魔界戦記ディスガイア2

【まかいせんきでぃすがいあ つー】

ジャンル 史上最凶やりすぎシミュレーションRPG
対応機種 プレイステーション2
発売・開発元 日本一ソフトウェア
発売日 2006年2月23日
定価 初回限定版:10,290円
通常版:7,140円
廉価版 PlayStation2 the Best
2007年7月12日/2,940円
判定 良作
魔界戦記ディスガイアシリーズ

概要

やり込みシミュレーションRPGとして話題になった『魔界戦記ディスガイア』の続編。
前作をベースに多数の要素が追加された。シリーズお馴染みの「裏面」「修羅の国」の実装も本作が初。
主人公・ヒロインは新キャラで冒険の舞台も前作とは異なるが、『1』のキャラが多数ゲスト出演している。


ゲームシステム

前作と共通している部分は省略。

  • タワー攻撃
    • 今作から追加された攻撃手段のひとつ。2人以上の味方のみを持ち上げることで投げる以外の行動が可能になった。持ち上げているキャラ全員が攻撃出来るため、実質集中攻撃が可能。この攻撃の距離は4人までで2マス、5人以上で3マス先のキャラを攻撃出来る。
  • 投げキャッチ
    • こちらも今作から追加。味方の人型キャラに投げることでそのキャラにタワーを受け取らせることが出来る。
      • タワーを受け取ったキャラは持ち上げたときと同じで、行動していない場合は続けてそのキャラが投げることも出来る。味方のみを持ち上げているならタワー攻撃も可能。逆に行動が終了している場合は移動も出来なくなる。
  • 罪状・裁判
    • 「LV上げ過ぎの刑」「能力値上げ過ぎの刑」などを報告することで「罪状」というアイテムが届き、それをアイテム界に持っていくことで裁判を受けられる。刑の重さに応じて前科が増え、様々な恩恵が受けられる。
      • 経験値にボーナスが入ったり、店での買い物が安くなったりetc..。前科は300まで溜められるが、表示は99まで。
    • 正確には罪状というアイテムの中に裁判屋というイノセントが付いており、そのイノセントのLVと同値のフロアに進めば裁判を受けられる。 なお、裁判は誰が何人入っても発生する。
  • 裏面
    • 各ステージで特定の条件を満たすと解禁されるステージ。条件を満たした時点で強制的に移行する場合もある。
    • ステージ構成こそ同じだが、敵が強化されていたり、ジオエフェクトが凶悪なものに変化している。
    • 他、「ダーク太陽」というターン経過で発動するギミックがあり、ステージの難易度を高めている。
    • 一部は力押しが通用せず、特定職の技能が必須となる場合もある。
  • 修羅の国
    • アイテム界に出現する界賊*1を倒すと貰える「地図の切れ端」を全て集めると出現。
    • 敵が通常よりも強くなる裏モードで、同じLVでもステータスが倍以上になるという鬼畜仕様。裏面やアイテム界ではレベル千単位の敵が当たり前のように出現する。
    • その分得られる経験値も凄まじく、十分な戦力さえあれば効率的なレベル上げができる。ここでしか手に入らないアイテムも。
    • 他にも修羅アイテム界にはいろいろ特別仕様がある。
      • モンスターとジオシンボルが一体化。モンスターを倒せばジオエフェクトも消滅するという仕組み。
      • ランク39レジェンド*2の100Fには凄まじい強さを誇る「修羅アイテム神2」がいる。状態異常も効かない。
      • 界賊として、「超魔王バール」や「プリニーバール」が登場する。

評価点

  • やり込みRPGとして
    • 前作で話題になったやり込みは本作でさらに強化された。各種パラメータは4000万まで強化可能。
    • 裏面や修羅の国、後述する武器バランス、ゲームテンポの改善等もあり、前作以上にサクサクレベルアップができる。
    • 過去作のキャラクターが隠しボスとして登場する等、オマケ要素も豊富。いずれも高いパラメータを持ち、育成の指針となる。
    • 当時の日本一ソフトウェア作品全体に言えるがロード時間は皆無で、マップ切り替えの度に待たされることがなく、周回プレイも快適。
  • キャラクター
    • 熱血漢のアデル、ツンデレお姫様のロザリンド、アホな悪役アクターレと皆個性的。
      • 中でもアクターレは『2P』で(ロザリンドを差し置いて)専用シナリオが作られる、『4』で主要キャラに抜擢されるなど開発にも愛されている。
    • 『1』からエトナが主要キャラとして出演、ラハールとフロンも隠しキャラとして登場するなど前作ファンへのサービスも豊富。
    • 汎用キャラのデザインも好評。「ぽこん」というボイスが特徴的な女魔法使い*3、ネコ耳帽子のシーフ、眼鏡ショタキャラの男魔法使い*4などは本作が初登場である。
  • グラフィック
    • 前作から変わらずドット絵だが、気合の入った出来で手抜きは感じられない。特に動作はかなり凝っている。
    • ほとんどのキャラクターグラフィックが(汎用を含め)新規。前作キャラも顔グラフィックや立ち絵が新たに描き直されている。
    • 武器のグラフィックも描き直され、デザインがより個性的になった。シリーズお馴染みの魔剣良綱*5、ドリルエンペラーなどは本作が初出である。
      • 一部の武器はレアリティによって色が一部異なるものもある。
  • 修羅の国
    • 解禁条件は厳しいが、敵の超強化、高速レベル上げ、修羅の国限定アイテムといった要素は好評を得た。
    • 『1』以上のペースでステータスがぐんぐんと強化されていく様は見ていて爽快。
  • ゲームのテンポ改善
    • イベントスキップ機能、特殊技のエフェクト省略、ソフトリセットの「ギブアップ」などが実装された。前作に比べるとかなり快適に。
    • 移動速度高速化など一部の便利機能はこの段階ではまだ実装されていないが、『2P』では追加されている。
  • 武器バランス改善
    • 魔物用武器が打撃特化の牙と、魔法特化の石版の2つに分割された。
      • 前作では打撃系の武器しかなく、魔法が得意な魔物は活躍し辛かった。
    • 剣一強だった武器パラメータも見直され、武器間の性能差がある程度埋められた。
      • 拳は反撃回数が増える、銃は敵のSPDを減退させる、槍はDEFが上がる他後述の性質を持つ等、パラメータ以外にも調整が加えられた。
    • ただし調整ありきでも槍が若干不遇という問題も残している。とは言え前作に比べれば大分躍進している。
      • 特殊技発動時に自分を移動させる特性を持つ。パズル系のマップでは大活躍するが、戦闘面では使い辛さの方が目立つ。
      • 攻撃力が低い代わりに正面からの攻撃を自動防御する性質を持つ。ただやり込むと一撃必殺、先手必勝が基本になり敵にターンを回すこと自体が少なくなるため、ほぼ活かされない。
    • また斧の命中仕様なども指摘されやすい(後述)。
  • 職業バランス改善
    • 汎用含むキャラクターにそれぞれ独自の能力が追加された。例えば戦士(男)なら「HP一定値以下でクリティカルダメージアップ」、魔法使い(女)なら「消費SP軽減」など。
    • また武器パラメータが見直されたことによって、必ずしも剣キャラが最強とは言えなくなり、別の武器種を得意とするキャラにも見せ場が増えた。
    • 前作では魔人が最強格であらゆる職業の上位互換とも言える性能だったが、本作の魔人に該当するカオスソルジャーは能力が高い代わりに移動力、投げ距離が小さい、連携が発生しづらいというハンデを与えられた。独自の能力も残り1人にならないと発生しない。
    • 前作で不遇とされた魔法剣士は「属性攻撃のダメージアップ」の能力を与えられ、属性攻撃の専門家との立場を得た。
    • ただ賛否点に挙げるアーチャーの能力、問題点に挙げる魔物型キャラの不遇など、一部問題は残している。
  • イノセントの追加
    • アイテムのレアリティを調整する「レアリティ屋」、2つのイノセントから特定のイノセントを新しく産み出す「仲人屋」、イノセントを強化する「イノセント教師屋」、キャラクターの独自の能力とステータスを増加させる「○○大好き屋」*6が追加された。いずれもキャラクターの強化要素を引き立たせている。

賛否両論点

  • 罪状システム
    • 前作のEXP増加屋よりも手間がかかるとして、『1』や『3』以降の作品から入ったプレイヤーからよく批判される。
      • EXP増加屋は最大値の300を1つ入手すればそれで終わりだったが、前科は使い回しができないため全てのキャラで収集作業をしなければならない。
      • 「店での割引」というEXP増加屋にはない特典もあるが、終盤になると戦利品売却や消費アイテム購入程度でしか店を利用しなくなる*7ので、あまりお得という感じがしない。
    • 新規にとってはそこまで気にならないという指摘もある。効率的に前科を溜める方法も研究されている。
    • 批判の声の方が大きかったのか、以降の作品では廃止された。
  • 修羅の国の解禁条件
    • 地図の切れ端集めが不評。運の要素が強く、残り2~3枚になってからがとてつもなく長い。
      • 運が良ければ割とあっさり集まるが、そうでなければひたすらアイテム界を彷徨うことになる。
      • 『4』をプレイしたことがある人には、Pフロンガーのパーツ集めのような苦行だと言えば分かりやすいか。
    • やり込まないプレイヤーにとっては問題にならない点である。
  • 一部の裏技、バグ技
    • ゲームバランスを崩壊させるような裏技やバグ技がいくつか存在する。
    • 代表的なものが「Lv9999ネコマタ」と「前科上げによるお金稼ぎ」。どちらも『2P』では修正された。
      • 前者はレベルアップのジオエフェクトで敵のネコマタを意図してLv9999まで強化してから捕獲する裏技。
      • 後者は前科34犯以上になるとアイテムの買値が売値を超える、という設定ミスを利用した裏技。
    • 盗賊の「○○を盗む」による毒、睡眠といった状態異常が高確率で、ザコはおろかほとんどのボスや高LVの敵にも有効となっており、不正じみた稼ぎに利用できてしまう。
      • ガイドブックには成功率80%とあるが、バグかガイドブックのほうの誤植か、ほぼ100%効いてしまう。*8
      • 負けバトルで戦うボスからもアイテムを盗むことが可能。バランスブレイカーな装備を序盤で整えてしまえる。根気こそ必要ではあるが……。
  • 死んだキャラにギプスを装備させると何故かHP1で生き返る。これを利用することで蘇生代を節約できる裏技がある。
    • 本編ではあまり使う機会がないがアイテム界では重宝する。不思議な小部屋やイノセント部屋では死んだキャラでも装備変更ができるため、この裏技で自由に蘇生ができてしまう。
    • 本来は死亡時に装備中のギプスを犠牲にHP1で復活する効果。なおこのギプス付け替えによる蘇生は『3』以降も可能で、開発には仕様として認知された模様。
  • ただディスガイア自体バランスは二の次といった作風なので、そこまで問題視しないプレイヤーもいる。
    • またバランスが崩壊するのは本編のみで、修羅の国はしっかりと育成したキャラでないと進めない。修羅アイテム神2など状態異常が効かないボスもいる。
    • 稼ぎに関しても序盤こそ盗賊の裏技で優位に立てるが、終盤では単に強いキャラで敵を薙ぎ倒していくスタイルの方が効率は良くなる。
  • 投げる向きを選ぶとほぼ同時に投げると、本来直線にしか投げられないのを斜め方向に投げられる裏技がある。
  • 投げる距離を選ぶ際に一瞬だけ「侵入禁止」ジオエフェクト1マス分の判定が無視されることがあり、これを利用すると侵入禁止の向こうに投げられるバグ技がある。このバグ技を利用すると、一部のステージギミックをごり押し出来てしまう。
  • 一部の隠しキャラ
    • 修羅の国限定で仲間になるキャラが3体いるが、元の世界に連れて帰ることができないため育成難易度がかなり高い。
    • とは言えやり込んだ人間にとってはそこまで気にならないことも。
  • 強制周回プレイ
    • ゲームクリアすると強制的に二周目となる。固有キャラは離脱し、再び仲間にするためにはそこまで進め直さなくてはならない。
    • 一応2周目以降限定の職やイベントが存在するメリットはある。ただそのためだけに一からやり直すのは少々手間。
    • 他には1周につき1コ限定のアイテムを再び入手できる利点がある。ただし該当する品は少なく、また一部は周回を重ねても手に入らない仕様になっている。
      • 一応穴があり、周回で増やせないアイテムでも、売って即買い戻す方法を使うと次の周で手に入れることが可能。ただし裏技に該当する行為であり、気付かないプレイヤーも。
    • 移動力を大きく強化できる加速装置、最強格の防具であるアルカディア等が該当し、周回してでも集める価値はあるとされる。
      • ただ前者は移動用のキャラに付ける分の3コがあれば充分とされ、後者も上位互換の超合金ロボスーツがいくらでも増産できる。
    • 『3』以降はクリア後の世界が楽しめる後日談が実装され、周回は一部例外もあるが任意となった。
  • 斧の仕様
    • 攻撃力が最強、一定確率でDEF減退と強力な性能を誇るが、ランクの高い斧ほどHITが下がる厄介仕様を抱えている。
    • 命中率ダウン自体はRPGでは良くある調整であるが、ディスガイアの場合、アイテム界で強化するとさらにHITが下がっていく謎仕様がある。*9
    • 低LVで強力な斧を装備しようとするとHITが最低値ということもしばしば。
      • 解決のためには、アイテムパラメータを底上げする「HIT屋」などのイノセントを利用する必要がある。
      • あるいは側面、背後から攻撃すると命中に補正がかかる仕様があるため、これを利用して戦っていくことになる。
    • 前作も同じ仕様だったが、最強斧アポカリプスは素のHITが0だったため、特に問題にならなかった。本作の最強斧は素で-2100もされる。
    • このHIT低下は上述のDEF減退の特性に対する代償とも取れる。これを斧の個性と見るか、調整不足と見るか評価が分かれるだろう。
  • 弓装備アーチャーと銃の兼ね合い
    • アーチャーは「弓の射程アップ」の能力を持ち、やり込みによって更に射程を強化できるようになる。
    • しかしこの能力が銃の存在意義をやや脅かしている。弓は斜めにも自在に攻撃できるため、斜め攻撃できず射程も(アーチャーと比べた場合に限るが)弓より短い銃は立場が苦しい。
    • 弓と銃とでは依存パラメータが違い、またSPDを減退させる独自の利点があるため単純比較はできないが、プレイヤーによっては気になるところ。武器の技では発生せず、通常攻撃でしか起きないのが幸いか。
  • その他
    • 拳、槍の武器技が持つ予備動作の概念はそのまま。
    • アイテム界も前作と同じく、敵を無視して進むのが最適解となっている。
      • ただし、今作のアイテム界は宝箱がたまに出現するようになり*10、青色や緑色のものは味方が倒せば上位のレアリティのアイテムを必ず手に入れられるようになっている。

問題点

  • シナリオ
    • 前作のシナリオは主人公が「魔王」で舞台も「魔界」と斬新な内容であった。しかし本作の舞台は単なる「田舎にある村とその周辺」で宇宙規模の前作と比べると話のスケールが小さい。
    • また主人公も「打倒魔王を目指す青年*11」と、良く言えば王道だがRPGとしてはありがちな設定になってしまっている。
      • 王道ストーリーが悪い訳ではないが、前作の存在があるだけに何かと比較されがちで、前作ファンの間では賛否が分かれた。
    • 前作と比較せずに考えると、主人公アデルの扱いが悪い点が気になりやすい。
      • 彼はデビルバスターの肩書きを持っている熟練の戦士だが、何故か負けイベントを何度も強要されたり、過去作キャラの引き立て役にされたりする(※)。
      • 負けイベントについては一部、やり込みで強引に勝利することもできるが、その場合特殊エンディングになり強制的に二周目へ行ってしまう。負ける宿命からは逃げられない。
      • また彼には「唯一魔王の呪いを受けなかった人間」という設定があるが、肝心の魔王ゼノンとの対決シーンでその設定を活かして優位に立つような描写があまりない。
      • この設定は厳密にはアデルの出生の秘密に関わるもので彼の強さを示すものではないのだが、初見プレイヤーがそのような事情を分かるはずもなく、あの設定はどうなったと疑問視されやすい。
      • 性格そのものにそこまで嫌われる要素はない。「大事なのは血の繋がりじゃない、心の繋がり​だ」等感心されられる台詞もある。それだけにこの扱いの悪さは惜しい。
    • 対しエトナ、ロザリンドはかなり優遇されており、アデルの扱いの悪さを(悪い意味で)引き立てている。
      • エトナは悪魔の中でも上位の「魔神」であることや、魔王ゼノンが直接名前を挙げて警戒するなど何かと持ち上げられる。作中における出番も純粋に多く、専用のテーマソングまである。
      • ロザリンドは常に物語の中心になっておりヒロイン相応の扱い。またアデルがピンチになり、それをロザリンドが助ける展開が何度か繰り返される(立場が逆では…)。アデルは「ロザリンドのついで」と揶揄されることも。
    • 同様に前作キャラのラハールが終盤でゲスト出演するが、彼を引き立てるためにアデルが踏み台にされる(※)。
    • これらの反省かどうかは不明だが*12、『3』以降は舞台が『1』と同じ魔界になり、ストーリーのスケールも大きくなった。過去作キャラも本編には絡まないか、絡んでもある程度は自重するようになった。
+ ※引き立て役にされる例 ネタバレ注意
  • 序盤のエトナ戦
    • エトナは魔王ゼノンを追っており、その娘であるロザリンドを狙う。
    • アデルはロザリンドを守るためにエトナに立ち向かうが、エトナはLv1000で勝ち目がなく負けてしまう。
    • しかしロザリンドがゼノンの居場所を知らないことが分かったため、一行は見逃され、アデルは家で悔しさに身を震わせる。
  • いわゆる噛ませ犬扱いであり、序盤からデビルバスターの肩書きが崩れてしまう。
    二周目などやり込みでパラメータが高ければ勝つこともできるが、特殊エンディングになりシナリオが強制終了する。
  • 終盤のラハール戦
    • 終盤でラハールと戦うイベントがある。エトナと同じく場違いなステータスを持っているため大抵は負ける。
    • その圧倒的なステータスでアデル達はピンチになるが、ロザリンドが力を覚醒させてパワーアップする。ラハールともう一度戦うことに。
    • ロザリンドがラハール以上のステータスになるため、今度は一方的に打ち勝てる。
    • 敗北したラハールは元居た魔界に逃げ帰る。
  • アデルが踏み台にされているのと同時に、ラハールがロザリンドを持ち上げるための「噛ませ」にされているため、前作ファンにとっても面白くない内容である。
    こちらも無理やり勝つとラハールが逆上してヴェルダイムを消滅させてしまい、バッドエンド。
  • バッドエンド
    • 条件を満たすと発生するバッドエンドが残酷かつ救いのない内容で、プレイヤーによっては不快な思いをする。
    • バッドエンドそのものは前作にも、『3』以降の作品にもあるが本作ほど強烈なものではない。
    • 分岐条件が特殊で、普通にプレイする分にはまず見られないのが幸いか。
+ バッドエンドの詳細 ネタバレ注意
  • ロザリンドの中に眠る魔王の魂が暴走、アデル達が彼女を止めるために戦う。しかし魔王の魂がアデルの中に移ってしまう。
  • アデルは「私が分からないの」「やめて」という声を無視して、自分の仲間達を攻撃しだす。
  • そして動かなくなった仲間達を、むしゃむしゃと食べ始める(画面が真っ暗な状態で、台詞と音声のみ流れる。) 全年齢とは一体何だったのか…
  • 不具合
    • 設定ミスでアイテム界の魔物が石版(魔物用武器II)を装備していない。そのためランク39石版のレアおよびレジェンドが入手困難になっている。
      • 入手手段としては魔物用武器IIのランク39石版を唯一装備しているマージョリーがレアやレジェンドを装備するようになるまでロードを繰り返す、賢者のボーナスチェンジを根気よく使いクリアボーナスを狙う等
      • 前者は時期限定で取り返しが付かず、後者もボーナスチェンジ自体がアイテム界でしか行えず、かなり根気が必要であるためお手軽とは言い難い。
    • システムの一種として暗黒議会でアデルが議員になって、他キャラの議題に対し賛否付ける遊び方ができる。ただ「力ずくで解決」の選択肢がおかしくなることがある。
      • アデルが反対し否決となったとき、何故か表示され実行すると賛成派扱いに。
      • 逆にアデルが反対し可決となった場合、何故か「力ずくで解決」が実行できないことがある。
      • 伝説の議員「爆山先生」に吹き飛ばされた場合、アデルは戻って来るが未発言扱いになる。ガイドブックには無効と書いてあるのだが…
  • 倉庫
    • アイテムが一列にずらりと並ぶだけで、検索やカテゴリ分けといった機能がなく管理が面倒。
  • ダメージが1億を超えた場合10000万と表示される
    • ちなみに、前作ではダメージが1億を超えたという報告がない(おそらく不可能)ため、どう表示されるかは不明である。また、2Pや3以降では修正されている。
  • 魔物型キャラ
    • 改善されたとは言え、依然魔物型よりも人型のほうが優遇されている節はある。
    • 投げが使えない、WMがレベル依存で転生のたびに大きく弱体化するなど前作の弱点を引き継いでいる。

その他

  • おかしなアイテムの説明、デフォルトの名前がときどきギャグになっている等の要素は本作にも見られる。
    • ただし、前作は装備アイテムの名前の一部を使い回しているのがやたら目立っていた*13中、今作では使い回されている装備アイテムの名前が非常に少なく、前作と同じ名前の装備アイテムにもアイテムの説明が大きく変えられた。*14

総評

前作からシステム、グラフィック、やり込み要素がグレードアップした、ディスガイアのひとつの完成型とも言える作品である。
シナリオや罪状システムが酷評されることはあるが、それ以外の部分は概ね高評価である。
プレイ環境が良いうえに値段もかなり下がっているので、初めてディスガイアをプレイしてみたいという人におすすめである。


余談

  • 裏面、修羅の国は以降の作品で定番の要素となった。「ディスガイアは修羅の国からが本番」と言われることも。
  • 電撃コミックスから漫画版が発売されている。評判の悪かったストーリーが大きくアレンジされている他、アデルとロザリンドの恋愛要素が原作以上に強い。


魔界戦記ディスガイア2 PORTABLE

【まかいせんきでぃすがいあ つー ぽーたぶる】

ジャンル 史上最凶やりすぎシミュレーションRPG
対応機種 プレイステーション・ポータブル
発売・開発元 日本一ソフトウェア
発売日 2009年3月26日
定価 通常版:5,229円
限定版:7,329円
判定 良作

概要(2P)

  • 『魔界戦記ディスガイア2』のPSP移植作品。
  • 魔チェンジ(『3』のシステム)、アクターレ編、新しい隠しキャラなどの追加要素がある。

評価点(2P)

  • 上記にもあるが、バランスブレイカーだと指摘されていた裏技が修正された。
    • 魔物を捕獲するには、アデルのLVがその魔物より上でなければならない。そのためLV9999の魔物の捕獲が困難になった。
    • 前科をどれほど増やしても、買値と売値の逆転はない。
    • その他、「アイテム界の魔物が石版系の武器を装備してこない」など様々なバグが修正されている。
  • アクターレ編の追加
    • 本作の三枚目キャラである、アクターレを主人公としたモード。エンディング後にのみプレイできる。
      • とあるコマンドを入力すれば、一周目からアクターレ編をプレイすることも可能。
    • クリアすることによって後述の新ユニットや新要素が解禁される。
  • 新ユニットの追加
    • 汎用ユニットとして邪猫族、炎帝族、天使兵、量産型兵器が追加された。
    • PS2版で敵として登場していたキャラ(アサギ、マージョリーなど)も、条件を満たせば仲間にできるようになった。
  • DLCの追加
    • 別ゲームのキャラクターが敵として登場し、倒すと仲間になるイベントをDLできる。基本的に有料だが、一部無料でDLできるキャラも。
    • 限定アイテムなどの配信もある。こちらは全て無料。
  • 新要素「魔チェンジ」
    • 人間ユニットが味方の魔物ユニットを武器に変えて装備するシステム。本作品以前に発売された『魔界戦記ディスガイア3』が初出。
    • 元の魔物が強いほど強力な武器になるほか、魔チェンジ専用の技も使用可能になる。ただし魔チェンジできるのは1~3ターンと短い。
  • その他の追加・変更要素
    • 記録屋・音楽屋・ペイント屋といった施設が登場。アイテム界のBGMをお好みに変更したり、PS2版ではランクごとに固定だったカラーリングを別ランクのものに変えたりできる。
    • アイテム界に「レベルスフィア」が出現。持ち上げた状態でクリアするとアイテムレベルが+5される。
    • 99を超える累計前科の確認が可能になった、議題で敵のレベルを一気に上げ下げできるようになった、特殊技の並び替えが可能になった等、さまざまな改善が施されている。

問題点(2P)

  • アデルの扱いの悪さは変わっていない。
    • それどころか一部のダウンロードコンテンツのせいでネタキャラ化されてしまった。
  • アクターレ編で、セーブ/ロード時に表示される一部のイラストが人によっては不快感を覚える
    • ネタとして割り切れる人にとっては特に問題ないレベルではあるが、逆に人によってはプレイ(再開)のモチベーションを若干削がれるレベル

総評(2P)

『3』の要素を一部逆輸入し、更にゲームシステムを遊び易く改良した『2』の完成形。
既にPS2版を遊んだ人にも、これからの人にも広く勧められるやり込みRPGである。

その後の展開

  • 2017年1月31日にSteamにおいて『魔界戦記ディスガイア2 PC』が配信された。『2Portable』がベースになっている。
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最終更新:2024年02月08日 10:08

*1 ターン終了時に出現。通常の敵よりもはるかにステータスが高い、いわゆるお邪魔キャラ。無視することもできる。

*2 グレードでコモン、レア、レジェンドの3種類。同じアイテムでもグレードが高い方が強い。

*3 女魔法使い自体は『1』にも居るが、現在のデザインに落ち着いたのは本作から。

*4 こちらも『1』にも居るが、仮面を取ったデザインは本作から。

*5 前作では『スター・ウォーズ』のライトセーバーのような見た目だった。

*6 固有キャラクターはキャラクターの名前、汎用キャラクターは職業名、魔物キャラクターは○○族とそれぞれ異なる

*7 だいたいの場合、専用の稼ぎマップやアイテム界のボーナスや宝箱などで手に入る武器の方がはるかに強い

*8 防具による耐性次第では失敗することがある。また、一部キャラクターの能力によっては必ず失敗する

*9 斧のHIT低下に限らず、装備すると一部のステータスが低下するアイテムにはすべてこの仕様がある

*10 これとは別に一部界賊も宝箱と共に現れることがある

*11 ただしある秘密を抱えている。

*12 プロデューサー兼シナリオライターの新川氏も本作のシナリオについて「万人受けを意識しすぎてディスガイアらしさに欠ける内容になった(意訳)。」と遠回しな言い方ではあるが本作のシナリオの評価が低かった事を認めていると思われる発言をしている。

*13 「魔神の○○」や「魔王の○○」など

*14 オーブや秘宝は前作と変わっておらず、今作で追加された魔物用武器IIも「○○の石版」で名前が固定されているが