スーパーボンバーマン ぱにっくボンバーW

【すーぱーぼんばーまん ぱにっくぼんばーわーるど】

ジャンル 落ち物パズルゲーム
対応機種 スーパーファミコン
メディア 8MbitROMカートリッジ
発売元 ハドソン
開発元 ライジング
発売日 1995年3月1日
定価 9,167円(税込)
判定 なし
ポイント AC版ぱにっくボンバーを元にした新作
前作の問題点をちょこちょこ改善
BGMは今も語り継がれる名曲ばかり
3人以上の対戦は相変わらずやりづらい
ボンバーマンシリーズリンク


概要

バグラーの野望を阻止するために、白ボンが世界各地で暴れているボンバーマンと対決する。

アーケードやPCエンジンで発売されていた、ボンバーマンの落ち物パズルゲームのスーパーファミコンバージョン。
これまでのシステムはほとんどそのままに、音楽面の強化、ボイスパターンの大幅追加、対戦モードの強化など様々な面で強化がなされている。
ストーリー・時系列的にはスーパーボンバーマン2の直後であり、同作に登場したキャラクターも出演。

特徴

  • L字型に連なったボンバーマンの頭を画面内に配置していき、縦・横・斜めのいずれかにおいて3つ同じ色を揃える。基本はこの繰り返し。
    • ボンバーマンの色のパターンは白・赤・緑・青・黒の5種類。青は難易度EASY以上、黒はNORMAL以上から出現。
    • 消した数や連鎖に応じて、一番下の段から火のついていないボムが浮き上がってくる。ボムは左から右まで順々に出現していき、端までいくとまた左から順に出てくるようになる。
    • なお、5連鎖以上の連鎖を決めると最初から導火線に火のついたボムが大量出現し、即座に爆発する。なおパスワードで1連鎖目をいきなり5連鎖目判定をすることができる(敵も同様)
      • 6連鎖以上で特殊演出が追加、7連鎖以上で画面中のオブジェをすべて消滅させる効果付き。10連鎖以上になると画面全てが火付きボムになる。
  • 一定間隔で点火されたボムが出現する。これを爆破させて他のボムに引火させ、爆風を起こし、相手の画面内にこげボンを送りつける。
    • 爆風は本来のボンバーマンに則り、十字の炎を吹き上げる。
    • 爆風はプレイヤーの連鎖状況によって火力がアップしていく。最大は5まで。
    • この爆風はこげボンのみ消すことが出来る。ボンバーマンは爆風を通すだけで消えない。
  • ボンバーマンを消していくと、「デカ爆ゲージ」が溜まっていき、満タンになると「デカ爆」が出現する。デカ爆は置いた場所に応じて全てのオブジェを吹き飛ばす。
    • デカ爆ゲージは大きな連鎖を決めるとより早く溜めることができる。4連鎖~5連鎖あたりで丁度ゲージ一本分溜まる程度。溢れた分は次回分のゲージに繰り越して充填されていくため、より大きな連鎖を決めれば、なんとデカ爆を連続で投入できる。
    • デカ爆は落とす勢いに応じて威力を調節することができる。たくさん消したい時は、出来るだけ窪みに向かって勢い良く落とすと良い。
      逆に、消したくない連鎖パーツがあったりするときには隅にそっと置くと良い。これが結構重要なテクニック。
  • 「ノーマルルール」と「ドクロルール」の2種類が存在し、ドクロルールではこげボンに代わってブロックが出現する。爆風でブロックを消すごとに敵・味方のどちらかに対しランダムで特殊効果が発生する。
    • 特殊効果は「目隠しが飛び回る」「操作を左右逆にする」といった操作に干渉するものや、「白ボンをすべて赤ボンに変える」「ボムを全て消滅させる」「ボムを全て石に変える」といったオブジェに干渉するもの、「次に出るパターンを石にする」「デカ爆を召喚する」といったパターンに干渉するタイプなど、豊富に用意されている。
    • ドクロルール専用で登場する『石』はボムによる爆風では壊せないどころか、爆風を遮断してしまう。デカ爆で唯一破壊可能。

評価点

  • SEの大幅強化により、爽快感がグンとあがっている。
    • 元から爆音などにはこだわっているシリーズではあるが、本作も負けず劣らずである。特にデカ爆を決めた時のスッキリ感はたまらない。
  • BGMの完成度・音質ともにレベルが高い。
    • BGMの音源が良くなったことで全般的に爽やかな曲調になっている。
    • 特にOPは夕焼けに合わせてか何故か西部劇調であり、しかも無駄に格好良い。
    • 2面ボスにしては珍しいハード調のメタルボンバー戦や西部劇にマッチしているボンガンマン戦、演歌風のカラオケボンバー戦など良曲揃い。
    • もちろんボンバーマンシリーズのテーマ曲のアレンジも健在。
  • 多彩なボイスバリエーション。
    • AC版に引き続き、TARAKOなど有名な声優が多数参加。一部は流用だが、新規に収録されたボイスも多い。
      • 特に、デカ爆を出した時の「デカ爆だぁ!」のボイスはAC版と比べるとかなりテンション高めのボイスに変更されている。
    • ただし、容量の都合かボイスの総量自体はAC版よりも少なめ。詳細は問題点に記載。
  • ストーリー性の強化。
    • 前作はあってないようなものだったが、今作は毎回各キャラのプロフィールが簡単に表示される他、ボスはそれぞれ対戦前と対戦後に台詞がある。ストーリー自体は濃いとは言えないが、敵キャラにもある程度感情移入は出来るようになった。
      • プロフィールは結構突っ込みどころが多い。全ては狙って設定されたものだと思われる。乱入キャラのプリティボンバーは何故か「特撮番組が好き」と設定されているほか、因縁の相手であるはずのバグラーに至っては「 格闘ゲームが得意 」とされている。
      • 台詞面においては、ステージ2のメタルボンバーの「クラッシャァァァァ!何しにきやがった! ハンバーグにしてやるぜ! 」が有名。
    • 意外性のあるイベントも多く、特にラスボスは前作を知っている人からすると驚きである。もう1人の乱入キャラであるシャドウボンバーの正体もよく考えればわかるものではあるが、それなりに意外性はある。
  • 進行状況に応じて背景が変わっていくシステムを新たに導入。
    • ワールドというタイトルにちなんで今回は世界を巡って敵と戦うため、世界旅行をしているボンバーマンのイラストになっている。対戦モードは2P対戦に限って別途に用意されている。
    • ちなみに絵柄が早く変わっていく場合は、そのプレイヤーが効率よくゲームを進めているという証である。CPU戦では相手が自分より早く変わった時点で相手の腕前がプレイヤーを上回り始めていることを示唆している*1

問題点

  • ノーマルモードは、『ぷよぷよ』の相殺にあたる概念に乏しく、『定石の戦法』を適切に決めることでしか基本的には勝てない。とにかく戦略性の幅に欠け、逆転要素が乏しい。
    • 極端に言えば「爆弾を溜め、デカ爆投下直前に全てを爆破し、ダメ押しでデカ爆を決めることで敵に大量のこげボンを一気に叩き付けて封殺する」といった戦法が定石で、逆に「細かな連鎖で少しずつ爆弾を出し、1~2列分ほど爆発させて小刻みに攻撃する」ような戦術はこのゲームだと通用しない。
      • これの繰り返しが対戦で発生すると、同程度の腕のプレイヤーの対戦ではやや膠着しやすい。打破するには5連鎖以上の強力な連鎖で相手を攻め続けるしかない。
  • ドクロモードはいわばノーマルモードの問題点を解消したモードだが、あまりにも運要素が強すぎるため、普通にやれば勝てるはずがドクロアイテムの効果で大逆転されて負けるということも。
    • 対人戦はこれで思わぬ短期決着や大逆転の連続などが見られて、むしろ接待ゲームとしての盛り上がりに貢献している。
    • しかし、ストーリーモードでは後述のような理不尽な状況が起きるため、ストレスが溜まる一方でしかない。特にステージ6でこうなると、せっかく見えた一筋の希望の光を潰されて絶望を禁じ得ない。ここは逆のケースも起こるという発想の転換で切り替えるしかない。
  • ストーリーモードの難易度が極端。
    • ステージ3まではゲーム慣れしていない人でもなんとかいけるレベルではある。しかしステージ4から一気に難易度が上昇し、いきなり勝てなくなってしまうことが多くなる。
      • ステージ4のボス戦からCOMキャラのユニット落下速度が一気に上がるため、大抵ここで叩き落される。
    • ステージ5以降はよほどの腕がない限り運任せになってしまうことも多々ある。「勝った!」と思いきや、相手がとんでもない連鎖を決め、通常の爆風だけに飽きたらず、続けてデカ爆を放って来てトドメ……ということも。
      • さらにボス戦は「ドクロルール」で戦うことになるのだが、勝利目前→相手がボンバーマン全消しやNEXTデカ爆を引く→一気に形勢悪化して敗北………ということも。
    • ラスボス戦となるステージ6では、安定して3~4連鎖を叩きつけ、うまくかみ合うとデカ爆を連続投入してくるような相手の強さだけでなく、オブジェの落ちる速度も高速化し、バトルが長引くとどうしようもないことになる。もはや人間が対処出来る相手とは思えない。
    • コンティニューが無制限なのが唯一にして最大の救いである。
    • オプションでボス戦もノーマルルールで対戦するように設定することができる。ただし、それでも運要素が取り払われるだけなので注意。
      • 序盤のボスはこれで大きく弱体化するが、後半のボスはかえって付け入る隙が無くなるということも…。
  • 上記に加えて、途中乱入してくるボンバーマンが強すぎるうえ、勝つまで次に行かせてくれない。
    • 「プリティボンバー」はステージ2~ステージ3の雑魚戦までと比較的早めに乱入してきてくれるので、それほど辛い相手ではない。しかし初心者には突破は困難なレベルではある(ステージ2のボスよりは確実に強い)。
    • 問題は、彼女を倒した後、後半に乱入してくる「シャドウボンバー」。ステージ3のボス~ステージ5のボスまでの登場だが、それらの連中以上に強く、ハマることもしばしば。ステージ3のボス戦で出現してくれれば、かなり楽に攻略出来る。
      • しかしシャドウボンバーはその忍者のような外見も相まってか、比較的ステージ5の日本に現れやすい。この辺りで出現されると最早ラスボス級の強さ。
    • この二人との対戦も実質ボス戦なので、ドクロルールが適用される。前述の通り、運が悪いと酷い目に遭う。
    • この二人は難易度NORMAL以上で出現する。難易度EASY以下では彼らと真のラスボスが出現せず*2、クリアしてもエンディングの最後の文字が「THE END?」になってしまい、真のクリア判定とはならない。*3
  • ここまで挙げた困難の数々は、難易度NORMALの場合。どうにも打破が見込めない場合は、オプションで難易度設定をEASIEST~EASYにして要領を掴むのもアリだろう。対して最高難易度のHARDESTは逆にその名に恥じぬやりごたえのあるモードであり、ステージ1の最初のザコですら生半可な腕前では軽く門前払いされる。シリーズ通して、バロム相手にここまで苦戦する作品も珍しい。
  • 主人公である白ボンのボイスパターンが増えた反面、雑魚敵のボイスが全削除となった。
    • あくまでボイスパターンが増えたのは白ボン周りだけ。
    • ボスキャラは一部台詞を使いまわされている。意外にもステージ1の非常に弱いボスであるラスタボンバーはすぐに負かせるレベルなのに、独自色が強い。
      • 特にカラオケボンバーとバグラーは連チャンで当たることになるので、台詞が使いまわされているのがすぐわかる。キャラ自体は尖っていて魅力的なのに勿体無い話である。
  • 画面の構成上仕方ないとはいえ、3~4人の対戦は画面が狭まり、プレイしづらくなる。
    • 一人当たり画面の1/4のスペースで、2人対戦時より縦列が若干縮まっている。一応各オブジェの判別は可能なので、頑張って一画面に押し込んだ努力は見られる。また、残っているプレイヤーが多いほど、攻撃力が相手の人数で割られるため、無数のボムを爆破しても最初はさほどの痛手を与えることができない。
  • フリー対戦モードがないため、自由にCOMを選んで何度も対決、ということができない。
    • この仕様は本作に限らず、どの機種でも同じ仕様である。
    • とは言え、COM相手ならストーリーモードで十分であるし、隠しパスワードで自由にステージを選べるので、それ程問題ではない。
      • もちろんこれは隠しパスワードを知らなければ出来ないことであり、COM対戦の充実していたボンバーマンシリーズ的に考えると不便ではある。

総評

恐らく『ぱにっくボンバー』のシリーズの中では安定したクオリティを誇る作品と思われる。
特にBGMの品質の高さはファンの間で語り草となっている。ゲームをやったことがなくても、BGM集だけ聞いていても楽しめそうなレベルである。
接待のための対戦ソフトとしても楽しめるので、もしプレイ出来る環境があれば一度触ってみるのも悪くないだろう。
「デカ爆」でパズルを爆破して吹き飛ばす爽快感は、是非一度味わっていただきたい。


余談

  • 他のボンバーマンシリーズもそうだが、本作はスーパーファミコンソフトでありながら、バーチャルコンソールでの配信が一切なかった。
  • 隠しパスワードを入力することで2連鎖から演出が発生する特殊なゲームモードで遊べる。
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最終更新:2023年02月01日 06:22

*1 あくまで目安であり、変わったから負けるということではなく、プレイヤーの腕前次第。

*2 実はあることをするとEASY以下でも出現するようになる。

*3 なお、裏技を使って強引に真のラスボスに挑戦し、勝利しても同様。