この記事では『ピクミン2』『Wiiであそぶピクミン2』『ピクミン2(Switch)』を取り扱っています。



ピクミン2

【ぴくみんつー】

Wiiであそぶ ピクミン2

【うぃーであそぶ ぴくみんつー】

ジャンル AIアクション


対応機種 ニンテンドーゲームキューブ
Wii
発売・開発元 任天堂
発売日 【GC】2004年4月29日
【Wii】2009年3月12日
定価 【GC】5,800円
【Wii】3,800円(全て税込)
配信 【WiiU】2017年6月21日/2,700円
判定 良作
ポイント 2色増えて面白さもパワーアップ
自由度は高い反面遊びの質は変化
余りにも強過ぎた紫ピクミンの存在
ピクミンシリーズリンク

概要

GCで発売されるや大ヒットとなった『ピクミン』(以下『1』)の続編。
今回は前作とは違いお宝集めのため未知の惑星を探検することになる。
新たに2色のピクミンと1名のプレイヤーキャラクター・数々の洞窟も追加と大幅なボリュームアップがなされている。


ストーリー

ピクミンたちの力を借り、無事に未知の惑星から帰還したホコタテ運送の社員オリマー。 しかしホコタテ星に戻ると、会社は新入社員ルーイのミスにより10100ポコの借金を抱えており、倒産の危機に直面していた。 そんな時、オリマーが未知の星から持ち帰った物体に100ポコの価値があることが判明。 社長は他にも大量にお宝が存在することを知ると、2人に未知の惑星でお宝を探し集めてくるよう命令。 こうしてオリマーは再びピクミンたちの住む未知の星へ向かうこととなった……。


特徴・『1』からの変更点

  • 日数制限の撤廃
    • 30日の時間制限があった前作と違い、無制限に星にいられるようになった。本作最大の変化点として挙げられる。
    • これにより探索の自由度は大幅に上昇。ピクミン増殖に1日を費やすも、速攻でお宝だけ回収するのも、探索の障害となる生物を倒すだけでも、お宝探しとは関係ないことをしても、一日中ボーっとしてもいい。 逆に速攻クリアを目指すのも一興*1
      • これに伴い、前作のようなバッドエンディングへの分岐もなくなった
    • 前述の通り、今回は未知の惑星に点在するお宝を回収して借金を返済するのが一応の目的となっている。
  • ボリュームが大幅に増量
    • エリアは前作の5つから4つになっているものの、各マップで地下洞窟が3~4ヶ所設置されており、その一つ一つが1エリアに相当する程の大きさ。 回収物であるお宝も全201個と、『1』の30パーツから約7倍に増えている。
      • また、一部のお宝は回収することで探検キットとして利用することができる。具体的には、お宝が近くにあると反応する「おたからセンサー」、電気耐性を付加する「アンチ・エレキ」、探索可能エリアを広げる「わくせいデータ」など。
  • 地下洞窟の探索
    • 本作の目玉要素。各エリアに点在する地下洞窟を探索する。
    • 地下では地上よりもたくさんのお宝が存在するため、今作のゲームプレイはどちらかというと地下がメインとなる。
    • 地下では、一部の例外をのぞいてピクミンを補充できない。また、地下には炎、水、電気、毒を発するギミック、敵が存在する。
      潜入前にどの属性のギミック、敵が出現するか確認できるので、どの色のピクミンを何匹ずつ連れていくか考えて挑むことになる。
    • 洞窟内部は時空が歪んでおり、中にいる間は時間が全く進まない。そのため、時間をかけてじっくりと探索することも可能。セーブは階層ごとに行われる。
    • 地下には様々な原生生物が生息しており、最深部にはボスが待ち受けている。
      • ボスは必ずお宝を持っているが、そのほとんどは探検キットになるお宝である。
      • オニヨンは地下についてこれないため、原生生物の死骸は借金返済の足しとして回収される。1桁~高くても数十ポコ程度で、大した稼ぎにはならない。
    • 最下階には間欠泉が存在し、これを使用すれば一気に地上まで帰れる。ゲーム後半に挑む洞窟では最下層以外にも間欠泉が設置されていることもあるので不安なら途中で一旦引き返すことも可能。
      • 間欠泉がない階層でも探査ポッドに乗り込む形で地上への帰還が可能。ただし、その場合はそれまで洞窟内で回収した物は全て放棄する事になり、再回収する場合は一から攻略しなおす事になる。
    • そのほか、洞窟は突入するたびに地形(や一部のオブジェクトの出現数)が変化するという仕様がある。
  • 2人目のリーダーが登場
    • 前作主人公のベテラン社員オリマーに加え、新たに新入社員ルーイが使用可能。2人を切り替えることにより、同時進行でそれぞれ別々の行動を指示することができる。一方がマップのゲートを破壊している間にもう一方がピクミンの増殖作業に専念する、やっかいな原生生物を倒すために一方をおとりに使うなど、より効率的・戦略的に活動できるようになった。また、二人であることを生かす新たな仕掛けも追加された。
    • ただし、ゲーム本編では2コンを使用してのオリマーとルーイの同時操作は不可能で、「一方を待機させてもう一方だけ動かす」か「一方がもう一方の動きを後追いしてついてくる」のどちらかになる。*2
    • オリマーかルーイのどちらかの体力が無くなっても片方だけで活動できる。その代わりか、前作のように日中の宇宙服の修復ができなくなった。
    • 洞窟突入時はオリマーとルーイが分断していても強制的に合流する。その場合突入する側の隊列にいたピクミンだけが同行する。
  • 紫ピクミンと白ピクミンの登場
    • 『1』の3色に加え、新たに2色のピクミンが登場した。
    • 紫ピクミン
      • 力持ちなピクミン。鈍重ではあるが一匹で10匹分の力と重さを持つ。攻撃力も高く、敵に投げつけるとその衝撃で動きを止めることができる。また重いため風に耐性がある。
    • 白ピクミン
      • 毒を持つピクミン。原生生物に食べられた時に毒によるダメージを与える事が可能で、自身も毒ガス系の攻撃に耐性がある。この他、全ピクミン中最も足が速い・地中に完全に埋まっていて見えないお宝を感知できるといった特徴がある。
  • 紫ピクミンと白ピクミンは赤・青・黄ピクミンとは別の方面で高い能力を持っており、特に紫ピクミンは後述のように強力なピクミンとして知られている。 その代わり、この二体は前述の洞窟内でしか増やせないため、赤・青・黄ピクミンよりも増殖させるのに時間がかかる。また、初めて仲間にしたばかりの頃は仲間にできる数に制限がある。(後述)
  • また、黄ピクミンは投げると高く飛ぶ性質はそのままだが、バクダン岩を扱えなくなり、代わりに「電気に強い」という性質が加わった。
    • バクダン岩は「2Pバトル」モード内でのみオリマー・ルーイ自身が持ち運ぶことが可能。
  • これらに加え一部の洞窟内では「ハチャッピー」が率いる「コッパチャッピー」というピクミンに寄生されたチャッピーを仲間に加える事が出来る。通常のピクミンと同じように扱う事ができ、全属性の耐性を持つ。ただし地上に連れて帰ることはできず、洞窟内でのみ使用できる。
  • しかし、紫ピクミンが余りにも強過ぎるせいでゲームバランスを大きく崩壊させることになるが...。(後述)
  • 二人対戦モードの追加
    • 赤ピクミンチーム(オリマー)と青ピクミンチーム(ルーイ)に分かれて戦う。このモードではピクミンに性能差は無く*3、最大数はお互い50匹。
    • ルールはシンプルで、「マップ内の黄色いビー玉を先に4つ集める」「敵陣にある敵の色のビー玉を奪う」「敵のリーダーの体力を無くす*4」「敵のピクミンを全滅させる」のいずれかにより勝敗が決まる。なおピクミン同士が直接戦った場合その犠牲はすぐオニヨンより補充されるため、ピクミンを全滅させる場合は原生生物やバクダン岩やトラップを利用する必要がある。
    • マップにはさくらんぼが時々落ちており、回収するとピクミンを一気に増やしたり、敵に落石を落としたり...と様々な補助効果が発生する(効果は回収時にルーレットで決定され、Xボタンで好きなタイミングで発動できる*5)。
  • 原生生物図鑑とお宝図鑑の追加
    • 回収した原生生物やお宝は、エリア選択画面から見られる図鑑に登録される。図鑑では3Dモデルを眺めたり、生物にはピクピクニンジンを与えることが出来るほか、項目ごとに説明が記載されている。
  • オリマーメモ
    • 集めたお宝や原生生物の全てに、オリマーが書いた(という設定の)考察・感想などが書かれる。ユーモラスな外見に似合わず博物知識に長け思慮深い一面や、哀愁漂うサラリーマンとしての一面が窺える。さながら攻略本の設定資料集のよう。
    • なお今作には現実に存在する植物が登場するが、それに関しては実際の豆知識も掲載されている。例えば、タンポポは代用コーヒーとしての活用法が書かれている。
  • セールストーク
    • お宝にはドルフィン初号機の書いたセールストークも存在する。お宝の1シリーズを全て集めると記載される。
    • ほとんどのお宝には身長約4cmのホコタテ星人の尺度で考えた、へンテコな使用法の宣伝になっている。食材に関しては味を説明しているが、それも大仰な説明になっていたりする。
  • なお、あるお宝を回収すると原生生物の調理法を記した「ルーイメモ」が追加される。
  • 一部原生生物の弱体化
    • ピクミンは相変わらず原生生物の攻撃を食らえばほぼ一撃で死ぬものの、敵の捕食速度が下がったので噛み付かれても急いで倒せば救出しやすくなった。
    • 水や炎、毒に対してもすぐには死なず、笛を吹けば救出出来る猶予もある。ただし、電気は耐性の無いピクミンだと文字通り「即死」してしまう。
    • 全体的に原生生物の体力が下げられたり隙が増えた一方で、マロガエルやクマチャッピーなどは強化されている。
  • 補助アイテム・スプレーの登場
    • 一定時間ピクミンの打撃力と速さを促進させる「ゲキカラスプレー」と敵を石化させて一定時間足止めできる「ゲキニガスプレー」の二種。ゲキニガスプレーで石化した敵は倒すと死体を残さず粉々に砕け散るが、代わりにランダムでエキスが飛び出す。
    • これらは地上で原料となる実を10個回収し精製するか、卵・石化した生物・その他特定の生物を攻撃すると(一部を除き低確率で)出現するエキスを回収することで入手できる。
      • 原料の実を10個回収してスプレーを精製するイベントを完了しない限り、卵や敵からこれらのエキスは出現しない。ちなみにエキスを回収する際、ある方法を使うと1滴でスプレー2回分が入手できる。
  • その他、別売りのGBAとカードeリーダーを使うことで3種のミニゲームで遊ぶこともできた。

評価点

  • 前作の「深い遊び」から「長い遊び」へ
    • 前述の通り回収物が増え、一つ一つに活かせるピクミンや個性的なボスが設定された地下洞窟の追加により、『1』よりも1つのデータで遊べる時間が長くなった。
      • 前作では繰り返し遊ぶことによってスコアアップを狙う「深い遊び」を押し出していたが、今作は1つのデータで難しい面をクリアして遊ぶという「長い遊び」へとシフトし、コアでないユーザーでも十分に楽しめるゲームとなった。
    • それでいて前作と同じくクリア日数、増やしたピクミン数などのランキングも記録されるので、「深い遊び」を求める人も安心。
    • 更にこれに加え、チャレンジモードも30個の課題が用意されているので、前作の「ボリュームが少ない」という欠点を完全に解消している。
  • 前作からさらに美麗になったグラフィック
    • SD画質ながら当時どころか今見ても文句無い高クオリティ。
    • 『1』よりも全体的に風景が明るくなったので、地上マップの四季折々の風景が色鮮やかに映えている。
      • また今回は時間に追われないこと、現実世界の物をモチーフとしたお宝の出現により、よりピクミンの世界をじっくり堪能できるようになった。
    • 地上マップはある程度構成を変えつつもどことなく前作の特徴を踏襲しており、前作プレイ済みだとなかなか感慨深い気持ちを味わえる。
  • 徹底的に作り込まれた世界観
    • ストーリーに関しては『1』同様単純ではあるものの、背景は細部まで非常に凝って作られており、世界観に厚みが与えられている。
    • オリマーたちは基本身振り手振りで会話するので世界観への没入感をジャマしない。また、サポート担当のドルフィン初号機の軽快なトークにもユーモアが溢れている。
    • 前回は一日の終わりにオリマーの航海日誌が書かれ、孤独で寂しい世界観を構築するのに一役買っていたが、今回は社長や家族から励ましのメールが届くのでちょっと温かい気持ちになれる。
      • 進行状況でメールの内容は変わる。攻略の豆知識もあれば笑える小話もあるので初プレイ時はあまり急がずプレイするのを推奨。
      • たまに未承認広告という形で現実世界のURLが書かれた物も届く。サイトにアクセスすると本作に関する様々なコンテンツが楽しめた。
    • そして10000ポコ分のお宝を集めて借金返済すると……意外な展開が待っている。それについては賛否両論点も参照。
  • 細かい部分でも前作より快適に遊べるようになっている。
    • 前作ではどの色のオニヨンに獲物が運ばれるか分かりにくかったが、今回は必要なピクミン数を示す数字に色がつくようになり、どのオニヨンに運ばれるか分かりやすくなった。また障害物越しでも数字が見えるようになり、遠くからでも運搬状況が判断しやすくなった。
    • Aボタンでピクミンを掴んだまま、十字ボタンで色・草蕾花の切り替えができるようになった*6。かなり便利。
    • 全体的にピクミンのAIが調整・向上され、前作でプレイヤーを困らせた現象がある程度解決した*7。これらの改良点はWii版『1』にも逆輸入された。
    • また、前作でかなり多かったピクミンのバグ死が大幅に減少した。
    • カメラ操作がかなりスムーズにできるようになった。
    • 笛でピクミンを呼ぶときの反応が前作よりも早くなった。
    • 上記に加え日数制限が廃止されたことで様々な楽しみ方ができるようになっており、無犠牲プレイや一日の回収ノルマ設定、色や数の制限、一部のテクニック封印と縛りプレイにも向いている。
  • お宝の種類が豊富
    • バリエーションも果物・野菜・お菓子といった食品から、レトロな玩具や任天堂周辺機器(GAME&WATCHやGCスティック)、電池や時計といった日用品など多岐に渡る。しかもそれらに名付けられる名称やオリマーの考察がユニーク。
    • 一部のお宝は、Nationalの乾電池、缶詰や牛乳キャップなど、社名やラベルまで実在の商品が使われている。そのため、スタッフロールのスペシャルサンクスで登場する企業名の数がまるで映画かと思えるほどに多い。
    • また一部のお宝は「探検キット」として宇宙服の強化に活用される。この有無で難易度が大きく変わる場面も存在し、安全・確実な攻略のために探検キットの回収順序を計画したり、逆に敢えて取得せずに高難易度で楽しむこともできる。
  • 長時間聞くのに適した音楽
    • 前作に引き続き音楽は若井淑氏が担当。ゲーム性の関係上同じ曲を何度も長く聞くことになるだけに、なかなか飽きがこない曲に仕上がっている。
    • さりげなく通常・戦闘・お宝運搬時でBGMの曲調が自然と切り替わるという仕掛けも。 また、ボス戦はそれまでののほほんとした曲と違い、非常に緊迫感を煽る曲になっている。ボス撃破時のファンファーレも心地よいもので激闘後のカタルシスが得られる。
  • 「チャレンジモード」の強化。
    • 『1』の本編マップの流用と違い、本編の洞窟をモデルとして全て専用のマップとなっている。
    • 時間制限は『1』の一日を引き伸ばしたものからカウントダウン式、かつ1コースにかかる時間が短くなり、やり直しやすくなった。下層に進むための鍵以外のお宝も落ちているが敵もあちこちにいるので全て回収するのは並大抵の難易度ではない。
    • が、極めれば原生生物を殲滅してマップ上の全てのおたからや死骸を回収することも不可能ではないという絶妙なバランス。クリア時間も記録されるのでスコアアタックを楽しむこともできる。
      • また、ピクミンを一匹も死なせずにクリア(ノーミスクリア)すると専用のクリアマークが付くのでこれを埋めるのも一興。鍵以外は全部無視して急ぐなどの一味違う戦略も求められる。ちなみに全てのコースでノーミスクリアすると本編のある謎がムービーとして明かされる。
      • ちなみにこのモードでは2人でオリマーとルーイを同時に操作することもでき、1人では困難なステージが楽になることもある*8
  • 2P対戦モードの面白さ。
    • 配置によっては片方がかなり有利になったり、一部アイテムの性能が強めだがむしろその大味なバランスが良いという声も。
      • 5匹単位で初期ピクミンにハンデをつけられるので、初心者や未経験者とも遊びやすいのがポイント。
    • マップも狭めのマップ、広いマップ、ボスが出現するマップ、電流が流れる危険なマップとバリエーションに富んでいる。

賛否両論点

  • 常に大量死の危険に晒される後半の洞窟。
    • 後半になるにつれ爆発・電気・圧殺といった即死攻撃を放つ敵やギミックが増え、通路を通ると敵や岩が上から降ってくる、強力な敵が密集するなどピクミンの大量死を招くような配置が増えていく。
    • 洞窟内では基本的に休憩エリア以外でピクミンを補充することができないため、食べられるなどしてピクミンを失っていくとどんどん探索は難しくなる。
      • リスクを高くすることで緊張感のあるゲーム性になってはいるが、息苦しくて辟易するという意見も見られる。
      • 洞窟は階層ごとにセーブされるため途中でリセットすればその階層で死んだピクミンはなかったことにできるものの、逆に言えばリセットをしない・知らない場合はそのまま進行するかお宝を捨てて帰るしかない。
  • しかしその一方で、紫ピクミンやゲキカラ・ゲキニガスプレーなどは敵の行動を止められる・行動する前に仕留められるため、難敵を無犠牲・無抵抗で撃破することも可能。
    • 惜しみなく使えば楽にクリアできるものの、使用を渋ると途端に難易度は上がる。
  • また、洞窟内では時間の進みが一切ないため、オリマーパンチで予め敵を処理して進むという安全プレイも可能。操作キャラの2人化やオリマーパンチを強化する探検キットの存在もそれを促している。
    • むしろ、落下物が大量に配置されているステージはピクミン無しでステージ中を1度歩き回る行動をしてからでないと非常に危険。
  • 地下探索で頻繁にセーブを挟むこと
    • リトライしやすいというメリットはあるものの、クリアまでにやや長めのロードを何十何百と見ることになるので、テンポが悪化したり、没入感が削がれやすいという大きなデメリットも抱えている。
  • お宝を回収するたびに回収画面を挟むこと
    • お宝の数の多さ自体は評価点ではあり、やり甲斐につながるのは確かではあるものの、その分頻繁にスキップ不可の10秒ほどにも渡る回収・命名画面がプレイ中に挟まるため前作よりも遥かにテンポが悪くなっている。
    • その上、前作とは異なり回収画面移行前にピクミンを投げていた際には全く飛ぶことなくほぼ真下へと着地し、笛を使っていた場合自動的に最大範囲まで広がった状態になってしまう。
      • この点は『3』において、(2のお宝に相当する)果実を回収した際に、初回を除き回収完了のメッセージが表示されて1日の終わりに回収物の確認をする流れに変更されたことで、日中の作業に差し障ることがほとんど無くなった。
  • 紫・白ピクミンの増殖が面倒
    • 紫・白ピクミンは地下洞窟にあるポンガシグサにピクミンを入れて紫・白ピクミンに変える方法で増やす事になるのだが、ポンガシグサが出現する洞窟は固定されており仲間にできる数は多くて1洞窟15匹程度。そのため意図的に増やそうとするなら、スタート地点から地下洞窟まで歩く→地下洞窟で紫・白ピクミンを増やして地上のスタート地点に戻る→スタート地点から地下洞窟まで歩く…というのを繰り返さざるを得ず、赤・黄・青ピクミンの増殖よりも遥かに時間がかかってしまう。
    • たった一つであるが運ぶのに紫ピクミンが100匹必要になるお宝もあるため、紫に関しては増殖させるのが必須という点も厄介。
    • ただ、特徴の項目にもあるように紫・白は赤・黄・青ピクミンと比べて方向性は異なりながらも高い能力を持っており、特に紫ピクミンは後述のように強力なので増殖させるのが面倒にする事でバランスを保っているとも言える。
  • 前作に比べ凶悪化したクマチャッピー
    • 本作のクマチャッピーは他の大型チャッピーと異なり「常に起きておりステージを歩きまわる」という行動をとっており、寝込みを襲う戦法をとることができない。
    • しかも活動範囲が限定されていないため安全地帯は実質存在せず、出現エリアでは運搬中やフリーのピクミンが知らぬ間に襲われる危険性が常に付きまとう。
    • また、チビクマというクマチャッピーの幼体がエリア内にいる場合クマチャッピーについていくという行動をとるため、出くわしたときにはクマチャッピーに加えチビクマの大群とも同時に戦闘しなければならない、という事態も珍しくない。
      • これらの事から 生半可なボス敵よりも厄介な、最強の雑魚敵の一角 *9とされている。
    • 次回作以降の『3』や『4』でもこの特徴は引き継がれて常に起きているが、こちらへの感知能力の低下や常に同じルートを徘徊し続けるように調整されたりと、かなりマイルドになっている。
  • 前作と同様に原生生物のデザインは奇怪かつグロテスクなものばかり。
    • グチャっと潰れるベビーチャッピーやコバエがたかるオナラシなど、より不快感のある気持ち悪さになっている。
    • 特に10匹単位で卵や地中からウジャウジャと湧きだす寄生虫の姿をしたタマゴムシ、本物のイモムシさながらに生々しい挙動でピキノツユクサの実を食い荒らし、倒しても死んでおらずピクミンに運ばれるとウネウネと蠢き始めるハナゲイモは作中屈指の気持ち悪さ。
      • ちなみに倒したあとも生きている生物は他にも存在するが、それらは「気絶中にオニヨンや探査ポッドに運び込まなければ時間経過で復活する(クマチャッピーやタマコキン)」「その場から離脱するため運搬できない(フーセンドックリやアオケタダラ等)」というパターンに大別され、運搬可能だが復活しない(死んだ生物と同じ扱いになる)のはこのハナゲイモのみとなっている。上述の運ばれた際の気持ち悪い動きを取り入れるためにこのような設定にしたのだろうか…。
    • 一方で機械系のカッコいいデザインの敵も登場しており、それらに関してはプレイヤーから好評。
  • 本作のストーリー構成
    • オリマーやルーイを操作して10000ポコを集めて借金返済するのが目的なのは上記の通りである。
      + ストーリーのネタバレ注意
    • 実は本作のストーリーは二部構成であり、上記の10000ポコを集めて借金返済するまでが第一部の物語である。
      • 借金返済後ホコタテ星へ帰還するが、出発直後にルーイが姿を消してしまう。帰還後に社長にそれを報告したところ、残りのお宝の回収とルーイの救出を兼ねて社長が代わりに出動する…というのが第二部のプロローグとなる。
      • だが、ルーイの行方不明に関しては何の前触れもなく本当に唐突であり、導入としては無理矢理感があるものとなっている。ゲームを全クリアするには結局は本作のお宝を全部回収する事になるため、わざわざ分ける必要がないとも感じられてしまう。一応第二部に突入することで社長を操作できるようになる・新マップに行けるようになるなどの変化は生まれるが、物足りなさが否めない。
      • ストーリーが二部構成である点は『4』にも受け継がれたが、『4』では第二部のストーリーは第一部の延長線上ではないものとなっている。

問題点

  • ピクミンの性能は紫優遇・赤不遇のバランス
    • まず、紫が他と比較して便利すぎることが指摘される。
      • 紫ピクミンは通常のピクミンの10倍の重さの物を持てるほか、戦闘では着地した時に生物を数秒硬直させる特性があり、大抵の生物なら連続で投げれば反撃を食らうことなく倒せてしまう。しかも直接的な攻撃力自体も高く、さらに多少だがホーミング性能もあり、それこそほとんどのピクミンが用済みになるほどの強さを持つ。そのためまず紫ピクミンで原生生物を倒し、その後他の足が速い白ピクミンで荷物を運ばせるというスタイルになりがち。弱点である足の遅さも花を散らさないよう心掛けていれば大して気にならないレベル。
      • 炎・水・電気・毒のいずれかの属性をもつ生物にはそれぞれ耐性のあるピクミンで戦うのが正攻法となるが、それらの生物のほとんどは「普段は無属性で、攻撃時や特定のタイミングでその属性を帯びる」という性質をもつため、慣れてくれば無属性状態のうちに紫連投で体力を削りきってしまうほうが手軽である。
      • 増殖させるのが面倒という欠点はあるが、それを差し引いても全く同じ欠点を持つ白ピクミンに比べて明らかに強すぎる。
      • また、序盤のうちに最低12匹、全お宝回収には100匹必要と積極的に増やしていくことを是としたゲームバランスになっていることや、 「風に吹かれても飛ばされない」「飛行する敵に1体でも張り付けると必ず叩き落とせる上に、サライムシ系の敵は紫ピクミンを死ぬまで振り払えない」「タマゴムシの発する異臭やダイオウデメマダラの雄叫びで混乱しない」「謎の存在であるアメボウズへの唯一の対抗手段になる」「他のピクミンと異なりゴロムシの腕による攻撃で花が確定で散らない」 といった上記4種に分類されない属性や性質ほぼ全般に強い設定があることも、紫の優遇っぷりに拍車をかけている。
      • 一応、時間制限のあるチャレンジモードではその足の遅さが非常に大きな欠点になるが。
    • 逆に赤ピクミンは紫ピクミンに対し、「移動速度以外ほぼ下位互換」となっており、存在意義が薄い。
      「火に強い」「攻撃力が二番目に高い」という特徴を持っているものの、役に立つ場面があまりにも少ない。
      • 前者は、そもそも火属性の脅威が前作に比べて弱体化し*10、他の属性に比べて危険度がやや低いことから長所として活きていない。
        「青ピクミンのみ通過可能な水場や、水没した壁や栓」「常に帯電しており黄ピクミンでしか壊せない電気柵」、「毒ガス噴出管を内蔵しており白ピクミンでしか壊せない毒ガスゲート」「ピクミン200匹分の重さを載せて潰す必要があるため紫ピクミンが必要な紙袋ゲート」といったように、赤以外のピクミンには彼らに頼らなくてはならないギミックやトラップが存在する。
      • その一方、火属性のトラップは"断続的に"炎が上がる間欠炎のみであり、『1』と違い破壊可能となったため、炎が出ていない間に集中攻撃で破壊したほうが手っ取り早く、わざわざ赤ピクミンのみを使い分ける必要性は少ない。
      • 火属性の生物も、上記のように基本的に紫ピクミン連投のほうが簡単である。唯一、常に全身に火をまとっている「ヤキチャッピー」と戦う場合は赤ピクミンのほうが安全であるが、水場が近くにあれば水に入らせ火を消して青で挑むこともできるし、 やはり紫でゴリ押しすることも可能である ため、赤ピクミン以外では倒せないというほどでもない。
      • 後者についても、結局紫ピクミンの攻撃力には及ばないため霞んでしまっている。
      • あえて戦闘で赤が紫より有利な所を言うなら「カマドフマや小型サイズのダイオウデメマダラなど、一部生物相手には紫よりも張り付きやすい(というよりは紫の場合弾かれるようにして吹っ飛ばされることが多い)」「ダマグモなど上部に弱点のある敵相手なら紫より赤色の方が当てやすい(ただし最良は黄色)」という程度か。もちろん、ダメージを与える手段が火属性しかないブタドックリや間欠炎なら、赤ピクミンを数匹配置するだけで対処可能という利点はある。
      • あまりにも強過ぎたためか、次回作の『ピクミン3(及び『ピクミン3 デラックス』)』での紫ピクミンの弱体化*11がされており、本作の様な猛威は発揮出来なくなっている。
      • 一応『3』以降の紫ピクミンの足の速さは『2』と比較すると大幅に速くなっているため、運搬役としての強みが大きくなった。『4』ではある程度マイルドに調整された上で『2』の戦闘力を取り戻しており、『3』と比較すると大幅な上方修正がされている。
  • 探索のメインが地下であること
    • 『1』は地上探索がメインだったが、本作の地上はお宝が少なく、スプレーの補充は地下の方が効率がいいことから、ピクミンの補充以外やることが少ないため、地下を見つけるまでの前座としての要素が強い。したがって、地上パートを急いでクリアして、地下に潜るというプレイになりがち。
      • せっかく春夏秋冬に応じた4つのマップが用意されているのに、非常にもったいないところ。
    • 地下のマップは好奇心を煽る作りにはなっているが、地上のように美麗な背景が作り込まれているとは言いにくいのも残念。
    • このことから『1』は好きだが、『2』は好きではないというプレイヤーも少なくない。
  • ゲキニガスプレーがバランスブレイカー
    • 大抵の生物の行動を一定時間封じてしまうことから、大量に用意すれば何もさせず簡単に生物を倒せてしまい、バランスブレイカーとなっている*12
    • 極論を言ってしまうと、これさえあればどんなボスも固めて殴るだけの作業ゲーと化してしまう。
    • ただし精製にはそれなりに手間がかかるし、使いたくなければ縛ることもできる。
    • 2P対戦では生物の石化のみならず「敵ピクミンをその場に埋められる」という効果が付加される。そしてかけられる側のピクミンのゲキカラ状態を解除するため「ゲキニガ>ゲキカラ」という強弱関係ができてしまっている。大抵はこれを相手より早く・多く手にできるか否かで勝敗が決まる。ただし、一部プレイヤー間では隊列を二つに分けてゲキカラ一つでゲキニガを二つ分消費させる2段攻撃が開発された点は留意。
  • 一部の紫・白ピクミン用ポンガシグサ
    • 実は一部の紫・白ピクミン用ポンガシグサは手持ちの紫・白ピクミンが20匹以上いる状態でこのポンガシグサがあるフロアに行くと出現しない(紫・白ピクミンを増やせない)という隠し仕様がある。紫ピクミンが20匹以上でこの仕様のムラサキポンガシグサが出現しなくなり白ピクミンが20匹以上でこの仕様のシロポンガシグサが出現しなくなる。
    • 一部の紫・白ピクミン用ポンガシグサにこの仕様があるせいでただえさえ面倒な紫・白ピクミンの増殖がさらに面倒となっている。
    • この仕様は隠し仕様なので紫・白ピクミンを増殖させようとしたがポンガシグサが出現しなくなった(紫・白ピクミンを増やせなくなった)という状況に陥る事も珍しくない。
    • しかもこの仕様は紫・白ピクミンそれぞれを最初に仲間に出来る地下洞窟のポンガシグサにも適用されているので紫・白ピクミンを仲間にしたばかりの頃は増殖させれる数に上限がある。最も少しでもストーリーを進めれば上限はなくなるが。
    • 紫・白ピクミンを一番増殖させやすい地下洞窟にこの仕様がないのは救い。
  • ピクミンを投げた際の隊列総数カウントの仕様
    • ピクミンを投げた際、『1』や『3』とは異なりピクミンが着地するまでは隊列にいるピクミンの数が減らなくなっている。
    • このため何匹ピクミンを投げて、何匹手元に残っているのかを判断するのが非常に難しくなってしまっている。
  • 『1』に引き続き、躓いたり転倒するピクミン
    • 移動している際に時折ピクミンが躓いたり転倒することがあるが、その際に投げ、隊列操作、解散、ゲキカラスプレーといった操作を受け付けなくなる。
    • 特に解散時に大きく影響し、解散指示を出しても数匹フリー状態にならない現象が頻発する。
      • 『1』の転倒ほど時間を取られる訳ではなくすぐに隊列に復帰するものの、そちらでは解散指示が通用したため転んだピクミンがいても解散後即座に呼ぶことで対処可能だった。
  • 運搬時の仕様変更
    • 運搬中にピクミンを増援させた際一旦立ち止まってから運搬を再開するようになり、状況によっては増援によりかえって回収が遅れるようになってしまった。
      • 特に坂を登っている時に増援させた場合立ち止まることによって坂からずり落ちることも多い。
  • 画面切り替わり時の硬直
    • お宝回収などによって画面が切り替わった際、元の画面への復帰後1秒ほどではあるが移動とカメラ操作以外一切の操作を受け付けなくなる時間が発生する。
    • この切り替わりによる硬直によって、ピクミンを呼び戻したり隊列移動の指示をすることが出来なくなることにより戦闘途中などで発生してしまうと想定外の事故に繋がってしまうこともある。
    • ピクミンについても、切り替わり直後のフリーピクミンはこの硬直時間が解除されるまでは一切の行動を取らなくなってしまう。探査キットを持つ原生生物を倒してお宝を回収させる際、顕著に確認できる。
      • その癖、原生生物には一切影響が及ばず容赦無く攻撃を仕掛けてくる。一応、この状態であればリーダーは一切の攻撃を受けなくなるものの、肝心のピクミンには発生しない。
  • 頻繁に挟まるチュートリアルムービー
    • 初めてスプレーを使用・地下洞窟を脱出するための間欠泉を発見した時など、要所要所でチュートリアルのムービーが挟まることがある。
    • これ自体がそこまでテンポを阻害している訳ではないものの、リーダーと太陽メーター以外の要素はこのムービー中にも動作が進行しているため、プレイヤーが動けない間にピクミンが原生生物に襲われてしまうことがある。
    • 特に白ピクミンが食べられて毒を与えるムービーの場合、わざと1匹だけ食べさせた場合や毒により倒せた場合はともかく、毒で倒しきれなかった場合は生き残っている原生生物が一方的に攻撃をし続けるため想定外の被害を出すはめになる。
    • また、アメボウズが初登場する際にプレイヤー側に「青ピクミンだけではどうすることもできない」という警告の意を含んだムービーが挿入されるものの、運悪くアメボウズ出現時に落下する位置と重なってしまった場合は逃げることができず大量に踏み潰される状況にもなりかねない。
    • 炎、水、毒による攻撃をそれぞれ初めて受けた際「Bボタンで集合させれば救出できる」との説明がされるムービーが入るものの、次作「3」とは異なり攻撃を受けてからムービーが始まるまでに3秒ほどのタイムラグがある上に、上記にもある現象によりムービーが終わってから1秒間程は集合操作を受け付けなくなるため、余裕のある段階で見ておかないと救出が間に合わなくなる場合もある。
    • 初めてゲキニガスプレーを使って石化させた際に挿入されるムービー中の石化硬直時間も、容赦なく持続時間に含まれてしまう。
    • 一応、これらのムービーはスタートボタンでスキップできるものの画面切り替えを回避する手段は無い。
    • 次作『3』ではボスエリアを筆頭によりムービーが頻繁に挟まるものの、エリア内のピクミンが全員隊列に加わった上で安全な定位置から行動できるように調整されている場面が多くなり改善されている。
  • 落下死バグ
    • 足場の存在しない鉄筋型の地形とは別に、本来は壁で隔たれている地形にピクミンが入り込んでしまい、落下死判定を受ける現象が時折発生する。
    • 水中の城地下2階にて、大型の回収物であるお菓子の大車輪を回収中、壁にめり込んでいるピクミンに集合を掛けると壁の中へ落下してしまう再現性の高いものもあれば、袋小路地形でピクミンを引き抜いた後の着地際にピクミンが壁の中に飛び込んでしまうような対策がほぼ不可能なものもある。
    • 地下の秘密基地の地下4階と地下8階では、穴や間欠泉が曲がり角に設置されていることが稀にあり、利用してしまうとムービー中にピクミンが落下死判定を受けて死亡ピクミンとしてカウントされてしまう現象もある。
      • 実際にはピクミンは死なないため実害には乏しいものの、死亡数のカウントを気にする場合にはおいおいと利用することもままならなくなってしまう。
    • 開通途中の橋に紫ピクミンを投げると、橋をすり抜けて下に落ちてしまう事がある。下が水ならば青ピクミンがいない限り、まず間違いなく溺死する。
  • チャレンジモードのスコアアタックの問題。
    • スコア計算における「時間」の割合が小さすぎる。
      • スコアは「回収物(お宝・原生生物)+残りピクミン+残り時間」で計算されるが前2つは10倍される。そのため、自己ベストより10秒早くクリアしても、お宝や原生生物を1点分取りこぼしたりピクミンが1匹死ぬだけで帳消しになってしまう。
        もっとも、回収物と残り時間のスコア比率が同じでは、鍵だけ入手してクリアした方がスコアが高くなってしまいかねないため、比率に差を設けること自体は正しいが。
    • オリマーとルーイの宇宙服は「たんけんねぶくろ*13」以外は初期装備であるため、お宝の位置をおおよそ把握できる「おたからセンサー」がない。
      • 従って視覚だけでお宝の位置を把握する必要があるが、一見オブジェクトにも見える葉っぱ系のお宝は取り逃しやすい。白ピクミンが使えるコースではお宝が地中に埋まっていることが多いが、探し当てるためには隈なく歩き回る必要があるため運の要素が非常に強い。
      • フロアごとのお宝を全回収すれば、効果音が鳴ったりピクミンの鼻歌が変わったりして確認はできる。次のフロアに進むときやクリアするときは何も表示されない。
    • 全体的に実力:運が5:5のバランス。元々「スコアアタック」というものは多少の運が絡むものだが、本作はその比重が大きすぎる。どれだけ実力があろうが運が悪ければ絶対に記録更新できないという、近年のタブレット端末向け作品にも引けを取らぬほどの「リセットマラソンゲー」と化している。
    • これほどにまで再挑戦を強いられる設計でありながら、コースの初めから即座に再挑戦する機能が存在しない。やり直すに当たって随時コース選択画面まで戻されるため再挑戦のテンポが悪い。
      • その上、スキップ可能ではあるがコースから脱出する演出がはさまれるため余計にテンポを損ねている。しかもよく見ると地下洞窟にピクミンを置き去りにしたまま脱出しており、人によっては心を痛まされかねない。
  • 問題視される運要素
    + ...
  • 地形・お宝/原生生物・間欠泉の配置がランダム
    • これだけで原生生物の数や倒しやすさ・運搬時間が大きく変動するので記録狙いなら厳選する必要がある。
      「炎と水の試練場」ではカギを持ったヤキチャッピーが出現しないというリセット確定の理不尽なパターンが存在する。
      「土とんのどうくつ」ではウジンコ♂、ウジンコ♀、トビンコがランダムで3匹:4匹:5匹の比率で配分されるようになっているものの、そのうちトビンコの持つお宝はスコアが低いため、高スコアを狙うにはトビンコが3匹しか登場しない地形を引くことが前提となってしまう。
      「どっすん迷路」ではキショイグモが出現しないことが稀にあり、その場合スコアが大幅に縮んでしまう。
      「スナイパールーム」ではバケツが配置された広い地形が2つ出現することがあり、その場合フタクチドックリがバケツの上から出現するため、倒すのに時間がかかってしまう。さらにマップが広くなってしまう分運搬にも時間がかかるためスコア更新が目的ならリセット不可避である。
  • 「タマゴムシ」の存在
    • 「タマゴムシ」は卵を割った時に「大地のエキス」の代わりに低確率で10匹近く出てくる原生生物。ピクミンをぶつければ即死する(紫ピクミンなら着地時の衝撃で一掃できる)が、あちこちに素早く動き回るため狙いづらく、紫ピクミン以外はこの生物の異臭により逃げ惑う上、一定時間経つと地中に逃げてしまうので非常に倒しづらい。なお、倒すと「大地のエキス」を出す。
      「タマゴムシ」は1匹につき1点しか入らないが、上記の通りスコア計算時には10倍されるので、ハイスコアを狙うなら回収が必須となる。しかしながら、ただでさえ出現率が低いのに加えコースによっては卵の配置数もランダムで変化するため、数百・数千回に一回のチャンスを粘り、引き当てたら確実に仕留めなければならない。
  • 任天堂スタッフ公式記録もステージごとに落差が大きく、単に一定時間内に特定数のお宝・死骸を回収するだけで達成できる記録もあれば、タマゴムシの回収を前提としなければ達成できない記録もある。
  • 一応、スコアによる特典はなく、ノーミスクリアの条件はピクミン無犠牲だけなので、スコアアタックしない限りは特に問題はない。また、初心者でも全ステージノーミスクリアはそこまで難しくない。
  • 本作のプレイアブルキャラ、ルーイの人間性
    + (ネタバレ注意)
  • 今作のストーリーの発端は「ゴールデンピクピクニンジンが宇宙ウサギに奪われたことによる多額の借金」なのだが、 実は上記の理由はルーイの捏造であり、実際にはルーイ自身がピクピクニンジンを食い尽くした *14ことが隠しムービーで明かされる。
  • 言ってしまえば彼が全ての元凶だったのだが、この真実を知れるのはあくまでプレイヤー達だけであり、借金返済のために苦労するオリマーや社長たちは最後まで何も知らない。
  • それに加えて、倒したラスボスの中からルーイが出てきた際には「ラスボスの脳をルーイが操っていた(=オリマーたちを襲うようけしかけていた)」ことも可能性の一つとして示唆されているなど黒い部分が散見される。*15
    • 続編の『3』や『4』では何事もなくオリマーと一緒に星を探索している様子を見るに、 特に大きなお咎めもなくホコタテ運送に勤め続けているようだ。 *16
    • 「とんでもない被害を故意に引き起こした上でそのことを隠匿し、作中では事実が明かされることもなく、本人が反省する描写すらないまま、シリーズのメインキャラクターとして定着する」 という流れは、ピクミンの話題になると高確率でルーイの所業が挙がるほどにはプレイヤーたちに(良くも悪くも)強烈な印象を残した。
      • 憎まれることが前提の悪役キャラならまだしも、基本的には主人公サイドの登場人物であり操作キャラクターの1人として扱われている以上は、もう少し作中でのフォローやヘイトコントロールを考えてほしかったという意見も多い。*17

総評

前作から遊びの方向性を「深い遊び」から「長い遊び」へチェンジし、大幅なボリュームアップを果たした良作。
時間に囚われずじっくりと『ピクミン』の世界に浸ることができる。


余談

  • 俗に言う黒い任天堂要素は1から引き続き搭載されている。
    • 特に有名なのはコマンマンオオマンマンという名前の敵*18欲棒*19というお宝あたりか。最早黒いというよりド直球
    • オリマーメモも社会人になってからだとシンパシーを感じるものが多いので、子供の頃にプレイした人も暇があれば見直してみてはいかがだろうか。
  • 本作屈指の難易度を誇る水中の城は不気味なBGMとボスの「アメボウズ」が初見殺しかつ最下層まで撃退不能で、しかも各層で一定時間経過すると出現することから「みんなのトラウマ」として有名。
  • 発売から15年以上経った現在でも、RTAプレイヤーを中心として本作のあらゆる現象に対する研究が盛んに行われている。
    • 特に「たんけんねぶくろ」は、研究の結果「直接登ることができない段差の上へとピクミンに運んでもらう」といったバグ的な利用方法が多数発見されたことで有名。
    • また、黄ピクミンでしか破壊できない電気柵に阻まれ、本来5日目以降となる青ピクミンの加入を3日目にできる「EARLY BLUES(GC版限定)」バグと「イモガエル、隊列のピクミン、未完成の橋、サライムシを駆使して隊列に加える(Wii版でも可能)」バグが発見されGC版Wii版共に7日クリアが実現可能になった。
      ただし、同じく電気柵の向こうにある「オレの色」というお宝は運ぶことができず、長らくめざめの森攻略には最短でも2日かかるままだった。
    • ピクミンがものを運ぶ速度を数式化するという試みも。一部ではこのような研究の過熱ぶりから「学会」と称する向きもある*20
      • この試みの結果、「運搬能チャージ(Carrying Capacity Charge,頭文字をとってCCC,C3とも)」というバグが発見され、電気柵を破壊せずに「オレの色」を運搬可能となり、めざめの森一日クリアと同時に6日クリアの実現、加えて、6年ぶりの最短日数の更新となった。
        なお、GC版でも時間的にギリギリであるため、「EARLY BLUES」バグが使用できないWii版での6日クリアの実現性は低くなっている。
  • 地下洞窟のBGMには音色違い、フレーズ違いのパターンものが大量に用意されているがそれらは殆ど未使用となっている。本編で使用されなかった理由は不明。
  • ピクミン4』発売に先駆けて、公式サイト「ピクミンガーデン」がオープンされたが、その「ピクミンのヒストリー」では、前作と今作のWii版が掲載されていない。

ピクミン2(Switch)

【ぴくみんつー】

ジャンル AIアクション
対応機種 Nintendo Switch
発売・開発元 任天堂
発売日 2023年6月22日
定価 3,000円
判定 良作
ピクミンシリーズリンク

概要(Switch)

  • 『ピクミン4』発売記念としてDL版での先行配信が行われたNintendoSwitch移植版。
  • 基本的なゲーム性やシナリオについての変化はない。

変更点(Switch)

  • 画質の向上
    • リマスタリングされ、HD画質になった。カメラを1番遠いものに設定してもクッキリと見えるほど。
    • メトロイドプライム リマスタード』とは異なり、モデリングは当時のまま。テクスチャの変更は随所に見られる。
  • 操作系統が追加・変更された
    • GC版の操作をベースに、ジャイロ操作に対応。Wii版や『3DX』と異なり、AまたはBを押している間のみ、一定の範囲内で操作できる。
    • 『3』以降同様、右スティックでの自由なカメラ操作が可能に。その代わり、隊列操作はL+右スティックに変更された。
  • 一部のお宝が変更
    • 海外版をベースとしており、牛乳瓶のフタなど原作の日本語版にのみ存在していたお宝が消え、ジャムの蓋などに置き換わっている。同じお宝でも見た目は海外版準拠。ただし、その中でも実在の企業の製品だったものは全てテクスチャが新規のものとなっている。*21
    • また、重さや値段も海外版準拠。
  • メール・オリマーメモ・セールストークの変更
    • 上記の「欲棒」を筆頭に、毒の強いテキストはよりマイルドな表現に変更された。
    • また、追加・変更されたお宝のテキストも一部を除き変化している。海外版に存在したお宝は、海外版のテキストを日本語訳したものとなっている。

問題点(Switch)

  • 一部地下洞窟BGMに音色の欠損が発生している。
    • 該当のBGMはクモの根城の地下1F等で使用されている物、及び百戦錬磨の穴の地下6Fで使用されている物の2種類であり、どちらもメインで使用されていたトロンボーンのような音色が鳴らなくなっている。
  • 橋の開通
    • GC版とWii版では、『エリアに降り立ってから1日経過or地下洞窟から帰還』のどちらかを満たすことで、橋を1段階開通させた後は1匹でも作業をするピクミンがいれば続けて一気に開通し続けるようになっていた。
    • Switch版では上記の条件を満たしても橋が柔くなることは無く、橋の開通に膨大な時間を要するようになった。

その後の展開(Switch)

  • 今作とピクミン1のSwitch移植版がカップリング収録されている パッケージソフト「ピクミン1+2」が2023年9月21日に発売された。
+ タグ編集
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  • ACT
  • ピクミン

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最終更新:2024年04月02日 11:36

*1 今作の最短クリアはバグ無しで8日、バグ有りで5日である。

*2 待機側のリーダーが原生生物に狙われている場合は、ある程度その攻撃を自動で避ける。

*3 それぞれ火に強い・水に強い性質はそのままだが、さくらんぼによるブタドックリ系統出現以外で火と水の危険要素は出現しない

*4 本モードのみ原生生物攻撃時と同様にピクミンを敵のリーダーにまとわりつかせて妨害することが可能。ただしピクミンの攻撃でオリマー(ルーイ)の体力が減ることはない。

*5 Wii版では-ボタン

*6 Wii版では色はBボタンで切り替え。

*7 「隊列移動中に障害物に引っかかるとそのままひっかかり続け、隊列から外れてしまう→障害物を迂回して隊列に戻ろうとする」、「橋を広がったまま渡ろうとして端のピクミンが水に落ちる→橋では密集状態になり落ちにくくなる」、「隊列のピクミンが落ちている物や敵に勝手に反応して列を離れる→Cスティックを触らない限りは反応しない」、「未成熟のペレット草(倒してもペレットが出ない)でも近寄ると攻撃して枯らしてしまう→育つまで攻撃しない」など。

*8 制限時間が短いマップで手分けして回収など

*9 クマチャッピー以外にも強力な原生生物はいるが、一度慣れてしまうとそこまで脅威には感じなくなる。特にヘラクレスオオヨロヒグモに至っては本作のラスボスに相応しい強さではあるが、この原生生物の持つ(ルーイを含んだ)全てのお宝を回収した後に再び挑むと、ほぼ攻撃手段を失っているので、ラスボスだとは思えないほどの最弱の敵になる。

*10 前作に比べて救出可能時間が大幅に伸びたことが要因。前作ではピクミンに火が付くと2,3秒ほどで死んでしまう。そのため今作に比べて赤ピクミン以外ではブタドックリですら倒すのが驚くほど困難である。Wii版以降は救出可能時間が伸びており死ににくくなっている。

*11 紫ピクミンを投げても敵が振動で怯まなくなり、攻撃力が赤ピクミンと同様の数値にされている

*12 ただし固くなっている間は防御力が上がるので、一部のボスはほとんどダメージが入らなくなってしまうことがある。

*13 その場に寝転がることができるようになる装備で、近くにピクミンがいる場合はオニヨンや探査ポッドに運ばれる。単なるギャグ効果ではなく、寝ている間は特定の原生生物の攻撃が通じないためそれらの囮に利用する、別行動中の片方のリーダーを操作せずに拠点に戻す、「運搬中のピクミンが通過すると上空から降ってくる敵」を敢えて出現させ対策しやすくするといった使い道がある。さらに…(余談参照)。

*14 後に発売されたピクミン4の真エンディングの後で読めるルーイ本人の航海日誌の記述(「(ゴールデンピクピクニンジンの)配送の仕事、あるといいな…。」)で意図的であったことも発覚した。

*15 彼がこの様な凶行に及んだのは、「オリマーに置き去りにされたと思い込んでの逆恨み」「この星には原生生物や食べられるお宝(果実)が存在しているため帰りたくなかっただけ」「ゴールデンピクピクニンジンを食い平らげたことについての隠蔽(社長にバレて多額の借金を背負いたくなかった)」などと幾つかの可能性があるが、どれに於いても余りにも自分勝手で許される様な動機ではないのは確かであろう。

*16 但し、パラレルワールドの可能性もあることは考慮しなければならない。

*17 ちなみに「ピクミン4」の作中で見ることができるキャラクター説明では、ルーイについて「トラブルメーカーという言葉を体現する人物」と表現されており、開発側からもそういうキャラクターとして見られていることが分かる。

*18 ちなみにオリマーメモに書かれている和名と照らし合わせると更にヤバイメッセージが……

*19 「なんともそそられる食肉の棒だ。 禁欲的な私でさえ、かじったりなめたりしゃぶりたくなってしまう。」(オリマーメモより) 

*20 本作以外のRTA研究でもたまに用いられる表現ではあるが。

*21 変更されたのは主に前述したNationalの乾電池等。権利関係のためかテクスチャが架空の物に差し替えられている。