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悪質、批判的に見られがちな商法を中心に、主な例を紹介しています。(五十音順)
ゲーム等にカードなどのオマケを付け、そのオマケの魅力で売り上げアップを狙う商法。
この商法はゲームに限らず、漫画の単行本や雑誌、攻略本などでもよく見られる。
『遊戯王デュエルモンスターズシリーズ』などのTCGを題材としたゲームに多く見られ、「カード商法」や「遊戯王商法」とも呼ばれる。
TCGは元々強いカードに価値が付くのが当たり前の世界であり、金をつぎ込んだ者勝ち程度の状況には動じないファンも多い。
簡単に揃うカード主体のお手軽強力デッキが環境を席巻しても、それはそれで問題である。
しかし、限定カードを高価なゲームソフトのおまけにする事への批判は根強い。
「おまけのカードが強力過ぎる」「複数種のランダム封入」「ゲーム自体の出来がお粗末(ゲームがカードのおまけ)」「複数積み前提のカードを封入(高額なゲームを複数本買わせようとする)」等を併発した場合は、更に強く批判される。
それらが重なった最も強烈な例はGB『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ4 最強決闘者戦記 遊戯デッキ/城之内デッキ/海馬デッキ』であり、3バージョンに分けた上に、それぞれのバージョン専用のカードを5種類中3枚封入するというものだった。遊戯王OCG人気絶頂期に『4』はキャラゲー史上最高の売り上げである250万本を売り上げ、その商法の威力を物語っている。
また、拡張やルール改定で特定カードの需要が高まった時に、そのカードをオマケにつけていた絶版作品に再販がかかるということもあった。
また、TCG以外では、サウンドトラックや設定資料集、フィギュアや抱き枕カバー等のグッズ、関連ソーシャルゲームのキャラクターやアイテムのシリアルコード、別ゲームのダウンロードコード等が特典に選ばれる事が多い。
こちらもこちらで「店舗毎で特典が違う上に多い(=特典のコンプリートに複数買いが必須)」「(ソシャゲのシリアルコードの場合)特典が強力すぎる」「限定版の価格が高い割に特典の品質がイマイチ」といった物は物議を醸す事になる。
完全版を他のハードで出す(移植する)こと。通常の完全版と比べると例は少ない。
おおよそ、通常版発売から一年前後で行われる。
先に買ったものがバカを見るという批判はあるものの、本来ならば、所持ハードの都合でプレイできなかった層や、純粋に要素追加を歓迎する層にアピールできる手法ではある。
しかし、開発者のインタビュー発言や公式発表といった外部の情報・状況が合わさる事により、場合によっては大きく非難される。
また、追加要素を楽しみたい通常版購入者が、所有ハードの関係でその恩恵に預かれない事も。
「同じ据え置きまたは携帯の他機種に」「上位版を」出すのであればこれに該当。ただ、非常に稀だが『ガンダム無双』『真・三國無双5』(PS3+360→PS2へ)のように、追加要素付きで下位の同系統機種に移植されるケースもある。
ひとつのゲーム作品に対し、主人公や手に入るアイテムの異なるものを複数本用意し、別ソフトとして分けて売る事。
それぞれのバージョンでストーリーや基本システムに大きな違いは無く、一本の作品を単純に切り分ける「分割販売」ではない。
草分け的存在は、『ポケットモンスター』。これの大ヒットにより、収集要素の強い子供向け携帯ゲームでは、2匹目のどじょうを狙って連発された。ここから「ポケモン商法(*1)」と呼ばれることもある。
その多くはバージョン間の通信を前提とした要素が含まれており、バージョンごとの特色を活かしたプレイスタイルの多様化を売りとしている。
しかし、ゲーム全体を通じたコレクションの完成などを目指すと1つのバージョンだけでは達成できず、他プレイヤーとの交流がない者は全バージョンを買うか、諦めるはめになる。
バージョンごとの対戦プレイの強さに明らかな優劣があれば、人気が偏り特定のバージョンだけ中古屋に溢れかえるという問題もある。
「使いまわし」「ボリューム水増し」と揶揄される事も。
ひとつのゲームタイトルで、細かな修正やバランス調整などを行っただけの物を次々に新作として売り出す商法。
一度や二度のバージョンアップはよくある話だが、あまりにも度々の調整版リリースは購入者にとって大きな負担となる。この項では、そのような極端に回数の多い調整版リリースを「バージョンアップ商法」と呼んで解説する。
コンシューマゲームの場合、回数自体が問題視されるほど多数のバージョンアップ版が発売されることは(アーケードからの移植版を除けば)滅多にない。 しかしアーケードゲームでは新鮮さと集客力を保つ意味で、定期的にバージョンアップ版が発売される例が多い。通信対戦機能を備えたゲームの場合、バージョンアップ版に買い替えないと通信対戦ができなくなるので、実質的に買い替えが強制に近くなっている例もあり、ロケーション(ゲームセンター)にとって過酷な金銭負担となっている。
カウントの基準はあくまで「新作として発売されたか否か」。ネットワークに繋げることが当たり前となった近年において、パッチなどを利用したアップデートによるバージョンアップはアフターサービスの類とされ、そのバージョンを適用するのに別途何らかの費用が生じない限りは基本的にカウントされない模様。
上の「バージョン商法」と字面上は似ているが、バージョン商法は同時に並行して出し、こちらは順次後発していく。
その性質上、対戦型格闘ゲームと音楽ゲームにおいてよく見かけられる。
有名な格ゲーだと、無印から「ハイパー」まで6回変わった『ストリートファイターII』、無印から「アクセントコア プラスアール」まで5回(*2)変わった『ギルティギアXX(イグゼクス)』が代表的な存在。
もっとも、中には「海賊版対策」という背景を持って出された『ストリートファイターII'ターボ』のような例もある。
バランス等に手が入る事自体はプレイヤーにとって歓迎できる点ではあるが、愛用の技や戦術が弱体調整を受けていてガッカリしてしまう事も。
音ゲーでは大体1年に1バージョンという間隔で新作およびそのコンバーションキットが出されることが定例となっていたが、
2012年ごろからプレー料金の何割かを徴収する代わりに、筐体代金を値下げし新作も追加料金無しで提供する形態に各社移行している。
文字通り未完成品のゲームを売りつけること。主にエロゲー業界で稀に見られる最悪の商法である。
元々エロゲーは、メーカーの技術力・資金力(人員数)や納期などの問題からデバッグが疎かになりやすく、発売後にパッチ等でフォローするというのがよく見受けられるのだが…。
この商法はメーカー側が明らかな未完成品だと分かっていながら堂々と出荷する、厚顔無恥な手法である。そしてフォローすらないより最悪なケースも。
未完成とされる製品はバグや誤字脱字がプレイ出来ないほどに多い、ルート未実装、公開済みCGの未使用、画像なし、ボイスの大半がなし(プログラムミスで欠けているといったレベルではない)、シナリオ未完、クリア不能といった、もはや不具合とは呼べない大問題の有無で大体判別される。
後付でプログラムごと変えられるPCゲーム中心に見られた商法だったが、そうできないコンシューマーにも皆無ではない。
特に、PS3以降の近年のゲームでは開発難易度や規模が数倍に膨れ上がった影響か、こういったケースがちらほら見られるようになった。
この頃には、コンシューマーでもハードディスクやフラッシュメモリーを搭載したデータ配信形式が一般化しており、大抵は何らかのフォローがある。しかし市場規模がエロゲーのそれと比にならず、被害規模はこちらの方がより大きい。
修正パッチとは名ばかりだった『ジャンライン』や完全版商法にしても元がひどすぎると言われる『ヴァルハラナイツ3』がこれに該当する。
この商法は、PCゲームの『Dies irae』『Garden』の二作によって命名され、この二作品を指して「怒りの庭事件」(*3)と呼ばれている。
前者は完全版の発売にこぎつけることで決着しているが、後者は修正パッチの無料配布で解決を図ったものの、発売から五年後の2013年になって未実装ルートを残しているにもかかわらず開発凍結となってしまった。
一応同様のケースは前からあったのだが、この二作が宣伝などで期待度が高かったことや同時期発売やその後の顛末から代表的存在となった。
また、ネットゲームでもありがちな話であり、正式サービス開始後にもかかわらず未完成な要素が目立つと「有料βテスト」などと揶揄される。
元々βテストとは「客を使ったバグチェック及びテストプレイ」に近いのだが、そうと承知した希望者が無料で参加し、正式販売前に終わらせるものである。「有料βテスト」とは、正式販売後に何も知らない客を使ってβテストに等しい行為を続ける事を指す。