本項目ではAC版「ストリートファイターII'」(良作)、「ストリートファイターII'TURBO」(判定なし)およびそれらの家庭用移植版の紹介をしています。



ストリートファイターII'

【すとりーとふぁいたーつーだっしゅ】

ジャンル 対戦格闘アクション
対応機種 アーケード(CPシステム)
販売・開発元 カプコン
稼働開始日 1992年4月14日
判定 良作
ポイント ストIIのバージョンアップ版
四天王が使用可能に
極悪性能のベガ様
ストリートファイターシリーズ

概要

初代『ストリートファイターII』によって格闘ゲームに、CPU戦ばかりでなく対人戦の要素でもブームに火が付き、ゲームセンターで2台の筺体を対面に繋いだ通信対戦台が出回り始めた頃。
対戦としての面白さをもっと追求しようと、初代のボスキャラクターである四天王の使用解禁、対戦のバランス調整を目的にカプコンが発表したバージョンアップ版である。サブタイトルは「CHAMPION EDITION」。

個性豊かな8人に加え、新たに使えるようになった4人、計12人のキャラクターから1人を選択し、同キャラを含めた12人全員を倒す事が(1人プレイにおける一応の)目的。


変更点

システム

  • 基本的なシステムは『ストリートファイターII』と同様。
  • 全体的に攻撃力が減少した(特に連打キャンセルで複数ヒットする弱攻撃)。
  • 気絶から復帰後の約1秒間は気絶ダメージが入らないようになった。これにより前作であった「一回気絶してしまうと気絶~気絶で試合終了」という事態は起きにくくなったが、完全に無くなったわけではない。
  • 四天王に行き着くまでの8人の進み順は最初はランダムだが、以降はそこを起点としてリュウ→本田→ブランカ→ガイル→ケン→春麗→ザンギエフ→ダルシム→(リュウ)のローテーションとなる。
  • 勝利時およびエンディングのセリフにカタカナと漢字が使われるようになり、文章が分かりやすくなった。
  • キャラクターの項目でも触れられているが連打系必殺技が出しやすくなった。強ボタン連打の物も充分人力で発動できる。
  • ブランカと四天王の一部必殺技に設定されていたカウンターダメージが無くなった。

音楽

  • エンディング曲が新たに加わった。

グラフィック

  • キャラクターの一枚絵の輪郭が全体的に角ばったデザインにアレンジ。特にリュウやガイル等は大幅に変更された。
    • 無精ひげを生やしたリュウの顔絵は、当時ちょっとした話題となり、ネタとしても弄られて愛された。
    • 春麗のチャイナドレスやバルログの敗北時の顔(通称:鼻水)の配色ミスは修正された。
  • 試合中のグラフィックは基本的に初代と同じだが、ダルシムの通常技など描き直された箇所もある。
  • 各ステージの背景の時刻や色が変わったり(例としてリュウステージ:夕方→深夜)、容量削減のため、ステージに存在していたオブジェクトのいくつかが削除されたりした*1
    • 削除されたオブジェクトの容量は、四天王の新技に使われている。
    • 描き直されたオブジェクトもあり、分かりやすい所では春麗ステージの自転車(と乗っている人)が新しくなった。
  • 前作ケンのエンディングで衝撃を与えた「いらいざ」もちゃんと美人に描き直されている。

キャラクター

+ 8人+4人の追加プレイヤーキャラクターたちの変更点

リュウ

  • 波動拳の出るまでの時間が短縮された。波動拳の鳥籠*2が脅威になりだし、守り型のキャラクターとして確立していく。
    • リュウ自身はジャンプの滞空時間が短くなり鳥籠から脱出しやすくなっている。
  • 他に、弱昇龍拳を地上で当てても相手はダウン、竜巻旋風脚も当たると相手はダウンする上に上昇・下降時が無敵、と必殺技を中心に大幅強化された。
  • 対戦では中位であるものの、連続技の破壊力は前作からほぼ据え置きで波動拳の隙のなさと竜巻の大幅な強化により使い易さと爽快感からリュウ使いが激増した。

ケン

  • 今作から同キャラ対戦が可能となったために、リュウとは対照的に攻め型のキャラクターとして強化された。
  • リュウ同様ジャンプの滞空時間が短くなった他、リュウよりも前後の移動が速くなった。
  • 通常技ではジャンプ強パンチが判定面で大幅に強化され、飛び込みの主力になった。
    • 無敵対空技以外の地上対空技で落とせる技はごく一部のキャラに限られる。
  • 昇龍拳の技の発生、判定、威力、着地の隙の面で強化された。
    • 特に着地の隙の軽減は大きく、地上反撃技に乏しいキャラは一発ダウン&起き攻めの強さも相俟って、弱昇龍を繰り返し出されるだけでかなり嫌がられた(いわゆるドラゴンダンス)。
      • 中・強の昇龍拳が横に大きく伸び、ソニックを追いかけてくるガイルにソニックをすり抜けて直接当てたりできる。
      • 強昇龍拳を地上で当てると複数ヒットして相手がダウンするのは勿論、判定の発生の速さの強化のおかげで全キャラ相手に正面からジャンプ強攻撃からのアッパー昇龍拳などの連続技が入るようになったため、ケン相手に飛び込みを許したら半死半生は確定と言える。
  • しかし、波動拳は発生が遅いまま変わらず、竜巻も当たれば高速でベシベシと見た目は楽しいが威力は弱いので、飛び込みの通じない上位キャラ相手には極めて不利のままであった。
    • 但し竜巻は必殺技なので複数回ヒットさせた相手には気絶値が長く残るというメリットもなくはない。
  • 他のキャラクターも全般的に強化されているので、対戦ランクとしては下位に取り残され、リュウとは大きく水を開けられることになった。
    • だが、どんな相手に対しても飛び込みが入ってしまえばバンババンバンババンで勝ちが取れる。「ラウンドの支配率は低いが勝ち目は常にある」という一発屋で、評価が下がっていきつつも使用者は途切れなかった本作の大会荒らし。

エドモンド本田

  • 百裂張り手を出したまま左右移動が出来るようになり、出し易くもなった。スーパー頭突きも弱中強によって速度が変わりダウン性能が付与。
  • 通常技の判定も全般的に強化されたが、前作で猛威を振るったしゃがみ中パンチなどに喰らい判定が付くなど弱体化した技もある。
  • さらに投げられ間合いが狭くなったことで、(スクリューを除けば)相対的な投げ間合いで全キャラクター中トップになった。
  • その代わり対空弱頭突きの判定弱化、百裂張り手発動中の掌に喰らい判定の付与と弱体化も目立ち、鳥籠にも相変わらず弱いままだった。
    • 今作では対空や割り込みに使うなら中頭突きが一番安定する。

春麗

  • 新技として、初代で没になった背中蹴り(鶴脚落)が使えるようになった。百裂キックも出し易くなり、連続技にも組み込める。そしてスピニングバードキックも出始めが無敵に。
  • しかし、初代で大きなアドバンテージだった地上通常技の喰らい判定が見た目通りになり、さらに空中投げの間合いが狭くなった結果、『ダッシュ』で最も弱体化したキャラクターになった。
    • 弱体化に拍車をかけたのが前作より通常技での気絶までの気絶値が引き上げられたのも大きな要因。
    • 特に中キックが主力技である春麗に取って中キック2発で時に気絶した前作に比べ、今作では中キックなら最低3~4発を連続で叩き込まない限り気絶まで持って行けず、ダメージソースを大きく奪われたと言える。
  • 新技の鶴脚落もめくりに使えたり打点をごく低くすれば下段ガードを強要できる面白い技であるのだが、ほぼ密着まで近づかないと出せない上、前述の通り通常技の弱体化によってそこまで近づくまでがまず大変。
    • 同じく新技の後方回転脚に至っては使いどころがほぼない死に技。
  • キャラ全般を見れば弱体化を受けたキャラは何らか強化点も必ずあるものだが、元々通常技で押していくキャラの春麗が必殺技だけ強化されたところで対戦での強化には全くならず、強化と弱体化のバランスがあまりにも悪かった(ザンギエフにも同じ事が言える)。総合的に前作から『ダッシュ』の変更点が悉く春麗に取って不利に働いた結果の弱体化である。
  • 余談だが、春麗の同キャラ戦すなわち女性と戦うカードが生まれた為、その場合は勝利台詞の「大したことない男だわ!」「全ての男たちは私にひざまずくのよ!」の「男」部分が「女」に差し替わるようになった。『ストII』シリーズ全体において、相手に応じて台詞の一部分が改変されるのは春麗のみ*3

ブランカ

  • ローリングアタックのカウンターダメージが無くなり、エレクトリックサンダーが出し易くなった。
  • ローリングアタックは一定距離進むと着地するようになり、距離は弱が短く強が長い。
    • 移動手段としても使える他、弱・中ローリング着地後すぐ噛みつく等用途が広がった。
      • 強ローリングをガードされると跳ね返り際に反撃されるキャラは概ね苦戦を強いられる。おかげで四天王にはかなり辛い。
  • 春麗と同じく中足払い等に喰らい判定が付き、立ち中パンチの出が遅くなって連続技がやや繋がりにくくなる等、一部の技は弱体化した。
    • 一方で前作で死に技だった近距離立ち強パンチの二回転パンチが削除され、近・遠距離問わず持ち上げパンチが出るようになり対空が強化された。
  • 本田と同じく投げられ間合いが狭くなり、ダルシムの投げ間合いの外から掴めるほどになった。
  • 簡単なレバー操作とボタン連打主体で対空も立ち強パンチ一つで事足りる程強く、初心者向けキャラとしての性格が強まり、使用人口が激増した。

ザンギエフ

  • ダブルラリアットが対空兵器として使え、左右に動く事も出来るようになった。
  • 特殊技のヘッドバットの気絶値が非常に高くなり、当てれば高確率で気絶させるようになった。
  • 屈弱Pや屈強K等の通常技の判定も強化され、箸にも棒にも掛からなかった地上戦が大分やり易くなった。
  • 反面スクリューパイルドライバーは着地時に離れるようになり、ハメ殺しがしにくくなった。また小技も威力が下がり連射も効きにくくなっている。
    • 但しスクリューの飛ぶ方向の調節は可能なので画面端に誘導することはできる。
  • 対戦ではガイル、サガットを相手に悲惨なまでの相性を叩き出し、相変わらず単独の最下位であった。

ガイル

  • サマーソルトキックの攻撃判定が縮小して着地に硬直時間ができ、近強K・屈中K・遠弱P等の通常技も弱体化した。もちろん真空投げも修正。
  • しかし、封印バグの消去、ソニックの硬直時間の短縮、ソニックを溜めたまま前進攻撃ができるニーバズーカ(通称:ラビットニー・ラビニ)の追加、リバーサル技が出し易くなった事により、総合的に見れば寧ろ強化されている。
  • 『ダッシュ』においてベガ、サガットと並ぶ3強に入っている。直接対決では唯一ベガと五分に戦えるが、サガットには不利が付く。
  • 中堅以下のキャラもほぼ互角以上、ザンギエフに対して前作以上に詰ませているが大幅有利な相手の数ではサガットに軍配が上がる。

ダルシム

  • 判定の強過ぎた通常技の喰らい判定が増大、防御力も低下し「リーチと対応力は一線を画すが、打たれ弱く操作も難しい」という上級者向けのキャラクターとして確立した。
  • 一方で、近距離の通常技がキャンセル可能、ドリルキック・ドリル頭突きもすぐ出せるようになり、攻めキャラとしても使えるようになった。ザンギエフ共々、しゃがみでサガットの上タイガーショットを避けられるようになったが、自分のヨガファイアーもリュウ・ケンの竜巻で避けられてしまうように…。

以下のキャラクターはこの作品から使用可能になった。

M・バイソン

  • つかみ技として「ヘッドボマー」ができるようになっている。中P版と強P版で間合いが異なり、中P版は平均的だが強P版は全キャラクターの投げ技の中で最も狭い。
  • ダッシュストレート、ダッシュアッパー、ターンパンチと必殺技が軒並み突進系だが技の特性や用途はいずれも異なる。
    • ダッシュストレートはしゃがんだ相手にもガードさせられる主力技、但し溜めはダッシュアッパーより長い。
    • ダッシュアッパーはしゃがんだ相手にはスカるものの溜め時間の異様な短さが気絶→気絶連続技を可能にする。アッパー→掴みという奇襲も可能。
    • ターンパンチは無敵等一切ないが溜め第一段階でも高威力、相討ちOK。ターンパンチの動作中もダッシュストレート(アッパー)は溜められる。
  • パンチ系しか無い技構成、ジャンプも遅い上に飛び込み技の判定も弱いので「固められると終わり」と言えた。特にベガ、ガイルとの相性は極悪そのもので、波動拳が強化されたリュウに鳥籠にされると悲惨。他の四天王が上位を独占する中、彼だけが下位にとどまっていた。
  • しかし飛び道具を持たないキャラにはベガを除いて概ね互角以上に戦える。強キャラのバルログとそこそこ戦えるのが魅力。
  • 豊富な連続技で気絶から気絶に持っていける火力を備えるため使いこなせればかなり面白いキャラクターであり、上級者には好まれた。

バルログ

  • 突進技「ローリングクリスタルフラッシュ」の回転時に攻撃判定が付き、スペインステージ以外では壁(画面端)を蹴って上空から「フライングバルセロナアタック&イズナドロップ」で急襲する様になった。
  • 機動力の高さに加え、投げ技の威力が異様に大きかったため、対戦では3強の直下位であった。
  • なお、その高速で画面を飛び回る戦法には「ヒョーバル」という俗称が定着した。
  • 通常技・必殺技を問わずヒット、もしくはガードしていると一定確率で爪が取れ、リーチと攻撃力が下がる。再回収も出来ない。
    • 爪を落とすと一部の通常技に全く歯が立たなくなるので、爪を落とさないように立ち回るのもバルログ戦の妙と言える。

サガット

  • 足払い・投げができるようになった。さらに飛び膝蹴り「タイガークラッシュ」が追加され、この技は対空技にも連続技にも使い分け可能。
  • タイガーショット、タイガーアッパーカットの強さも健在であり、「飛ばせて落とす」単純な戦い方で多くのキャラクターを詰ませており、対戦ではトップクラスに位置する。難点は機動力が低いことと見た目通り立ち状態のやられ判定が大きいことだが、戦い方次第で充分カバーできる。
    • アッパーカットは出始めのみ無敵だが昇龍拳のようにカス当たりがなく、どの部分で当ててもごっそり体力を奪うので対空でも割り込みでも早出し相討ちで余裕でお釣りがくる。更にリバーサルで出すとガード不能になるバグと思しき特性もある。強アッパーカットの得点がスクリューと同じ2000点なのはダテじゃない。
  • 3強同士の対戦ではガイルに有利でベガにはやや不利が付くが、中堅以下のキャラに大幅有利が多いのがサガットで見事な三すくみになっている。

ベガ

  • 『ダッシュ』における最強キャラ。
  • 「サイコクラッシャーアタック」はガードされても本来の75%の削りダメージを与える*4上、隙も小さい。しかも全身に攻撃判定がある上、腰から下は攻撃判定のみでやられ判定がないので、起き上がりに下半身を重ねる通称「サイコテイル」を使われると、相手は無敵技を出したところで攻撃が外れてしまい隙を晒すだけになる。
    • CPU専用であった前作では、体力が半分以下にならないと使用出来ない、発生が非常に遅く発動中は受けるダメージが2倍になるという弱点もあったがそれも解消されており、かなりの脅威に。
  • 「ダブルニーハメ」*5、「サイコ投げ」*6と称されるハメ技を簡単に出せる。
  • 更にダブルニープレスを使った連続技は気絶から気絶に持っていける死の連続攻撃。しかもタメ技の為難易度も低い。こんな性能のおかげで「ベガ禁止台」まで設置される有様であった。
  • そんな強すぎるベガだが唯一と言える泣き所が無敵必殺技がなく対空技の乏しさ。相手からすれば当然その泣き所を突く以外になく、一度チャンスを与えればハメ殺される覚悟が必要。
  • 余談だが、本作で初めて見られるようになったベガの負けグラの悲惨なまでのボコられっぷりは度々語り草になる。

ロケテスト版の性能について

  • 発売に先立つ1992年の2月、AOUショーにおいてロケテストが開催された。この時のバージョンではザンギエフやバイソンが強キャラであり、バルログはこの時点では最強キャラと言われた。
    • ザンギエフは強脚払いの判定が製品版とは比べ物にならないほど強く、スクリューを決めても間合いが離れないままであった。
    • バイソンはジャンプ攻撃の判定が製品版とは比べ物にならないほど強く、脚払い対空などまず余裕で潰せるほどだった。ターンパンチは溜め時間に関係なく『ストII』中ボス時と同じ攻撃力が出せ、ダッシュアッパーもしゃがんだ相手に当てる(ガードさせる)ことができた。
    • バルログは特殊技のバク転に全く隙が無く、投げられ判定も無かったので対空・対地両方で使える凶悪な逃げ技であった。また、三角飛びフライングバルセロナアタックについても、頂点で出しても着地まで爪が出っ放しで判定が強く、ガードされても反撃を受けなかった。
  • この後すぐに再調整されて製品版の強さに落ち着いた。おかげで、AOUショーのロケテストをやり込んだザンギ使いやバイソン使い達は、製品版で涙を流すこととなった。

評価点

対戦格闘ゲームの基本形を確立させた

  • プレイヤー同士で対戦した場合、勝った方は次に乱入されるまでは1Pモードでプレイを継続出来るようになる設定が出荷状態のデフォルトとなった*7
    • これは、以降の格闘ゲームにおけるスタンダードとなる方式であり、ゲームセンターの風景を決定づけたと言える。
  • 同キャラ対戦の実現
    • 初代では「同じキャラクターが二人いるのは不自然」という理由で導入されなかった同キャラ対戦だが、実際に大会で同じキャラをメインとするプレイヤー同士の対戦等で不都合が起きていたため、設定上の不自然さよりもゲーム性を重視することとなりこの作品で解禁された。それに伴いキャラクターの衣装の色が決定ボタンに応じて変化するようになった。
      • これにより、対人戦の自由度が飛躍的に高まった。以降、後続の格闘ゲームでも同キャラ対戦やカラー選択ができるのが普通となっていく。*8
      • ちなみにこの作品当時はもちろん初期の同キャラ対戦ができるゲームでは、色違いは「ニセ○○」と呼ばれた事や、それを勝利デモ中で自らネタにする作品もあった。
    • ステージ開始時にスタートボタンを押しっぱなしにすることで相手側の「INSERT COIN」表示部に「求む!対戦プレイ」と表示させることが可能。これは以降のシリーズにも受け継がれた。

四天王が新たに使用可能

  • このゲームにおいて一番の見所であり、前作で散々苦しめられたボスキャラクターをこちらが自在に使えるというのは稼働前から注目を集めた。

永久プレイの防止

  • 前作における、ダブルKOを繰り返してのスコア稼ぎ防止として、ファイナルラウンドが4ラウンド目に短縮された(前作では、10ラウンド目がファイナルラウンド)。
    • このラウンドでは「3ラウンド目までの勝敗状況に関係なく、両者がともに1勝している」という状況で始まり、一切のスコアが入らず、これでも勝負が付かなければ両者ゲームオーバーになるため、ダブルKOは全く意味を成さないものになった。
    • 新たな稼ぎ要素として、「必殺技でトドメを刺すと、スコアが本来の3倍になる」というフィーチャーが導入されている(もちろん、ファイナルラウンドでは適用されない)。

問題点

キャラクター間の格差

  • 初代『ストII』では「キャラ勝ち」の要素が強くなり過ぎていたため*9、『ダッシュ』で対人戦をメインにするにあたってバランスを再調整することもバージョンアップの意図であった。だが、「キャラ勝ち」の要素は相変わらずであり、強力な四天王が使用可能になったことで寧ろ拡大した。
    • 上位面ではベガがぶっちぎりの最強キャラとして君臨し、これにガイル、サガットを含めた3人が3強とされ、次点がバルログ。下位に目をやると最弱はまたしてもザンギエフ、次いでケン、バイソンと上位下位の顔ぶれを見ても初代『ストII』とほぼ同様になってしまったため、調整不足は否めなかった。
    • 特にザンギエフ対サガットの相性は1:9であり、「竹槍で要塞に攻め込むような組み合わせ」と例えられた*10。初代のザンギエフ対ダルシムと並び『ストII』シリーズで最も終わっている対戦の1つと呼べるだろう。

ハメ技

  • 今作のベガは只でさえ高性能なうえに、「ダブルニーハメ」、「サイコ投げ」というハメ技を持つ。
    • 手順も簡単、且つ仕掛けるのも容易く、対処不能なキャラクターが多いのでお子様プレイヤーの御用達になってしまい、ゲーメストでも問題にされ座談会が組まれる程であった。
    • 初代にも「当て投げ」、「スクリューハメ」等のハメ技は存在したが、当て投げのあるリュウとケン、ザンギエフの性能や対戦における地位を考えると、寧ろ必須ともいえ暗黙の了解であり、そもそもこの様な状況に持ち込むこと自体が困難であった。
    • 余談だが、「サイコ投げ」がリリース後問題になった際に開発者らがベガのサイコクラッシャーのデータを再度調べた所「ベガの攻撃終了後の隙が内部的に空中に居る判定になっていて、相手が投げで抵抗出来なかった」というのが実際の所であったらしい。

バグ

  • 前作であったバグはもちろん修正されているが、新しいバグも存在している。
    • 特に影響が大きいのは「ダルシムの吹っ飛びやられに食らい判定が存在している」というもので、空中コンボを叩き込む事が可能になっている。
      • 特にザンギエフVSダルシム戦では「一度掴み技で掴まれると、離れた瞬間にヘッドバットで気絶→再度掴み技」の繰り返しで敗北確定となってしまう。もっとも、ザンギエフがダルシムを掴める距離まで近付く事そのものが困難なのだが。
    • スコアアタックに関しても、本作では「タイムオーバー後に、延々相手にめくりジャンプ攻撃を当て続ける事ができる」バグが見つかってしまったため、集計打ち切りとなってしまった。

エンディング

  • 容量の都合なのか、四天王のエンディングは実質的にメッセージが違うだけの代物になっている。
    • グラフィックは完全に悪役であるベガに合わせたものであり、「醜い者を根絶やしにする」と公言していた冷酷な貴族のバルログはまだしも、粗暴な性格ながらも純粋にチャンピオンを目指していたり子供や黒人社会に夢を与えるという目標を持つ*11バイソン、孤高の格闘家であるサガットのメッセージとはかなり浮いている。
  • 初代のプレイアブルキャラクターのうちリュウとケンのエンディングは大きく描き直されたが、それ以外の6人は実質的に前作とほとんど変わらない*12。春麗の服もゲーム中の青いチャイナドレスではない。

総評

初代『II』をベースに対人対戦を意識して調整された作品。
バランス的にはそれほど良くなかったが、本作のヒットが格闘ゲームの対戦人気を決定付けることになった。


余談

  • ディップスイッチの組み合わせで超高速化
    • 次の『ターボ』が出る直前に、「ゲームスピードがアップするバージョンが出る」という噂が駆け巡り、『ダッシュ』にて、基板上のディップスイッチの組み合わせにより倍速モードで稼働させる店舗があった。
    • 主にタイトー直営店で数台の『ダッシュ』を抱えている店舗に限るが、社内通達でこのディップスイッチの設定が周り、『ターボ』までの繋ぎとされた。
    • そのプレイスピードは『ターボ』が逆に遅く感じる程の動きで見ている分には楽しいが、コマンド入力が追いつかない・いつのまにか終わっている等メチャクチャ。ある意味『ターボ』のウリを潰してしまっていた。
  • ダッシュ世界の漫画
    • 神崎正臣氏による漫画が連載された。ストIIの時よりもかなり短期連載だが、ダッシュの世界観を独自解釈で表現されている。
    • 「同キャラ対戦」「四天王が使える」等、ストIIの世界観にどう折りこんだかというと、なんとクローンという設定。それを探るリュウ達プレイヤー側チームとは別行動で四天王も同様に調査するという物語で、四天王側も悪人だとしてもいち武人・格闘家としての心はある「ちょっといい奴」な扱い。
    • オチは「俺と戦いたかった!楽しい!」という結構強引なものだったが、短期連載ながら見事に「ダッシュとはこういう世界」を表現していた*13
  • ゲーメストお約束の誤植ネタ
    • ゲーメストでは後述する伝説の誤植に先駆けて『ダッシュ』のキャラクター人気投票の時点で「ザンギエラ」と誤植されていた。
    • ちなみにザンギエラは好きなキャラビリ(12位)、嫌いなキャラ10位という結果。要するにただの空気キャラ。

コピー品(海賊版)について

  • 『ストII』の大ヒットに伴い、この『ダッシュ』を元にした不正コピーによる海賊版が多数市場に出回っていた。中でも『ストIIダッシュレインボー』*14と呼ばれる、試合中にキャラクターを切り替えられたり宙に浮いたり飛び道具がホーミングしたりとデタラメな調整が施されているバージョンが有名*15
    • あまりのハチャメチャさに面白がってあえて入荷するゲーセンも見られ、中にはレインボー大会を開くというゲーセンも数多く見られている。
  • ちなみに当時のカプコンスタッフは海賊版に怒り心頭……かと思いきや結構バカウケしながらプレイしていたらしい。
    • ただしスタッフの思惑はともかく、会社としては勿論ながら不正コピーを見過ごすことが出来ないため、海賊版対策としてカプコンは新作として後述の『ストリートファイターII' TURBO』を迅速に発表。まず海外、時間を置いて国内でも『ターボ』の基板に次々と切り替えが行われたため、『ダッシュ』は大ヒットしたゲームにしては異例の速さで消えていった。


ストリートファイターII'TURBO

【すとりーとふぁいたーつーだっしゅたーぼ】

ジャンル 対戦格闘アクション
対応機種 アーケード(CPシステム)
販売・開発元 カプコン
稼働開始日 1992年12月17日
判定 なし
ポイント 大ヒット格ゲーの焼き直し
ターボ化でスピードアップ
バランス調整により整備された対戦環境
ザンギュラのスーパーウリアッ上

概要(TURBO)

『ストリートファイターII'』の海賊版対策を目的にカプコンが発表したバージョンアップ版である。サブタイトルは「HYPER FIGHTING」。
個性豊かな12人のキャラクターから1人を選択し、同キャラを含めた12人全員を倒す事が目的。


変更点(TURBO)

システム(TURBO)

  • 基本的なシステムは『ストリートファイターII』の頁を参照。
  • タイトル名通り、ゲームスピードがそれまでの1.7倍前後になった。これは、出回っていた海賊版のキャラ足が異様に速かった事による。
    • コマンド系必殺技の入力時間は長めに設定されている。ゲームスピードが上がった事で、全般的に飛び込み技に反応し辛くなり、攻め有利になっている。
    • 速くなった分、一撃のダメージが低く抑えられ、プレイ時間に差が出ないよう調整されている。

グラフィック(TURBO)

  • 2Pカラーが変更された。また、本作はベガを除き唯一2Pカラーがデフォルトカラーとなっている*16

キャラクター(TURBO)

  • 各キャラに追加された新必殺技は下位に低迷していたキャラクターに対する救済的な意図(鳥籠脱出用が多い)の他にも、前述の海賊版にもあった「必殺技を空中で出せる」「飛び道具のないキャラが飛び道具を出す」「消える(ワープする)ダルシム*17」などファンサービス要素が強い。
  • 一方、前作で上位だったキャラクターは弱体化しかされなかった。特にバルログやベガの凋落ぶりは哀れ。
+ 12人のプレイヤーキャラクターたちの変更点

リュウ

  • 「空中竜巻旋風脚」が使えるようになり*18、ゲームの高速化も手伝って相手の意表を突く戦法にも長けた万能キャラとして対戦ではトップに躍り出た。ただ、これは『ダッシュ』での強キャラが軒並み弱体化させられたのも一因にある。

ケン

  • リュウと同じく「空中竜巻旋風脚」が使えるようになり、これが攻めキャラとして対戦相手を翻弄するバリエーションを増やすものであり、ゲームの高速化も手伝って上位キャラに躍進した。ターボにおいて使用人口が最も多かったキャラクターである。

エドモンド本田

  • 鳥籠に対する脱出法として、新たに上昇中無敵の「スーパー百貫落とし」が使えるようになった。さらに、尻・腹を使ったジャンプ攻撃の範囲も拡がった。

春麗

  • 「空中スピニングバードキック*19」が出せるようになった。空中で(つまり、レバーを上に入れてから)レバーを下に溜めるのは困難であるため、レバー下入力かつ空中にとどまれる鷹爪脚から繋ぎ・離脱技として使われることが多い。
  • 青いヨガファイヤーが二つ重なったような見た目の気弾を発射する「気功拳」が使えるようになった。飛び道具だが、コマンドがヨガフレイムと同様な事もあり、使い勝手が良くない。性能はケンの波動拳とほぼ同じ。

ブランカ

  • 地上からナナメ上方向に回転しながら飛び下降する「バーチカルローリング」が使えるようになった*20。上昇中と下降中のどちらでもヒットする、強力な対空兵器として使える。初心者でも扱いやすい強キャラクターとしての性格を益々深めている。

ザンギエフ

  • キックボタン3つ同時押しで足元が無敵になり、足払いやグランドタイガーショットを地上で避けられる「ハイスピードダブルラリアット」が使えるようになった。ゲームの高速化で飛び込み易くなったこともあり、かなり戦える様になっている。ただ、あくまで「前二作より少しは良くなった」という程度であり、上位にはほど遠い。

ガイル

  • 「『ダッシュ』で弱体化し損ねた」と判断された様で、『ターボ』ではソニックブーム、サマーソルトキックの硬直時間が長くなる等弱体化が目立った。対戦では一気に中下位にまで滑り落ち、押される場面が多くなってしまった。また初代のプレイアブルキャラクターで唯一、新必殺技の追加は無く、以降もこの傾向はあらゆる作品においても一貫して引き継がれている(スーパーコンボや超必殺技を除く)。

ダルシム

  • 回避・脱出用として新たに移動技「ヨガテレポート」が使用可能となった。4種類のコマンドによって移動先を指定することが可能。空中で攻撃を食らうバグももちろん直されている。

M・バイソン

  • トリカゴ対策としてレベル2以下のターンパンチの出し際が(頭部以外)無敵となり、飛び道具にカウンターを合わせる事が可能となった。ほかに、しゃがみ中キックが低位置に強い攻撃になり、足払いを迎撃し易くなっている。また、ヘッドボマーで与えるダメージが強化された。

バルログ

  • 全ての面で下方修正が施されることになった。『ダッシュ』で猛威を奮った投げ技の威力が激減、攻撃力も極端に低下、ローリングクリスタルフラッシュの溜め時間の増大、スライディングの移動距離の減少、立ち・しゃがみパンチのリーチが短くなる等、機動力も下がった結果、最下位を争うまでに転落してしまった。
  • 暴発を防ぐためか、バックスラッシュのコマンドが、レバー後方2回連続入力からパンチボタン3つ同時押しに変更されている。

サガット

  • グランドタイガーショットの硬直が長くなり、ゲームスピードの高速化で「飛ばせて落とす」戦法における引きつけがし辛くなった。しかしそれでもまだまだ強く、対戦では上位に位置する。リバーサルアッパーカットのガー不も健在。

ベガ

  • 『ダッシュ』の反動で過剰なまでの弱体化を喰らう羽目になった。顕著な違いはダブルニープレスと通常技で攻撃判定・繋がり易さ共に弱体化、「サイコ投げ」も不可能になるなど『ダッシュ』でのほとんどの戦法や連続技が使えなくなり(一応「サイコテイル」は可能)、最弱クラスに沈んでしまった。

評価点(TURBO)

対戦バランスの整備

  • キャラクターの調整はしっかり成されており、キャラ間の標準偏差は後の『スパIIX』と並んでシリーズで最も小さい部類である。
    • 特に、リュウ、ケンを筆頭に初代やダッシュで下位に低迷していたキャラクターがランクを上げる事により、「下剋上」の様相を呈した。
    • 『ダッシュ』で問題となった各種ハメ技も使用不能になった。
    • その分、プレイヤーの実力がより反映されるようになり、三作目にしてようやく有意義な対戦ができるようになった。

問題点(TURBO)

焼き直し

  • 基本的なシステムで見ても、ビジュアル的に見ても前作『ダッシュ』から何も変わっておらず、乱暴に言えば既存作をスピードアップさせた焼き直しに過ぎない本作を、あたかも新作のように発売したことに対し、「メーカーの安直に儲ける姿勢だ」と批判が巻き起こった。
    • 当時の『ゲーメスト』でも『ターボ』を名指しにして「カプコン内のコピー製品」という投稿が紹介された。他にも同種の意見や投稿は少なくない。
    • ただ、本作は「大量に出回っていた『ダッシュ』のコピー・改造基板」を駆逐するという目的で急遽作られたバージョンであるため、仕方ない所ではある。『ターボ』開発前にすでにカプコン内では次回作である『スーパー』の開発が始まっていたため、『ターボ』に資金も手間もかけるわけにはいかなかったのである。

賛否両論点(TURBO)

CPU戦の難易度の上昇

  • 今作のCPU戦は新技の実装やアルゴリズムの強化によって前作以上に難易度が上昇した。初代CPS時代の作品の中でも最高と呼んでも過言ではない。
  • ハイスピードダブルラリアットでしゃがみ攻撃を避けるザンギエフや、ヨガテレポートでステージを飛び回るダルシムなどはともかく、今作のCPU戦で一番の脅威となるのはエドモンド本田とされている。
    • 彼は前作までは比較的弱い相手だったが、今作ではスーパー百貫落としで飛び道具をかわしまくる、つかみ技で体力を大幅に奪ってくるといった行動を取るため、今作最強クラスのCPUと化してしまった。CPU戦のクリアを目指すのなら、最序盤に本田戦を引かないと非常にきつい展開になる。ストリートファイターシリーズでは最初に誰と戦うか決められないだけさらに辛みが増している。

総評(TURBO)

ゲームスピードの高速化に加え、『ダッシュ』からゲームバランスが大きく向上している。
それなりにヒットはしたものの、焼き直し感の強さから前作ほどの評価は得られなかった。


余談(TURBO)

  • 上述の通り『ターボ』開発当時は『スーパー』の開発が始まっていたため、一部『スーパー』のフィーチャーや数値が混ざっているとのこと。

伝説の誤植

  • ゲーム雑誌『ゲーメスト』の紹介記事において「ザンギュラはキックボタン3つ同時押しで足に判定のない、速めの回転のスーパーウリアッ上が出せる。」という伝説的な誤植が存在する。
    • 本来は「ザンギエフは(中略)スーパーラリアットが出せる。」と表記されるはずだった。なお、これはロケテスト版におけるキックボタン同時押しの技名であり*21、製品版では技名が「ハイスピードダブルラリアット」に変更されている。
      • あまりにも強烈過ぎたのか、この誤植自体が直後の記事でネタにされるほど。
    • 当時の『ゲーメスト』はこの他にも数多く伝説級の迷誤植を残しているが、その主な原因として「当時の雑誌原稿はまだ手書きが主流だったにも拘らず、編集スタッフが悪筆揃いであった」事と「締切直前の入稿が多く、誤植を直す時間が取れなかった」事が挙げられている。他にも「インド人を右に」「確かてみろ!」等、面白い誤植が非常に多い。
    • CAPCOM FIGHTING Jamのザンギエフのブリスされた姿が「ザンギュラちゃん」と名付けられた。元ネタは言わずもがな。
    • MARVEL SUPER HEROES VS. STREET FIGHTERではメカザンギエフに「シベリアンブリザード」という技があるが、ダブルラリアットで真上に上昇してから投げ技をかけるというものであり、ある意味これが本当の「ウリアッ上」である。そこまで意図していたかは不明。
    • 後に月刊ビッグガンガン連載のゲームを題材とした漫画『ハイスコアガール』でもネタにされており、2016年放送の子供向けアニメ『ヘボット!』でもパロディネタが披露されていた。前者はともかく後者は完全に子供置いてけぼり


家庭用への移植

ストリートファイターII'

ジャンル 対戦格闘アクション
対応機種 PCエンジン
X68000
メディア 【PCE】20MbitHuカード
【X68k】5"2HDフロッピー
販売元 【PCE】NECホームエレクトロニクス
【X68k】カプコン
開発元 【PCE】カプコン
発売日 【PCE】1993年6月12日
定価 【PCE】9,800円
レーティング 【VC】(PCE)CERO:B(12歳以上対象)
配信 バーチャルコンソール
【Wii】(PCE)2009年11月10日/600Wiiポイント(税5%込)
※2019年1月31日配信終了
判定 なし

  • PCE版
    • PCE(Huカード)で純粋に『ストリートファイターII'』の単体移植が発売。SFC版の『ストII』をベースにしており、 移植度自体は非常に高い。 CD媒体ではなく、SFC版の16MBを上回る20MBの大容量ROMカード採用で読み込み時間も無く、ゲーム内容だけ見れば全体として8ビット機とは思えないほどのかなりの良移植の部類。
    • ボイスはWiiのバーチャルコンソール版ではMD版のようにしゃがれた声となってしまっているが、実機やエミュレーター上では目立ってしゃがれた声にはなっていない。Huカード媒体のソフトのためBGMはPCE本体の波形メモリ音源を使っており、PCMによるサンプリング音源のSFC版やFM音源のMD版と比べ、8bit感漂う音色となっている。
      • 音程はしっかりACと同じであり、原作再現の力は16bitの他機種にも負けていない。
      • SFC版ターボ・MD版は仕様の都合上、KOするとYOUWIN(LOSE)のボイスとBGMが重なるのを避けるために、BGMをAC版より早く止めてしまう。それはAC版に慣れたプレイヤーに違和感を感じさせるものであり例えるならプロレスで劇的な3カウント勝利なのに観客が全員静かにしてるような感じと言えば伝わるだろうか。PCE版はAC同様のタイミングで調整されている。
    • 本体の性能の関係で背景の多重スクロールが省略されている(そのため、ダルシムステージではスクロールすると背景手前側にいる象は床の上を滑っているような不自然な見た目になってしまっている)が、PCEのハード特性上比較的色鮮やかなグラフィックとなっている。
      • 体力ゲージは小さくされたSFC版MD版と違い、AC版に近い太くて大きい見た目に再現されている。
    • PCE付属のコントローラーにはボタンが4つ(SELECT、RUN、I、II)しかない。弱・中・強攻撃はそれぞれRUN、I、IIボタンに割り当てられており、パンチとキックをSELECTボタンで切り替えなければならなかった。まともにプレイするためには「アベニューパッド6」や「アーケードパッド6」といった別売の6ボタンコントローラーを使用する必要があった。
      • 6ボタンのコントローラが開発、発売されたきっかけは本作による。
    • だが、当時のアーケードでは既に半年前からダッシュターボが稼働していた上に、それを移植した後述のSFC版が本作の翌月に発売されてしまったため、ターボモードが遊べず今更感の漂う本作は過剰出荷も相まってワゴンゲーと化してしまった。
      • そしてPCE系ハードで『スーパー』が移植されることもなく、本作が唯一のPCEで遊べる『ストII』となってしまった。
    • ただし後述のSFC版やMD版のダッシュモードがターボ準拠でダッシュ風にしているだけなのに対し、こちらはダッシュをそのまま移植しているため、「ダッシュそのものの移植」として比較するならばPCE版の方が再現度が高い。
      • とはいえ「ドラム缶壊し」のボーナスステージは容量の都合上カットされてボーナスステージは2つだけなので、そういう点では代替ステージの「レンガ壊し」があるSFC版とMD版には及ばないのも事実である。
    • ゲームオーバー画面やエンドロールでは、SELECT+RUNのPCE標準リセットを用い手元で即終了してニューゲームを始められるため快適。
    • 本シリーズの源流である『ストリートファイター』唯一の移植作『ファイティングストリート』がPCエンジンでは初となるCD-ROMソフトとして発売され、その末裔がHuカードで発売されるという面白い現象が起こっている。
      • CD-ROMで移植すればより豊かな表現は可能であっただろうが、ロード時間が発生しないためテンポ良く遊べる利点があり、低年齢層向けとしてはむしろこちらの方が好都合であったともいえる。
      • Huカードでの供給という事もあり、携帯機であるPCエンジンGTでも一応のプレイが可能という利点も存在する。
  • X68k版
    • 1993年に発売。移植度は高い。他機種版で当時カットされていた、白人が黒人を殴りつけるAC版のタイトルデモもきっちりある。
    • 画面解像度の変更が可能で、24kHz表示が最もAC版の見た目に近かったが水平方向の表示範囲が狭く*22、また廉価版ディスプレイでは表示出来ないモードだった。最も解像度の高い31kHz表示だと当時の他の家庭用移植と同様の、横に潰れたような見た目になる。
      • 15kHz、31kHz共に384×256、512×256ドットのモードを選択でき、31kHzの512×256ドットモードがもっともアーケードに画面比に近くなる。
    • フロッピーディスク媒体のため、データ読み込み時間は長くアクセス回数も多い。エンドロールもAC版に近い再現をしているのだが、この所為で対戦場面が変わる毎に長い読み込みが入る。そのためHDDインストールが強く推奨されている*23
    • X68kのジョイスティックポートはアタリ仕様コネクタで、コントローラーは2ボタンが標準だったため、SFC・MD用のCPSファイター(カプコン純正6ボタンジョイスティック)を使用するための変換アダプタが付属。
      • ただしSFC用の方はCPSファイター付属の専用コネクタでの接続のため、任天堂純正コントローラーなど他のSFC用ジョイパッドは繋げられない。
      • その反面、MD用のコネクタはそのまま*24だったため、MD2付属の標準6ボタンパッドやサードパーティ製のMD用コントローラーが接続可能で、このアダプタ以外に移植版チェルノブ同梱の変換アダプタ*25での代用も出来た。
    • BGMはMIDI音源*26にも対応。またMPU*27判別でX68030以降の機種では複数PCM音の同時再生に対応したサウンドドライバが組み込まれ*28、BGMのドラム音にキャラの声が重なってもかぶることがなく、AC版に近似した状態で再生される。
  • CPSチェンジャー版
    • 1995年に発売。CPSチェンジャーとはカプコンがアーケード基板「CPシステム(CPS-1)」を一般家庭向けゲームとしてアレンジした独自の家庭用ハードであり、専用カートリッジを入れ替えてTVでプレイできる、言わばネオジオのカプコン版。通信販売限定で発売されたレアな製品である。
    • 当然CPシステムをほぼそのまま移植しているため、移植度は完璧。ただし高額かつ通信販売のみのためかなり希少となっていた。後に『TURBO』も同ハードで発売された。
    • なお、同ハードは当初24タイトル発売予定とされていたが、最終的に全11タイトルのみで早々に販売終了してしまい、格闘ゲームに至ってはこの『II'』と『TURBO』、そしてCPS-2からのダウングレード移植である『ストリートファイターZERO』の3本のみである。
  • マスターシステム版
    • 1997年に発売。ブラジルのゲーム会社TecToyからの正規ライセンス移植*29。当然国内未発売。
    • かなりのロースペック機での移植という事もあり、キャラクターはリュウ、ケン、春麗、ガイル、ブランカ、バイソン、サガット、ベガの8名のみの登場。背景も船が無かったり城が無かったりとオブジェクトがかなり削られている。
      • グラフィックは『スーパーストリートファイターII』準拠となっている。

ストリートファイターII TURBO

ジャンル 対戦格闘アクション
対応機種 スーパーファミコン
メディア 20MbitROMカートリッジ
販売・開発元 カプコン
発売日 1993年7月11日
定価 9,980円
レーティング 【VC】CERO:B(12歳以上対象)
配信 バーチャルコンソール
【Wii】2007年8月10日/800Wiiポイント(税5%込)
※2019年1月31日配信終了
【WiiU】2014年6月25日/823円(税8%込)
【New3DS】2016年7月20日/823円(税8%込)
書換 ニンテンドウパワー
1997年9月30日/1,000円/F×5・B×0
判定 良作

  • SFC版は『ストリートファイターII TURBO(’ダッシュはつかない)』が発売。
    商品名こそ『ターボ』であるが、中身は『ダッシュ』と『ターボ』をセットでカップリング移植したものであり、『ダッシュ』仕様のモード(ノーマルモード)と『ターボ』仕様のターボモードのどちらも遊べる。
    • ノーマルモードは、キャラクターカラーや使える必殺技が『ダッシュ』仕様のものになっており、一部の必殺技の出し方も『ターボ』とは異なっている。
    • ターボモードでは、ターボ速度(ゲームスピード)を変えることが可能だが、ある場面で隠しコマンドを入力すると通常設定で最高☆4個(デフォルト設定は3個)から最高☆10個まで変えられるという要素がある。☆10個は普通にゲームを遊ぶのは困難なほど速く、さらに連打系の必殺技が出しにくくなる。
      ちなみに同じ隠しコマンドを違う場面で入力すると、プレイヤー側のみ一切必殺技を使えなくなる制限プレイも可能。
  • SFCの前作と比べると、SEはAC版に忠実になったものの、BGMを含めた音質はやや堅いものとなった。また、ゲームスタート時にごくわずかにロードが発生するようになった。
  • AC版で、攻撃力が異常に低くなっていたバイソンの近距離立ち強パンチが修正されている。また、AC版のブランカステージの空は若干赤みがかっていたが、本作では初代と同じ色になっている(これらは後述のMD版『'PLUS』も同様)。
  • CPUの挙動は基本的にAC版と同様だが、一部CPUの挙動が修正されている。
    • 挙動が修正されたキャラはバルログとサガット。この2名は1ラウンド開始時に特定の行動を必ず行うため、AC版では1ラウンド目に確実にパーフェクトを取れるパターンを組む事が出来たが、SFC版ではそれが出来なくなった。
  • ザンギエフの3ボタン同時押し技は前作同様に2ボタン同時押しでも出せるが、他の同時押し技(ヨガテレポートとバックスラッシュ*30)は2ボタンでは出せない。不評だったためか、SFC版『スーパー』では全ての同時押し技が2ボタンで出せるようになった。
  • 前作のボーナスステージでは、AC版のタル破壊とドラム缶破壊の2種類がカットされ、レンガ崩しと車破壊の2種類に変更されていたが、続編である本作でタル破壊が実装された。更にボーナスステージの順番も、車破壊→レンガ崩し→タル破壊となり、AC版に近い順番に変更された。
  • 前作における各キャラクターのエンディングは、内容こそAC版と同様だったが、SFCへの移植に伴いグラフィックが変更されていた。だが、今作のエンディングは、グラフィックもAC版のものが再現されている。このため、任天堂ハードとしては初めて、AC版に忠実なエンディングを見られるようになった。
  • SFC版の『ダッシュ』は発売されていないため、露骨な焼き直しという批判もほとんどなく、純粋なバージョンアップと好意的に受け止められた。
  • 初代同様SFCという当時の流行トップクラスのハードであったことで小中学生を中心に絶大な人気を集め、両国国技館で2回目の大会が開催。
    初代のチャンピオンがシード出場の1回戦で呆気なく敗退する波乱の幕開けとなり、最終的にはサガット使いがリュウ使いを完璧に抑えて優勝した。
  • スーパーファミコンのシリーズ作品としては、他作品が下位互換なこともあってか、ニンテンドウパワー*31のローンチタイトルとして再発売されたのは本作のみである。
  • 2022年『ストリートファイター』シリーズ35周年を記念して、『'PLUS』とカップリングされた2枚組サウンドトラックが発売された。印象的なポーズ時のジングルも初めてサントラ化されている。

ストリートファイターII'PLUS

ジャンル 対戦格闘アクション
対応機種 メガドライブ
メディア 24MbitROMカートリッジ
発売・開発元 カプコン
発売日 1993年9月28日
定価 9,800円
レーティング 【VC】CERO:B(12歳以上対象)
配信 バーチャルコンソール
【Wii】2008年7月29日/600Wiiポイント(税5%込)
※2019年1月31日配信終了
判定 良作

  • こちらもSFC版同様に『ダッシュ』と『ターボ』をセット移植したものだが、パッケージイラストは『ダッシュプラス』というタイトルに合わせてアーケード版『ダッシュ』のものを使っている。
    ゲーム中も「ターボ」という単語は一切使わず、『ダッシュ』仕様のモードは「ダッシュモード」、『ターボ』仕様のモードは「エキサイトモード」となっている。
    • つまり実質的にはSFC版と同等であるのだが、タイトルや各種モードの名称を変える事で、あくまで「SFC版とMD版は別タイトルの作品」という扱いになっている。
      • このようなややこしい事になったのは、『ターボ』という商品名が、先行リリースされたSFC版独占になり、使用できなくなってしまったためらしい。当時の雑誌記事でも『ターボ』の移植という事は伏せられ、あくまで「エキサイトモードという新モードが追加された」という体裁での紹介になっていた。業界の力関係が垣間見えるというモノだろうか。
    • SFC版では隠し要素だった☆の数が、MD版のエキサイトモードでは最初から☆10個まで選択できるほか、隠しコマンドでダッシュモードでも速度変更が可能になる。
    • オリジナルモードとして複数のキャラでチームを作って対戦する「グループバトル」が追加されている。
      • 最大6vs6で対戦可能で、選択した順に対戦していく「マッチプレイ」と勝ち抜き制で相手側のキャラを全滅させた方が勝ちとなる一言で言えば『KOF』のような「エキシビション」が用意されている。なお、エキシビションのみチーム人数を個別に設定可能なので、ハンデをつけることが可能。
      • 1Pと2Pが交互にキャラを選択し、同キャラ対戦が不可能なため早い者勝ちになっており事前に使うキャラを打ち合わせておくのが推奨される。
  • 難点としては文字のフォントが粗い事と、ボイスがしゃがれて聞こえる等音源が悪い事か。また、一度に使用可能な色数制限の関係からかヒット・ガードエフェクトの色が他機種版と異なっている。
  • 完成までに何度か試作版も作られていたらしく、当初はスコア表示部に黒帯がついていたりしたが、ロム容量を増やす事で対処するなどしていた。
    • カプコンの外注(一説によると水口エンジニアリング)にて「Street Fighter II' Turbo」名義での開発も進められており、データが流出したのか動画等でその内容が確認できる。
      • 開発途中段階の流出品のためか、タイトルロゴが「STII' Turbo」と略されていたり、グラフィックがややチープといった問題はあるものの、BGMの音程がACそのままであったり、当時のコンシューマ移植では数少ないピンチ時のBGMが収録されている、ゲームそのものも普通に遊べるなど、むしろ製品版よりも評価できる部分が多かった。ややドラムの強調が目立ったが。
  • 1993年1月にメガドライブ用6ボタンコントローラー『ファイティングパッド6B』が発売し、本作が対応第一弾ソフトとなった。おそらく本作を想定して販売したコントローラーだと思われる。仮に従来の3ボタン式パッドで今作を含めたスト2を遊ぶと「3ボタンがパンチかキックのどちらかになり、STARTボタンを押すと順番に切り替わる」というかなり無理のある入力を強いられる。
  • 2005年4月2日には、『大魔界村』とともにTV接続型ミニゲーム機『メガドライブ プレイTV3』の内蔵ソフトとして収録された。
  • 2019年9月19日発売の『メガドライブミニ』にも収録されている。
    • このメガドライブミニ、日本版は6ボタンパッドを再現したものを同梱しているが、欧米版は本作が入っているのに3ボタンパッドの同等品となっており当時の外国人ファンを落胆させた。*32
  • 2023年4月19日には『セガ メガドライブ for Nintendo Switch Online』収録ソフトの一つとして配信開始。
  • 2022年『ストリートファイター』シリーズ35周年を記念して、『TURBO』とカップリングされた2枚組サウンドトラックが発売された。

その他

  • 1998年12月3日にPS・SSでは『II』『ダッシュ』『ターボ』をまとめて収録した『カプコンジェネレーション・第5集~格闘家たち~』が発売されている。
    • 移植度はほぼ完璧で、こちらはある条件を満たすと『ハイパーストリートファイターII』に先駆けて『II』『ダッシュ』『ターボ』の使用キャラクターで対戦が可能となる「SUPER VS. MODE」が搭載されている他、設定資料集やアレンジBGMなども収録されておりファンアイテムとしての価値が高い。
    • 収録されているアレンジBGMは、「毎作新規のアレンジBGMを収録」というシリーズの慣例から外れてFM TOWNS版『スーパー』及び3DO版『X』と過去のCPS2作品の移植版の物から流用という形になったが、これにより偶発的にではあるが『CPS2基準のBGMでCPシステム作品を遊べる』という、後のPS2版『ハイパー』とは真逆の現象が起こる事になった。
      • ちなみにアレンジBGMのうち、各種エンディング及びスタッフロールの物は未収録だが、その理由は「流用元の作品は内容が内容なので『ダッシュ』『ターボ』の四天王エンディングが未収録だった為」「スタッフロールの曲調が異なっていた」という可能性があるのだが、それならシリーズの慣例に従って新規で四天王EDをアレンジするべきだった筈である。
    • また、設定資料集の中には収録タイトル3作の物に加えてCPS2作品の物も含まれているので、アレンジBGMの存在も相まって、CPS2作品の方に興味のあるプレイヤーに対しても注目すべき移植と言えなくもない。
    • なお、カプジェネ版は後にPS2/PSP『カプコン クラシックス コレクション』にも再録されている。カプジェネ側の隠し要素が全て解禁済みの状態+他タイトルとのカップリングという事実上のアッパー移植となっている。
  • 2003年にPS2・2004年にACで『ハイパーストリートファイターII』が発売されている。
    • こちらは『スーパーストリートファイターIIX』をベースに過去の『II』シリーズの性能をまとめたもので、『II』『ダッシュ』『ターボ』の性能の使用キャラクターでも対戦が可能。
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最終更新:2023年12月31日 13:44

*1 特に初代サガットステージは、筐体性能を限界近く利用してグラフィックを表現しており、容量が最大となるキャラクターの組み合わせ(ザンギエフ対サガット)でぎりぎりゲームが動くほどであった。最も大きいグラフィックを持つサガット同士での対戦を可能にした事で容量の限界を超えてしまうため、ヤシの木が削除されたとの事。

*2 相手を画面端に追いやり、飛び道具連打で相手の行動を制限すること。なおCPUもやたら使ってくる。

*3 ベガは『スパII』で総替えされた。

*4 サイコクラッシャーに限らず、『ターボ』の削りダメージは本来のダメージの25%と設定されており、サイコクラッシャーは3回削るため。ちなみに先に発売された海外版では削り回数が5回となっておりさらに凶悪だった。

*5 ダブルニー屈中P立中Kダブルニー…で、延々と相手をガード状態で固めたまま削り殺すテクニック。脱出は極めて困難であり、キャラクターによっては完全にハマる。

*6 サイコクラッシャーアタックをガードさせ、着地と同時に即投げてしまうというテクニック。理論上はハメ技ではないのだが、投げ時にベガ側はボタン連打で良いのに対し、相手側はベガの着地前にボタンを押してしまうと通常技が出てしまい攻撃モーション中に投げられてしまう(『ストII』シリーズの投げ技は全て1フレーム発動な為、投げが成立する間合いなら無敵技以外には一方的に勝てる)。当然、ボタンを押すのが遅ければ普通に投げられてしまう。

*7 『ストII』時はいわゆる乱入が不可能な代わりに1クレジットでプレイヤー同士の対戦ができ、勝っても負けてもゲームオーバーになる設定がデフォルト。設定を変更すればII'と同様にできるし、II'でも乱入無効設定は可能

*8 厳密には『II'』よりも早く1989年に発売されたタイトーの『バイオレンスファイト』にて、既に同キャラ対戦とキャラクターカラーの概念は導入されていた。

*9 ダルシム、ガイルが圧倒的に強く春麗が何とか対抗できる図式、最弱はザンギエフで次いでリュウとケン。

*10 この組み合わせは基本的に、『スーパー』まではほぼ勝ち目がないと言われている。

*11 ストIIシリーズのエンディングやキャラクターソングの歌詞、ラジオドラマ等の外伝作品ではより深く掘り下げられていたが、IIシリーズ以後は全くと言っていいほど語られなくなった。

*12 エドモンド本田に至ってはエンディングのイラストが業務用のシリーズでは全く描き直されなかった。

*13 ただし掲載されたのはAC版『X』が稼働中、SFC版『スーパー』発売前後の頃であり、AC版『ダッシュ』から時期が離れていた。

*14 この通称は、タイトル画面の文字が本来の色と違い、カラフルなラインで塗られている事に由来している。

*15 なお、不正コピーを元にさらなる不正コピーを重ねたバージョンが流通している。そのため、一口に「レインボー」と言っても実は約30種類のバージョンがあったりする。仕様も細かいところで違っており、一部は日本でも「降龍」や「屠龍」という名前のものが出回った実例がある。

*16 そして後の『スパIIX』では最早、一体何がデフォルトカラーか分からない事に

*17 初代『ストII』には「ヨガキエール」というバグがあった。

*18 本作のみ空中で水平移動。スパII以降はジャンプ軌道に合わせて滑らかな放物線を描くように進み、使用位置による飛距離の変動も加味されるようになった

*19 「空中」と名が付いているが、リュウやケンの竜巻旋風脚と同様に、通常のスピニングバードキックも(低空ではあるものの)一応空中で出す技であるため、どちらかというと、高空スピニングバードキックといえるか。

*20 本作のみ「相手方向へ弧を描きながら上昇し、垂直落下する」という、エドモンド本田の「スーパー百貫落とし」に近い仕様になっている。

*21 この紹介記事当時は『ターボ』稼働前であり、取材に使用されたのはロケテスト版のため。

*22 有志作の改良パッチを使うと少しだけ表示範囲を広げられた

*23 HDDインストールした場合はアクセス待ちの時間がかなり低減される。

*24 アタリ仕様の一部配線違い

*25 元はユーザーの電子工作品が発祥

*26 GMレベル1規格に対応したMIDI音源モジュールなら鳴らすことが可能だが音源によって鳴る音に差異があるため、当時はGM規格の上位互換であるGSフォーマットを採用したローランドの音源モジュールである「SC-55系統」が推奨とされていた。

*27 CPUと同義

*28 通常は1音しか再生されないADPCMが4音同時再生になる

*29 ちなみにTectoyはセガと正式に契約を結び、セガ製CS機のブラジル国内版の現地生産/販売を請け負っている企業でもある。

*30 バックスラッシュについては、「ノーマル」モードでプレイした際には、AC版『ダッシュ』と同様に「相手と反対方向へ十字キーを2回連続で押す」というコマンドになっている。

*31 ローソンで1997年9月30日~2002年8月31日まで行われたゲームソフトの書換えサービス。空状態の専用メモリカセットを3,980円購入して別料金で書換て入れる必要がある。割高な上に端末の操作がわかりにくくスーパーファミコン自体が時代遅れ同然だったこともあって普及しなかった。しかもこういった既存タイトル専用タイトルに比べると書換え料が安かったが中古カセットを購入した方が安かったため尚の事利用されなかった。

*32 後発のメガドライブミニ2は欧米版も6ボタンパッドが付属している。