メタルマックス4 月光のディーヴァ

【めたるまっくすふぉー げっこうのでぃーゔぁ】

ジャンル RPG

対応機種 ニンテンドー3DS
発売元 角川ゲームス
開発元 キャトルコール
24Frame
発売日 2013年11月7日
定価(税別) 通常版:6,648円
Limited Edition:9,505円
レーティング CERO:C(15才以上対象)
判定 良作
ポイント システムは3ベース
キャラデザは正当退化
攻略自由度は低下
基本プレイ6,648円
メタルマックスシリーズ


概要

前作『メタルマックス2: リローデッド』から2年。
宮岡寛氏・山本貴嗣氏・門倉聡氏ら『MM1』のスタッフが再結集し、『3』から3年半ぶりに完全新作として発売された。


ストーリー

スーパーコンピューター「ノア」が引き起こした<大破壊>。
<大破壊>末期、主人公「ヒナタ」の母らは人類の英知を結集した移動要塞クロモグラでノアと戦っていたが、敗戦は濃厚であった。
再びノアを破壊する機会を得るため、主人公の母は技術の確立されていない冷凍睡眠装置を使い、ヒナタを含むクロモグラのクルーを未来へ託す決断をした。

それから50年…。
ヒナタの母を含む冷凍睡眠に入った半数以上が目覚めぬまま死んだ中、ヒナタはなんとか冷凍睡眠から覚め、姉代わりのアンドロイド・サーシャと兄代わりのギブスン博士と孤島で静かに暮らしていた。
しかし、彼と同じくクロモグラのクルーだった男「ベルイマン」が人類を支配しようと活動を始め、クロモグラの所在を知るギブスン博士を拉致してしまう。
ノアと戦う希望を託されたヒナタはサーシャと共にギブスンを救う旅に出る。夢に出てきた懐かしい歌を心に秘めて。


シリーズ上の特徴

  • シリーズ初のフル3DCG化。
    • キャラクターが大型化したため町やマップが比較して小さくなった。
    • ヘンテコなモンスターもきっちりモデリングされ、クルマや装備も細かい部分まで作り込まれている。
    • これにより、モンスターの大きさが前作以上に分かりやすくなっている。敵の大きさの縮尺を用いた表現が限界だった前作と異なり*1、目に見えて相手の大きさが分かるため、インパクトは絶大に。
      デカいモンスターは途方もなくデカく、中には全身を写すためにカメラを引かせすぎた結果、背景の裏の暗闇部分まで見えてしまうほどに大きい物が居る。
  • 各シーンにアニメーションムービー挿入
    • オープニング、イベント、エンディングの3つでアニメーションムービーが挿入される。
  • 全編にわたり声が入る。
    • 製作側が裏話を公開しているが、台本は山積みになる量でさらに容量の関係で削ったらしい。
    • 主人公のデフォルト名は「ヒナタ」だが変更は可能。
    • また、ボイス関係も変更したプレイヤーへの配慮からか、主人公の名前を呼ばないよう台本が調整されている*2
      • 「名前部分だけ空白のセリフ」ではなく、「アナタ」や「キミ」と変更され、どうしても名前を言わざるを得ない文章については声が入っていない。
      • 宇宙ドール(後述)の応援ボイスは「がんばれ、がんばれ、ハンター君」である。
    • ちなみに主人公は戦闘以外でもムービー、終盤におけるイベントで喋る事がある。
  • 固定キャラが多数存在。
    • パーティはストーリー上で仲間にできる固定キャラ・自分で作成する汎用キャラ・犬(とクマ)含めて12人までストックでき、戦闘中以外はいつでもメンバーの交代が可能。
      • さらに、前作にも登場した「ヌッカの酒場」を利用すれば、30人以上のストックが可能。
    • 固定キャラといっても「ベルイマンを共通の敵とする」だけの集まりであり、シナリオ上の絡みはそれほど多くない。
  • 新職業として「ライダー」と「舞闘家」が追加。
    • ライダーはバイクに特化した剣士。舞闘家はソルジャーとレスラーの良いトコ取り。両方とも、最初は固定キャラ専用の職業。
      • 特定条件を満たすと、汎用キャラクターでも作成が可能になる。
  • キャラクター一人ひとりに、取得した「通り名」を個別に指定できる。
    • 主人公が「通り名」を名乗るシステム自体はシリーズの過去の作品にもあったが、本作では主人公以外にも「通り名」をつける事が出来る。
  • ストーリーの重要点でアニメが流れる。
  • クリティカルヒット「会心の一発」の上位として、味方側パーティー専用の「超会心の一発」がシリーズで初めて採用された。
    • 過去シリーズでも「会心の一発」は、敵へのダメージ計算時に敵の耐性を除いた防御系ステータスを無視するなどの強烈な効果がある。本作で追加された「超会心の一発」は、「会心の一発」時のダメージがさらに数倍に跳ね上がる。
    • なお、敵からのクリティカルヒット「痛恨の一発」の上位は存在しない。ただし、味方の攻撃を反射されるなどの理由で同士討ちが発生する場合は超会心が出る危険性あり。
  • 各種装備品のレアリティ範囲の拡大
    • レアリティが変動する場合があるものについては、前作の4段階から5段階に引き上げられた。レアリティ固定のアイテムの場合は、8段階。
    • 前作および前々作に登場したシステム「超改造」に、条件を満たすと超改造対象のレアリティそのものを1段階上げる仕様が追加された。(超改造を256回行う必要がある)。
      • 殆ど死にシステムであった前々作『3』や、大幅に緩和されてもまだ敷居が高かった前作『2R』に比べ、超改造に必要なアイテムを揃えやすくなり、気軽にチャレンジできるようになっている。
      • それに伴い、超改造を最大で99回まとめて実行可能な変更が行われている。
  • 成長がレベルアップだけだったバイオタンクが、他の戦車と同じように改造できるようになった。
    • 穴の種別も変えられるので、今作のバイオタンクはお金をかけずにシャシー性能を上げられる戦車となっている。
  • シリーズ初のDLC。
    • その数は凄まじく、追加コスチューム・追加キャラ・追加戦車・追加賞金首・追加アイテム、果てはゲーム内でも手に入る(が、入手が面倒な)レアアイテムなどなど…。
    • 若干エッチな衣装や過去作のキャラ・戦車・賞金首など、ファンには嬉しい物もしっかり押さえている。
    • 追加賞金首は、ナンバリング作品に登場した賞金首や印象深いボスなど、無駄に濃い面子が配信されている。
      • その中でも目を引くのが初代ラスボスの「ノア*3
        3~4回行動で電撃によるCユニット破壊、迎撃が間に合わない程大量のミサイル、戦車の装甲を無視し搭乗者に直接ダメージを与える音波攻撃をこれでもかとばら撒いてくる鬼畜性能。防御面でも頑丈なだけでなく、何かおかしいレベルの精度でプレイヤーの攻撃を迎撃してくる。
        公式サイトで「装備の超改造&周回プレイ必須」「生半可な強さでは倒せない」と注意書きしてあるのは伊達ではない。
      • ちなみに、CVはまさかの釘宮理恵氏。ノアというキャラクターに合っているかどうかは、各プレイヤーの判断に委ねる。
      • 他のDLC賞金首も大概そうだが、苦労して倒すだけの価値が有るドロップアイテムを有している。入念な対策をして挑みたいところである。
  • 前作の「サブクラス」に代わるシステムとして『特技の切り替え』を採用
    • 中盤にある施設「ダーマス神殿*4」に到達すると行えるようになる要素で、職業ごとに固定で覚える特技以外を一定の制限の元で自由に切り替えていくことが出来る。これを使うと「ドラムストレッチ、ヨコヅナオーラと暗黒舞踏を両立したソルジャー」や「メカニックの特技を網羅しつつレスラーの特技で白兵戦もこなせるハンター」などの前作では不可能だったキャラが作れるようになる。
    • さらにこれに合わせて特技の使用回数も全てレベル依存になった為、どんな特技であってもレベルさえ上げれば使用回数が増え、前作のように使用回数が頭打ちになることが無い。
    • 無論、強さだけでなくネタに走ることも可能であり、2周目以降のキャラメイクと合わせて外見に合わせた特技で固める*5、産廃同然の性能の技ばかり集めるなどの遊びも可能。
      • しかし良い事ばかりではなく、キャラメイクの自由度の向上と引き換えに、致命的な問題が生じることにもなった。また、サブクラス同様に犬やクマには使うことが出来ない。
  • 復活ポイントが2つ増えた
    • Dr.ミンチはゾンデレラ城にいるため、ゾンデレラ城であるクエストをクリアすると全滅した時にゾンデレラ城から復活となる。
      • ゾンデレラ城到達前で全滅するとタイトル画面に戻される、もしくは特定の拠点に戻されるのどちらかとなる。

評価点

  • シリーズの要となるシステムにほとんど変更(ダウングレード、ディグレード含む)がない
    • ほぼ完成形であった前作『2R』のシステムを基本として改良がなされている。詳細は『2R』を参照。
      • ハード性能の向上でゲーム中での処理落ちがかなり減少した。
      • しかし、最終盤になった際一部強い処理落ちが掛かる場所が存在しており、またその場所はメイン・サブシナリオの両面で何度か足を運ぶことになる。
      • こだわりがあるのか入力できる漢字制限も継続している。
  • インターフェイス面の改良
    • 『2R』から更に細かい改良が加えられており、今まで以上に遊びやすくなっている。
      • トランクルームの拡張と並び替えが可能。
      • 便利コマンドの登録数が増加し、特技も登録できる。特技を登録した場合の使用回数はパーティーメンバーの合計数で換算される。
      • 地図の踏破域の拡大。また地図を解放した地域にある施設は入らない状態でも地図に示される。
    • シリーズ未経験者の為に、チュートリアルや攻略ヒントとなるテキストを閲覧できるアイテム「ハンター虎の巻」が目立つ位置に多数散りばめられており、丁寧にシステムを説明してくれるのもありがたい。
      • NPCによる説明や、アイテムや装備品自体の説明テキストも過去に類を見ないほどに充実している。
  • 新たな"穴"で広がる改造の幅
    • 兵装を装着する「穴」が更に追加された。六番目の穴は専用のCユニットで強化されるため、DLC装備含むカスタマイズと比較しても遜色無い攻撃力を誇る。
      • 六番目の穴の改造はダブルエンジン、ダブルCユニットとのトレードオフで改造の選択肢が広がった。
        但し練りこみ不足から来るであろう問題点も無いわけではない。以下賛否両論点にて記述。
  • オートラン機能の追加
    • 長い通路の攻略やレベル上げなどに応用でき、かなり便利な機能である。
  • 超改造周りの修正
    • 前作では超改造を施しても重量が増えるだけで何の意味も無かったエンジンに、超改造を施すことで「積載量が上がる」というメリットが追加。
    • 更に、超改造を256回施せばレアリティが上がるため「吟味しないと使い物にならない」と言うことは無くなっている。無論、吟味した方が良い(特にエンジン)のは確かではあるが、必須と言うわけではない。
    • 超改造する上で避けては通れない「冶金」についても、レアメタルより下位の対象アイテムが削除される、変換効率の高いアイテムを大量に追加するなどの大幅な簡略化がなされた。
  • 超改造によってエンジンの積載量自体が爆発的に増えたため、前作と違って超改造品を載せても積載量との戦いになることは少なく、シングルエンジン車でも超改造品を気兼ねなく使えるように。
    • 超改造自体も、一回一回行わなければいけなかった前作から大きく改善され、所持しているスーパーレアメタルの数だけ一気にまとめて実行可能になっている。前作ではスーパーレアメタルの所持数が多いと40回も50回も特技『改造ゲージツ』の入力が必要だったため、大きな改善であると言えるだろう。
  • 傷跡が消せるようになった
    • メタルマックスシリーズでは戦闘不能(死亡)すると死亡回数がステータス画面に傷跡として表示される仕様があったが、この傷跡を減らすことが出来るアイテムが追加され、消せるようになった。
    • 無論、気にしないプレイヤーは全く気にしない物ではあるが、気になるプレイヤーにとってはありがたい変更。
  • キャラメイク機能の強化
    • 2周目以降ではあるが、見た目と実際のクラスが一致しない(アーチストの見た目で中身がソルジャーなど)キャラを作れるようになる。好みの外見を自由に使えるため、拘る人にはありがたい。
    • ちなみに固有キャラの外見にすることもでき、固有キャラと共通のボイスを付けることも可能(一部ボイスがカットされた物になるが)。
      筋骨隆々の男レスラーにズキーヤやカリンの声を合わせてみるなど、カオスキャラを作って遊ぼう。
  • クルマの各パーツ性能の梃入れ
    • 全体的に性能が大きく引き上げられ、特性を持ったパーツが多くなった。
    • その為、基本性能の向上方法が多様化し、ダブルエンジンを持つクルマとそれ以外の差を埋められる。
  • スキル関係の調整
    • オートスキル(いわゆるパッシブスキル)が大量追加。またコマンドスキルの効力の調整が図られた。
      • 全てのスキルをプレイヤーが強化できるようになり使い勝手が向上した。
      • コマンドスキルからオートスキルに変化したものもある。
  • ドロップリスト外のボーナスドロップの追加。
    • 「今週のターゲット」になっている時のみドロップする、という厄介なドロップ枠もある。
  • スクリーンショット機能の搭載
    • 本作では「戦場カメラ」というアイテムを使うことでスクリーンショットを撮影可能。
      • フィールド上では俯瞰だが、戦闘画面では表示画面そのままを撮る以外に道具として使う事により主人公視点に変更することもできる。
      • 撮影したスクリーンショットはとある場面で振り返ることになる。良き思い出を残そう。
      • なお、撮影した画像はSDカードに登録される。消去は本体の『ニンテンドー3DSカメラ』から行うべし。
  • メタルマックスらしさと新鮮さを両立したBGM
    • BGMについては過去シリーズで使用されていた曲のアレンジも多いが、新曲もそれに負けない位多い。
      • 新旧どの曲も、メタルマックスらしい雰囲気を壊すことなく新しさを表現している。
      • ただし、イベント上のボスやフィールド上のシンボルエンカウント敵との戦闘において、初代ラスボス戦BGM「ノアとの戦い」のアレンジ版が使用される点には賛否がある*6
  • シリーズ経験者へのサプライズ?要素
    • シリーズで登場した脇役と同じ名前のキャラクターがおり、過去作と違ったパターンで話を盛り上げる。
      • シリーズの過去作品を経験しており、且つ作品への思い入れが強ければ強いほど、彼らの行動には振り回されるだろう。

賛否両論点

  • 主人公一行についてまわる設定背景や状況
    • 例えば、上述のストーリーにもある「敵組織の幹部に連行されたギブスン博士を助けろ」といったもの。
      これにより「今までのメタルマックスと違い、ストーリー進行を強制されている」と感じるプレイヤーもいる。
    • 勿論本当に強制されているわけではない。その気になればギブスン博士やベルイマン達を完全無視し、これまで通り寄り道イベントを進められる。
    • アニメ演出や随所で入るサーシャの案内等で印象に残りやすい面があるが、根本的には『2』のマリアの仇討ち、『3』の失った記憶探しと同格。
      • とはいえ、その手の催促が気になる人にとっては決して無視できない問題ではある。
  • ブースターポイントの調整不足
    • 戦った敵の数に応じてポイントが入り、そのポイントを消費して一部特技の性能を強化することができるのだが…。
    • この「戦った敵の数に応じて」という点が曲者。「経験値を多く手に入れられる敵を乱獲しキャラを急成長させても、ブースターポイントは雀の涙しか手に入らない」という仕様になってしまっているのである。
    • 『3』や『2R』と比較すると、新しいキャラをそれまで使い込んでいたキャラと同等の強さに育てるのが困難になっている。結果、戦闘キャラを状況や好みに応じて入れ替えるというプレイがし難くなってしまった。
    • 「ブースターリング」というDLC限定装備を装備し、特定のサブイベントの時に無限湧きするモンスター(常に8体組が出てくるため、他より効率的)を乱獲すれば比較的早く溜められる…のだが、前者は300円必要になるのに1つしかなく(バグを使えば例外だが…)、後者はラストダンジョンに突入した後、しかも時期限定なのでクリアすると二度と戦えなくなる。
    • とはいうものの、特技の強化有無だけでは致命的な戦力差が生じるレベルにはならない。
      また、数ある特技の中で重要なものとそうでないものの見分けは容易で、強化が必要な特技にブースターポイントを集中すれば、レベル次第では途中からの投入も可能な範囲に留まっている。
  • 「破甲脚」という特技の仕様
    • 舞闘家のキャラや特技切り替えによって習得可能な特技で、「パーツを破壊する」ことで攻撃手段を奪うという効果を持つ。当然機械系以外の敵には意味が無い…と思いきや、何故かそれらでも構わず「パーツを破壊」して攻撃手段を奪ってしまうのである。
    • 機械系以外の敵はパーツの自動修復機能など持っていないため、この特技でパーツを破壊しつくせば完全に棒立ちのサンドバッグと化す。名だたる賞金首やラスボスすら例外ではない。
    • このパーツ破壊の効果自体はバグではないのか、公式から配布された更新パッチでも修正されることは無かった。
      攻略法の一つとして使えなくはないものの、あからさまに機械ではない相手にこの技をぶち込み「ベルイマンのパーツを破壊した」などと表示される様はシュール極まりない。
  • デフォルトで手に入る正統派戦車の数が少なめ
    • 購入(DLCではなく、ゲーム中で対価を払っての購入)せずに手に入る正統派戦車の数は4台。
      • ただし、レンタル屋と戦車市場で1台ずつクルマを購入でき、その枠には正統派戦車を置く事も出来る。そのため、歴代に比べて手に入る正統派戦車が特別少ない訳ではない。
    • また、戦車市場では手持ちの戦車を(DLC戦車含む)別の戦車に交換することも可能。
      …なのだが、バイク3台・バイオタンク・ネタ枠の犬山車・レンタルタンク枠の計6台が交換不能。
    • バイクではない戦車の入手もこれまでと比べてやや遅く、入手位置の変動も少ない(上述の交換不能枠が全て固定配置)ためにバイクばかり印象に残りやすくなっている。
      • ちなみに戦車市場では、DLCを買わないと4人乗りできる戦車はウルフだけ*7。ウルフ自体は正統派の戦車であり、ファンからの人気も極めて高いのだが、いずれか1つの穴が大砲穴で固定され変更不能な為にカスタマイズの幅は若干狭め。
    • 本作で所持可能な戦車は12台だが、うち1台には少々問題がある。
      • というのも、12台のうち1台は馬乗られヒロインバイク形態のサーシャであり、「Cユニット1が固定」「通常の車載武器・車載道具を搭載できない」というハンデを抱えている。
      • 最初からダブルCユニットなのでもう片方のCユニットはカスタマイズでき、また複数種の固定兵器を搭載可能だが、他の戦車に比べて大きくカスタマイズ性は落ちる。
  • インフレ気味の火力
    • 新たに追加された「バイオキャノンΩ」「機神鉄槌砲」や見違えるほどの強化がなされた「母艦砲」等、全体的に兵器カテゴリのうち「大砲」が大幅パワーアップ。
      • 一部の主砲には「命中率と会心率が高く迎撃もされない」という強力な特性が付加されており、2周目以降の高難度では主要なダメージソースとなりうる。
        ただし、この特性が付いた大砲の大半は凄まじい重量を持つ。攻撃力も重量も大きな迎撃無効大砲を運用したいならば、大砲の守備力や弾倉などを減らし軽量化した上で、ダブルエンジン仕様の戦車に装備することが前提となりやすい。*8
      • 前作『2R』に登場した特殊な一点物兵器「宇宙砲」が、本作でも通常の大砲としてまさかの再登場。更に本作ではその強化版である「強化宇宙砲」まで登場する。どちらも通常改造・超改造が可能となっており、前作で多くのプレイヤーを萎えさせたであろう欠点を克服してしまった。奇抜すぎる見た目は相変わらずだが。
    • S-Eはダメージ倍率・被迎撃率の見直しなど『2R』から下方調整が行われたものの、まだまだ優秀。機銃の立場を奪った「全体攻撃・弾数無限」S-Eも健在。1発限り・極大威力・軽量という凄まじくピーキーなS-Eなども存在する。
    • 一方で機銃は、全体的に前作より数値上は強力になっているにもかかわらず、連射できるものは殆どがダメージ減衰補正がかかっており、超改造しないと攻撃力がやや心もとない。追い討ちとばかりに、本作では敵が全体的に固いこともあり、ロマンを追い求めない限りは他装備の陰に隠れがち。
      「迎撃不可の6連射」「睡眠orビーム耐性が無い敵を確実に眠らせる」「1連射につき12回というぶっ飛んだ攻撃回数*9」等、他に無い飛び抜けた個性をもつ機銃もありはするのだが…。
    • これらインフレ火力の最たるものがCユニット「ハカイシン」。
      • 装備すると、同一ターン中に「弾切れ」か「敵の全滅」かどちらかの状態になるまでひたすら穴1の兵器を連射する「ブレイクショット」が使用可能になる。
      • パーツの守備力が高くかつ高火力で弾倉が無限の兵器(上で挙げた「バイオキャノンΩ」など)を組み合わせれば、強大なボスをあっさり消し炭にできる可能性があるというその性能は、大きなデメリット*10さえ帳消しにして余りあるもの。
      • 入手方法は追加賞金首を買わない場合それなりに苦行となる「モンスター図鑑99%達成」のボーナス品*11。所謂一点物だが、500円で有料DLCとしての購入も可能。
      • 余談ではあるがこのブレイクショット、更新データを入れていないと設定ミスによって武器の破損が発生しない。弾数無限で相手にダメージを与えられる兵器で使うと正しく「ずっと俺のターン!!」状態になり、こちらの勝利がほぼ確定*12するというとんでもない仕様であった。
    • こうした火力のインフレをやりこみ要素として歓迎するユーザーがいる一方で、戦闘の大味化に難色を示したり、天井知らずのインフレについていけないと感じたりするユーザーも少なからず存在しており賛否が分かれる。
  • 鳴り物入りで登場した割には微妙に残念な、六番目の穴の仕様
    • 強力な武装を積んでラッシュしたいなら上記インフレの件もあり、重い武装を積めるダブルエンジン・ダブルCユニット車に軍配が上がる。
    • 更に六番目の穴ならではの強みが、六番目の穴に装備した武装の連射回数を増やす「シックスセンス」位しか無い。この為、六番目の穴で火力を求めるならば特性シックスセンスを最大2個まで持てる専用のCユニットを搭載した、『2R』でいう電光石火型の亜種にカスタマイズが限定されてしまう。
      • このCユニットはスタンプ景品なので入手難度はそこまで高くない。しかし、DLCを除けば最大まで改造した時の重量が最も重く、ダブルエンジン・Cユニットにできないので相性がすこぶる悪い。結果、必然性が薄れてしまう。
      • 『2R』と同様の電光石火型で最大火力を出したいならDLC限定のCユニットがほぼ必須となる為、存在意義が全く無いわけではないのだが…。
  • シャシー改造のパターン表示について
    • 『3』『2R』でのツリー表示からリスト表示に変更され、戸惑うユーザーが複数見られた。
    • とはいえツリー表示は元々見やすいわけではなかった為、この変更については賛否が拮抗している。
  • 雑な難易度調整
    • 『2R』から導入された2周目以降の難易度設定。しかし今回はかなり厳しくなっており、通常難易度の一個上である「ハード」ですら手こずる。前作に比べHP倍率がかなり高く設定されており*13、回避率も上がるため生半可な装備ではジリ貧になることが多い。
    • 特に最高難易度のゴッドに関してはHP倍率が16倍と、そこらの雑魚敵ですら驚異的な耐久力を持つことになる。この仕様に加えて雑魚、ボス問わず敵の強さが前作より強化された(特にHP)ことが重なり、恐ろしいほどの強さとなってしまった。
      • 難易度はいつでも変更できるが、従来作品と異なり今作では各難易度でエンディングに到達することで「隠し賞金首」「勲章」「隠しレンタルタンク」が解禁される為性質が悪い。「ラスボス戦の直前で難易度を変えてそのままクリアする」ことで解禁できるという抜け道は存在しているが、逆に言えば「ラスボスだけはその時の最高難度で倒す」必要がある。
        ゴッドにおけるラスボスは歴代シリーズ最難関とも言われ、通常プレイだと太刀打ちできない。少なくとも、相当なレベル上げが必要。
      • 所詮おまけはおまけである為無視する事もできる…ただし、上述の隠し賞金首及びそのドロップアイテム*14と勲章を犠牲にすることとなるが。
  • 戦闘システムの仕様変更に伴う賛否両論点
    • 「特殊砲弾」に関するシステムが削除され、戦闘補助の手段が少なくなった。
      • 特殊砲弾を作る職でもあったアーチストが、その専売特許を奪われる形になってしまった。とはいえもう1つの売りであった超改造は健在であるし、歌による仲間の補助もできるようになってはいる。
      • その代わりとして、従来の特殊砲弾と同じ効果が付加された弾を発射する戦車装備が数多く登場した。
  • 戦闘に「距離」の概念が追加されたが、ほとんど活かされない。
    • ごく一部のボス戦でのみ適用される要素で、その他のほぼ全ての戦闘では意識する必要はない。
    • それらのボス戦は遠距離からの撃ち合いとなるのだが、遠い分だけ着弾が遅い。演出としては3DCGを利用した目新しさはあるものの、該当するボスは戦闘が長引きがち。
    • そもそもの話、プレイヤー側にとっては遠距離に届く武装しか使えないという縛りが増えるだけのバトルであるため、ストレス要素にしかならない。遠距離戦ならではの魅力といえる要素は、皆無に近い。
    • ちなみに、遠距離用の武器には遠距離ボスの弱点を突ける属性武器が存在していない。このため遠距離戦のボスに属性弱点があっても弱点を突けず、弱点設定が完全に死に設定となっている。
  • 敵に挟み撃ちにされた場合、背後側の敵を一掃しない限り、その戦闘からは逃げられない。その仕様が原因となる全滅ポイントが存在する。
    • とある地域ではランダムエンカウントの賞金首三体が挟み撃ちをしてくることがある。このためその一帯はMM4屈指の全滅ポイントとして名高い。さらにフィールドで任意にセーブできる「キャンプキット」の販売拠点より前で遭遇するため、遭遇したが最後、前の拠点まで大幅に戻されてしまう。
      • その三体の賞金首の一匹である「サイゴン」はナンバリング作品の『2』およびそのリメイク作の『2R』でも初見殺しで名を馳せたボスであり、またその初見の殺し方が登場する毎に凶悪化している。そのためか、この戦闘自体が一つのトラップであるという向きも無いわけではない。
  • シリーズ初のボイスやムービーの導入について
    • 例によって賛否両論である。「テンポが殺がれる」「いらない」「特に気にならない」「味がある」と、プレイヤーがテンポや従来の雰囲気を重視するか、演出を重視するかで評価も様々。
    • 戦闘に入る・終わる場面でもかなり喋るので過去作よりは快適性に欠ける。
    • ボイスはON/OFFの切り替え可能だが、ムービーはスキップ不可。
    • イベントボイスをOFFにしているとムービーのBGM・効果音までOFFになり、ストーリーを理解しづらくなる*15
    • ちなみに一部のイベントボイスは最初からイベントボイスをOFFにしないとスキップできない仕様になっており、ボタンでスキップできない。
  • 思い切り限定された3D対応
    • せっかくの3DSにもかかわらず、3Dに対応しているのは戦車ビューと一部の町およびダンジョンのみ。
  • 過去作をフィーチャーしたつもりが空回りしているイベントがある
    • ブドウ館にて、最高のワインを作り館を手に入れるというイベントが発生するのだが、このイベント、はっきり言うと苦業でしかない。
      • シリーズでも印象深い「ドラム缶押し」イベントを意識したものというのはわかるし、一部ユーザーの間ではドラム缶押し同様ネタにする声も無い訳ではない。しかし歴代のドラム缶押しと比較してもやたら手間がかかる上、押すのはドラム缶ではなくワイン樽。トドメとばかりに館を手に入れてもインテリアすら置けず、たいして得がない。
    • そもそも自由度が売りの作風なのだからスルーすればいいと言えばそこまでだが、ワイン作りでポイントを貯めればシナリオ攻略どころかやりこみでも役立つ高性能な武器、防具、アイテムが目白押しという非常にいやらしい仕様になっている。ブドウ館のイベントをスルーすれば当然これら豪華景品はオアズケ。
  • 固定キャラではなく、汎用キャラ中心でストーリーを進めた場合のラストの展開
    • それまで使っていなかった固定キャラが急にでしゃばってくるので、単刀直入に言えば「誰だお前ら」状態になる。もちろん固定キャラを使っているならば問題にはならないが、今作は特にキャラクターデザインの件があるので…。
    • 代替の利く汎用キャラがストーリーででしゃばるのとどちらがいいか、という問題もある。
    • ラストシーンを除く本編中の何らかのイベントで、育てていなかった(低レベル&貧弱装備の)固定キャラが戦闘に引きずり出されるということは基本的に無いので、そこは安心してほしい。
  • ラストのとあるシーンについて
    • ネタバレ回避の為詳しい記述は避けるが、サーシャが電池切れで完全に動かなくなる悲しい別れを演出している筈なのに主人公とズキーヤが肩を組んで笑っている場面がある。
    • 「いい演出」と捉えるユーザーがいる一方で「意味不明*16」と捉えるユーザーもおり、賛否が分かれる。
  • 途方も無い労力を費やすことになるやりこみ要素
    • セーブデータに「勲章」が付く各種要素の進行やコンプリートが新たなやりこみ要素として追加されたが、中には「やりこみ」どころではない多大な労力が必要となる項目もある。
    • 「Lv999のキャラを作る」事で得られる勲章でさえ、勲章集めでは序の口。そう書けば、勲章のコンプリートがどれほど果てしない道のりかイメージしやすいだろう。
  • 異常な量のバグ・フリーズ
    • 従来のメタルマックスシリーズと比べても、笑って済ませられないレベルでバグ・フリーズが多い。これからMM4を遊ぶ方は、予めインターネットでバグ情報やフリーズの回避法を調べておくことを強くお勧めする。
    • 公式から配布されたパッチによって致命的なバグは一通り修正されたが、細かいバグや再現性のあるフリーズ箇所はまだまだ残っている。
      • どういう訳か、ゲストキャラが増殖したり「Lv0、HP0のヒナタ」に変わったりしてしまうバグは修正されず。
    • ただし、バグの中にはプレイヤー側に有利なものもあり、その恩恵はRPGの中でもトップクラス。
      • 【攻撃力オーバーフロー】バグの中には超改造によって星が増える時の「能力減少」によって攻撃力が逆オーバーフローを起こす物まで。
        修正パッチで消される(しかしよりによって攻撃力0になるものなのだが…)こととなったが、攻撃力65000以上の装備が作成できてしまった*17レベルメタフィンを限界まで飲んでも、戦車に人間が勝てるわけがなかった。
      • 【兵器の弾数上限解放】下手をすると戦車武器の弾数上限等のパラメータまで弄れてしまう。
        一発しか撃てないはずの武器を電光石火で乱射する、一部の全体攻撃装備を弾数無限化して機銃の立場を完全に奪うなど「バランス?なにそれおいしいの?」とでも言わんばかりにフリーダムな事態となる。
      • 【アイテムが変化・増殖】こうしたバグの中でも一際とんでもないのが、DLC専用アイテムすら生み出せてしまう錬金バグ。
        DLCを含めゲーム中に登場するありとあらゆるアイテム、装備、兵器を増殖・生成可能であったため、バグ容認派からは『メタルのアトリエ』なる呼び名まで付けられてしまうこととなった。
        この錬金バグについては意図的に状況を作らない限り絶対に発生しないので、普通に遊ぶ分には気にすることは無い。バグの性質上これ以上の詳細を此処に掲載するわけにはいかないので、どうしても気になる方は自己責任の下で各自検索して欲しい。
    • フリーズは「戦闘終了時にフリーズ」「クルマの装備画面開いたら暗転したままフリーズ」「ベルエポの地下で戦っていたらフリーズ」「ラッキーナというNPCに話しかけたらフリ(ry」「宿屋に泊まったらフ(ry」「スタッフロール(ry」等、様々な場面において報告が挙がっている。
    • 一応公式からのパッチで錬金バグは修正された。しかし、今作はパッチを適用せずともWi-Fi通信を利用することは可能で、DLC購入も何の不具合も無く行える。ポケモンのように通信がメインとなるゲームではないのが救いか。
    • なお、バグを使用する場合は3DS本体に保存してあるデータ破損*18のリスクを考慮すること。
      万が一大切なデータを遺伝子の欠片も残さず消滅させざるを得なくなった場合でも、ゲームカタログは一切の責任を負いかねます。

問題点

  • 過去作に比べてイベントの自由度が下がった
    • 自由度の高さがこのシリーズの最大の魅力であったのだが、今作ではメインストーリーのイベントの自由度が低くなっている。
      特に酷いのが最序盤で、ゲームスタートから序盤で顔見せしていた賞金首を倒し、通行止めを解除してもらうまでの場面は文字通りの「おつかいをやらされている」ストーリー。選択肢があっても結局全て強制イベントである*19ため実質意味が無く、メタルマックス特有の自由度を求めるプレイヤーにとってはストレスとなる。
      • 要するにメタルマックスらしさが薄れて普通のRPGに近くなったというだけなのだが、これまで自由度の高さを売りの一つとしてきたメタルマックスからその自由度をそぎ落としてしまったため、悪い意味で窮屈に感じるようになってしまっている。
      • ただし、序盤のとあるイベント終了後は一気に終盤の街まで行けるようになっている。そのため、普通のRPGに近くなったといってもごく僅かであり、終始攻略自由度が低いわけではない。
  • お世辞にも高品質とはいえないストーリー
    • ストーリーの評価が高ければ自由度低下も賛否両論で済んだのかもしれないが、残念ながら本作のストーリーは冷静に考えればおかしい部分や矛盾点、投げっぱなしの設定といった粗が目立つ。
    • 通行証の入手が非常に困難なラトゥールの街「ルピエ」の入り口・トロル門について、あるイベントではカリン単独で、しかも正面突破で突入され、かつ無事に帰ってきてしまう。トロル門自体の厳重さやラトゥールの設定と裏腹に、警備がザルすぎる。
      一方で、結局通行証が入手できないが故に世界をほぼ一周して裏から潜入することになるのだが、どういうわけか裏の方が警備が厳重*20というありさま。遠回りした意味とは何だったのか…
      • 更に、そのカリンは危険を顧みず妹救出を試み、妹救出のため主人公一味に同行するも、その妹がいると言われている街を完全スルーしても何も起こらない。それどころか未来永劫妹を救出しなくてもゲームが進行し、カリンも離脱しない。妹はどうでもいいのか…
    • ラロは生粋の女たらしという設定だが、先頭のキャラを女性にしても何も反応せず、扱いが男と同等。オリビアは女性だとセリフもボイス付きでしっかり変化するのに…
    • ズキーヤの存在価値が見た目だけ
      • ズキーヤは序盤、ギャングに襲われているのを主人公に助けられてから、その流れで所属組織が依頼されていたクエストの手伝いを主人公にしてもらう。その後、お礼に上述の通行証を発行するよう鬼婆に頼むが、鬼婆は拒否。
        つまり、主人公にとっては(得物のデマーエを別にすれば)博士を救出するまでの時間を浪費させられただけ。それ以降はイベントには絡まない。
      • 本作のメインテーマのひとつとなっている『明日の歌』はただ歌うだけ。別にそれがストーリーの謎を解決するきっかけにも、強敵を倒すきっかけになるわけでもない。
      • 挙句の果てには、ズキーヤの職業は後述の通り、本作のシステムの煽りを喰らって弱体化したアーチストである。
        本作は固有キャラが多く、かつ彼女はラロと異なり即戦力でもないため、後半はベンチウォーマー兼超改造要員になりがち。
      • 尤も、否寄りで賛否両論あった固有キャラの中では比較的まともなデザインであり、かつもう一人のヒロインがアレな状態の為、見た目の評価は悪くない。また女性のアーチストは強力な耐性を持った専用防具が充実しており、場面に応じて着替えさせれば活用できないわけでもない。
  • 力の入れどころと抜きどころを完全に間違えたとしか思えないゲームデザイン
    • ゲームの随所に力の入れている要素と、既存の資源を流用するなど開発効率面を重視したと思われる要素が(素人目にも見てわかるように)存在するが、そのチョイスがちぐはぐで、悪い方に作用している。
    • その1:キャラクターデザイン
      • 初報で公開された、通常版パッケージにも使われている、山本氏デザインのキャラクターのデザインが「胸にビート板」と揶揄された主人公を始め、悪い意味で古臭いと感じさせるものであった*21。結果、 この初報で少なくない数のメタルマックスファンが「死にてぇ」と断末魔を遺し脱落していった。
      • その後不評を察したのか、彩色は改められた。しかし根本のデザインについては未だに賛否両論。
      • このデザインを乗り越え実際に買ったユーザーからは「プレイを進めるうちに気にならなくなった」「古参ファンの予想の斜め上を行くのがいつものメタルマックス」という声も挙がっている。
      • Limited Edition付属のDLCコードを使ったり、2周目以降のプレイでは、過去作の主人公や汎用キャラに見た目を変更することも可能。
        しかし、ムービー上では外見変更が反映されずデフォルトままの姿で描かれるという難点がある。後者についてはアニメなのだから仕方ない面もあろうが……。*22
      • 新規に描き下ろしたキャラの評価が上記のありさまにもかかわらず、新規ジョブであるライダー・舞闘家の固有グラフィックは無し
      • 今作では汎用キャラの職業と見た目を別にすることができるが、それは新規ジョブの画を作らなかった手抜きを誤魔化しているように見えてしまう。
    • その2:汎用キャラクターのボイス
      • ある条件をゲーム内で満たすと、汎用キャラのボイスを選択できるが、選択肢がDLCを除く固有キャラ分のみ
      • そのうち、サーシャのセリフには『ソフトウェア』『バージョンアップ』等アンドロイド特有の表現が含まれており、X-エルのセリフには一人称'エル'という表現が含まれているため、汎用キャラには使いにくい。
      • 上記を考慮すると、異性のボイスを設定するのは有り得ないとして、ボイスの選択肢は男女は共に実質4択以下*23
      • にも拘わらず、モブキャラであるメモリーセンターの受付嬢には無駄にボイスを設定している有様。それも大量に。
      • 更に、セリフはプレイヤーが強くなることで徐々に好意的なセリフに変化する。
      • 「受付嬢のセリフをずっと残して置いて欲しい」という声や、「高レベル時のセリフ*24にこちらが興奮する」という声もある*25
        しかし、この手のネタを「下品」と感じるユーザーやテンポを求めるユーザーからは不評。また、プレイヤーキャラである汎用キャラのボイスレパートリーが上記のありさまであるため、「モブにボイス設定する余裕があるなら汎用キャラに回せ」との声も。
      • そして、DLCのレナは無難かつ汎用性が高いボイスなのに、購入しても選択させてくれない。資源を流用したいならこれこそ使いまわせばいいのに…
      • 本作ではOPテーマ曲を声優アイドルユニット「i☆Ris」が歌っており、更には各地に存在する名有りメモリーセンター嬢のキャストを務めている。
        OPテーマが収録された彼女達の4thシングルに戦車「モスキート」のカラーバリエーションDLCコードが特典として付属していた*26ことから、こうしたメモリーセンター嬢の仕様は彼女達の販促の為に角川サイドが命じたものではないか? と一部から憶測されている。
    • その3:主人公の外見変更
      • メタルマックス2: リローデッド』と同様、主人公・ヒナタは2周目以降、外見と職業を変更することができる。
        その際、ボイスも変更することができるが、何とイベント時のボイスは(キャラメイク時の設定に関わらず)ヒナタのボイスに戻ってしまう。
        結果、見た目は女性なのにいきなり男の声で喋る場面が発生する。
      • MM2Rではボイスが無かったために違和感が生じえなかったが、ボイス無→有になった本作に2Rの仕様をそのまま持ってきてしまったため、大きな違和感が生じてしまった。
        せめてヒナタ以外のボイス設定時は自動的にセリフをボイス無しにするとか、女性用ボイスでの同じセリフを1パターン用意するとかできなかったのか…
  • DLCの販売方法
    • 上述の通り本作には大量のDLCが存在する。それだけならばさほど大きな問題ではないが、それらが全てバラで売られていて、かつ単価も高い点は特に批判される。
    • 追加賞金首だけで見ても、24体の賞金首を全て300円でバラ売り。全てそろえると、これだけで7200円である。
    • 戦車については、一見大量に存在するように見えるが、実際はそのほとんどがゲーム内で入手できるもののペイント違い。DLCでのみ入手可能な戦車はそう多くない。
      • 入手困難な武装が搭載されていることもあるため、全く無価値というわけではないのだが…。
    • アイテムも全てバラでの販売。一度の購入でセーブデータ毎に99個まで入手できる。なお、一部のアイテムは1個しか入荷しない。
      • 二つ欲しければ二度課金ということにはならないものの、逆にバランスブレイカー級のアイテムまでが使い放題となってしまう。
      • スーパーレアメタルやレベルメタフィンのような消耗品は同一のDLCアイテムが複数セット存在しており、買い切っても新たに購入することで再入荷する(セット数に上限あり)。
      • 通常複数入手が不可能なアイテムを複数所持できるため、改造の幅が広がる等の利点は存在する。
    • もしも全てのDLCを購入する場合、総額はなんと9万円を超える。勿論全て買う必要はないのだが。というか、多すぎるので全て活かす方法がない。
    • また本作には店舗特典が存在するのだが、それもDLC扱い。そのほとんどは通常入手不可能な装備品で、角川の運営するebtenのみ、賞金首が特典となっている。
      • 更に厄介な事に、一部店舗の特典やebten特典の賞金首が落とすアイテムは最強装備候補となりうる程の強力な性能を持っているのである。
      • またLimited Editionの特典にも、先述したコスチュームの他に賞金首・クルマが含まれたDLCが入っている*27
      • こうした販売方針の為に、本作では発売と同時にソフトを複数の店舗で新品で購入し、更にDLC限定のアイテムまで購入しなければ実質的にアイテム等のコンプリートは不可能となっている。
    • これらのDLCがなくともゲームとしてのボリュームは十分あるため、一切購入せずともゲームの進行には特に問題はないのが救いか。
  • DLCを購入しなければ使えない戦術が多い
    • たとえば、今作に登場する4人乗りのクルマは「穴1をS-Eに設定する」ことが不可能、「トリプルストライク」の特性がDLC限定アイテムでしか使用できないなど、前作までで当たり前のように使えた戦術が今作ではDLCを買わないと実現できなくなっている。
      • これを補うために第6の穴が用意されているのだが、前述した通り第6の穴に「シックスセンス」を付けた型より「ダブルCユニット+トリプルストライク」の方が実用性が高いため、単純に不利になっている。
    • 上記問題点と併せたあまりに阿漕なその販売戦略は、案の定一部のファンや購入者を幻滅させている。
  • DLCの設定とバグの噛み合わせが非常に悪い
    • 上述のDLCとバグの概要を簡潔に述べると、DLCは「ゲームバランスに影響するアイテムが多数で、かつ値段設定も高い」、バグは「ゲームバランスを低下させるものがあるが、リスクが非常に高い」となる。
      • 更に、アイテム増殖バグはパッチで修正されているが、旧Verでプレイすることも可能。
    • もしDLCの価格設定が安ければ、DLCを使いバグは回避される。もし(DLCの価格設定がそのままで)バグの内容が有益なものが無ければ、DLCが買い控えられる(一部のファンは課金する)ことになる。
      その場合はいずれも、バグが消滅したパッチを充てられ、ゲームは健全かつ安全な環境でプレイされる。
    • しかし先述の通り、「アイテムは欲しいが値段が高い、しかしリスクが高いとはいえタダで入手できる方法がある」となれば、プレイヤーは必然的にバグを利用し、アイテム(ひいてはDLCも)を増殖させようとするものである。
      つまり、DLCが高価格であることが、バグを悪用する温床になっているのである。
      • 事実、攻略サイト等では販売後およそ1年もの間、バグの利用方法の研究が行われていた。

軽度の問題点

  • ベルイマンの配下であるモーターレギオン(敵対組織)は、幹部クラス(百台隊長のゴモド・ワルバラ・サソリスタン・タランティーノ)でも賞金首ではないため、プレイヤーの印象に残りにくい。
    • これは『2』のバイアス・グラップラーや『3』の冷血党といった過去作の敵対組織とは異なり、人間狩りやトレーダー襲撃などの大掛かりな悪事を働いていない為。
    • シナリオ的にはそれほど違和感は無いが、賞金首として事前にポスターやハンターオフィスで情報が入ってこない上、悪事を働いていないが故に住民などからも情報が殆ど得られない。そのため、いずれもポッと出感が強くなっている。
    • ゴモドは登場シーンがムービーで、かつ2回も出演しており、サソリスタンは声優がかのフリーザ様の声まね芸人と、キャラ自体の濃さは2の四天王や3の冷血党と遜色ないのだが…
  • 悪い意味で印象に残る「主人公の台詞の選択肢」
    • ズキーヤから明らかに人外の域に達している敵幹部まで、女ならどんな相手であろうと「キミ、カワイイね」が選択肢として表示されたり、悪い意味でインパクトが強い。
    • 選択肢によっては、万人受けしたりプレイヤーが感情移入出来たりするタイプの人間であるとはお世辞にも言えなくなってしまう。
      • ちなみに2周目以降は主人公を変えられるが、言わされる台詞や選ばされる選択肢の内容は一切変わらない。
  • 一部のイベントが何度も繰り返して発生し、テンポを悪くしている
    • 特に厄介なのがソーセージ・インのイベント。条件を満たしていると宿に泊まるたびに無駄に長いイベントが毎回発生し、更に条件を満たすと宿の入口に近づくだけでもスキップ不可能な長いイベントが毎回ランダム発生するなど、テンポを重視するプレイヤーからすると大迷惑この上ない。
      • なら宿に泊まるどころか、最初から入らなければいいじゃないかと思うかもしれないが…本作においてストックメンバーの入れ替えが行える「ヌッカの酒場」があるのはこの宿の中なので、どの道入らざるを得ないのである。
      • ちなみにこの宿、最初のイベントで来た時はこちらもループする選択肢まで用いて無理やり宿泊させられる。悪辣極まりない。
  • 面倒すぎる「クリア後プレイ」
    • 本作にもクリア後追加の賞金首が居るのだが、クリアした後の再スタート位置「鉄塔島」からクルマが置かれている位置までの移動がやたら時間がかかる仕様になっており*28、異様に不便。
    • これに加えて、上述の通りラスボス捕捉イベントが消えずに何度でも発生する。このイベントはよりによって「経験値や金を大量に稼ぐのに最適な場所(の近くの拠点)」をうろつく度に発生するようになっており、レベル上げの際は煩わしい。
      • ただし、ラスボス捕捉イベントについては回避が容易であるため、さほど問題ではない。*29
  • ベルエポ地下ダンジョンの「異様な長さの通路」
    • 主人公の後ろにカメラが回り、長い通路を通って別の場所に行けるダンジョンが存在するのだが、場所によってはこの通路が異様に長く、ただ通り抜けるだけで軽く5分以上かかるやたら面倒な作りになっている。
    • 更にこの通路、白兵戦に固定されるため途中で脱出するための「ドッグシステム」が使えず、もちろん「迷彩シールド」も使えないため、ただ通るだけでもエンカウントに悩まされることとなる。
    • 幸いこのダンジョンはクリア必須のダンジョンではないため、無視しようとすれば完全に無視可能なのが救い。
  • 各職業の没個性化
    • スキルのバランス調整とプレイヤーによる強化を導入したため各職の特色が薄れ、強い者はより強く、弱い者はどうやってもそこそこにしか成長しない。
    • 「タイル命」「ゆるめる」などの重要スキルを複数職分、一度に使用できるようになったため、バランス調整どころか没個性化という結果になった。
      • 前作『2R』の時点ではあくまでサブジョブの上限レベルが99であったため、肝心の「解体」「禁断の注射器」「ヨコヅナオーラ」などはそれぞれ専門家でなければ何度も使用することが出来ない、と言う調整であった。そのためメカニックやナースも「弱いが、決して要らない子ではない」状態でとどまっていた。
      • しかし、今作の調整では誰が覚えてもレベルとブースターポイントが同じなら専門職と同じ使用回数になったため、前作で辛うじて保てていた専門職のメリットが完全に崩壊、弱いクラスの存在価値を完全に奪ってしまった。
      • 付け加えるならレベルアップで各キャラクターが習得していく特技の大半は、実は汎用特技という扱いになっている。この汎用特技、中盤以降はとある施設で別の特技と変更が可能。汎用特技の多くは各職業の専門特技と同一なので、特技の入れ替えを利用するようになるとますます職業間の個性が薄れる。
      • ごく一部「特定クラス専用」の技や「特定のクラスでなければ出来ない特技の組み合わせ*30」もある。が、それでアーチスト・メカニックとソルジャー・レスラーの能力差をひっくり返す価値が見いだせるかと言うと…。
      • 言うまでも無く、使える特技とそうでない特技の差が大きいため、プレイヤー自身の好みに合わせていじった結果、全員がほとんど同じ特技構成になっていた、と言う事もしばしば起こる。
  • 固定キャラと汎用キャラの能力差
    • 固定キャラのメカニック枠であるラロはHPに恵まれているほか、最初から「解体」が使え*31、更に専用の特技も覚えるなど通常のメカニックの完全上位互換に当たる。
      また、ソルジャー枠のサーシャもアンドロイドの設定故か通常のソルジャーよりステータスが高く、更に専用特技を複数持つなど優遇されている。
      • …が、その一方で(一応の)ヒロインであるズキーヤは汎用アーチストとステータスが違わない上、専用スキルが一切無い。二周目以降ではズキーヤの姿も他のクラスのキャラに使えてしまうため、ズキーヤの存在価値は序盤ではDLCの水着姿と貴重なバイクとなるナポレオン3号(デマーエ)だけということに…。
      • とはいえ、どのキャラを使っても攻略はできるので、そういう意味ではハードルは低い。
        また、上述のラロはメカニックベースであり、先述の通りメカニック自体が弱い職業であるため、固有キャラ間ではバランスが崩れている訳ではない。DLCのコーラは悲惨なことになっているが
  • 存在意義が疑われるHP上昇系スキル
    • 他の能力アップと異なり、限界を超えてくれない。他よりポイントが多く必要で強化が難しいくせに、やり込みで苦労してブースターポイントを振っても使い物にならないのである。
    • 一応、レベル上限撤廃アイテムの「レベルメタフィン」を投与しないことを前提にすれば活用できなくもないのだが、今作は『2R』以上にレベルメタフィンを集めやすいので「LV99で打ち止め」はそれ自体が趣味の領域となってしまっている。
  • せっかく3D化したものの、動きがほとんど『飛び跳ねる』物だけ
    • 今作ではマップのキャラも立体化しているのだが、折角の立体化にも拘らずイベントシーンでの動きはその場で飛び跳ねる物しか無い。そのため、サブイベントの会話シーンでは「向かい合っているキャラが互いに小ジャンプを繰り返す」という、何とも珍妙な光景を見せられることになる。
    • 酷い物になると向かい合ったキャラが同じタイミングで台詞の合間にぴょんぴょん飛び跳ねる。…他の動きを作れなかったのか?
    • ちなみに、ダーマス神殿の特技の切り替えの際はちゃんと椅子に座るなど、イベントによってはちゃんと専用の動きがある。しかし、サブイベントのNPCはほぼ全て飛び跳ねるだけしか動作しない。
  • ムービー部分に字幕がない
    • このため音声そのものを切っている場合や、聞き取りにくい環境で遊んでいると、ムービーに入ったとたん誰が何を喋っているのか、どんなナレーションが流れているのか(あるいは流れていないのか)分からなくなる。ムービーそのものに対する評価や好悪とは別軸で、こちらは純粋な問題点。
    • どこでムービーが入って来るか予期しづらく、不意打ち気味に割り込んでくる。つまり咄嗟にイヤホンへ切り替えるといった対応も困難。特に序盤は頻度が高いので、メッセージを聞きのがすのが嫌なプレイヤーは遊ぶための環境が限定される。
    • 中盤以降はムービー演出が激減するためあまり気にならなくなるが、なくなるわけではないので唐突に始まったとき慌てることに変わりはない。
  • 一部エンジンの強化に制限が発生するようになった
    • 簡単に言うと、前述のレアリティが一定以上ないと積載量改造できない。つまり本作では、入手する為に超改造が必須な上位版エンジンがいくつも登場してしまっているのである。ひどい時は最終バージョンにするために、何と1792回もの超改造(レアリティ「7つ」分)が必要なケースもある。
      • そして、そんな無駄時間をかけずになんとか図鑑を埋めたいプレイヤーに悪魔のごとく忍び寄る「数ランク上げてあるエンジン」のDLCとアイテム増殖バグ。無論エンジンそのものはゲーム中で普通に入手できるので、ことさら悪質。
  • 相変わらず意味のない一部兵器の超改造
    • 攻撃に使えない迎撃専用の装備品に超改造を施した場合であっても「攻撃力」が上がってしまうため、重くなるだけで何のメリットも無い。Cユニットの場合は守備力が上がった分を下げると「性能を上げつつ軽量化」出来るようになったというのに、武器としてひとまとめにされてしまったためにこの有様である。無論、上がった攻撃力を下げることもできない。
    • もちろん、レアリティを上げても迎撃専用装備品の迎撃制度が向上することは無く、守備と重量が上がるだけ。壊れにくくなるとは言ってもシャシーやCユニットほど致命的ではないため、わざわざ超改造を施す意味が無い。
  • ソーセージ・インの女将アビィとの結婚エンディングがない
    • 『3』のシセ、『2R』のイリットとサキに当たるキャラである。ゲーム内でもドジっ娘・美女・未亡人と萌え属性を詰め込まれた上、裏設定がやたら濃い*32。思わせぶりなイベントも多々。だけど結婚できない。
      • アビィに関しては発売前から結婚エンドのあるキャラと同様の扱いで報じられていた。
  • ミニゲームが一切存在しない
    • これまでのシリーズにあった「戦車でバンバン!」等のミニゲームは一切無し。*33
  • レベルアップのテロップが遅い
    • レベルアップの際、まず経験値バーが動き、その後上昇能力1つ1つごとにメッセージが出る上、1行ごとに決定ボタンを押す必要がある。
    • このため、レベルメタフィンで上限解放している場合や、エクスリングDXで控えメンバーも纏めてレベル上げを行う場合に、メッセージ送りが苦痛になる。
      • せめて、能力アップか、複数レベル分のレベルアップ表示を一括表示にしてくれればマシになったのだが…
    • 参考までに、メンバー最大12人でレベル30アップさせた場合、メッセージ送りだけで20分以上かかる。

総評

キャラクターやDLCを前面に出した初報の拙さやメタルマックスらしからぬ見た目で、多くのユーザーに購入を躊躇わせてしまったのは否定しようの無い事実である。
更に、シナリオの窮屈さや、選択肢がいくつもあるのにもかかわらず、相変わらず特定の選択肢を「選ばされる」ことによって生じるストレスにより、メタルマックスらしさが消えてしまっている部分が見受けられる。
「竜退治はもう飽きた!」をテーマとするRPGからは若干離れてしまった、とも言えるだろう。

しかし上記の不評な点を乗り越え、深く遊んでみると、前作でほぼ完成されたシリーズ独自の設定やシステムを生かした「安定して面白いメタルマックス」であることが分かる。
便利ボタンなども含め、UIは前作から正当な進化を遂げている。
やり込み要素の奥深さは前作以上であり、キャラのカスタマイズ性も(格差問題はあるが)向上するなど、様々なプレイスタイルに幅広く対応しており、2周目以降の特典も使えばさらに幅広い遊びが出来る。

新規要素によりインターフェイスの快適さはシリーズ最高になり、初心者からシリーズ通してのファンまでカバーできるとっつき易いゲームとなっているのは評価すべきだろう。
趣味の分かれるパッケージとキャラデザイン、若干窮屈なシナリオを乗り越えられるのであれば、遊んでみて損はない。

但し、パッチを適用して尚数多く残るバグ・フリーズには注意してほしい。


余談

  • カメラ機能に対応している一方でMiiverseには対応しておらず、本作スクリーンショットの投稿はできない。戦車の改造要素やキャラメイクの都合もあって自由度が高く「自分の戦車やキャラクター」を自慢できたと思われるだけに、なんとも惜しいところである。
    • 食べたら巨大化して強くなる「スーパーキノコ」を筆頭に色々アウトすぎるネタを詰め込みすぎたからだろうか…。
  • パッケージイラストについて
    • パッケージは"月光のディーヴァ"の横顔と主人公がバイク形態のサーシャに乗っているイラスト…なのだが、内容を知らなければ怪しいスキンシップに見えてもおかしくない構図である。初見で手に取るには相当な勇気が要るだろう。
    • 不評の声が多かったためか、なんと数量限定の購入特典でパッケージ差し替え用のジャケットが配布された。
      • おなじみの戦車「レッドウルフ」と犬の「ポチ」が対峙するジャケットは、ゲーム中画像の使いまわしとはいえシリーズらしいデザインのため中々に好評。何故最初からこちらにしなかったのか…
    • ちなみにLimited Editionのパッケージは比較的まともなデザイン。何故通常版もこちらのイラストを使わなかったのか…。
  • 本作のディレクターである田内氏の公式コラム「Dr.タウチの新MM通信」にて
    「ソフトの売上げは開発スタッフが期待したほど伸びなかった」「メタルマックスの次回作は、もしかするとまた17年待たせてしまうかもしれない」
    と開発者自らぼやくという異例の事態が発生した*34
    • 売上が芳しくないのは上述のパッケージ・キャラクターデザインは勿論、多くのユーザーを脱落させた初報の内容も大きな原因の1つであろう。
      「続編殺し」 「コンテンツスレイヤー」などと呼ばれ恐れられる角川グループの本領発揮といったところか。
    • 以上のこともあってか当初は軽く値崩れを起こしており新品が3000円を割るところも珍しくなかった。しかし、2018年4月時点では新品・中古共に軒並み7000円以上と高額で取り扱われており、本作の隠れた人気・本質的な完成度の高さの片鱗が垣間見える。
      • 入手困難ではない本作のダウンロード版も定価価格のままである。
  • 現在は初代である『1』『2』『3』『2R』も含めたPS4/Switchによるコレクション化が困難である。
  • 2015年7月、「METAL MAX FIREWORKS」なるソーシャルゲームの公式サイトがオープンし事前登録の受付を開始、10月にはアプリが正式配信された。
    • 本作で使われた3Dモデルが、FIREWORKSにも多数流用されている様子。また本作に登場した一部キャラのイラストがリファインされている。
    • 当Wikiの性質上これ以上の詳細は触れないが、内容は完全に「よくあるソシャゲ」のそれである。
      これによって、残っていたファンの内ソシャゲに好印象を持っていない者達が「死にてぇ」と断末魔を遺し、また脱落していった。
      • 更にサービス開始後もFIREWORKS運営のグダグダぶり、数々の致命的なバグの発生もあって、脱落者は増え続ける一方であった。
      • 遂には2016年8月末を以てサービスが完全終了。1年持たずのサービス終了に、辛うじて生き延びていた残存ファンもブランドの今後を悲観し「死にてぇ」の大合唱を起こしたという…。
      • 2015年12日7日から「メタルサーガ 荒野の箱舟」がサービス開始。こちらの方が普通のRPGとしては勿論「メタルマックス感を味わえる作品」としても好評を博しており、ある意味で逆転現象が起こってしまっていたがこちらも2018年2月28日をもってサービス終了となった。
  • 田内氏は後にコンパイルハートとタッグを組み、3DダンジョンRPG『メイQノ地下ニ死ス』を発売した。
    • 氏は『メイQ』の公式サイト等でしきりにメタルマックスシリーズに準えてシステムを宣伝しており、実際『メイQ』における「魔械士」と「ガーディアン」の関係は、本作における「生身の人間キャラ」と「戦車」のそれである。 また本作の反省を生かしてかキャラクターデザインにはRyoji氏を起用し、可愛らしい少女を全面に推したコンパイルハートらしい内容となっている。
    • 田内氏のTwitterでMM3やMM4のイラストレーターとして山下しゅんや氏を推してたと発言しているところを見るに、ここ最近におけるMMのキャラデザ不振の元凶は田内氏以外という事で間違いないだろう。
    • やたらとガーディアンのカスタマイズ要素を推していた辺り、どうやら氏はメタルマックスらしさを「竜退治に飽きた人向けの、ポストアポカリプス世界での自由な冒険」ではなく「自分の戦車を好き放題にカスタマイズして俺TUEEEEEEすること」と捉えている様子。いや確かにそれも、一応魅力の一つではあるのだが…。
    • 店頭体験会も開かれたが、メタルマックスファンの参加は無かった模様。そりゃそうだ。
  • 2022年6月29日にDL版の配信が終了した。
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最終更新:2023年11月14日 11:05

*1 前作の超巨大賞金首「母艦サウルス」は巨大モンスターの「軍艦サウルス」を豆粒みたいに小さくしてその大きさを表現していた。また、一部クエストの敵はドットを超拡大して画面外に「見切れさせる」ことで大きさを表現していた。

*2 先頭のキャラクターの名が表示される。

*3 初代メタルマックスとの関連性を考慮した場合、『4』でノアと戦うと時系列的におかしなことになってしまうのだが…あくまでもファンサービスと割り切るべきだろうか。

*4 技の切り替え、名前の特徴から元ネタは言うまでも無くドラクエに登場する「ダーマ神殿」だろう。

*5 アーチストの姿のソルジャーを作り、切り替え特技をアーチストの技や、その類似技で固めるなど。

*6 フォローしておくならば「ノアとの戦い」は、1995年に発売された初代のリメイク作『メタルマックスリターンズ』から数えても18年ぶりに使用された曲であり、一種のファンサービスではないかと思われる。

*7 デフォルトの品物はバイクと2人乗りのクルマとウルフ。

*8 特に極端な重量を持つ大砲には、単体での最大重量が''100tを超える''ものもいくつかある。どうやって搭載しているんだ、などと細かい事を考えてはいけない

*9 この機銃と、とあるスキルを組み合わせれば先述の「ノア」すら完全封殺できる。クロモグラの立場は一体…。

*10 弾倉が無限だとしてもいくらでも攻撃できるわけではなく、ブレイクショット発動中は連射する度に兵器に破損が蓄積していき、最終的には大破して連射が止まってしまう。

*11 追加賞金首などを倒しても、図鑑のパーセンテージは上がっていく(最終的に100%を超える)。

*12 こちらの火力不足などで、1ターンの攻撃数が多くなりすぎるとフリーズする為、どんな状況でも勝利するという訳ではない。

*13 ハードはHP4倍、スーパーは8倍、ゴッドは16倍である。全て前作の1,6倍。

*14 当然、最強装備候補となりうるアイテムも含まれる。

*15 シナリオボイスOFFでムービーの音声に影響が出ることは、公式サイトのFAQでも述べられている

*16 悲しい別れ ⇒ 主人公とズキーヤが肩組み の切り替えが唐突すぎて、キャラの心情の切り替えが理解できない演出になっているから、と思われる。

*17 しかも、一定量の重量がある兵器なら全てに適用可能で、かつオーバーフロー発生時に重量も軽くなるため、ほぼノーリスクで最強攻撃力の兵器を5門積むことも容易

*18 バグが原因でドラクエのようにデータそのものが消えることはないが、バグの使い方を誤ると戦闘に入っただけでフリーズするため、ハマりデータになる危険性はある

*19 最初に出会った人間を見捨てる選択肢を選ぶと無限ループする、ズキーヤが賞金首と対峙しているのを見た場面では何を選んでも助けに行く選択肢になっている、など

*20 ベルイマンの配下であるモーターレギオン(敵対組織)とその幹部クラス、戦車より遥かに巨大な兵器が待ち構えている

*21 好評であった『3』『2R』においても「山本氏のデザインしたキャラを動かしたい」という意見が(主に『1』『2』をリアルタイムで経験した一部の古参)ファンから寄せられており、それに応える形での起用となったのであろう、が…

*22 山本氏の名誉の為に書き加えておくとするならば、Limited Edition付属の特典漫画「笑うカドルス」に掲載されている主要キャラのラフ画はシリーズの主人公達と並べても違和感の少ない、しっかりとしたデザインになっている。それがどうしてこうなったのかについては、導入したゲーム内アニメの影響によるものではないかと見られている

*23 さらに、女性はその4択中2択はエロティックなボイスとやる気のないコギャルボイスであるため、汎用性が高いのは2つしかない

*24 セーブの度に、誇張無しにドキドキされ興奮され失神される

*25 レベル100以上になるとセンター嬢と結婚もできる

*26 ただ単にモスキートを使いたいだけならば、他のDLC戦車と同様に通常カラーのモスキートを購入することも可能。

*27 Limited EditionのDLCはバラ売りされておらず、今後バラ売りされる予定も無いことが公式サイトで明言されている。前言を翻し販売に踏み切る可能性も、余談で触れる田内氏の発言から限りなくゼロに近いと言い切ってしまっていいだろう

*28 海底トンネルと化したリニア用のチューブや駅を通る必要があり、クルマの回収まで進むだけで5分近くかかる。上述のオートランを使用しても途中で止まってしまう。

*29 ブドウ館にドッグシステムで飛ぶだけなら発生しない。その場で囮寄せしてレベリングすれば捕捉イベントは回避可能であり、かつ囮寄せの習得難度は低い

*30 特技の切り替えでは同一の枠内に入っている技を両立させられない。例えば、ソルジャー最上級特技「ぶっぱなす」とレスラー最上級特技「ヨコヅナオーラ」を同時に使えるのはソルジャーかレスラーのみ

*31 通常のメカニックは高レベルにならないと使えない。

*32 夫は体を重ねることなく死別し、アビィは亡夫に操を立てている。

*33 ディレクターの田内智樹氏曰く「予算と時間が足りなかった」とのこと。

*34 第12回を参照。商売において「関係者自身によるネガティブな発言」は各方面に多大な悪影響をもたらしうる悪手の1つである。にも拘らずこの様な発言をしたというのは、よほど耐えかねる事情があったのだろうか、それとも…?