beatmania for WonderSwan

【びーとまにあ ふぉー わんだーすわん】

ジャンル DJシミュレーションゲーム

対応機種 ワンダースワン
メディア 128MbitROMカートリッジ
発売元 コナミ
開発元 コナミコンピュータエンタテイメントジャパン
発売日 1999年4月28日
価格 4,800円
判定 良作
beatmaniaシリーズリンク


概要

アーケードの音ゲーの始祖として一世を風靡した『beatmania』をワンダースワン(以下『WS』)に移植した作品であり、コナミ唯一のWSソフト。
『beatmania』の携帯機への移植作品としては本作発売の約1ヶ月前にゲームボーイカラー版の『beatmania GB』が発売されており、そちらが『2ndMIX』をベースにしていたのに対し、本作は『3rdMIX』をベースにしている。曲も1曲を除き『3rdMIX』からの収録となっている。
また、WS本体に取り付けるターンテーブルが付属しており、DJ気分を味わえた。
ACと仕様が異なるが通信ケーブルを用いた通信対戦も可能。


評価点

音質

  • 本作最大のポイント。元々WSは内蔵音源のうち1chをPCM音源に割り当てることができ、曲もオリジナルのものをほぼそのままサンプリングしている。そのため、16ビットの携帯機でありながらオリジナルと同等の音質を再現している
    • 本作の収録曲には「Believe Again」や「Find Out」などのボーカル曲も含まれているが、当然ボーカルも完全再現されている。それ以外に収録されている曲も「20,November」や「METALGEAR SOLID -Main Theme」などのボイスが入った曲がほとんど。
    • 今となっては当たり前のことではあるが、当時の携帯機の主流ハードはゲームボーイカラーであり、BGMもFM音源・8bitが当たり前であった。ボーカル曲などまずあり得ないものであり、同時期に発売された『beatmania GB』の楽曲も8bitアレンジであった。それに対し本作は当時の携帯機作品としては規格外とも言える音質を誇り、「携帯機のBGMは8bit」が常識だった当時のプレイヤーの度肝を抜いた。
      • 特にヘッドホンをしてのプレイであれば現在でも十分通用するレベルであり、本作の音質とWSのポテンシャルの高さが実感できる。
    • さらに携帯機ゆえに、「いつでもどこでもアーケードと同じ音質でビーマニが遊べる」というのはファンにとって何物にも代え難い魅力であった。

譜面

  • WSは全てのボタンが独立しているため、譜面もオリジナルのものを完全再現している。
    • ちなみに『beatmania GB』では十字ボタンの左に1鍵が割り当てられており3鍵(十字ボタン右)との同時押しができない。そのため、いわゆる「1鍵バス+混フレ譜面*1」が再現できないため、それを要求される譜面は2鍵(十字ボタン上)を使うようにアレンジされていた。

ムービー

  • さすがに描画性能が違いすぎるためアーケードのムービーを完全再現とはいかなかったが、可能な限り再現はされている。

問題点

曲数

  • 本作は128Mという当時としてはトップクラスの大容量ROMカートリッジを使用しているが、音質に容量の大半を費やしているためかプレイ可能曲数はわずか13曲。うち2曲はプラクティス用・DJ BATTLEなので、純粋な曲数は11曲+メドレーと非常に少ない。
    • ちなみに『beatmania GB』のプレイ可能曲数は20曲+DJ BATTLEの21曲であり、ほぼ半分である。
  • また、収録曲にオリジナル曲がなく、移植曲オンリーであることを惜しむ声も聞かれる。

きちんと楽しむにはヘッドホンが必須

  • 厳密には本作の問題点というよりもハード上の問題点ではあるのだが、内蔵スピーカーの質がそれほど良くないため、せっかくの高音質がスポイルされてしまう。
    • そのため本作の音質を本当の意味で楽しむにはヘッドホンが必須となる。だがWSにはイヤホン端子がないため、接続には専用のアダプタが必要になる。

画面の見づらさ

  • これもソフトと言うより本体仕様に起因するものではあるが、画面がモノクロのため白鍵と黒鍵の区別がつきにくく、慣れないとミスしやすい。
    • 配置そのものはオリジナルと同じなので、「白鍵は線の間を降ってくる」、「黒鍵は線に重なって降ってくる」ということをきっちり認識できるようになればそれほどミスもしなくなる。
  • また、WSの液晶は性質上残像が出やすく、長時間プレイしていると目が痛くなってくることも。

その他

  • 付属のターンテーブルを装着すればDJ気分を味わえるのだが、ターンテーブルそのものの作りから反応がそれほど良いとはいえず、人差し指で回す必要があるため操作しづらい。
    • 連続スクラッチが要求されるような曲は、早い話ボタンに割り当てて連打した方がプレイしやすい。
    • さらにヘッドホンアダプタの形状によっては干渉することもある。

総評

曲数の少なさは残念なところではあるが、その破格過ぎる音質は当時のプレイヤーの度肝を抜いた。
もし本作を入手できた方は、同時期に発売された他の作品のBGMと聞き比べて頂きたい(ヘッドホンが使えるならなおよい)。
どれほど本作の音質が並外れていたかが実感できるだろう。

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最終更新:2024年01月07日 17:46

*1 左端の白鍵(1鍵)でバスドラを叩いてリズムを取り、それ以外のキーでスネアなどを演奏する譜面。「Believe Again」の後半や「Attack the music」などで使われている。