バンダイナムコゲームス PRESENTS Jレジェンド列伝

【ばんだいなむこげーむすぷれぜんつ じぇいれじぇんどれつでん】

ジャンル 伝説ゲーム集(ゲームオムニバス)
対応機種 ニンテンドー3DS
発売元 バンダイナムコゲームス
開発元 ゴッチテクノロジー
リズ
フレアウエイブ (サウンド)
アソー (制作進行)
発売日 2013年11月7日
定価 4,743円(税別)
レーティング CERO:A(全年齢対象)
判定 なし
ポイント 微妙すぎる収録タイトル&追加要素
少年ジャンプシリーズ


概要

Vジャンプ20周年及びファミコン誕生30周年を記念してリリースされたアニバーサリータイトル。
ファミコン~スーファミ時代のジャンプ作品ゲーム9本(+初回特典で1本)を纏めて収録した作品である。
キャッチコピーは「このゲームをプレイせずに、ジャンプキャラクターゲームは語れない!!」
……それはある一面では間違ってはいなかった。

収録作品

  • ドラゴンボール 神龍の謎
    • 『ドラゴンボール(以下DB)』キャラゲー第一弾のACT。ライフ=時間という設定や中盤以降のオリジナル展開など、ファンからの扱いは微妙。
  • ドラゴンボール 大魔王復活
    • カードバトル路線になったDBタイトル。テンポのいい戦闘と、即死率の高いADVパートがウリ。
  • ドラゴンボールZ 強襲!サイヤ人
    • ↑の路線を引き継ぎつつ、戦闘アニメやシナリオを強化。ただ、バランスはあまり良くない。
  • ドラゴンボールZ 超武闘伝2
    • SFCで格闘ゲームとしてリリースされた第二作目。他の格ゲーとは大きく異なる「DBらしいバトル」が楽しめる。
  • GO GO ACKMAN3
    • Vジャンプで不定期掲載されていた鳥山明作品のゲーム化第三弾。シナリオはほぼオリジナルで、続編を匂わせてはいるが…?
  • 聖闘士星矢 黄金伝説
  • 聖闘士星矢 黄金伝説完結編
    • 二本で完結する、ACT+コマンドバトルという珍しかったタイプの作品。システムの裏をつくことが攻略に必須という不安定さ。
  • 魁!!男塾 疾風一号生
    • 熱い熱い漢漫画のゲーム化一作目。色々と理不尽だが、それこそが男塾。細かいことを気にしてはいけない。
  • 幽☆遊☆白書
    • 冨樫義博氏の出世作をゲーム化。非常に独特なシステムが特徴で、良くも悪くも他に類を見ない作品。

各タイトルの詳細な内容は、個別のページを参照して頂きたい。
なお、初回生産版のみ『ドラゴンボールZII 激神フリーザ!!』のDLコードが付属していた。

問題点

  • 収録タイトルがあまりにも微妙。
    • 特典も含め半数がドラゴンボールタイトルであり、その他タイトルもかなり中途半端。さらに個別記事を見るとわかるが、良作と呼べるものも少なめ。
      • バランスは悪いがそこそこ出来のいい『ドラゴンボール3 悟空伝』がなぜか飛ばされていたりと、ドラゴンボールファンなら納得かというとそれも微妙。
    • いきなり3の『GO GO ACKMAN3』や、2のみ収録の『武闘伝』に関しては、何故シリーズを一から入れなかったのか疑問点も。
    • バンダイ初のファミコンソフトにしてジャンプ系列誌連載作品初のゲーム化タイトル『キン肉マン マッスルタッグマッチ』や、本作と同じアニバーサリータイトル『ファミコンジャンプ(同II)』(ただしこちらは週刊少年ジャンプのアニバーサリータイトル)のように話題になりそうなものに限って未収録。
    • Vジャンプ20周年記念のわりに、そちらでの連載作は『ACKMAN3』のみ。
      • 一応少年ジャンプの派生誌という立場で、そもそもVジャンプ連載作品のゲーム自体が少ない故に仕方がないとも言えるが…。
  • 公式で売りにしていた追加要素も微妙。
    • 追加要素にヒント機能が搭載されているが「気をつけて進め」「破壊可能な障害物もある」程度の物が「ヒント」と呼べるのかは果てしなく疑問。
      • そもそも、ヒント機能自体滅多に表示されない。オンオフの切り替えも不可能で、見たくなくてもその都度効果音が鳴ったりする。
    • 中断セーブも宣伝されていた要素であったが、「FC/SFCタイトルごとに共通で一つだけ」という仕様。元々セーブ機能が付いている作品は2つしかないので、残りの作品はFC作品同士、SFC作品同士で同時進行できない。あくまで中断機能なので一度再開するとそのデータは消えてしまう*1。が、やりようによっては例外もある。(後述参照)
      • 恒久的なセーブは付いていない。コンティニューにパスワードが必要な作品が4作あるが、これらの作品は本作でもパスワードのメモが必須。
      • 3DSのアーカイブス作品が遊べる『バーチャルコンソール』(VC)では、「中断データ」のほかに「まるごと保存」でのセーブがあり、自由なタイミングで、何回でも再開できるため、本作でもこのようにプレイ出来るだろうと思っていたユーザーから大きく批判されることになった。
      • 実は中断機能は「再開するとデータが消える」という説明になってはいるものの、ゲームを開始した際にはデータセーブが行われていない。そのためデータロード後に「セレクト画面に戻る」を実行せず3DSの電源ボタンなどでソフトを終了させれば中断データが消えることはなく、実質まるごとバックアップと同じ利用法が可能になる。面倒なことに変わりはないが。
    • ゲーム内の操作方法は本当に必要最低限の事しか書かれていない。よって超武闘伝2の必殺技コマンドなどはホームメニューでの電子説明書かゲーム中のポーズ画面で確認することになる。
    • 画面サイズは「縮小(普通、いわゆるドットバイドット)」「拡大」「ワイド」の3種類が用意されているが、「拡大」は比率そのままで画面めいっぱいまで、「ワイド」は15:9比率の400*240に伸ばすだけである。VCのような4:3サイズに拡大することは出来ない。*2
      • またファミコンの出力解像度は本来256*240だが、このゲームは上下のオーバースキャン領域16ピクセルをカットしている。「拡大」はこのカットされた16ピクセル分だけ縦横に拡大するというほとんど意味のないモードである。
      • オーバースキャン領域は画面処理用の残骸などが見えることがあるため表示されないことが多いのだが、これならこの領域を表示させ「拡大」を4:3比率で拡大するモードにしたほうがよかったのでは?
      • なお「拡大」と「ワイド」はどちらも画面がボケてしまうので縮小でプレイするのが一番いいだろう。
    • 画面の激しい点滅表現は抑えられている。
    • これに関しては、公式ホームページなどのスタッフインタビューなどでも自虐ネタとして扱われている。
      「当時のプレイヤーが感じた理不尽や辛さを踏まえての機能が、『Jレジェンド列伝』には搭載されているんですね」
      「そうですね。ちょ~っとだけやさしくなってる…とでも言いましょうか(笑)」
      
  • デザインの面でも微妙な点が多い。
    • 遊ぶゲームを選ぶメニュー画面では、収録タイトルが縦に並んでいるだけでイラストなどの装飾が一切無い。枠のデザインも作品のロゴや寂しげに置かれたドラゴンボールなど印象が地味なものが多く、おまけに全部モノクロ。初回生産特典である『激神フリーザ!!』を遊ぶ際に出る枠は「特典」という文字がハンコで押されたように並んでいるだけ。
    • ゲーム画面を殺すほど派手なものを作られても困るが、公式イラストなどをうまく配置するぐらいは可能だったのでは。
  • オプション設定がない。
    • スライドパッド非対応。その関係上、3DSのキーでは超武闘伝2のコマンドが出しづらくなっている。キーコンフィグも不可能。
    • ローカルプレイにも対応していないため、超武闘伝2と幽☆遊☆白書は対人戦が出来ない。
    • 設定資料やサウンドテストなどのおまけ要素もない。

評価点

  • 元は全て据え置き機で発売された収録作を、携帯機で遊べる。
    • また本作発売時点では、3DS用バーチャルコンソールでの配信はまだ行われていないタイトルばかりである。
  • 移植の再現性は良好。
    • 数々のエミュレータ移植タイトルを手掛けたゴッチテクノロジーが関わっているだけあって、エミュ移植にありがちな画面化けやサウンドの極端な再現性不足が起きたりはしない。
    • 3DSスペックの関係上厳しめだったと思われるSFCエミュタイトルも極端なフレームレート落ちなどはほぼ起こらず問題なく遊べる。
  • 一部バグが修正された。
    • もっとも、バグの修正自体はいいのだが、それにより一部の裏技が使用できなくなった。

総評

収録作品は微妙なチョイス、追加要素もないよりはマシ程度のもので、
オムニバス作品としてみた場合、良くも悪くも9本+1本のソフトをほぼそのまま移植しただけの内容である。
「過去の作品を一気に纏めてリリース」というのは良いことであり、アニバーサリータイトルとしての方向性は間違っていない。
収録タイトルに思い出があるのなら許容できるレベルかもしれないが、予備知識なしで手を出すのはお勧めできない。

余談

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  • 2013年

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最終更新:2024年03月21日 20:31

*1 Wiiのバーチャルコンソールと同じ仕様。

*2 ただVCはVCで多くの機種がドットバイドットに対応していないという残念な点がある