雷弩機兵ガイブレイブ

【らいどぎあ がいぶれいぶ】

ジャンル 3Dロボット・アクションRPG
対応機種 プレイステーション
メディア CD-ROM 1枚
発売・開発元 アクセラ
発売日 1997年7月17日
定価 5,800円
プレイ人数 1~2人
判定 良作
雷弩機兵ガイブレイブシリーズ
I / II


概要

過去の戦争で墜落した宇宙戦艦の眠る島「コロッサス島」の少年たちが人型作業機械「ライドギア」に乗り込み、島を脅かす火星軍と戦う様を描いた3Dアクションゲーム。
ロボットアニメを強く意識したタイトルや設定と、2頭身にデフォルメされた体型のメカニックデザインが特徴的。


本編開始まで

月国家シレナイトと火星国家マーシャンズによる人類初の星間戦争・MM大戦の終結には25年を要した。
終戦直前に地球の孤島へと墜落した月軍の戦艦「コロッサス」の乗組員は、月への帰還を断念していた。その島を「コロッサス島」と名付け入植に成功した彼らは地上で平和な毎日を送り、そして終戦から30年の月日が流れた。
ケン、スカリー、ライデン、ジョニーらコロッサス島の少年たちが、いつものようにライドギアの操縦訓練をしていたある日のこと、火星軍のダハー大佐率いる軍用機「オービタルギア」の小隊が島に現れる…。


システム

  • 3次元の移動軸を持つベルトスクロールアクション。
    • マップ画面を自由に行き来し、拠点へ到達あるいは往復しながらストーリーを進めていく。
    • 拠点の合間にある「草原」「森」「砂漠」「荒野」などのステージでは敵が大量に現れ、ライドギアの出番となる。ロボットゲームらしく遠近様々なタイプの武器を駆使して戦い、突破していく。
  • プレイヤーは4人の主人公から1人を操作キャラクターとして選択しゲームを開始する。
    • 2人プレイの場合はそれぞれ1人ずつ選択することになる。ちなみに拠点であるケモー博士の研究所に行けば、いつでも操作キャラクターを変更可能。

評価点

爽快感

  • とにかくこれに尽きる。ロボットを操作し、様々な武器や格闘技を使って敵をバッタバッタと倒していくのは非常に気分がいい。
    • 爆発音も小気味よく、爽快感を後押ししている。
    • この手のロボットアクションRPGには珍しく対戦モードは勿論、本編も二人で協力してプレイ可能。息のあったプレイで敵を撃破できればテンションも鰻上り。
      • なお、味方攻撃は設定でON/OFF切り替えができる。アレコレを髣髴とさせる謀殺プレイも可能だが、友情ブレイクの危険性があるので程ほどに。

演出

  • 武器のバリエーションはかなり豊富。
    • オーソドックスな剣やロボゲーではおなじみマシンガンの他、ヨーヨーや鷹匠の様に鳥を飛ばして敵を攻撃する色モノ武器まである。ローラーダッシュも完備。
  • イベントシーンはボイス付きで、声優陣も岩田光央、宮村優子、池水通洋、置鮎龍太郎、青野武、笠原留美、郷里大輔、森功至とかなり豪華。
    • 音楽はメタル系で世界観にあっており、デザインも2頭身のオリジナルデザインとしては中々にカッコいい。

様々な要素の合成

  • 本作は既存のゲームジャンルにおける多種多様な要素が詰め込まれており、それが上手く噛み合っている。
    • 街での移動や買い物、会話や敵を倒して経験値を得て成長、技の習得等はRPG。マップを横スクロールしつつ敵を倒して進むのはベルトアクション。セレクトボタンで発動する無敵の画面全体攻撃、ボンバーはシューティングゲームのボムといった具合。
    • これだけ節操無く要素を詰め込んでいると、大抵の場合は要素同士が噛み合わせの不備を起こし、何かしらの不便さや違和感を引き起こしがち。そう考えれば、奇跡的なまでに噛み合わせが上手くいっている本作の設計がいかに優れたものであるかが窺える。

適度なボリューム

  • RPGではあるが然程ストーリーは長くなくサクサク進む為、初回プレイでも10時間程度でクリアできる。
    • このためプレイがだれにくく、さながらアクションゲームのように気が向いた時に何度でも最初からプレイ…といった楽しみ方をしやすい。
      • 手馴れたプレイヤーからは後述の難易度も踏まえて、物足り無さを指摘されることもあるが、この辺りは完全に好みの問題だろう。

賛否両論点

ゲームバランス

  • ライトユーザーを意識したのか難易度は相当低い。
    • 本作の武器は誘導性能のある一部のものを除いてY軸が揃わないと攻撃が命中しない。よって、基本的にその時点で購入可能な射撃系最強武器(サブウエポン)を購入してステージの端っこで撃ち続けていれば、敵の方からX軸を揃えようと勝手に弾に当たってくれるため、ノーダメージでエリア内の敵を殲滅できる。
      • 上述の戦法が通用しない箇所は初期武器しか持っていない最序盤、店売りに適当な武器がなく何個もエリアを突破した後にボス戦のある中盤の後半、敵が誘導性能のある武器を使用することに加えて、攻撃を食らってもひるみにくい最終盤の3箇所くらい。それらについても、回復アイテムを大量に買い込んでゴリ押しすれば何とかなってしまう。
  • コマンド入力による公式裏技(というよりチートに近い)が存在している。
    • 一度入力すればエネルギーもボムも無限。更に獲得経験値・資金は4倍になるなど、完全にゲームバランスなにそれおいしいの状態に。
    • より派手に戦えるため、爽快感そのものは増す。ゲームを楽しむという点からみれば十分にアリだが、やりこみの意義は大分失われるのでご利用は計画的に。

問題点

システム

  • エリアのスキップができない為、遠隔地に行くためにわざわざエリアを一つずつ突破しないといけない。
    • シナリオ後半に一度、最後の街から最初の街まで戻る必要があるが、これが原因で非常にめんどくさい。
    • また、使用キャラの変更も最初の街でしかできないため、変更したい場合も最初の街まで戻る必要がある。この際も勿論スキップはできない。
      • キャラを変更した際に装備やアイテム・お金は共通で使用できるが、レベルやモーターは各キャラ固有のため引き継げない。
      • レベルについては上述したコマンドを使用すればそこまで苦も無く最大レベルまで上げられるが、問題はモーター。高性能のモーターは最後の街でしか売っていないため、どのキャラも育てたいという人は、最初の街と最後の街を何度も行き来する必要がある。初期のモーターは移動力が低いため、ただエリアを通り過ぎるだけでも時間が掛かる。レベルと異なりこちらは特に救済措置もない*1
      • モーターは下取りできないため、金銭的には損になってしまうが、道中でその街で購入できる最高のモーターに更新しつつ最後の街に向かった方が精神的に楽かもしれない。
  • 街で道端の人と会話をするためにわざわざギアから降りなければならないのも地味に面倒。
  • 対戦モードで機体を出現させる為にはその機体を本編で撃墜するか、特定の条件を満たすかして「登録」しなければならないのだが、ラストダンジョン内に登録対象の機体が3体もいる。
    • 特に最後の機体は味方側の機体で、しかもイベントのみの登場。登録したいなら一度ラスボスにわざと倒されてゲームオーバーになる必要がある。
  • 敵のグラフィックパターンがそれほど多くない。後半に行くにつれて、撃墜しても対戦モードに登録されない色違いの機体が多くなる。

内部パラメータの数値ミス

  • 武器関連をはじめとするパラメータがかなりいい加減。
    • メインウエポンのエネルギー消費やサブウエポンのリーチがステータスの表記より高かったり、低かったりというスペック詐欺が非常に多い。
      • 格闘系の武器は基本的に攻撃力が数値通りでないのだが、中でも酷いのはドリル系の武器。元々リーチが短く、コンボ攻撃もない単発攻撃力特化の武器なのだが、実はその攻撃力が異様に低い。
      • イベントのために必ず購入する必要のあるジェットモールは表記上ではサブウエポン中最大の攻撃力を誇るが、実はただでさえ弱い(数値上の威力の出ない)ドリル系の中でも最弱。値段もかなり高いため、せっかく購入したんだからとイベント以外で使用すると悲惨な目に遭う。
      • 一方で誘導系武器は強すぎる。回避が非常に困難でシールドで防御してダメージを軽減するしかない。
    • また2種類あるモーターの内、ダッシュ速度やジャンプ時間の変化など等効果が目に見えて分かりやすいレッグモーターと比べ、アームモーターは格闘系の攻撃力にしか関わらない。射撃主体で行くならアームモーターにはあまり意味がない。
      • ただし上記のようなパラメータ詐欺に関しては、後年有志が検証した結果判明した情報であり、少なくともプレイ中に違和感を覚えることは少ない。

OP詐欺

  • OP冒頭は地球近海にいる戦艦から敵が出撃するところから始まるのだが、本編は全て惑星内で物語が進み、OP以外で宇宙および戦艦が登場するシーンは存在しない。OPそのものは非常に格好いいのだが…。

総評

粗は多いが、それでも同時期に発売されたロボットゲームと比較して出色の出来栄えを誇る逸品。
お約束のようなものをこれでもかと詰め込んでいるので、ロボット好きにはたまらない。
そうでなくとも、対戦モードや協力プレイで友人と遊べば、爽快感もあって熱くなれること請け合いである。


余談

  • 関連商品としてはラジオドラマを収録したCD(全2巻)の他、バンダイよりプラモデルでの玩具展開も行われていた。コロコロコミックにおいても全2話の漫画版が存在する。
  • アクセラは本作発売から3年後の2000年に倒産しており、本作リメイクやシリーズ最新作の発売は勿論、ゲームアーカイブス配信すら絶望的。遊ぶには本作の現物を探すしかないのが悔やまれる。

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最終更新:2024年01月29日 11:31
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*1 強いて言えば、隠しコマンドで出る最強のモーターは安価なため、全員分揃えても金銭面での負担は少ない