宇宙船コスモキャリア

【うちゅうせんこすもきゃりあ】

ジャンル シミュレーション
対応機種 ファミリーコンピュータ
発売元 ジャレコ
開発元 トーセ
発売日 1987年11月6日
価格 4,900円(税別)
判定 なし
ポイント 美麗なグラフィック
操作方法やゲーム性にやや難あり


概要

カーソルを動かし敵を捕捉、会話や交戦をして進めるゲーム。
惑星間を行き来して、敵と戦いながら光子ミサイルの6つのパーツを集め、惑星型要塞バトルスターを爆破するのが目的。
アクションゲームと誤解されやすいがシミュレーションゲームである。

ストーリー

1999年、あのノストラダムスの予言が現実のものとなろうとしていた。月がその軌道を離れ、地球へ異常接近していたのだ!
時を同じくして太陽系内に謎の宇宙船団が飛来、冥王星の外側に機械でできた「惑星」が出現した。
月の異常接近は、すべてこの惑星型要塞「バトルスター」のしわざだったのだ!
このままでは月は約3ヶ月後に地球に激突、人類は滅亡してしまう。
だが、謎の宇宙船団が、この太陽系の中で、強大な破壊力を持つ超兵器、光子ミサイルをつくっているらしいという情報が入った。
そのミサイルを逆にバトルスターに撃ちこめば、バトルスターは破壊できる!!
人類の最後の希望にかけて、防衛軍は、完成したばかりの宇宙船、コスモキャリアを急きょ発進させることを決定した。
きみの任務は、このコスモキャリアに乗りこんで謎の超兵器を発見し、バトルスターを破壊することだ。
--- 急げ!コスモキャリア!人類滅亡のその日まであと100日しかないのだ!!
(※説明書1頁のプレストーリーより抜粋)

ゲームシステム

  • 探索画面
    • 画面の上半分には惑星やコスモキャリアなどの宇宙画面とカーソルが表示され、下半分には各種コマンドが表示されている。
      • カーソルを対象に合わせロック、コマンドを選択する事でゲームを進める。
    • 飛行物体にはクリアに有益な情報をくれる物もいれば、敵も存在する。
      • 情報源を攻撃してしまうと場合によってはゲームが進まなくなる。こうなってしまったら、パスワードを取り一度ゲームを終了させ再開すると、敵・味方問わず全ての機体が復活するので、再び情報を聞けるようになる。
    • コマンド選択にはエネルギーを消費するものもある為、エネルギーが足りなくなってきたら地球の基地へ戻り補給をする必要がある。
      • また、地球ではコスモキャリアやコマンドスーツの修理も行う。
+ コマンド一覧
  • MISSILE
    • ミサイル攻撃を行う。威力を任意に変える事ができ、初期は0~16Pまで、最大40Pまで上昇する。使用すると攻撃力分のエネルギーを消費。また、攻撃装置が損傷すると実行不可になる。
  • BEAM
    • ビーム攻撃を行う。威力は自機のレベル×4Pで、最大32Pまで上昇する。使用すると攻撃力分のエネルギーを消費。また、攻撃装置が損傷すると実行不可になる。
  • SHIELD
    • シールドを張って敵の攻撃を受けつけなくする。シールドを張っている最中は常にエネルギーを消費する。シールドが損傷すると実行不可となる。
    • このゲームはカーソルをロックさせた際、ロックした対象以外は移動、攻撃を続け、また敵の攻撃を受けると自機に損傷が出る場合があるので、宇宙空間で複数の敵を相手に交戦する際にシールドを張らないというのは、かなり危険な行為であったりする。
  • MOVE
    • 隣の惑星エリアにワープしたり、上陸可能な惑星や衛星に上陸する。隣の惑星エリアにワープするとエネルギーを100消費。他に、星に上陸させたコマンドスーツを帰艦させる際にも使用。
  • COMMUNICATE
    • 他の機体と交信する。このコマンドを使い星の上陸地点の情報を得るのがゲームの進行上、必須となる。また、他に重要な点として、味方だけではなくこちらを攻撃してくる敵機からも有益な情報を聞きだせる事があるという点である。これに気付かず敵機を撃墜してしまうと、重要な情報を聞き逃してしまう事がある。通信システムが損傷すると実行不可となる。
  • COMPUTER
    • カーソルをロックさせた対象の情報を得る。対象のサムネ画像や解説が入るほか、敵の攻撃力や体力を知る事も可能。また、自機の損傷を修理する事もできる。修理にはエネルギーが必要。
  • PARTS
    • 集めた光子ミサイルのパーツの入手状況を見る。
  • STATE
    • 自機であるコスモキャリアと3種のコマンドスーツの現在の能力と損傷状況を見る。
  • 各エリアの移動
    • エリアは地球エリア・火星エリア・木星エリア・土星エリア・天王星エリア・海王星エリア・冥王星エリア・バトルスターエリアに分かれている。
    • 各エリア間の移動には、カーソルを惑星に合わせMOVEコマンドからワープを選ぶ。
  • 星の探索
    • コマンドスーツで上陸し、惑星や衛星を探索する。星には上陸地点の情報を得なければ上陸する事はできない。Aボタンを押す事で宇宙エリアと同様にカーソルが出現、これで対象をロックし、情報を得たり攻撃を行う。
      • スーツはグラビティ、ブリザード、フィールドの3つから状況に合わせ選択。基本は移動スピードが最も優れるフィールドを使っていけばいいのだが、高重力の星ではグラビティ、超低温の星ではブリザードを使わなければ探索できず、間違って他のコマンドスーツを送り込むと、そのコマンドスーツは失われてしまう(地球に帰還すると復活する)。
    • 星の最奥には敵の基地があり、これを破壊する事で自機のレベルアップパーツ、ミサイルのレベルアップパーツ、そして光子ミサイルのパーツなどの重要アイテムを入手できる。コスモキャリアにて星の上陸地点の情報を得る→星を探索しアイテムを入手→次の惑星エリアに行き再び上陸地点の情報を得る…これを繰り返す事がこのゲームの基本となる。
  • 敵の攻撃を受ける、または攻撃やワープなどのコマンドを実行するとエネルギーを減少し、これが0になるとゲームオーバーとなる。またゲーム中は常にゲーム内時間が経過しており、ゲーム内の時間で100日が経過し残り日数が0になった場合も同様にゲームオーバーになる。
  • 自機にはレベルが存在し、敵基地破壊時に入手できるレベルアップパーツを入手する事でレベルが上がる。このレベルが一定以上でないと他の機体から有益な情報が聞けない場合があり、レベルの低い状況で無理に遠くの惑星エリアに進んでもゲームは進行しないようになっている。
  • セーブはパスワード式で、地球での補給時に「キュウケイ」を選ぶとパスワードが確認できる。

評価点

  • グラフィック・演出
    • 惑星の質感が凄い。上陸した際もクレーター、迷路のように入り組んだ地形の描写や、地平線なども表現されている。
    • 人工衛星や敵をロックオンして調べると、惑星、衛星や味方人工衛星、敵戦闘機や雑魚敵に至るまでサムネ画像や解説が表示される。FCの制約を感じさせない。
    • 隣の惑星エリアにワープする際にワープの演出が挿入される。各惑星のグラフィックと相まって、広大な太陽系を旅しているという気分にさせてくれる。
  • プレイヤーがとれる行動は中々に多め
    • デメリットしかないが、敵機だけでなく味方機まで攻撃、破壊する事ができる。咎められるような事は一切ない。
    • 敵として戦艦が出てくるが、なんとこれにも上陸して探索する事ができる。最奥で地球に一気に帰還できるアイテムを入手できるので、持っていない場合は上陸する価値がある。
  • 戦う、移動・探索するだけでなく、情報収集が重要なゲーム内容
    • 星に上陸するには上陸地点の情報を得なければならない。また味方だけではなく敵も重要な情報を持っている場合がある。ただ単に戦闘と移動や探索を繰り返すゲーム内容では無く、宇宙空間にて様々な対象に「聞き込み」をしながら進めていくゲーム内容は評価できる。
  • 音楽
    • 上陸できる各星ごとに専用BGMが用意されており、雰囲気がよく出ている。

難点

  • 操作方法
    • シミュレーションだけに選択項目が多く、慣れるまでが面倒。
      • 慣れればそう難しい事はないのだが。
      • 前述の情報収集の重要さに気づけないプレイヤーだと、星に上陸する事もできず何をしていいか迷う可能性もある。
  • ゲーム性
    • 「地球で態勢を整える→惑星にワープしていく→上陸して基地を叩く→地球へワープしていく→…」の繰り返しで単調。
      • 攻撃方法もビームとミサイルだけで、威力は強化できても攻撃方法は最後まで変わらない。
    • コマンドスーツで星を探索するパートでは、敵を調べるにも攻撃するにもいちいちカーソルを出して敵をロックしなければならない。直感的な攻撃ができず、煩わしい思いをさせられる。また、カーソルを合わせロックした敵以外は動き続けるため、複数の敵を相手にする場合は敵をロックしコマンドを選び攻撃をしている間に、他の敵の攻撃を受けるという事がままある。
      • シールドを張って敵を無視して一気に突っ切るというゲームプレイも、場合によって必要となる。
    • ワープ移動は隣の惑星エリアにしか移動できないため、遠くの惑星に行く、または遠くの惑星から地球に帰還する際に時間がかかり煩わしい。評価点の項目にあった演出もこの点においては問題点となる。
      • 一応、地球エリアに一度のワープで戻れる「アースウィング」というアイテムがあるのだが、ひとつしか持てず、また使用すると無くなってしまう。
  • 海王星エリアにて、戦艦でもなんでもない、それまで重要な情報を全くよこさなかった何てことのない雑魚敵機が重要な情報を持っている。これに気付かずに撃墜してしまうと上陸地点の情報を聞き逃してしまう。
  • ラスボスが簡単すぎて盛り上がらない。敵は一切攻撃をしてこず、弱点部分に光子ミサイルを撃ち込むだけである。こちらがやられる可能性は(時間切れによるゲームオーバーを除き)一切ない。

総評

コマンドが少々とっつき難い点もあるが、難易度も易しい方で、SLGの入門にも適している。
当時のファミコンソフトは高難度のものが多く、そんな中で本作は初心者には有り難い存在だった。
グラフィックと音楽が良く綺麗にまとめられており、惑星・衛星に行って探索するのも楽しいコスモを感じさせてくれたゲームともいえる。

余談

  • 当時は冥王星も太陽系の惑星に分類されていた。「準惑星」として太陽系外縁天体に分類し直されたのは2006年のこと。
  • タイムリーなネタとして、地球の周囲にはランドサット(米国の地球観測衛星)、ナブスター(GPS衛星)が飛んでいる。
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最終更新:2024年01月06日 05:43