ドラッグ オン ドラグーン3

【どらっぐ おん どらぐーん すりー】

ジャンル アクションRPG
対応機種 プレイステーション3
発売元 スクウェア・エニックス
開発元 アクセスゲームズ
発売日 2013年12月19日
定価(税込) 通常版:7,980円
10周年記念BOX:19,800円
レーティング CERO:D(17才以上対象)
判定 なし
ポイント 色々と凝ったキャラクター性と設定
シリーズ史上屈指の下ネタの多さ
相変わらず難易度高めのラスボス戦
ドラッグ オン ドラグーンシリーズ



さあ、歌おう…世界の終わりを。



概要

2作目『ドラッグ オン ドラグーン2 封印の紅、背徳の黒』より8年ぶりのナンバリングタイトル。

ドラッグ オン ドラグーン』シリーズを生み出したキャビアが『ニーア』を最後に吸収合併されて3年…まさかの再始動を果たした『DOD』シリーズ最新作。
開発は元キャビアスタッフも移籍しているアクセスゲームズが手がけ、プロデューサーは『Deadly premonition(レッドシーズプロファイル)』『D4:dark dreams don’t die』『The MISSING - J.J.マクフィールドと追憶島 -』を手がけたSWERYこと末弘秀孝氏が務めた。

シリーズ初の女性主人公・ゼロを据え、シリーズ誕生10周年である2013年に発売された。
時系列としては『1』の約100年ほど前の話となる。


評価点

  • 地上戦でのアクション性の大幅な向上。
    • キャラクターの動作がかなり軽快になり、旧作の大きな難点であった「モッサリ感」はほぼ解消。
    • 攻撃やジャンプなどの各種基本アクションも見直され、敵を攻撃に巻き込みやすくなり、またカバー範囲の広い強力な攻撃も増え、爽快感アップ。
      • 『2』ではやりにくかった空中コンボなども非常に決めやすくなっているなど、コンボも構築しやすくなった。
      • 武器切り替えは、L2orR2+○△□×いずれかのワンボタンで、リアルタイムでスムーズに行えるようになった*1
      • また、コンボ中に武器切り替えを組み込むと専用の攻撃も発生するため、武器を切り替えながらのコンボも可能に。
      • 「回避」はモーションが非常に素早くなったため、回避後すぐに攻撃に移れるようになり、テンポが改善。
      • タイミング良く「防御」を行うと発生するカウンター攻撃は、攻撃範囲と威力が大きく強化され、また飛び道具に対しても反撃が出来るようになったため、強力な反撃手段として非常に使いやすくなった。
    • 武器の仕様も一新されており、従来と比べ戦略性が増加。性能の大きく違う4種類が設定されており、戦略のバリエーションも楽しめるようになった。
      • 「剣」は突出した要素は無いが癖が無く使いやすいく、「槍」はカバー範囲が狭く隙も大きいが火力とリーチに優れ、「格闘装具」は攻撃範囲は狭いが1対1で圧倒的な手数を誇り、「戦輪」は火力低めだが非常に攻撃範囲の広いという特徴を持つ。
    • 自己強化モードである「ウタウタイモード」も追加。
      • ブラッドゲージと呼ばれる専用ゲージが一定量以上溜まると発動できるようになり、時間経過でゲージが尽きるかもう一度発動ボタンを押すまでの間無敵になる、移動+攻撃性能が強化される、△ボタンでロックオン対象の近くまでワープできるようになるなど様々な恩恵が得られる。
      • ここぞという時の切り札になるほか、発動時にマップ全体のアイテム回収効果や「スピリット」という難敵の対処*2などもあるため、様々な場所で便利に使える。
      • ウタウタイモードを発動することで、どんな強力な敵が相手だろうが一方的にゴリゴリ削れる高火力コンボが叩き込めるため、爽快感もある。
    • 難易度調整も(地上戦に関しては)かなりまともになっており、『2』の時のような理不尽な難度ではなく、攻略し甲斐のある高難度に改善された。
      • 一方で、回復アイテムも特にリスク無く自由に使えるため、高難度のステージがどうしても越せなければアイテムでのゴリ押しも可能であり、自分で難易度の調整がしやすくなった。
      • アイテムを駆使してもきつい場面はあるが、そういった場合でもコンティニューするたびに敵の攻撃力が下がる救済措置があるため、戦闘で詰むことはまずない。
      • 敵のAIも改善された関係で、旧作のように交戦中にどこかへ行ってしまう事も無くなった。
  • 相変わらず敵も味方も濃いキャラクター設定。
    • ただその中身に関しては賛否もある(後述)。
    • 特に好評なのは、これまでのシリーズにおけるドラゴンのイメージを覆す主人公の相棒、ミハイル。
      • 見た目はいかついドラゴンだが、中身はただの5歳児であり、そこら中で無邪気な言動を繰り出す姿はたいへんかわいらしい。中には「ミハイルが可愛いのがこのゲーム最大の長所」という意見も。
      • 「あざとくて嫌だ」という否定的な意見もあるが、逆に「あざといのも含めて可愛い」とするユーザーもいる。
      • ただ可愛いだけでなく、ストーリーが進むにつれて少しづつ成長していく描写がなされていることや、母子を彷彿とさせるゼロとの掛け合いなども人気の一因である。
    • DLCでの登場になるが、おネエのドラゴン、ガブリエラに関しても、今までにないキャラ付けで人気が高い。
    • 藤坂氏によるキャラクターデザインも好評。地味に一部しか使われて無いが、太鼓の達人の「和田どん」などのキャラデザインを中盤まで行っていたヨコオタロウの嫁でもある横尾有希子氏のウタウタイのユルいデザインも採用されている。
  • 戦闘中にもキャラクターがとても良く喋る。
    • ゼロやその仲間キャラクターのみならず、ただのモブである敵兵士にもいちいち専用の台詞が用意されており、やたらと良く喋るため、戦闘中の会話を拾う楽しみもある(ただし仲間キャラの会話内容に関しても賛否はある、後述)。
      • 例えば、敵兵が決死の覚悟で止めに来たり怯え果てて泣き言を言っていたりする中、主人公サイドは夜の生活についての会話で盛り上がっている、という感じである。圧倒的強者の余裕とただのモブ兵士たちの恐怖がよくわかる。
      • ステージによっては開始時からクリア時までずっと会話が続いたり、手早くクリアすれば全ての台詞が終わらないほど。好きなプレイヤーにとっては大きな楽しみとなる。
    • ただ、敵兵士の発言に関しては音量が抑えられているうえ字幕が出ないので少々聞き取りづらいが。
    • 声優の演技も素晴らしく、シーンによって多様な顔を見せるゼロ、二面性のあるフォウやセント、テンションの高低が激しいスリィ、ストーリー中に大きく演じ方が変化するトウなど、演技の癖が強く難易度の高いキャラが多いにもかかわらずいずれの担当声優もなかなかの名演・怪演を見せてくれる。
      • 『1』『2』では主要キャラクターに俳優が多く起用されていることも特徴であったが、本作ではキャラの声の大半を本職の声優が占めている。
      • ちなみに、シリーズお馴染みのピーター氏も出演している。
  • 音楽。
    • 作曲は『NieR』に引き続き、岡部啓一氏と彼が代表を務めるMONACAが主に担当している。
      • ただしテイストは『NieR』とはまた違うものになっており、旧作とはまた違う音楽が楽しめる。
      • 特にボス戦の楽曲は、従来の音楽とは大きく曲調を変え、激しいハードロック調の音楽になっているが、格好いいものが多いと好評。
      • ラスボス戦の仕様は後述の通り評価が分かれているが、「これまでのボス曲をアレンジメドレーにした集大成」「非常に透明感があり、美しいボーカル」「シナリオとマッチした優しさと物悲しさが同居したリズム」など戦闘曲の評価は非常に高く、「曲のおかげで何十時間も挑むことができ、クリアできた」という人までいる。
    • 藍井エイルとEmi Evansが歌う「クロイウタ」、鬼束ちひろが歌う「This Silence Is Mine」も評価が高い。
      • 特に「This Silence Is Mine」は作中で使用されるシーンにもマッチしており、ファンからも支持を集めている。
    • ゲーム中にて「ウタウタイモード」を発動すると、BGMにボーカルが付く、パーカッションの種類が増えるといった変化が起こる*3など、音楽に関しては凝った演出が見られる。
    • また、DLCとして『DOD1』から「セエレの祈 上空」「第十三章 最終」「尽きる」が、『NieR RepliCant』から「イニシエノウタ」「エミール」「Ashes of Dreams」が、本作から主題歌2つと「Better End」のアレンジバージョンが配信されており、好評なものが多い。
    • 残念ながら『NieR RepliCant』を代表する「カイネ」の曲は未収納だが、代わりにカイネが使用した剣が「カイネの剣」という名称で本作の武器として登場する。
  • シリーズお馴染みのウェポンストーリーも健在。方向性も従来のものを引き継いでおり、ファンからも好評。
    • 話の中身も、ただ淡々と悲劇が綴られているもの、良く意味の分からないもの、毒のある話、不思議な話、少し悲しい物語、ちょっといい話など種類も豊富に揃っている。
    • 中には『DOD1』のとあるキャラクターのものと思われる話や、『NieR RepliCant』のキャラクターのものと思われる話も。名前からしておかしい武器も存在する。作中でちらほら語られることと合わせると、これが何を意味するのか推察できる…かもしれない。
  • チャプターセレクトの復活。
    • 『2』では消えていたチャプターセレクトが「ブックセレクタ」として復活。
    • 本作ではステージの途中のコンティニューポイントからでもミッションを始められるようになっている。
    • またチャプターセレクトの画面でそのステージで取り逃した宝箱を確認することができるため武器コンプリートは過去作に比べて格段に楽になっている。
      • 武器コンプリートは最終章へ進む条件でもあるため、「初代や『DOD2』は条件が厳しすぎて最後のエンディングまで見れなかったが、『DOD3』はラストまで行けた」という人も多い。

賛否両論点

  • これまでの『DOD』シリーズや『NieR RepliCant』とはかなり毛色の違うストーリー。
    • 全編に渡ってギャグ要素が多く散りばめられており、大筋こそ陰鬱なストーリーながらもかなりコメディ色が強くなっている*4
      • そのギャグの内容も下ネタ、メタフィクションやパロディネタなど、非常に人を選ぶものが多いため、楽しく笑ってプレイできたユーザーと、受け付けられなかったユーザーとで評価が分かれている*5
    • 発売前の宣伝やキャラクター紹介でもそういった下ネタ要素を包み隠さず公開しており、ゲーム中での下ネタトークなども一部公開していたため、「大体予想通りだった」というユーザーも多い。
    • その一方で、公式HPやPVではこれまでの『DOD』シリーズ及び『ニーアレプリカント』と似通った「毛色は独特ながらもゲームの雰囲気自体はシリアス」に表現されていたため、期待していたものと違うと感じた層も増える要因となった。
      • なお、直接的すぎる下ネタは倫理審査に引っかかったため、「自慰行為」に相当する言葉を「セルフジョイ」と修正するなどの審査対策が取られた。
    • ちなみにディレクターのヨコオ氏は、発売前に「本作は『DOD』でも『ニーア』でもない。(前作までのような陰鬱なものを)期待していると裏切られる」と予め警告していた。
+ メタ要素に関するネタバレ注意
  • また、ストーリー中、メタ的な視点を持ちながらストーリーに関わってくるキャラクター「アコール」が登場する。
    • 世界の可能性の分岐を監視するという存在で、世界の事象にある程度干渉できる。
    • いわば物語の部外者であるにもかかわらず、「ストーリー上盛り上がる戦局に干渉して来る」「主人公であるゼロを凌ぐ身体能力を描写されていたり、別のキャラにおだてられたりしている」「最後のエンディングの〆を持っていく」「ゼロの乳房を揉んでセクハラ行為に及ぶ」など美味しい場面が与えられているため、「出しゃばりすぎてて冷める」などの不満が強い。
      • 加えて、そもそも本作はこの人物の報告書で、プレイヤーがそれを閲覧しているという体裁である。
    • 一応、このキャラクター自体には考察の余地も多く、それなりに好意的な意見もあるが、そういったユーザーの中でも、ストーリー上でのこういった目立ちぶりに関しては否定的な声が多い。
      • ちなみに彼女本人は登場しないが、『NieR:Automata』やリメイク版『NieR RepliCant』では、アコールの存在の普及がされている。
  • 詳しく語られない要素が多め。
+ ストーリー上のネタバレ注意
  • 基本的に「妹の本拠地に殴り込み、妹を殺して使徒を仲間に引き入れ、次の妹の所へ」といった流れで物語がガンガン進んで行き、その展開も非常にあっさりしている。
    • その流れの中でストーリーの核心に触れるシーンはそれほど多くなく、匂わせるだけ匂わせておいてなかなか説明や回収がされない要素が多い。
    • 多くの伏線が回収されるのは最後の分岐路に入った後であるため、謎ばかり振り撒いてあっさりバッドエンドを迎える途中の分岐路では、中弛みもしやすい。
      • さらに、最終分岐まで終えても回収し切れてない要素もそこそこ残っており、また「そういう設定なんだからそういうことで納得しろ」と言わんばかりに進んでいく少々強引な要素もいくつかある。
      • ただし、これは『NieR』もそうであったように、主人公のゼロにとって「妹を殲滅する」という目的以外どうでもいいため語る気も必要もない、とも取れる。
  • キャラの掘り下げもゲーム単体ではあまり行われておらず、主人公であるゼロ、相方のミハイル以外はいまいち薄味。
    • せっかくキャラが立っている妹たちとのイベントもあまりなく、ほとんどの妹たちは多少の会話ののちに一戦交えてあっさり退場してしまう。
      • キャラによっては直接戦闘すらほとんど無かったり、精神が崩壊しているために会話らしい会話も出来なかったりするため不評。
    • 同じくキャラが立っている使徒たちも、口を開けば下ネタトークが飛び出すばかりで、比較的様々な面を見ることができるのはディトぐらい*6
      • デカートは他人のために体を張れる実直な紳士で、オクタは心根は良識的で優しく、セントも実はひねくれ屋な純愛野郎、とそれぞれ味のある性格をしているのだが、そういった性格が見て取れるシーンが少なく、不満に思うユーザーも多い。
    • 発売前から公開されていた公式サイトの小説や漫画『ウタヒメファイブ』などではしっかりとキャラクターが掘り下げられ、発売前から人気が高まっていたため、ゲーム本編での彼ら彼女らの活躍に期待していたプレイヤーたちは大いにガッカリすることとなった。
    • 『NieR RepliCant』に於いては、2周目プレイ以降(Aエンドクリア後のセーブデータ)でカイネや敵(マモノたち)の心境や生い立ちが掘り下げられていたので、せめてDLCに頼らずに他のキャラ(特にトゥ)の心境やバックストーリーを本編に挿入してほしかったところである。
  • なお、ディレクターのヨコオ氏の発言*7によると、「ユーザー間での考察の余地をたくさん残したくて、モヤッとする構成を増やした」とのこと。
    • 実際、ユーザー間での考察はまとめWikiも作られるなど割と盛り上がっており、楽しんでいるユーザーも多く、開発側の目論見としては成功していると言える。
    • しかしその一方で、「考察するにしてもヒントが足りない」要素もあるため、考察を楽しんでいるユーザーの中にも物足りなさを感じる意見も出ている。
  • このあたりの難点は、のちに配信された追加シナリオDLCにおいてある程度解消されている。
    • それだったら、「本編で見せろ」と言いたいところだが...
  • またお前か。
    + D分岐ネタバレ注意
  • 『DOD1』に唐突に登場し話題を掻っ攫ったあの「音ゲー」がまさかの再登場。
    • ただし、『DOD1』では「リズムは関係なく黒と白の2色に対応したボタンを時間内に的確に押す」ものだったのが、今作では「使うボタンは1つだが押すタイミングが重要」というものに変わっている。このため、動体視力や反射神経のゲームだった『1』に対し、今作は純然たるリズムゲーとなり実際は似て非なるものになっている。
    • 上記の仕様変更の上に、以下の要素が襲い来る。
      • カメラが好き放題動き回るせいで敵弾や着弾点がよく見えない。時にはどちらか一方あるいは両方が全く見えなくなり、目押しのできない場面が多い。
      • いっそ画面を一切見ないほうがやりやすい場合すらある。リズム感が頼り。というよりもそういうプレイをさせるためにカメラを暴走させていると思われる。
        • にもかかわらずしょっちゅうテンポをずらして来るため、リズムをしっかり取れなければ難しい。
      • 全パートを合わせるとクリアには約8分もの時間を要するため、音ゲーとして単純に長すぎる。
        • ポーズ可能なのが救いか。ただし、『DOD1』とは違い「ポーズ中に色を覚える」という手段は使えない。あくまで休憩できるというだけである。
        • 途中にチェックポイント(コンティニューポイント)も無く、しくじれば最初から。
      • 『1』の時は帯の色を間違えても硬直するのみで、先出ししておいて次弾に当たりさえしなければミスしても大丈夫だったが、本作では先出しが不可能なためミスした瞬間に即死。ボタンの受付時間に関しては甘めだが、一度押して外した場合は再度受け付けるまでの時間が長い。
      • 曲そのものの長さや中継点のなさだけでなく、ゲーム部分が始まる前のイントロ部分がやや長めで飛ばせないことや、後述のロードの長さなどもあり、トライ&エラーに手間が掛かるためストレスを感じやすい。
      • 画面が完全にフェードアウトし切ってから着弾する弾が飛んでくる。
        • その後音楽も止まった後、会話の最中に飛んでくる弾がある。画面は真っ暗、音楽も停止しており、しかも終わった雰囲気の会話の中ひっそり飛んでくるため完全に初見殺し。
      • 会話が発生しているため、着弾のタイミングを台詞で計ることができるので、ネタさえ分かればむしろ他より楽ではあるが*8
    • …と、人によっては理不尽さを強く感じる要素が多く盛り込まれており、この高難易度を突破できないユーザーも多く、「"音ゲー"の再登場」及び「"音ゲー"の仕様」共に賛否が割れている。
      • ただし、上述の仕様が悪辣なだけで曲そのものの難易度は音ゲーとしてはむしろ易しいとされ、上記のとおりゲームとしての構造がそもそも『DOD1』とは異なるため、上記の点を踏まえても今作の方が楽にクリアできたという人もいる。
        • リズムを取るのが苦手なユーザーにとっては厳しく感じる場面こそ多いものの、タイミング判定はそこまでシビアでもない上、激しい入力を必要とする場面も全く無く、また音も一色しか飛んで来ないためである。
        • 動画サイトでアップされた譜面とゲーム中の映像を同調させて普通の音ゲーのようにプレイする、という攻略法を取ることであっさりクリアできたというプレイヤーも少なくない。
    • なお「ウタ」で奇跡を起こす「ウタウタイ」が主要人物を担っているという設定から、発売前から音ゲーそのものは再登場すると予想したシリーズファンも多かった。
  • 武器ホイールの収納数減少。
    • 旧作では8本の武器を同時に装備できたのが、今作は武器切り替えの仕様の都合か、4本に減少している。各カテゴリの特性を極端化した結果とも言える。
    • また、旧作では装備できる武器の種類に特に制約は無かったが、今作では武器1種類につき1本までしか持ち歩く事が出来ない。
    • これらの制約で特に不便さを感じるような場面は無く、収納数が減った事で過去作より切り換えやすくなっているメリットもある一方、自由度としては少し下がっているため、不満の意見も出ている。

問題点

  • PS3にしてはそれほどグラフィックが綺麗ではない。
    • 『NieR』の時もそうだったが、PS2以上ではあるがPS3のゲームとしては今一つ。
    • プリレンダリングムービーだけはPS3レベルの綺麗なグラフィックだが、使用されているのはOPムービーのみ。
  • ロードが長い。
    • 短いクエストを始める際でも長めのロードが発生するため、地味に気になる。
      • クエストは武器入手or強化のための金策としても頻繁に繰り返すことになるため、ストレス要素になりやすい。
    • 道中の長いストーリー本編では、ロードの挟まる頻度が少ないためあまり気にならないが、それでも扉を開けるムービーが挿入されている際にも数秒のロードが行われるため、テンポの悪さを感じることも。
    • ロード中に世界設定についての説明が表示されるというロード時間対策は一応ある(効果は薄いが)。内容によっては見過ごせないものも。
  • 処理落ちが多い。
    • せっかくアクション性自体は軽快になっているにもかかわらず、元々のfpsが低い事に加え、至る所で処理落ちが発生するために、爽快感が得られない事もしばしば。
    • PS3の型番によっては「フリーズが発生した」との報告も挙がっている。
  • カメラワークも悪い。
    • せっかくゲーム性が大幅に改善されているのに、カメラワークはほぼ改善されておらず、障害物の近くではカメラがブレまくるため、ストレスを感じる場面も多い。
    • 広い場所ではそれほど気にならないが、ステージ端などでは思うように視点が動かせず、時には敵と壁で挟まれて全く画面が見えなくなる事も。
      • そのくせ突進技などでステージ端に寄って行く敵が多く、カメラワークの悪さを嫌でも意識させられる場面が多くなりがち。
      • また、カメラ外に居る敵も平然と攻撃を仕掛けてくるため、見えない攻撃による理不尽なゲームオーバーも発生しやすい。
    • ロックオンを行うと画面が敵に引っ張られがちになるため、カメラが余計にブレてさらに見づらくなったりもする。
  • 地上アクションも一部操作しづらい。
    • 回避方向の細かい調整が出来ないため、もどかしく感じる場面もしばしば。
    • 同じく回避攻撃も思った方向に出すのが難しく、何かと融通が利かない。
  • アクションゲームとしての方向性の変化。
    • 広大なマップでわらわらと出現する敵を処理していく無双系のアクションゲームであった旧作とは違い、今作は一本道。
      • それだけなら特に問題ではないが、道中ではどのマップでも「進む → 特定地点に到達すると敵が現れ小部屋に閉じ込められる → 敵全滅 → 扉が開く」というパターンでステージが展開されていく事が多く、ワンパターンに感じるという意見も。
    • またマップの広さが狭まった関係か、旧作のように任意の場所でドラゴンを呼び出す事ができなくなり、またマップの探索要素も減っているため不満が出ている。
      • 『DOD1』では広すぎて不評も出たものだが、今作では逆に狭すぎて反対意見を誘うことなった。
  • ボス戦にあまり歯ごたえが無い。
    • ドラゴンに乗って戦う大型ボスは行動パターンに乏しく、また攻略方法も「敵の隙を見て攻撃し、無防備な状態に持ち込んで一気に畳み掛ける」というものがやたらと多く、どのボスも単調な攻略になりがち。
    • ゼロを操作して地上で戦うウタヒメ戦もやっぱり行動パターンに乏しく、単調。それほど強くもないため、なんとなく戦っているだけで何となく倒せてしまう。
      • 血を分けた妹とのタイマンという燃えるシチュエーションなのに、敵は武器を振り回す1~2パターンの攻撃ぐらいしか行ってこないため、張り合いもいまいち無く、見た目も地味。
      • 漫画『ウタヒメファイブ』で行っていた多彩な攻撃をゲームにも活かして欲しかった、という不満も多い。
  • 魔法の削除。
    • 理由は不明だが、旧作で好評だった「武器ごとに設定された固有魔法」が今作では削除されており、旧作のファンからは物足りないと不満が多い。
  • 武器の無個性化。
    • 本作では『DOD2』と同じく、いくつかの攻撃の組み合わせによりコンボが派生するシステムになっているのだが、その派生のバリエーションが少なく、派生技の種類も少ないため、使い方の似がちな武器が非常に多い。
    • また、固有魔法が無くなった事により武器の個性が薄まり、単純な攻撃力で武器の優劣が付いてしまうため、出番に恵まれない武器も多い。
  • クエストの面白味が薄い。
    • ミッション内容はほとんどが「特定の敵を倒してアイテムを奪え」と「宝箱を壊してアイテムを奪え」の2種類のみであり、ステージも使い回しが多いため単調で淡白。難易度の調整も敵を強くする・難敵を配置する・制限時間を厳しくする、と単調。
    • また、ミッション中のポーズメニューに「リタイア」はあるが「リトライ」が無い。やり直したい場合はわざと死ぬか、一旦リタイアしていちいちチャプターセレクト画面に戻らなければならないため、不便。
  • 武器強化にかかる値段設定がかなり高く、出費が嵩む。
    • 強化費用を稼ぐためにはクエストに繰り返し挑戦する必要があり、先述したクエストの面白みの薄さやロードの長さも気になるため、作業感がするという不満は多い。
      • 武器強化はゲームのクリアには必須ではないが、武器の成長はDODシリーズにおいては1つの大きな楽しみであるため、無視はできないだろう。今回はトロフィーもある。
  • 上空戦の単純化。
    • ドラゴンを自由自在に駆るフライトシミュレーションであった『1』や『2』から一転、本作の上空戦はただの奥行きシューティングになってしまっており、できることが大幅に減少。また上空戦を行うステージの数も過去作と比べて極端に少ない。
    • ステージ構成も非常に単調で、攻略も大して難しくないため、戦略を考える必要もほぼ無い。
    • 自機の移動操作とターゲットカーソルの移動操作が両方左スティックであるせいで、操作がしにくく、単純な出来もあまり良くない。
  • バグがいくつかある。
    • 特にセント以外の使徒がセントになってしまう「セントバグ」が問題となった。
      • これが発生するとセント以外の使徒が消えてしまい、連れていく使徒の変更も出来なくなる。消えたキャラの親密度アップによる提供武器も入手できなくなってしまうため、武器のコンプリートが解禁条件である最終分岐に進めなくなってしまうこともあった。
      • 現在は修正済み。
    • 他にも「出現するはずの雑魚が出現しなくなるバグ」や「敵が壁に埋まるバグ」「坂道にいる敵や地中に潜ったはずの敵が浮いているバグ」など細かいものが現在でもいくつか残っている。
  • ゲーム以外のメディアに目を通していないと補完できないシナリオ要素が多い。
    • ウタヒメたちのキャラクターや、使徒との関係については、本作の少し前の物語を描いているコミック『ウタヒメファイブ』(余談参照)や、公式HPの公式ノベルの中でだけ描かれ、ゲーム本編中には登場しないため、これらを読んで補完しないといまいち把握できない。
    • 2014年3月より各ウタヒメにスポットを当てた追加シナリオも配信されており、こちらでの補完も可能だが、基本的に有料DLCなのでやっぱり別個で買わなければならない。
    • 中には限定BOXの特典小説を読まないと性格の把握できないキャラクターも。
      • ただし、限定BOX特典にのみ掲載されているキャラクターの小説に関しては、のちに発売された設定資料集に(粗筋だけだが)掲載された。

問題とまでは言えないが不満の集まりやすい点

  • 武器の入手&強化手段の変化
    • 入手方法のバリエーションが多かった旧作と違い、今作ではマップ上に最初から出現している宝箱を開けさえすれば入手が可能だったり、単純にお金で購入すれば済んだりと、シンプルなものが非常に多い。
      • 無茶な入手条件の多かった過去作品と比べ、入手難易度としては下がっている*9ため、一概に問題のある変更とは言えないが、面白味としては薄味なため不満意見も挙がっている。
    • さらに今作では、武器強化はお金で行われるシステムになっており、「問題点」の項でも述べたように、武器の強化のためにはお金を稼ぐ作業をこなす必要がある。
      • ただ、これは『DOD1』の「殺戮数を稼いで武器を強化する」や『DOD2』の「経験値を稼いで武器を強化する」という武器成長システムから作業の種類が変わっただけであり、(値段設定はともかく)この仕様変更自体はゲームとして問題のある変更とは言い難い。
      • また、強化リソースがお金という共有リソースになった事により、装備中の武器しか強化できなかった旧作と違い、本作では好きな武器を使ってリソースを稼ぎ、好きな武器にリソースをつぎ込んで強化することができる利点も生まれている。
      • しかし、「血を吸って武器が強くなるという呪物的な設定が良かった」といったような不満を覚えたユーザーも多い。

総評

初代『DOD』のような電波なストーリーを期待していたユーザーからは反発の声が挙がり、また、一筋縄ではいかないクセの強さも相変わらずであり、そういった点からも批判意見は良く見られる*10
しかしその一方でゲーム性は旧作から改善された部分も多く、特に『DOD1』や『DOD2』での大きな問題であったアクション性の難はほぼ解消(カメラワークの難が解消されていないのが欠点だが)。
これまでのシリーズと比べればかなり遊びやすく仕上がっており、また好みさえ合えばコメディ色の強いストーリーも一つの楽しみとなるため、従来のファンや新規ユーザーからもそれなりの好評は得ている。

良くも悪くも(比較的)ライトになった『DOD』と言える一方でシリーズファンからも新規からも賛否両論を得ているあたり、『DOD』らしい癖のある作品ではあると言えよう。


余談

  • メディアミックス作品がいくつか展開された。
    • 本作の前日譚として、ウタヒメ姉妹が主役の漫画『どらっぐ おん どらぐーん ウタヒメファイブ」が月刊ビッグガンガンにて連載。
      • 萌え系な絵柄やほのぼのとした予告編、ひらがなが多いタイトルに反して中身はしっかりと本編を踏襲したダークファンタジーである。
    • 本作のとあるエンディングの後日譚として、『ドラッグオンドラグーン 死ニ至ル赤』がヤングガンガンにて連載。
      • 『3』本編の後で『1』本編の少し前の時代が描かれているが、『1』には直接は繋がらないパラレルワールド的な物語となっている。
      • ちなみに、単行本では当時謎だった「天使の教会」の教義の意味を知ることができる。
  • スクウェア・エニックスのアーケード向けカードゲーム『LORD of VERMILION III』に、ゼロとミハイルの2人(1人と1匹)がゲストとして登場している。
  • 2014年3月6日より、ウタヒメ6姉妹1人1人にスポットを当てた追加シナリオDLCの販売が開始された。価格は571円+消費税。
    • 3月6日にワン編とトゥ編の2つが配信開始されたのち、1週間ごとに1人ずつ追加。
      • 後に、DLC6本をまとめたセットも販売された。
    • 内容は各ウタヒメの前日譚となっており、概ね好評。作中では分からなかったことやこれぞ『DOD』と言わんばかりの内容など、様々である。ストーリークリア後は各ウタヒメの武器が入手でき、ウェポンストーリーも楽しめる。
      • ただ、いくら本筋に直接関係のない番外編とはいえ、前述通りゲーム本編でキャラの掘り下げがほとんどされなかっただけに、最初から収録しておいて欲しかったという意見もある。
  • 2014年4月10日、設定資料集+コンプリートガイドが発売された。これにはスタッフ対談やDLCを含む全ウェポンストーリー、書き下ろし小説なども掲載されている。攻略本としての要素はあまり多くはない。
    • 書き下ろし小説は本作A分岐から『DOD』と同じような展開に至った可能性のストーリー「DOD1.3」である。
  • 2014年8月28日に、小説「ストーリーサイド」が発売された。各分岐固有の要素を組み合わせた展開が進む。
    • 作中で謎だった要素がいくつか明かされた他、DODに関するとある秘密も明かされる。が、同時に謎も増えた。
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最終更新:2024年03月31日 17:00

*1 切り替え中は時間の流れがゆっくりになる。

*2 幽霊のような存在で、敵に憑依し攻撃力と防御力を跳ね上げるという特性を持つ(単体ではさほど強くない)。憑依された敵の近くでウタウタイモードを使えば憑依を解除できる。

*3 そのため、ほぼ全てのフィールドBGMにボーカルありorなしの2パターン用意されている。

*4 ただし、『NieR RepliCant』に於いても主人公と仲間たちのコミカルな会話が存在する。

*5 例えば、『雪崩に巻き込まれて暗転、字幕でTHE END → ゼロ「じゃねー!」』などシリアスで陰湿な世界観に反して、ブラックジョークがかなり多い。

*6 ただ、そもそものキャラ設定が、ゼロと妹達ウタヒメは「全員が性欲旺盛」で、その従者である使徒達はその相手をしているというものであるため、設定に忠実であると言えばその通りだが。

*7 2013年12月27日のファミ通主催のニコニコ生放送。

*8 逆に言うと、ネタが分かっていないと対応は無理、とも言えるが。他の弾同様、着弾の4拍前に発射音が聞こえるため、リズムが正確に取れれば対応も不可能ではないのだが、テンポが徐々に遅くなっているうえ、音楽自体も止まっており、台詞も被さっているため、非常に難しい。

*9 宝箱はあまり意地の悪い場所には設置されておらず、武器屋も本編で得たお金をつぎ込んでいれば簡単に買い揃えられる値段設定になっている。

*10 小説などと合わせてみると、本作は「1人の人間の、1人他役による自殺劇」であり、そう考えると相当狂っているが。