す~ぱ~なぞぷよ通 ルルーの鉄腕繁盛記

【すーぱーなぞぷよつう るるーのてつわんはんじょうき】

ジャンル 落ち物パズルゲーム
対応機種 スーパーファミコン
メディア 12MbitROMカートリッジ
発売・開発元 コンパイル
発売日 1996年6月28日
価格 9,800円
判定 なし
魔導物語・ぷよぷよシリーズ関連作品リンク


概要

  • 『ぷよぷよ』で詰めパズルを行う外伝作『なぞぷよ』シリーズの一作で、『す~ぱ~なぞぷよ ルルーのルー』の続編。
  • アルル編とルルー編があった前作と異なり、本作では主人公がルルーのみとなっている。
  • 問題数は全てのモードを合わせ全304問(本編180問、連鎖の修行124問)。総数は前作から微増している。
    • 本作のなぞぷよの問題は、全てユーザーからの投稿問題となっている。
  • 前作はバンプレストからの販売だったが、本作は開発元であるコンパイルの自社販売となった。
    • ただしそのせいか前作と比べて宣伝は大きくなく、前作ほど知名度は高くならなかった。
  • 発売に先駆け、サテラビューでは体験版が配信されていた。

特徴

  • なぞぷよ自体の基本的なルールは前作と全く同じで、新しいギミックもない。
    • ただし、操作面では『ぷよぷよ通』で導入された「クイックターン」(1列分の隙間での上下入れ替え)が輸入されている。

ルルーの鉄腕繁盛記

  • 本作のストーリーモード。前作と違いRPG風の広大なマップになっており、フィールドマップから町やダンジョンに入ってなぞぷよを解いていく。
    • あくまでマップが広がりRPG風になっただけで、『魔導物語』シリーズのような移動中のランダムエンカウントなどは起きない。
    • ストーリー上は前作『ルルーのルー』(ルルー編)からの直接の続編になっており、前作のエンディングでカレー作りに失敗したルルーが修行のため山ごもりするシーンから始まる。
      • タイトルに「繁盛記」とあるが、作中でルルーが何か商売をするわけではない。自慢の鉄腕を振るってなぞぷよ(の出題者たち)に挑んでいくといった感じ。
  • 既に述べた通り主人公はルルーであり、『魔導物語』『ぷよぷよ』の主人公であるアルルは拠点となる町にいるサブキャラクターに降格している。
    • アルルとはイベントで話す機会もあるが、今作では出題キャラですらなく、ストーリー上特に重要な位置には置かれていない。
  • 問題を解くと経験球を獲得でき、失敗すると体力が減って顔が辛そうになるといった基本システムは前作と同様。
  • 一部のダンジョンなどでは回復アイテムの「らっきょ」が入手でき、これを使用することで体力が全回復する。
  • 前作ではマップ内は自動セーブだったが、今作では手動でセーブする方式となっている。
    • セーブデータは3つまで作れる。新しい方から「まっさら」「おニュー」「おふる」と表記される。
  • 数は少ないが、イラストによる演出もある。

連鎖の修行

  • 前作の「連鎖への道」の流れを汲むモードで、連鎖問題(クリア条件が「○連鎖するべし」の問題)のみを集めている。
  • 本作では「2連鎖コース」から「10連鎖コース」*1まで、問題の連鎖ノルマ数別にコースが分かれている。
    • それぞれのコースは順番にクリアする必要があるが、1つのコースを途中で諦めたまま他のコースを遊ぶことも可能になった。

とこぷよ

  • 前作の「とことんぷよぷよ」同様、エンドレスで普通のぷよぷよをプレイする。4段階のレベルがあり、高レベルでは一定時間毎におじゃまぷよが降ってくる。
  • 新要素として、なぞぷよ本編にも登場する「鉄ぷよ」が発生する隠しモードを遊ぶことができる。
    • 鉄ぷよは、おじゃまぷよが縦に連続して2つ積まれると合体して発生する。高レベルの場合、鉄ぷよがそのまま降ってくる。
    • 鉄ぷよは本編と違って消すことは可能だが、消す条件はおじゃまぷよより厳しく、単に隣でぷよを消すだけでは消えない。
      • 消すには、隣で「2連鎖目以上を」消す必要がある。また、7個以上の同色同時消しに成功した場合フィールド上の鉄ぷよは全消しされる。

エディター

  • 自分で問題を作るエディットモード。前作『ルルーのルー』と全く同じものだが、保存できる問題数は100問に増えた。
  • クリア済みの問題を読み込むことができるのも前作と同様。

評価点

  • 前作同様、キャラクター数は多く『魔導物語』『ぷよぷよ』本編並みに多数のキャラが登場する。
  • 「連鎖の修行」は前作の「連鎖への道」より実践的なものが多く、階段積みから挟みこみへのチェンジなどの連鎖様式を自然に学ぶこともできる。
    • 本家『ぷよぷよ』でなかなか連鎖を作れないプレイヤーには勉強になるだろう。
  • 「鉄ぷよ」が導入された「とことんぷよぷよ」を遊べる。
    • 『ぷよぷよ』ルールで鉄ぷよの導入されている作品は、本作と『ぽけっとぷよぷよ~ん』ぐらいで非常に少ない。
  • 前作はクリアまでの道がほぼ一本道だったが、本作はフィールドマップ制が導入されたことで移動の自由度が上がっている。
    • もっとも、やる事はほとんど一本道ではあるが。
    • ストーリーも、前作と比べればある程度ちゃんとしたものにはなっている。

賛否両論点

  • 問題の作りが、前作に比べるとやや粗めな部分もある。
    • ぷよぷよで絵や文字を描いただけの見た目重視問題や、ぷよぷよを初期状態で浮かせて分かりづらくしただけの問題がやや増えている。
    • 一度失敗した時に見られるヒントも、前作よりも味気なかったり適当なものがやや多い。
    • 作品の根幹をなす重要な部分ではあるが、前作と比べなければそこまで気にならないレベルではある。
  • 前作から新しく加わったゲームシステムは『ぷよぷよ通』のクイックターンのみ。
    『ぷよぷよ通』で導入された「固ぷよ」等は輸入されていない。輸入すれば固ぷよを利用した問題というのも作れた筈だが…。
    • 前作もぷよぷよ通より後ではあるが、『ぷよぷよ通』発売→『ルルーのルー』発売までの期間が短かったため仕方がない部分もある。
    • 本作の問題はその全てがユーザーからの投稿問題であるため、前作では使用できない要素が取り入れられなかったためと思われる。
  • 連鎖ボイスは前作からの流用のため、ルルーの2~5連鎖の4種類のみ。本作ではアルルは脇役であるため、アルルの連鎖ボイスは選べない。
  • ストーリーこそ前作の直接の続きとなっているものの、シナリオライターが交代しているためか前作から雰囲気が大幅に変化しており、前作から続けてプレイするとキャラクターの性格などに大きなギャップが見られる*2。ただしぷよぷよシリーズの後続作で雰囲気が大きく変わるのは珍しいことではない。
    • 本作のすぐ後にアーケード版『ぷよぷよSUN』がリリースされており、本作でのキャラクター達の性格付けも全体的に『SUN』同様のゆるいものとなっている。
  • 新しく描き起こされたゲーム中のルルーの表情が、前作よりやや幼く見える印象の絵柄になっている。
    • グラフィック自体は可愛いものの、これも前作からのギャップとして挙げられやすい。

問題点

  • 戦闘曲が前作から減らされ、通常戦闘曲・ボス曲・ラスボス曲の3種類の曲しかなくなってしまった。
    • 前作は、通常戦闘曲6曲(アルル2曲、ルルー4曲)、ボス曲がラスボス戦を含め3曲の計9曲。大幅な減少である。
    • 主観によるところもあるが、曲の評判自体を見ても前作ほど高い評価は得られておらず、「悪くない」レベルである。
    • ゲーム全体の曲数で見ても、前作の24曲から本作は18曲に減っている*3
  • 前作にあった敵ごとに異なる壁紙はなく、岩肌やブロックなどの地形に合わせた壁で統一されてしまっている。
  • 前作でも見られた、「『あきらめる』で飛ばした問題の再出題の早さ」「終盤でも妙に簡単な問題が出る」といった問題は改善されていない。
  • マップは広大になったが、ストーリー自体の進行手順は一本道であり、特にRPG的な戦略性が追加された訳でもないので、実際は単に移動の手間が掛かるだけになってしまっている。
    • ストーリーはシリーズ恒例のノリ自体は守っているが、やはりと言うべきかそこまで面白いものではない。移動が面倒な割には微妙である。
    • 中には特定のアイテムを求めて町とダンジョンを往復させられるお使いイベントもあり、なぞぷよのプレイとしてはテンポを削がれてしまう。
  • 作中の公募問題を提供した一般ユーザー全員のペンネームをクレジットの「問題作成」で表示しているため、スタッフロールがやたらめったら長い。
    • 時間にして実に6分強、そのうち4分近くは上記のクレジットである。スキップも不可。
    • おまけにスタッフロールは背景画像(タイトル画面と同じ)の前を文字が流れるだけの質素な構成であるため、長いスタッフロールはひたすらにダレるだけである。
    • その上、スタッフロールはストーリーモードのクリア時、連鎖の修行のクリア時それぞれで毎回いちいち流れる。チャンネルを切り替えてテレビでも見たくなるほどタルい。

総評

ストーリーをRPG風にしたのはいいが、それに大きな意味があった訳ではなく進歩したというには微妙な出来である。
なぞぷよ自体のシステムは前作と変わり映えしない上、音楽など前作と比べ凡庸なレベルにクオリティダウンしてしまった部分もいくらか見られる。
「全問題がユーザーからの公募問題である」というのが当時の売りではあったが、それも遊ぶほうに取ってみれば割とどうでもいい話である。
というか、本来問題はスタッフが作るべきであって、それを売りにするのもおかしいのだが。
(余談ではあるが、当時のWindows版Disc Stationに収録されていたなぞぷよも本作と同じくユーザーからの投稿問題を中心としていた。)

もっとも、前作と比べなければ悪いゲームではない。ややテンポが悪くはなってしまったが、それなりの問題数があり『なぞぷよ』シリーズではそこそこのクオリティである。
興味を持ったならば遊んでみて損するような作品ではないだろう。

その後の展開

本作や前作のような形式の「なぞぷよ」はこれ以降単体ソフトとしては登場していない。
一応Windows向けに『なぞぷよVol.1&Vol.2』は出ているが、これは新作ではなくDisc Stationで連載されていたものの一部再録である(※総集編ではない)。
PS2版『ぷよぷよ通 Perfect Set』にもなぞぷよが入っているが、こちらもGG版『なぞぷよ』『2』からの問題の流用となっている。

同じ「なぞぷよ」の名を冠するモードは「とことんなぞぷよ」としてぷよぷよSUN等にも登場しているが、
こちらはとことんぷよぷよに近く、ランダムに降ってくるぷよで条件を満たしフィールドを変えずに次の問題へ入るというもの。
その問題も自動作成式で、それを延々と繰り返すという、問題を解くというより「連続でノルマをこなしていく」形式を取っている。
ぷよぷよ! Puyopuyo 15th anniversary』以降の「なぞぷよ」ルールも上記と同様の形式の対戦型システムである。
上記の点や、本作の時点でユーザー投稿に頼り切りであったことなどから、なぞぷよの問題は本作で既にネタ切れだったという可能性が高い。

なお、2011年よりセガから携帯電話&スマートフォン向けに『ぷよぷよフィーバー みんなでなぞぷよ』が配信されており、
こちらでは従来のなぞぷよのシステムにぷよぷよフィーバー以降の3個・4個ぷよも搭載され、ユーザーからの投稿問題が中心となっていた。
(2015年12月28日11時をもって配信終了)

余談

  • 本作ではキャンペーンの一環として、当時コンパイル広報であった「北出マン」*4と、当時社長の「MOO仁井谷」がゲーム中に隠れキャラとしてゲスト出演している。
    • 仁井谷社長を見つけて彼の出す問題を解くとパスワードを入手でき、抽選でプレゼントが当たるというキャンペーンだった。
  • 本作はエイズ啓発運動「Act Against AIDS(AAA)」に協賛しており、ゲーム内にもメッセージが入れられている。
  • 魔導物語A・R・S』を題材にしたノベライズ作品『新☆魔導物語』の2巻「ルルーと愛の日々」は本作の設定も取り入れており、(小説オリジナル設定は加わっているが)本作の直接の後日談として描かれている。

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最終更新:2022年01月03日 03:11

*1 10連鎖コースでは、11連鎖以上をノルマとする問題もまとめて出題される。

*2 例として前作のアルルはやや強気でルルーに対してあれだけ怒っていたはずが、本作ではすっかり丸くなってルルーを仲良しの友達と見ている、等。

*3 効果音に近いものは省いた。

*4 広報の北出和彦氏がコンパイルのラジオ内で扮していたキャラクター。