SDガンダム Power Formation Puzzle

【えすでぃーがんだむ ぱわーふぉーめーしょんぱずる】

ジャンル 落ち物パズルゲーム
対応機種 スーパーファミコン
メディア 8MbitROMカートリッジ
発売元 バンダイ
開発元 制作: トムクリエイト
開発: 不明
発売日 1996年1月26日
定価 9,064円(税込)
判定 ゲームバランスが不安定
ポイント ガンダムとパズルゲームというまさかの融合
パズルゲームの常識を覆す揃えてはいけないシステム
意欲的なゲームシステムゆえに説明不足がもったいない
SDガンダムシリーズ


概要

機動戦士ガンダムから新機動戦記ガンダムWまでのガンダムが登場する落ち物パズルゲーム。
パズルゲームブームに乗っかっただけのゲームながら、ガンダムという題材をそれなりに活かしたシステムとなっている。
プレイヤーは各登場作品の味方・敵どちらかの軍勢を選び、プレイする。

特徴

  • 本作の特徴はなんと言っても、 並べて消してはいけないパズルゲーム ということである。
    • プレイヤーは、真ん中から1つずつ出てくる4色のブロックを敵と取り合いながら積みあげ、隙間なく段を作っていく。
      • 但しこの時、同じ色のブロックが4つ以上並ばないように、また4色全ての色のブロックが一ヶ所に並ばないようにする必要がある(Pブロックという例外については後述)。縦・横・斜め・L字・T字・四角重ねで「並んだ」とみなされる。
      • 上記のように並んでしまうとブロックが爆発し、自軍戦艦にダメージが及ぶ。
    • 一列以上積んだら、BかYボタンを押してMSを生産する。MSの強さは積んだ段の数によって変わる。Yは生産後即出撃となり、Bはストックになる。ストックは一定数のみ可能。
      • MSの強さは、反撃によって出されたMSの強さに応じて削られていく、例えばレベル2のMSはレベル1のMS2体分の攻撃によって壊される。さらにレベル1のMSの攻撃を一度受けた時点で、レベル1のMSと同じ攻撃力にまで落ちる。
    • 出撃したMSは、相手が反撃用のMSを出さない限り直進し、破壊されずに進むと相手の戦艦にダメージを与えていく。戦艦のHPをゼロにしたほうが勝つ。ちなみに攻撃が成功すると相手のブロックをダメージに応じて破壊する。
  • 4色の通常ブロックの他に、Pブロックというものもある。
    • Pブロックのみは4つ揃えて爆発させる(ノーダメージ)ことで、最後に置いた列ごとに特殊な効果を発揮させる。列は6列あり、どこでどの効果が出るかはチーム選択画面に表示されている。
      • 一度使用したPブロックはその場に使用済みのブロックとして残るが、周囲のブロックを揃えてしまうと一緒に誘爆し、ダメージが増加してしまう。
    • またPブロックは4個『以上』揃えると効果を発動する。つまり、うまく積み込めば5~10個前後までいっきにくっつけて効果を発動できる。発動時の数に応じて効果も強力になる。
  • 次に来るブロック予告が「対戦相手と共有」であり、欲しいブロックの奪い合いと、相手が嫌がるであろう色の押し付け合いが対戦の鍵となっている。
    • 隠し条件があり、生産時の最上段に緑ブロックが4個以上含まれると、相手の攻撃を1度目は必ず回避するMSを生産できる。2度目からは一定確率で回避する。この条件を知っている者同士の戦いはさらにブロックの奪い合いが激化する。

評価点

  • これまでのセオリーを逆手にとった、『ぷよぷよ』+『テトリス』的な割合画期的なシステム。
    • 機体を製造し、相手と殴りあうというシステムは、対人戦ではなかなか白熱する。
    • 機体をストック出来るというのがこの戦闘システムの肝であり、溜め込んで一気に攻めるか、自軍を守る保険として取っておくかなど、戦略の幅はなかなか広い。
    • もちろんストックしないで攻め続けるという戦法も可能。
  • 考え無しに段を積めば良いというものではなく、積めば積むほど事故の可能性が高くなるという緊張感。
    • どの程度で機体を生産するかという戦略は、事故の被害を抑えるという意味でも考えなくてはならないポイントである。
    • もっとも、リスクを越えてレベルが高い機体を生産出来れば、相手は受け止めにくく、自軍に大ダメージを許してしまうことになる。
    • 4色のブロックが揃うと爆発するため、1色を敢えて捨てる戦法が基本となり、対人戦では「互いに避けたいブロックの読み合いと押し付け」が他のパズルゲームと一線を画したおもしろさとなっている。CPU戦でも捨てた一色を「押し付ける」ことで自滅を狙う戦い方が可能。
    • またPブロックはCPUも狙って奪いに来る。爆発しないブロックというだけでも価値があり、対人戦となればフェイントを交えたブロックの奪い合いが楽しい。
  • ガンダムWまでの作品を概ね全て揃えており、比較的機体の種類が豊富。
  • 機体の強さは1、2列目は微々たるもので、3列目から相手に大ダメージとなる。
    • このため1、2列目は基本的に牽制や防御目的で使う。また相手が3列の強さを出撃してきたら、即座に1列並べて迎撃させることで2列の強さに削り、後は放置といった戦法が可能で、戦術的にも選択肢の幅がある。
  • 機体には固有で「速さ」があり、チームごとに何列目かに脚の速い機体が存在する(例:ガンダムチーム4列目のZガンダムは、進行時ウェーブライダーで速い)。
    • 特徴に記述した隠し条件を知っていれば、さらに攻撃力や迎撃能力を高めたMSを使うことも出来る。
  • 機体ごとに戦闘時のアニメーションが複数存在する。SDとリアルの中間ほどのデザインでアニメーションするため格好良い。
  • 隠し条件で出現する機体があったりする。筆者の知るものはガンダムチームで、一列目に黄色ブロックを4個入れて一列生産すると、ガンダムのかわりにフルバーニアン(4列のゼータガンダム並みの強さ)が生産できるというもの。
    • 他のチームにもありそうであるが、知っていたらぜひ教えてほしい。あり得る条件は「何列目生産時に何色が4個以上含まれたら」が最有力。フルバーニアンだけが特別な隠し要素なのかもしれないが。

問題点

  • ブロックが消える条件が厳しすぎる。
    • 「同じ色を縦・横・斜めに揃えたら駄目」という条件だけならまだしも、4色違う色でも消えるうえ、くっついていればぷよぷよ形式の消し方でも平気で爆発する。
      • このゲームは連鎖すればするほど自分が追い詰められるという奇妙な状況に陥るが、この消滅条件の緩さによって連鎖も頻繁におこり、自滅して終了という情けない終幕もしばしば。
      • ぷよぷよの消滅条件だけでは膠着化してしまうかもしれないが、これはいくらなんでも緩すぎる感が否めず、せっかく積み上げたブロックが崩壊していく様を見た時の絶望感はとてつもない。
      • その代わりというのはおかしいかも知れないが、普通のパズルゲームによくある「ブロックが排出出来なくなってゲーム終了」ということはない。最大の段まで積むと、乗せた段の一番下のブロックが消滅し、一段ずつずれる。
      • もっとも、全て埋めた状態では高確率で事故が発生するので、そうなる前に素早くストックまたは出撃させるのが普通だが。
  • Pブロックは軍勢によって効果が異なり、便利な効果を持つかどうかでチームの強さに大きな影響がある。
    • その効果故に、これだけで勝利出来てしまうパターンも存在する。もっともストーリーモードはCPUの配置精度が高すぎて完全にこれに頼らなければまず勝てない。
    • ↑ブロックの奪い合いや隠し要素に気が付くと、CPUを自滅させる戦い方もできるようになる。要はそこまで辿り着ける親切な説明がないことが惜しい。
  • 次に出てくるブロックは真ん中に表示され、双方共有のものとなっている。ブロック(主にPブロック)を手に入れるためには、基本的には先に動いたら負けであり、非常に不毛な争いになりやすい。
  • 同じ機体でただのレベル違いというだけのものがおり、紛らわしい。
    • 採用MSが他にもいそうなのにもかかわらずそうなっているのもいるため、そういった点で不満も大きい。
    • 顕著なのはガンダムWのOZであるが、発売時期的にある程度状況を汲める部分もある。一方でジオン水泳部ははっきり言って擁護のしようがないレベルで選択肢が狭すぎる。TVに登場したゾック、MSVのジュアッグやアッグなどは認知されていたはずなのだが。

総評

パズルゲームとしてはかなり新鮮な内容で、ただのキャラゲーとして捨て置くには惜しい内容である。
しかしシステムの解説不足や、ネット環境も無かったために隠し要素の共有もできず、当時パズルゲームが氾濫していたこともあって埋もれてしまい、売れることはなかった。
SDガンダムのゲームとしてもマイナーな部類に入る作品である。


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最終更新:2021年06月06日 21:16