ヴァルキリーコンプレックス

【ヴぁるきりーこんぷれっくす】

ジャンル シミュレーションRPG

対応機種 Windows 2000/XP/Vista
発売元 CIRCUS
発売日 2009年5月29日
定価 初回限定版:9,800円
通常版:8,800円(税別)
レーティング アダルトゲーム
判定 クソゲー
ポイント 色々問題だが期待のシナリオが特に酷い
性交は完全作業
「エウシュリー監修」←マジっすか?


概要

CIRCUS10周年記念作品として発売された、『エターナルファンタジー』と同流の作品。
今回はいわゆる戦略系のシミュレーションゲームとして設計されており、良質なSLGを多く開発しているアダルトゲームブランド「エウシュリー」が監修したことで話題を呼んだ。
またCIRCUSでは珍しい豊富な性的シーンが特徴である。
しかし、新規作品に悪い意味で定評のあるCIRCUSにとって、本作の評価は案の定となってしまった。

システム

大きく分けて、『バトルパート』と『ADVパート』と分かれる。それぞれ出来ることが異なるため下記に記す。

ADVパート
  • 交神
    • 有り体に言えば性交シーンである。主人公と性交したヒロインは、スキルレベルに関わるポイントを取得することが出来、
      バトルパートにおいて様々な恩恵を得られる。つまり性交を重ねれば重ねるほど強くなるゲームである。
バトルパート
  • 献神
    • 主人公とタッグのようなアクション(かばう等)を行うことが可能になる。つまり性交すれば戦闘に有利な展開に運べる。
  • 交神ポイント
    • 戦闘中に交神したヒロインが得るゲージ。これが最大になると強力な下記の必殺技が使用出来る。
  • スペシャルスキル
    • ヒロイン固有で所持している能力。
  • デュアルスキル
    • 主人公と隣接している状態で使用出来る。スペシャルスキルより幾分強力。
  • AP
    • 攻撃や移動等で減るポイント。
  • HP、SP
    • それぞれ生命力とスキルポイント。HPが0になると行動不能になる。

評価点

  • CIRCUS作品というだけあってか、音楽(OP含む)の質はやはり高い。
  • キャラクタードットはそこそこ動き、スペシャルスキルやデュアルスキルの演出も格好いい。
  • 性的シーンが結構多いので、そちら方面での需要も(曲芸作品にしては)使えるかもしれない。

問題点

  • ヒーラーのレベリングが困難
    • バトルの経験値は分配ではなく、そのキャラが倒した数だけもらえるので、攻撃手段の乏しいヒーラー*1のレベル上げが非常に面倒。
      ターンを費やせば何とかなるのだが、時間がかかる上に後半は敵も強くなるので進めば進むほど上げづらくなる。
    • 最初の敵にしても、ダメージは雀の涙ほどしか与えられない(2~3程度)。倒せなければ敵に囲まれて、フルボッコされて死ぬ。
  • 交神について
    • 同じ性交シーンを幾度と無く使い回すため、延々と同じシーンばかりをスキップする羽目になり、もはや『作業用性交』である。
      一応シナリオが進めばプレイ内容も変わるのだが、変わるタイミングがわかりにくい上、頻度も少なめ。結局はシーンはスキップすることになるだろう。
      しかし、このゲームにはスキップ機能がない(下記参照)。
  • コンフィグの乏しさ
    • 元々独自の貧相なインターフェースで開発しているため、このゲームにもそのしわ寄せが来ている。
      上記の通りスキップ不可(Ctrlキーで代用可)、自動及びホイールでのページ送りも不可(上下いずれもバックログ閲覧になる)。
  • バランスが非常にピーキー
    • 少しでも装備や育成を怠れば、楽勝だった前回のステージとは打って変わって、続くステージで瞬殺されるほど。
      敵のステータスを確認する術もないため、戦略よりも火力でゴリ押しするのがセオリー。「エウシュリー監修」の文字が疑わしい。
  • シナリオ
    • 継ぎ接ぎな上、終盤はかなり駆け足なので何が起こっているのか理解するのが困難。シナリオにそこそこ定評があるメーカーとしては致命的な傷。
      また、結構序盤からハードな展開目白押しなのだが、全体的に日常ゲームのように雰囲気は明るい…と思いきや思い出したかのようにシリアスに移行するため悪い意味でメリハリが目立つ。
      ご都合展開も非常に多く、困難な場面に陥る→都合よく「〇〇がやってきて△△できるようになった」という流れが多すぎる。
      ちなみにメインヒロインは2周目で攻略可能だが、伏線回収を最後にしたり、1周目の設定を完全無視したりと、2周目に期待したプレイヤーの心を折りまくった。

総評

『エターナルファンタジー』がシナリオ◎システム×、とすれば本作はシナリオ×システム△、と良点難点を入れ替えた出来。
一応、SLGとしては遊べないわけではなく、難易度も(ピーキーな部分はあるが)事前準備を怠らなければサクサク進む。
しかし、やはり『エターナルファンタジー』及びCIRCUSの作品となればシナリオに期待したプレイヤーが多いのは自明の理であり、
それが落第点ともなれば低評価に繋がるのもやむなしである。もちろんシナリオに限ったことではないが。


余談

  • アニメ化、オンラインゲーム、D.C.とのコラボ企画等の計画があったようだが、惨憺たる出来によって頓挫、永久凍結となった。
    • 一応D.C.とのコラボは『ヴァイスシュヴァルツ』で風見学園付属の制服を着た今作のキャラがカード化されている。
  • 以降、ファンタジー色を薄めた『あるぴじ学園』が発売されたが、本作には及ばないもののやはり評価は芳しくない。

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最終更新:2019年04月12日 09:59

*1 『テイルズ オブ ファンタジア』のミントよりも貧弱、といえばどれほどのものかわかるだろうか。