銀河英雄伝説

【ぎんがえいゆうでんせつ】

ジャンル 戦略SLG
対応機種 プレイステーション
発売元 徳間書店
開発元 マイクロビジョン
発売日 1998年5月28日
定価 5,800円(税抜)
判定 なし
銀河英雄伝説シリーズ
FC / PC(1989) / II / SFC / III / IV / SS / V / PS / ちびキャラ / VI / VS / VII / PC(2008)


概要

  • SF小説『銀河英雄伝説』をゲーム化したもの。原作のイゼルローン攻略~バーミリオン会戦までをモデルにしている。
    • 1996年11月29日に発売された『銀河英雄伝説』(SS)に追加要素を加えた『銀河英雄伝説Plus』(SS)(1997年10月23日発売)を、簡略化や低難易度化して遊びやすくしている。
  • 銀河帝国か自由惑星同盟かどちらかを選んでプレイする。
  • 条件を満たすと反乱や幼帝誘拐などのイベントは原作通りに起こる。
    • 一方で帝国を選ぶと、オーベルシュタインを生かしておくか?要塞対要塞の戦いを提案通りに行うか?という選択肢がでてくる。
  • 各キャラクターに武勲を立てさせると昇進し、ステータスがあがる。
  • 提督の能力値により、艦隊の能力が決まる。具体的には以下の通り。
    • 統率…提督に最も重要な能力。艦隊には「士気」というものがあり、戦うとどんどん士気が下がっていき、20以下になると一時的に戦闘不能になる。後ろに下げて休ませると士気が回復していくが、統率の値がそのまま士気の最大値であり、統率が高いと士気も早く回復していく。
      • 100を超えたステータスは、いざ戦闘の際100に修正されるが、統率だけは修正されないのもポイント。
    • 運営…これが高いと、補給や艦艇補充のときのコストが低くなる(要検証)
    • 攻撃…敵の艦隊への攻撃力
    • 防御…敵からの攻撃に対する防御力
    • 移動…移動及び撤退の早さ
    • 占領…対要塞への攻撃力
  • 提督には参謀をつけることができ、参謀の能力が提督の能力を上回っているとその能力を補うことができる。但し「統率」を補うことはできない。
    • 「相性値」という隠しパラメータが各キャラに設定されていて、その差値が低いほど補いやすい。
    • 提督より階級が低いことが条件。そのため元帥を参謀にすることはできない。
      • 但し、参謀になったまま昇進して提督と同じ階級になった場合は解任しない限りそのまま続けられる。
  • 相手の首都星系を占領すると勝利であるが、イベントの状況によってはそれ以外にも勝利になる場合がある。

評価点

  • 帝国を選ぶか、同盟を選ぶかで2通りの楽しみ方ができる。
    • 帝国を選ぶと、途中で出てくる選択肢により原作とは一風変わったストーリー展開にできる。オーベルシュタインを弁護せず死なせた場合、キルヒアイスが生かしておけるのはファンも驚いたことだろう。その代償は大きいが…(後述参照)。
    • 他にも要塞対要塞を行わない、という選択肢がある。行わなかった場合ガイエスブルグ要塞はフェザーン回廊の帝国側出口付近にあるため、後々フェザーンを占領した後、逆に同盟にフェザーンを奪われそのまま攻められる、というケースが起こりにくい。
      • 要塞対要塞に勝った場合、イゼルローン要塞は破壊され、ガイエスブルグ要塞がイゼルローン星系に居座る。そのガイエスブルグ要塞をさらに移動させることはできない。
    • 同盟を選んだ場合、全体的にキャラの階級が低いが、だからこそ育成する楽しみがある。また、アムリッツァ会戦で無益に提督を死なせず後々のために温存できるという点は大きい。
      • 逆に頑張ってプレイすればアムリッツァ会戦で勝つことも可能。難易度は言わずもがな。
  • 最終的には自由度は高くなる。
    • 特に同盟で始めて戦力を温存しておけば、帝国領の要塞をガンガン占領したり、帝国が占領したフェザーンを奪ったりできる。
    • 登場があまりにも遅いミンツだが、頑張って元帥まで育成すれば全てのステータスが最大に届き、ヤンを超えるほどにもなる。「どっちが随員だかわからなくなるな

問題点

  • キャラクターが増えるバグがある。
    • とある艦隊の参謀を決めた後、その参謀を変更→キャンセルすることで、その艦隊の参謀を務めたままフリーにもなり、別の艦隊の参謀を務めさせることが可能になってしまう。
    • 乱用すると、そのキャラクターに大量に武勲を立てさせたり、死亡しても実は生きていた、という展開にしてしまうことが可能。
      • 戦死したキャラは2階級特進しステータスも上がる。死んでしまっているから意味の無い仕様なのだが、皮肉にもこのバグのおかげで意味が出ているのだ
  • AIがあまりにも頭が悪い。
    • 補給が0になっているのに攻めてきたり、明らかに勝算がないのに攻めてきたりする。「ヤン提督は勝算の無い戦いをします!
    • キャゼルヌやムライなど、明らかに提督向きじゃないキャラを提督に任命している。他に人材がいるにも拘らず…。
  • キルヒアイスを生かしておいた場合の代償が大きい。
    • 貴族の反乱の際、賊軍に協力したキャラクター達は全員退役してしまい、部下になってくれない。賊軍に協力するキャラは一部ランダムなので、貴重な人材を失うことも…。
    • 要塞対要塞を行わない、という選択肢が何故かなくなってしまう。「ジーク、このわんぱくぼうずが道から外れないよう見張ってて下さいね」「だが断る」
    • 結果、キルヒアイスファンやオーベルシュタイン嫌いでも結局オーベルシュタインを選んだ人が多かったのでは?
      • 上記のバグを利用すれば、アンスバッハに暗殺されたはずのキルヒアイスが生きたままにできる。イベントは勿論死んだものとして進む。そのためバグ利用前提では余計にオーベルシュタイン選びが優遇されてしまう。
  • あまりにも強いイゼルローン要塞
    • その強さは原作以上。トールハンマー最大チャージで直撃させると敵艦隊を9割壊滅させてしまう。「これは戦争ではありません、一方的な虐殺です」
    • イゼルローンに艦隊が全くない状態で、10万隻の艦隊にも勝つ。誰もいないのにどうやって戦うんだ?
    • 要塞対要塞でならどうにか勝つことができる。但し難易度は高く、原作の何倍もの大量の艦隊を用意しなければならないが、それだけ用意する財力を短期間で蓄えるのは難しい。
      • 一応、要塞対要塞が起こるには条件が必要なので、わざと条件を満たさずイベントを遅らせ、その間に力を蓄えることは可能。但し初見ではまずわからない。
      • 占領が高いケンプが強制的に要塞司令官にされてしまう点も問題。負けると当然彼は死亡。普段は要塞司令官が必要ない仕様なのになぜ?メーカーは原作再現のつもりなのだろうが、実際の要塞対要塞ではケンプも艦隊を率いて要塞から出ているので結局再現になっていない。
  • 同盟で始めると最初にオートイベントでイゼルローン攻略をするのだが、それを行わなかった場合、2度とイベントを起こせずハマってしまう。

総評

ガッカリゲーの要素も大きいが、原作をねじ曲げたい人には向くゲームかもしれない。
また、好きな陣営、好きなキャラを自由に使えるのはひとつの魅力には違いない。最初から戦力が備わっている帝国を選ぶか、キャラを昇進させる楽しみがある同盟か、好きなほうを選ぶとよいだろう。

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最終更新:2023年01月14日 19:40