス終了した後でもVer3.6.0でスクリーンショット撮影に対応し、他のSNSなどでも情報交換が出来るようになった。
    • スクリーンショット撮影についてはSELECTボタンを押すと撮影できるが、前述のMiiverseによる情報交換でユーザー同士が助け合う流れが出来ていた事や他に空いているボタンが無かった為に、任天堂から特別にスクリーンショット用にSELECTボタンの使用許可をいただいたことを開発者の小林氏がTwitterにて明かしている*3

問題点(3号)

  • 今作でも3Dポリゴンには一切未対応。
    • 前作同様の一貫したポリシーであるが、その他の部分が高機能だけに、ちょっと惜しく感じることも。
    • 後に現スマイルブーム所属、マイコンファンには有名な「Bug太郎」こと谷裕紀彦氏によりプチコン用3Dゲームエンジン「P3D-ENGINE」と同エンジン用のモデリングツールが公開され、3Dゲームの開発も可能となった。公式サイトには記載されていないので、同氏のツイッターを参照
      • 同氏がベーマガに投稿した「GIVERS」をリメイクした「GIVERS-P3D」、プチコンBIG用に追加要素を加えた「GIVERS-P3D プチコンBIGエディション」も配布されている。
  • QRコードの読み込みやローカル通信による交換、前作のファイルの読み込みには対応していない。
    • このため、前作で開発した作品やPC上で組んだプログラムを読み込むことが出来なくなり、プログラミングの手間が増えた。
    • もっとも、BASICの仕様が前作から大きく変化しているため、読み込めたとしてもかなりの修正が必要である。
    • QRコードとローカル通信での交換が廃止されたのは、任天堂から「本体だけでデータを交換できる機能」にストップがかかったためとのこと。
      • そのため、アップロード機能が作り込むために発売を急遽延期することとなった。
  • 合成音声を鳴らすTALK命令だけ機能縮小されてしまった。
    • 前作ではTALK命令用のコマンドが用意されており、声色や抑揚、イントネーションやピッチ制御など細かく制御できたが、今作では指定した文字列を男声で読み上げるだけになってしまった。
    • これは、前作および『しゃべる!DSお料理ナビ』や『トモダチコレクション』などで使用されている「Ruby Talk」が3DS開発者向けに提供されておらず、オープンソースの「Galatea Talk」に変更になったため。
      • オープンソースのため開発元が自力で改善できるという利点も示唆されており、実際にVer.3.2.0では速度とピッチの変更機能が実装された。
  • 開発環境というきわめて自由度が高いソフトの性質上、バグが多めだった。
    • 特に初期のバージョンは、特定の処理を行う事で強制終了やフリーズしてしまうバグが非常に多く、しばしばセーブしていないデータが失われる手戻りが発生していた。
    • しかし前作までと同様、公式サイトやTwitter、Miiverseでバグ報告を受け付けており、バグの内容はひととおり公式サイトに列挙され、およそ2ヶ月おきのアップデートにより過去のバグは細かいものも含めておおむね修正されている。
    • 今作はバグ修正だけでなく、大幅な機能追加を伴うアップデートも行われているため、新しいバグが若干増えてしまうことがある。とはいえ、機能追加のメリットのほうが大きいし、過去のシリーズ実績などからバグへの対応は期待できることもあり、ユーザーの一時的な不満を若干目にすることはあるものの、大きな問題には至っていない。
  • 予備知識がないと挫折しやすいソフトだが、初心者向けの道筋が整備されていない。
    • 3号でも発売から数ヶ月後に初心者講座が公開されたが、まだプログラムを組む以前の段階を説明した「第1回」しかなく、実際にプログラムが組み始める「第2回」は「近日公開」のまま数ヶ月が経過している。
      • mkII用の講座の内容はある程度3号でも通用するが、微妙に文法や画面構成が違うため、そこを吸収しながら読む必要がある。
    • 今作ではMiiverseが初心者でも質問できる場として機能しているため、そこにある程度救いはある。

総評(3号)

3DSにハードを移したことで、自由度と快適性を大幅に上げた良質なツールになっている。
コンシューマー向けコントラクションツールの中でも上位に位置しながら価格も安価なのも魅力的であろう。
開発のハードルの高さは相変わらずなので手軽さはないが、今後に期待したい一本である。


余談

  • 2015年7月29日には関連ソフト『プチコンマガジン創刊号』が配信された。
    • プチコン公式のコンテスト「第三回 プチコン大喜利」の応募作品38本(うち4本はプレイ動画のみ)と新作STG『SOLID GUNNER』を収録しており、『プチコン3号』本体を未所持でもゲームを遊べるようになっている。プチコン開発作品初の商品化となった*4
  • 2015年7月に、シリーズ累計発売本数が10万本を突破した*5
  • 2017年5月17日には本ソフトで作られたゲーム『ドウクツジマ』がダウンロードソフトとして配信された。
  • 2016年12月14日にはシリーズ初の据置版『プチコンBIG』がWiiUで配信。『3号』を元にWiiリモコンなどに対応したバージョン。
  • 2018年9月にはシングルボードPC「Raspberry Pi 3」向けのSmile BASIC『Pi STARTER』が発売された。
  • 2019年5月23日にはNintendo Switch版『プチコン4 SmileBASIC』が発売。

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最終更新:2023年05月26日 23:01

*1 一言で言えばプログラムで楽譜を書く作曲機能。決まった文言に従って入力したプログラムを音に変換して出力できる。本Wikiに記事のある『マビノギ』でも使用されている。

*2 ただし、著作権に配慮してQRコードを公開しない場合が多い。動画サイトに多くの動画が投稿されているので、検索してみるとよいだろう。

*3 理由は不明だが、通常の3DSソフトは下位互換のDS(DSi)ソフトやバーチャルコンソールを除いてほぼ全てのSTARTボタンとSELECTボタンが同じ動作となっている。ただし、例外的に『ゼルダの伝説 神々のトライフォース2』はSTARTとSELECTボタンの動作が異なる。

*4 本体を持っていれば応募作品は公式ページの公開キーで無料DL&プレイ可能なので、未所持ユーザーへのアピールの面が強いソフトになっている。

*5 ちなみに、シリーズ3作を全部購入したり、本体を複数台持ち全部分を購入したりしているヘビーユーザーもいるため、ユーザーが10万人いるわけではない。