Secret of Evermore

【しーくれっとおぶえばーもあ】

ジャンル アクションRPG
対応機種 Super Nintendo Entertainment System
メディア 24MbitROMカートリッジ
発売・開発元 スクウェアUSA
発売日 1995年10月1日
備考 日本未発売
プレイ人数 1人
セーブファイル 4個
判定 良作
ポイント システムが聖剣2
ただし世界観は大きく異なる
FFキャラも出演
異世界モノ


概要

  • これはスクウェアが欧米でSuperNES(海外版スーパーファミコン)にて発売したゲームである。日本では未発売。聖剣伝説3とは1日違いで発売されている。
  • 一言で言うならば、『聖剣伝説2(英題:Secret of Mana)』のシステムをベースに独自の要素を加えて、全く別の物語をゲーム化したもの。
  • 難易度は基本的に聖剣伝説2よりも高めとされる。

ストーリー

説明書の内容を要約すると、1965年のアメリカのPodunkという町で謎の実験が行われ行方不明者が出たものの次第に忘れ去られた事。その30年後の1995年、主人公の少年と愛犬がひょんな事から実験の建物に迷い込みEvermoreの世界へ巻き込まれるというものであり、聖剣伝説とは全く異なるストーリーが展開されていく。

+ 説明書原文と翻訳したもの

After years of research and many failed attempts.Professor Sidney Ruffleberg finally did it!
数年の研究と多くの失敗を経て、シドニー・ラッフルバーグ教授はついに目的を達成しました!

With one brilliant shot of elec- tricity.he successfully catapulted himself and his friends into a fantasy world of their own design.
彼は、一発の電気ショックを使って、自分自身と友人たちを、自分たちがデザインしたファンタジーの世界に飛ばすことに成功しました。

He called the world "Evermore" and watched over it from a futuristic city. floating high above the ancient lands.What the professor didn't know was that a sinister force has been working against him from the beginning.
彼はその世界を「エバーモア」と名付け、上空に高く浮かぶ未来的な都市から古代の大地を見守っていました。しかし、教授が知らなかったのは、邪悪な勢力が最初から彼に対して暗躍していたことでした。

This entity would quickly make the world of Professor Sid's dreams into a nightmare from which there would be no escape.
この存在は、シド教授の夢の世界を短時間で悪夢のようなものに変え、逃げる事も出来なくしてしまいました。

In the real world.the disappear- ance of the pro- fessor and his friends went largely unnoticed. Years after the spark that sealed the fate of the scientist and his friends, the man-sion was an aban-doned,deterio-rating heap─a mysterious struc-ture from the past And a mystery it would have remained if it weren't for,the adventuring instincts of a boy and his dog from Podunk.
現実世界では、教授と彼の友人たちの失踪はほとんど注目されませんでした。 科学者と彼の友人たちの運命を封印した火花から数年後、その館は放棄され、崩れていく姿を見せるようになりました──過去からの謎めいた建物でした。そして、ポダンクの少年と彼の犬の冒険心がなければ、そのまま謎のままであったでしょう。

Propelled into Evermore without as much as warning,they find a world that has gone from afantasy-born utopia to a dream turned upside-down.With his wits,weapons and will the boy finds adventure,and the dog sniffs out everything elese. Seek out the leaders of the lands of Evermore They alone can help you unravel the myster-ies of the land.
警告すらないままエバーモアに放り込まれた彼らは、ファンタジーのようなユートピアから、逆転した夢のような世界を見つけました。少年は知恵、武器、そして意志力を持って冒険をし、犬は他の全てのものを嗅ぎ分けます。
エバーモアの土地の指導者たちを探し出し、彼らだけがあなたがその地の謎を解くのを助けることができます。

Discover the secret of Evermore or you will never see Podunk again.
エバーモアの秘密を発見しなければ、あなたは二度とポダンクを見ることができなくなります。

(説明書より)

システム

ゲーム内容

  • 基本システムは聖剣2を用いたもので操作性やルールもおおよそ同じである。
  • モーションバトル
    • ゲージが100%から通常攻撃、熟練度が上がればチャージ攻撃も可能。
  • ダッシュ
    • 聖剣2から実装された仕様であり本作でも使えるが、序盤でJaguar Ringというアイテムを手に入れる必要がある。本作ではダッシュが必須となるギミックがあるためアクション要素もある。
  • パーティー構成
    • 万能戦士の主人公と、高火力高機動の愛犬のコンビの2人パーティーになる。セレクトで切り替えも可能。
  • リングシステム
    • メニュー、アイテム、武器の切り替えなどを行える。
  • Formula
    • これは聖剣2に登場した魔法に相当する、調合システムであり必須項目である。Formulaと言ってもF1マシンとは全く関係ない。
    • 使用する際の操作感覚も魔法と似ておりリングシステムから選択して、攻撃、回復、サポートなどを行い、使うほど聖剣2の魔法のようにレベルも上がって行く(最高でレベル9まで)
    • ここからが魔法とは異なる独自性の要素になる。
    • 消費するのはMPではなくingredient(材料)であり、それらを2種類合わせて使用する*1
      • 調合の種類に応じて使用する材料の組み合わせ及びその個数は決まっている。
      • 例えば、Flash はWaxを1個とOilを2つ消費して攻撃を放つ。高度なものほど材料を多く消費したり、高価、希少な材料を使うようになる。
      • 材料は各地で、数個単位で安価で売られているが、地域によって品揃えや相場が異なるので難儀する。主人公が世界を行き来出来るようになるのは終盤であり、それまでは材料の調達に難儀して使いたい調合を使えないという場合もある。
      • 当然だが敵達もFormulaを使用して来る。また、説明書には一応FormulaにはLightとDarkに分類されるが特に大きな意味はない。
    • 調合の種類と覚え方
      • 世界各地は色々なAlchemistsがおり会えば調合を無料で教えてもらえる。調合の中にはイベントにも関わって来る事もある。
      • 中には隠し扱いだったり期間限定だったりなどで取り逃すプレーヤーも多いが、主要な調合は順当に手に入るので安心。
    • 常備できるのは9種類まで
      • 各地のAlchemistsを訪れれば主人公が今まで覚えたformulaの入れ替えもしてもらえる。こちらも無料。
  • 主人公のHPが0になったらゲームオーバー。
    • その際に出るメッセージも聖剣2と同様にSadly. 主人公 and 相棒 never came back...と出る。
    • ただし序盤のプロローグは例外であり、最初の村に到達する前ならスタート地点に戻されるだけ、その後のラプター戦でFAILEDしてもシナリオは進行するようになっている。
  • セーブ
    • 聖剣2同様、基本的に宿屋で行える。更に宿屋以外でのセーブもある。ただしセーブ後に後戻り出来ない個所があるので、状況次第では詰む恐れがある。

Evermoreの世界

  • 時代設定は1995年。教授たちが行方不明になった1965年から特に目立った事もなく30年が経過していたが、主人公達によりストーリーが動き出す。

現実世界

  • Podunk(ポダンク)
    • アメリカの小さな町。主人公と相棒犬が住んでいるところでもある。ラッフルバーグ教授が30年前に失踪して以来、何も興味深いことが起こっていなかったが、主人公と相棒犬をきっかけに物語は大きく動き出す。
    • 尚、Podunkはオープニングとエンディングに登場するのみで町中を自由に動き回るという事は無い。
  • 主人公と相棒犬
主人公(Hero)
  • デフォルトネームは無く、最初に名前の入力が要る、勿論アルファベットなどで行う。
  • Podunk(ポダンク)というアメリカの小さな町の少年。映画好きで相棒犬とともにBIJOU映画館に通っており、いつも映画のような冒険を夢見ていたが、映画を見た帰りに冒険に巻き込まれる。
    • 映画が趣味なだけに状況を映画で例えることが多い。
  • 彼は知力を使い、新しいスキルを身につけて相棒犬とともにエバーモアからの脱出を目指す。
  • 剣、斧、槍さらにはバズーカまでをも使いこなし、Formula(調合。詳細は後述)も習得する万能戦士。
    • HPが0になったらゲームオーバー、ただし序盤のプロローグはこの限りではない。
相棒犬(The Dog)
  • 主人公に飼われている普通の雑種犬の愛犬。こちらもデフォルトネームは無く、名前の入力が必要(プロローグが終わるあたりで自己紹介という形で)。
  • 見かけよりも力強く頭も良く、主人公と離れ離れになってもトラブルを切り抜ける事も出来るほど。
    • Evermoreの世界では驚くべき特性で戦力になってくれる。作中でLやRボタンでは主人公がFormulaに使用するための材料を嗅ぎつけてくれたりもする。
    • 人々には相棒で話しかけた際のセリフも用意されている。
  • 本作全部を通して、主人公と相棒犬のコンビのパーティーのみであり、他のキャラは戦いには参加しない。

ファンタジーの世界

  • Evermoreとは、Podunkの教授たちの実験によってデザインされた世界である。地上には色々な時代を反映したエリア「PREHISTORIA(先史時代)」「ANTIQUA(古代)」「GOTHICA(中世)」が広がり、そして上空には上空には未来的な都市「Omnitopia(想像上の未来世界)」が位置する。
    • そこにはPodunk出身者のFire Eyes/Elizabethエリザベス(ファイアーアイズ)、The Historian/Horace Highwaterホレス・ハイウォーター(ヒストリアン)、Camellia Bluegarden/Queen Mirandaキャメリア・ブルーガーデン(ミランダ女王)、そしてProfessor Sidney Ruffleberg(シドニー・ラッフルバーグ教授)の4人が生活していた。
    • 一応大陸同士で繋がっているのもあるが基本的に4つの地域に分かれていると考えて良い。
      • 文化や通貨も異なり別な地域への移動も難しい。それは主人公達が毎回毎回、次の地域に行く際に壮絶な苦労を伴うほどである。
  • 現在は謎の勢力がEvermoreの平和を脅かしつつある。主人公は4つの地域を旅し他のPodunk出身者とともにEvermoreからの脱出を目指す。
  • 広大なためregion文体で閉じておく、キャラ紹介も追って紹介。

Prehistoria(先史時代)

+ Prehistoria
  • Prehistoriaのモチーフは原始時代。通貨はTalon(牙)である。
    • プロローグでは宇宙ステーションで乗り物に乗るが故障でジャングルに落下してしまい相棒犬とはぐれてしまったと思った直後、変貌を遂げた相棒犬と再会。ここでは既に何者かの魔手が伸びておりViperを率いて火山を狂わせて島を壊滅させようとする者がいた。Fire Eyesという女性と知り合い、火山から島を救済するために奮闘。
Fire Eyes(Elizabeth)
  • Podunk出身者の一人。村に住んでいる女の子だが村民達からはFire Eyesと呼ばれ慕われている。
  • 本作の重要なファクトFormulaを伝授してくれる。過激な調合の使い手として敵側のViper達から恐れられている。
  • 「Call Bead(コールビーズ)」も教えてくれる
    • これは本作独特の特殊アイテム。これを使うと、主人公達が会った事がある各地のリーダーを召喚して強力な呪文を発動できる。希少なレアアイテムだけに効果は非常に強力である。 ここぞという時に使う切り札と言える。
Strong Heart
  • 村から東のBugmuckという場所に材料を探しに行ったきり消息を絶つ、Fire Eyesに頼まれて救済に向かう。
Blimp
  • 沼地でSalabogというボスに襲撃されていたところを主人公に救済されてから後の世界でも色々と助けてくれる。
  • 和訳すると飛行船という意味であるが、特に空飛ぶ乗り物との関連はない。
evil twin
  • 主人公たちの姿を騙り色々な形で牙を剥いてくる。他の世界でも登場。

Antiqua(古代)

+ Antiqua
  • Antiquaのモチーフはローマ、エジプト。通貨はJewel。
  • Prehistoriaでは村や人々を救ったもののevil twinの仕掛けた爆発で飛ばされ、川に流されて滝に飲まれて意識を失い辛うじて荒くれの町Crustaciaに辿り着く。その間に相棒犬とはぐれてしまった…
  • プレーヤーは本作の仕様の1つ、世界によって通貨も違う事に戸惑ったり色々、それからPrehistoriaの沼で助けたBlimpと再会して協力してもらい、そこから長大な砂漠を北へ進むと、Nobiliaという大きな街に辿り着く。
    • とても賑やかな街であり、バザーが日常的に開催されているが初回は制限時間がある。
  • そこでも神聖なる犬に変身した相棒との再会、Vigorとの死闘、Diamond eyesの探索などが待っていた。
    • 道のりも厳しいが収穫も大きい。調合アイテムDry Iceについては冷気属性を期待したプレーヤーもいたが、本作では冷気属性というのはなくレア材料。その真価は終盤で分かるようになる。
Pompolonius
  • Nobiliaの街ではかなり重要なポジションに位置する人物。神聖な犬のお告げにより大会を開催して主人公をVigorと対決させる。
Tiny
  • 筋骨隆々の男性。外見で見た目通り力自慢で、特に物を投げ飛ばすのが得意。
    • 現在で例えるならDQVIのハッサンみたいな外見。
  • 終盤では悩んだ末に寂しい選択を下す。
Horace Highwater
  • Podunk出身者の一人。キャンプで知り合って以降は色々と主人公達の手助けをしてくれるようになる。
  • 勿論、Fire Eyes達とも面識がある。
Madronius
  • Horaceの親友で、兄弟もいる。

Gothica(中世)

+ Gothica
  • Gothicaのモチーフはヨーロッパの半分。通貨はGold Coin。
    • Antiquaから…本作最大の難所の暗闇とワープ床の複雑なトンネルと大型ボスを越えて来たが、ここでも難所は続く…
    • 相棒犬はプードルに変化しており、ここでもまた活躍を見せる。
    • ここは、西のIvor Tower、東のEbon Keepと2つに分かれており両者とも酷似した構成になっており、その両者の間には巨大なチェス盤を挟んでおり、その下には広大なるDark Forestが広がっている。その北へ行った所には巨大な木造の矢倉がありドラゴンが住んでいるという話もある。
    • 女王により、Ebon KeepからIvor Towerに移動して来た人々は幸せな生活を送っていたが、敵の手によって大桟橋は遮断されて往来が出来なくなっていた。女王の頼みにより主人公達は向こう側から橋をかける事になるが、その道のりはDark Forestを抜けて東のEbon Keepと厳しいものになる…
Camellia Bluegarden
  • Podunk出身者の一人。Ivor Towerの女王。ブタレースを開催している。
王様
  • 最近姿を見せないので心配されているが、後に人形芝居に魅了されてしまっていた事が判明。
セシル(Cecil)
  • FFIVからゲスト出演。Ebon Keepの街で武器防具屋と宿屋を運営している。
  • 主人公が訪れた際はBaron Castle出身者である事や、my wife,Rosa*2などFFIVに関する話をしてくる。
    • ちなみに、知っていると答えれば装備品を安く売ってくれるようになる。
    • 主人公が序盤で手放したバズーカを修理してくれたりも出来る面がある。
Tinker Tinderbox
  • Ebon KeepでCamellia Bluegardenに仕えている。発明家で空飛ぶ機械を発明している。
    • 後にWindwalkerという空飛ぶ乗り物を提供してくれたり、3つのアイテムを渡してロケットを飛ばすイベントなど機械に詳しい。
  • Gomiという兄弟もいる。
Gomi
  • Tinkerの兄弟。Tinkerの機械とは対照的にDark Forestの北部で塔を作って空を目指す。
  • 名前は日本語のゴミからもじったか。
  • 敵側の策略によってIvor Towerへの道を絶たれた人々のために、尽力している。
  • Sterlingというドラゴンの友達がいる。
Sterling
  • 大きなドラゴン。当初はボスとして襲い掛かってくるが、主人公たちがGomiの味方だと分かると協力してくれるようになる。
  • 飛行能力に長けており、移動手段を絶たれた主人公達を運んでくれるイベントがある。

Omnitopia(想像上の未来世界)

+ Omnitopia
  • OmnitopiaのモチーフはSF未来科学都市。
    • 高い位置に位置しており地図上にも載っていない場所であるため、特別な方法でしか来れない。
    • ここでは相棒犬はトースターみたいなメカに姿を変える、火力、射程、移動力いずれも最強クラスで頼もしい。
Sidney Ruffleberg教授
  • Podunk出身者の一人。Evermoreという世界をデザインした人物であり機械の専門家。尚、プロローグでは少しだけ登場している。
    • Evermoreを救うため主人公達に手を貸してくれる。
Carltron
  • 教授の助手。本作のプロローグでは研究所に迷い込んで来た主人公達をEvermoreの世界へ送った人物でもある。
  • 主人公は達はついにSidney Ruffleberg教授と再会を果たし、Evermoreの平和を取り戻しPodunkに帰還すべく敵勢力と最終決戦に臨む。
    • セーブ箇所があり、セーブ直後は飛ばされてラスボスに行くしかないがゲームオーバーになった後にロードした際はセーブ箇所から再開されるので安心。
+ ラスボス~エンディング(ネタバレ)
  • 聖剣2のラストバトルは、ラスボスとは言うには切ないものであったが、こちらはノリノリ。
  • 聖剣2ではポポイが帰るのだが、本作は主人公たちが帰る側。
  • そこでは凶悪な敵と連戦もさることながら、ラスボスもガトリング砲などが強烈だが、対してこちらも公式チートが手に入る*3
  • 強大なボスVSチート調合と最強の相棒犬のぶつかり合い、これが聖剣伝説シリーズ史上最強の戦いと言う人もいる。
  • Carltronを倒した事でバランスが崩れ始めるが、なんとか全員で元の世界に帰る事により、EvermoreはNevermoreにならずに済む。主人公も相棒犬と無事に帰還。
  • 後日談で、Carltronも反省したと見せかけてまた何か企んでいる終わり方だが、スリリングで爽快なラスボス戦やグッドエンドなど、そこがアメリカゲームのノリと言える。

評価点

広大な世界観

  • 広大な世界観
    • Evermoreの4つの舞台は原始時代~中世~SF世界まで幅広く構成されている。先程述べた通り、色々な舞台が用意されておりどれも高いレベルで作りこまれている。そこにいる人々も実に多彩で、相棒犬で話しかけた際は主人公とは違った台詞まで用意されており、細かく作り込まれている。更に、FF4、FF6の人物が登場するのも嬉しいファンサービスといったところ。
    • 通貨も各世界に応じて4種類あるのが細かい。1つの作品の中で2種類以上の通貨を扱う概念は珍しく他作品なら『Wondrous Magic』くらいのものであろう。
  • グラフィック及び演出のレベルが極めて高い。
    • キャラクターは動作も豊富で、主人公はあらゆる表情や仕草を見せる。敵キャラも色々多く、例えば植物系の敵を倒した際には散り方まで細かく作り込まれている。ボスも巨大なもの、迫力もあり種類も豊富で飽きさせない。
    • 多重スクロールも使われており、森の中では手前に木々が表示されて臨場感がかなりある。これは、他社の作品の話になるが森に力を入れてラストダンジョンに森をねじ込んだ『アレサ ARETHA the SUPER FAMICOM』でさえここまでは行われてはいないほど。
  • 音楽
    • 知る人ぞ知るJeremy Soule氏による作曲。聖剣とはベクトルが違うが種類も豊富で質も高い。
    • ボス曲の種類も豊富に用意されている。
  • これらが見事な相乗効果をもたらす事により、Evermoreの世界へ感情移入させてくれる事だろう。

ゲーム性

  • バグがない
    • これだけ広大かつ複雑なゲームにもかかわらずバグは報告されていない。
  • パーティメンバー
    • 聖剣2では仲間が地形に引っかかるとスクロールが止められていたが、本作では解消されている。
    • 更にアクション性を持たせた事により、相棒犬と協力して解くような仕掛けが豊富に用意されている。
  • やりこみ要素が多い
    • 本作には、隠し要素などがふんだんに盛り込まれている。ストーリー展開に影響はないがゲーム上は得をする要素が多い。
    • 仮に見落としたとしても大きく不利になったりはしないようになっている。

賛否両論点

聖剣伝説とは全く異なる世界観

  • 舞台設定の好み
    • システム、ゲーム性は聖剣伝説2と言ったが、世界観の方では聖剣伝説シリーズの要素は見当たらない。しかしながら作中にはFF4、FF6のキャラクター達が友情出演しておりFF外伝と言えない事もない。

ゲーム性

  • 主人公と相棒犬のデフォルトネームはない
    • 名前の入力は必須なので考えるのが面倒ととるか、自由度が高いととるかはプレーヤー次第。
  • コンプリートは至難の業
    • クリアするだけなら普通であるが、色々とコンプリートするのは隠し要素、期間限定要素が多いので非常に難儀である。
  • 裏技、連続調合がある
    + 伏せる
  • 相棒犬がいる事が条件だが、調合を連続で使う方法がある。ターゲットを選んだ直後の瞬間にメニューを開くを繰り返すと最大8回分まで一度に放つ事が出来る、ダメージ値は合計で表示されるのでかなり大きな数字が出るので驚異的、また色々と併用でき攻撃と回復を織り交ぜるのも可。
  • 本作は難易度が高い場面も多いが、こういう風に要領よくやると一気に難易度が低下する面もある。

問題点

  • 聖剣伝説2ではセレクトバグが知られている。本作にそういうバグはないのだが、難所、冗長な個所、下手を打つと詰む局面など、まずい個所が多数であり総合的にはセレクトバグよりも凶悪になってしまっている。こちらも多いのでまとめる。

Prehistoria(先史時代)

  • セーブの利便性の悪さや、詰む危険性がある。
+ Prehistoria
  • プロローグから強敵と戦わされる(負けても物語は進むが)。
    • 最初の村の手前でラプターと遭遇するが、ゲームを少し進めたあたりで登場する敵である。強力な武器は故障しており森の中では装備も回復手段もまともに用意できないので尚更厳しい。
    • 負けても、相棒犬が主人公を村まで連れて行ってくれるのでシナリオは進む。主人想いの名犬であり聖剣伝説のボコの姿を彷彿させてくれる。
    • 現時点では強敵な事、倒したと思ったら新手が何回か出現する事、負けても話が進む事から負けイベントだと思っているプレーヤーも多い。
      • ただ勝敗に応じてイベントが少し違うように用意されているのは細かい。いずれにせよ再戦は出来ないので気になる人は気になる。
  • Jaguar Ringの取り忘れ
    • 序盤では流砂地帯を越すためのダッシュアイテムとしてJaguar Ringを手に入れるのだが、無くても流砂を越す事も出来てしまう。しかし入手しないまま次のAntiquaに進んでしまうとあるダンジョンでダッシュが必要なギミックが攻略できなくなり後にも先にも引けず詰んでしまう。
      • やり込み企画としてアイテムを出来るだけ手に入れないというAny%やり込みプレイもあるがそれでもJaguar Ringは必ず入手されている。
  • セーブ出来る場所が不親切
    • 本作最初のボスはThraxxがいる。これは消息を絶ったStrong Heartを捜索しにBugmuckに向かったところで遭遇する。
    • 最初のボスであるが、本作のパッケージに採用されているくらいで気合が入っている。登場シーンでは大型サイズでプレーヤーを威圧、戦ってもかなりの強さで、Acid Rainという回避不能のFormulaまで放ってくるので危険度が高い。
      • 道中が長い上にボス戦前にセーブポイントが無く、初見では心構えが出来ていないまま戦う事になる。ゲームオーバーになるとやる気を削がれる。
    • 他には沼地でSalabogというボスも道中が長いわりに直前でのセーブが出来ないのはきつい。こっちのボスもHPが高く倒すのが大変である。
  • 火山の中には調合で岩を浮かせる場面があるが、そのために使う調合は現時点では数量限定であり順番を間違えると取り返しが付かない。

Antiqua(古代)

  • 冗長な砂漠、詰みどころのあるボス、必要以上に難易度が高いダンジョンなどがある。
+ Antiqua
  • Vigor戦
    • Vigorは機動力も攻撃力も高く、こちらの攻撃をガードまでして来るので強い、しかも客席から嫌がらせまで飛んでくる。そして、相棒犬は参加しないので主人公のみで戦うしかないのも厳しい。
    • 直前にはセーブ出来るのだがもう後戻りが出来ないため、ザコ敵を倒してレベルを上げたり、店もないのでアイテムをなども用意出来ないので「詰む」危険度が高い。
    • 色々な作品では、相手を倒すしか道はない状況があり、サガシリーズ、FFTのウィーグラフなどが有名だが、詰まないように配慮されている作品もある。
    • 聖剣伝説GB版でも、闘技場で戦わされるが相手が強すぎる事はない。
    • 他作のイデアの日の雷岩も試合に勝ち続けるしかないが、セーブ禁止かつスパーリングで強くなれるなどで詰む事だけはなかった…Pompoloniusには相原ツメアカでもすすめたいところである。
    • むしろここではセーブ出来ない方が良かった、それよりも第1世界のBugmuckのThraxx戦の手前、次の第三世界の難所手前にセーブ箇所を用意するべきだった。
  • 長い砂漠の横断
    • 高難度ではないが時間がかかり、しかもストーリー上、何度も横断するので大変である。
    • そこには骸骨が乗った舟がおりAmulet of Annihilationを渡すと楽に砂漠を越える事は出来るのだが‥‥
    • Amulet of Annihilationは荒くれの町Crustaciaでは非常に高い値段に設定されており稼ぐくらいなら砂漠を渡ってしまった方が早いので現実的ではない。初回では普通に砂漠を渡るしかないだろう。
      • Nobiliaの街の方ではバザーのトレードで簡単に購入出来るようになっている。ただ海外の作品で会話は勿論英語であるため日本人のプレーヤーはある程度の英語力が必要になるだろう。尚、他にも使い道はあるので頑張って余裕をもって購入するのがオススメである。
  • 北のcolossia
    • ダッシュで駆け抜ける個所があるが、前述したPrehistoriaでJaguar Ringを入手していないと詰む。しかもプレーヤーによっては詰んでいる事に気付きにくいのも厄介。
  • ピラミッド
    • 相棒犬と合流する前でないと手に入らないお宝もある、合流以降は扉を開けることが出来ない。こちらは致命的ではないがレアアイテムもあるため逃すと損した気分になる。
  • 滝の洞窟
    • Vigor戦もひどかったが、こちらも厄介で本作で最悪の難所だというプレーヤーもいる。
    • 虹の演出が入るのは綺麗であるが以下の様な殺し要素が多くrainbow of death(死の虹)と言ったプレーヤーもいた。
    • ここはストーリー上は通過点のような扱いなのに、視界が悪く、構造も複雑、更にワープ床での移動も相まって迷い易い。
    • 更に雑魚敵もかなり強い上に倒しても際限なく出現するので消耗がひどく最後にはボスまで待ち構えている多重苦。落下して来たという経緯なので、状況が悪くなっても引き返す事が出来ない。
    • 厳しい要素が複合すると更に厳しさが増す。ここのボスを倒すまでにかなりの消耗が予想されるが次の世界も厳しいので下手をすると消耗を引きずる事になる。
    • なお期間限定のために終盤で来ようとしても主人公は「Uh, I don't think so! Been there, done that.(あー、思い出したくもない!ここはもう終わったよ。)」と言い、相棒犬も「Urf-urf!」と表示され、再度入る事は出来ない。
    • 次の世界に行く際は大変な思いをすると言ったが、難易度的にはこれが主人公と相棒犬とプレーヤーにとっても一番のトラウマだったと言えよう。

Gothica(中世)

  • アイテムの確保の難儀さ、見逃しやすい要素、Dark Forestの難しさなどがある。
+ Gothica
  • Amulet of Annihilationの入手
    • チケットを入手するためにAmulet of Annihilationと交換するイベントがある。
      • 予めAntiqua地域のNobiliaという街のバザーでAmulet of Annihilationを入手していれば楽だが、Gothicaのバザーでは販売されておらず入手できる個数が限られており、チケットの前に他のと交換してしまうと4か所全部探し出さなくてはならなくなる。
    • チケットを入手するイベントが悪いわけではなく、必要なAmulet of Annihilationは分かりにくい場所にあるので、発見できずに詰んだと誤解される危険性がある。
  • Formulaに使用するための調合材料の確保
    • 材料を売っている店が分かり辛い。Lanceという人、城内の老人から購入する事は出来るが両者とも見落とし易く逃したら二度と会えない。特に後者は、相棒犬の期間イベントで隠し通路を発見しなくてはならない、それもノーヒント。
    • ここでは飛行タイプのザコ敵も多く通常攻撃だけでは難儀なところであるが、攻撃調合が尽きると、特に火力不足に悩まされる。レベル上げも行えるので詰む事はないが非常に辛い。敵側が主人公を陥れる状況だからでもあるのだが
  • Dark Forest
    • 西のIvor Towerから東のEbon Keepへ向かうが橋が使えなくされているためどうしてもここを通らなければならない。Darkと言っても前述した滝の洞窟のような暗闇はなく全体的に薄暗い程度であり特筆するような罠もない、しかしながら1~2画面サイズのマップが無数に繋がった構造(横9セクタで縦14セクタで100セクタ以上)で非常に広大な迷路で中間までに最短でも1分半以上かかるほど、その直後に強力なボスがいる。しかもその手前にセーブ個所もなく雑魚敵も普通に出るので嵐の前の静けさというものでもなく、心構えが出来ていない状態で戦わされる事になる。
      • 正しいルートでは木の上に黒いキャラが居るのが目安にはなっている。そして「Half Way」と書かれている看板があったら間もなくボス戦が近い事も報告された。
  • Ebon Keepにある施設
    • 武器防具屋があるが、宿屋は意外と気付きにくい。

Omnitopia(想像上の未来世界)

  • デストラップなどがある。
+ Omnitopia
  • 温室のデストラップ
    • 予め照明を暗くしておかないと凶悪植物が活動する。こちらの攻撃は一切通らずしかもこちらを一撃で即死させて来るので非常に危険である*4
    • 他社の作品に例えるならFC『ドラスレファミリー』のポチステージの宝箱、もしくはAC『Cadash』の永パ防止モンスターのような脅威と言えば分かり易いだろう。
    • 倒せなくて困る事はなく向こうから近付いて来る事もないが、明るい状態の温室では通路を塞いでおり強行突破をしようとすると逆に999ダメージをくらって即死するので非常に危険。温室が明るい場合は絶対に引き返してルームで温室を暗い状態にして来る事。
      • TAS動画では温室が明るい状態で突破したというケースもあるが、執筆者が試みたところ上手く行かなかった。明るい状態で温室を突破したら得するような事もないのでこんな事に命をかけたりせずに制御室で温室を暗い状態にしてから安全に通過するのが良い。
    • これまたひどい初見殺しで、セーブした場所からここに来るまでが長いのでこれで倒されると多くの労力を棒に振ってしまう。
  • 反射系統のformula
    • 隠し部屋で適当なボスを倒すと反射のformulaが手に入るが終盤になるとFormulaを使って来る敵が殆どいないため既に使い道がない。

本作全部に渡る問題点

  • 熟練度
    • 武器・調合などで新しいものを入手しても、それまでの熟練度は役に立たない。例えば、新しい剣を手に入れても、それまでの剣の熟練度は活用されない。
  • Formulaの自由度が低い
    • 地域によっては材料が手に入らなかったりするので調合が使いたくても使えないという事もある。また、属性もないので敵の弱点を突いたりする楽しみも無く使い続けてレベルが上がったFormulaを叩き込めば良いのはやや大味。
  • Podunk出身者たちの会話に一部分かりにくいところがある。
    • Fire EyesやSidney Ruffleberg教授の会話ではプレーヤーには知らないような話や用語が出て来るので主人公たちは置き去りにされている感がある。例えば例えばeigen vector(固有ベクトル)が出て来る。
  • 通貨の取り回し
    • 他の世界の通貨と交換してくれるのは良いが全額単位の交換になってしまう。プレイする際に困るわけではないのだが気になる人は気になる。

総評

聖剣2のシステムを用いたゲームではあるが、聖剣シリーズには含まれないため共通点は主にゲームシステムのみであり、調合やトレード、通貨の違いなど、独特の要素などで賛否が分かれるかも知れない。
しかしながら、オリジナリティー・描き込まれたグラフィック・音楽とどれを取っても非常にレベルが高く、スクウェア全盛期SNES/PSと比較しても後れを取らない出来栄えで現地では人気を博した。


余談

  • 日本では本作発売の前日に『聖剣伝説3』が発売されるが欧米では発売されず、その代わりなのか逆に欧米限定で本作が発売された。
    • かつては「アメリカで『聖剣伝説3』が発売されなかったのは本作が代わりに出たせいである」という説が広く信じられていたが、2011年に本作のリードプログラマーBrian Fehdrau氏がインタビューでこれを明確に否定している。
      • 『聖剣伝説3』が未発売となった原因は明らかになっていないものの、同インタビューでFehdrau氏は個人的な推察として「バグに厳しかった当時の任天堂が『聖剣伝説3』のバグを問題視したのが理由ではないか」と語っていた。
  • 本作は『聖剣伝説2』のゲームシステム等を多く流用しているが、開発は日本ではなく、北米のスクウェア子会社のスタッフが担当している。
    • 『聖剣伝説2』と異なりアメリカ風な雰囲気を強く持つゲームとなっているが、これは「そうするように日本のスクウェア本社からの指示があった」と上記のFehdrau氏が答えている。
    • 本作は開発段階では元々『Evermore』のタイトルのみで制作されていたが、スクウェアから「新たなIPとして売り出すには弱い」と判断され、システムの流用元である『Secret of Mana』に因んで本作にも『Secret of ~』のタイトルが付けられることになった。
  • 音楽担当のJeremy Soule氏は後々、4大RTSの一角とされた『Total Annihilation』シリーズにより海外で高い評価を得るが、『The Elder Scrolls IV: Oblivion』により日本でも知名度が高まった。
    • 代表的な担当作は、『The Elder Scrollsシリーズ(III以降)』、『バルダーズゲート ダークアライアンス』などフォーゴトンレルム作品、『ダンジョンシージシリーズ』、『Total Annihilation』シリーズや後継シリーズの『スプリームコマンダー』など多数に亘る。
    • 作品評価が高くない『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人 (GBA)』も音楽評価は高い。
  • FFシリーズからのゲスト出演。これはある意味、文字通り『聖剣伝説 ~ファイナルファンタジー外伝~』とも言える。
    • Gothica(中世)では前述のセシルのゲスト出演の他、Antiqua(古代)の期間限定イベントになるが闘技場の観客の中にFFVIのパーティーが混じっている。闘技場とは色々と縁があるようである。画像はこちら。
      • ちなみに「You paid for an entire seat, but you're only going to need the edge.」は、Pompoloniusという人物が観客達に対して「あなたは座席の料金を支払ったが、端っこの席しか必要ありません」と発言しているシーンである。
    • Chocobo Eggが存在する。
      • Antiqua(古代)のバザーでトレードで入手可能、持っているだけで最大HPが45上昇。
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  • ARPG
  • スクウェア
  • 日本未発売

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最終更新:2024年03月15日 10:25

*1 FFVの調合をイメージするかもしれないが、それとはまた違った全く異なる仕様である

*2 名前が挙がるだけで登場はしない

*3 しかもそのアイコンが剣。聖剣2のラストバトルで登場した魔法が参考にされていると思われる。

*4 無敵効果のあるFormulaでも防げない。