ド根性小学生 ボン・ビー太 裸の頂上ケツ戦!! ビー太 vs ドクロでい!

【どこんじょうしょうがくせいぼんびーた はだかのちょうじょうけつせん びーたたいどくろでい】

ジャンル ド根性アクション
対応機種 ニンテンドーDS
発売元 バンダイナムコゲームス
開発元 インティ・クリエイツ
発売日 2010年11月4日
価格 5,040円(税込)
プレイ人数 1~2人*1
セーブデータ 3箇所
レーティング CERO:A(全年齢対象)
判定 バカゲー
ポイント コロコロ問題作のゲーム化
ゲームとしては意外と普通
ギャグ演出は賛否両論?
コロコロコミックシリーズリンク


概要

  • かつてコロコロコミックにて連載されていたギャグ漫画『ド根性小学生 ボン・ビー太』のゲーム化作品。ジャンルとしては横スクロールアクションゲームに該当する。
    • 原作のアニメ化はされていないが、本作には専用アニメーション付きのオープニングテーマが収録され、登場キャラ全員に豪華声優陣によるボイスが付けられている。
    • 開発は近年の『ロックマンシリーズ』やキャラゲーのアクションゲームに関わる事が多いインティ・クリエイツが担当。
  • オートセーブ方式(任意セーブも可能)。メイン操作は十字ボタンとボタンで行うが、ミニゲームではタッチやマイクを使用する場面もある。

ストーリー

かつて大嶋第三小学校は「あんこく生徒会長」なる者によって支配されていた。
5人の勇者で構成された「せいぎの生徒会」は、正義の活躍によって"やつ"を「5枚のお札」に封印する事に成功する。
そして、大嶋第三小学校は長き平和が保たれていた…。

平和だった学園に土苦路 芝板留蔵(どくろ しばいたるぞう)をリーダーとした、「大生徒会軍団」なる5人の者達が学園内を閉鎖してしまう。
閉鎖された学園を解放する為、委員長・オバマ君と共に我らの(?)ビー太が学園内で活躍する!!
しかしビー太達の活動の最中、謎の黒幕によって封印のお札が解かれようとしていた…。

ビー太と大生徒会軍団の対決の行方はどうなるのか? そして、黒幕の陰謀を阻止する術はあるのだろうか…?


主なルール

  • ゲームの流れ。
    • ビー太(以下:自機)を操作し、5つの舞台に待ち構える大生徒会軍団のメンバーを倒していくのが目的となる。
      • 各舞台は2~4ステージに分けられており、主に「道中ステージ」と「ボスステージ」の2タイプのステージが存在する。一部ボスステージはミニゲーム方式で行われる。
      • 道中ステージは「ステージ奥にある"ゴール"の文字ブロックを何かしらの行動で吹き飛ばせば」クリア。ボス戦ステージはボス敵を倒せば舞台そのものがクリアとなる(例外あり)。
      • 本作はステージセレクト制を採用している。一度プレイした道中ステージは何度でも再チャレンジが可能。
        ミニゲームのボスステージはプレイデータの選択画面にある「ミニゲーム」という項目内で再戦できる。通常のボス戦ステージに関しては、ラスボス戦を除き再戦する術はない。
  • 操作系統。
    • ステージ中における自機のメイン操作は以下の通り。
      • 十字ボタン左右で左右移動。
      • Bボタンでジャンプ動作。ボタンの押す長さでジャンプ力が変わり、ジャンプ中の移動制御が行える。ジャンプの踏み付けで一部敵を倒せる。
      • 特定地形にいる状態にて十字ボタンとBボタンで、地形の下へと下りられる。
      • YかAボタンで"ド根性ダッシュ"が行える。ダッシュ中は一部敵を体当たりで吹き飛ばせる(倒せる)。ダッシュ中にジャンプすると、通常よりも高く飛べる。
      • LかRボタンで"ド根性技"の選択。Xボタンで選択中の"ド根性技"の使用。
      • 下画面にある「コインストック」をタッチするとコインを100枚消費し、画面内の敵をコインの雪崩で流してしまう「オバマスライダー」が出せる。
        オバマスライダーを出した後は、何かしらのアイテムが大量に落ちている。ボス戦などの特定場所・及びコインストックが100枚に満たない場合はオバマスライダーが出せなくなる。
  • ド根性技について。
    • 自機には複数の「ド根性技」という特殊行動が行える。
      • ゲーム開始時では限られたド根性技しか行えないが、とあるステージの途中でイベント発生した後に、使用できるド根性技が増えていく。
      • ド根性技を使用すると「ド根性ゲージ」が特定量消費され、"これ"が尽きるとド根性技が出せなくなる。
        ゲージを回復するには「ド根性アイテムによる回復」「自然回復」「ド根性回復を行う」の方法がある。自然回復に関しては、完全回復までに結構な時間がかかる。
      • ド根性技には「Xボタンで使用するもの」と「Xボタン以外で使用するもの」の2タイプがあるが、どのド根性技もド根性ゲージが消費する事には代わりない(ド根性回復は除く)。
        Xボタン使用のものは、自機がその場から動けなくなる為、使用状況によっては危険を伴う可能性がある。
      • ステージ途中には「使用するべきド根性技の看板」が建てられている事がある。これを参照にすれば、詰まる事なく先へと進めやすくなる。
      • 使用できるド根性技が増える度に、ド根性ゲージの最大値が増加する。
  • Xボタンを使用するド根性技。
    • 「ド根性回復」…ゲーム開始時から使用可能。Xボタンを連打する事により、ド根性ゲージが急激に回復する。
    • 「ド根性大洪水」…よだれの洪水を流し、周囲にある敵やアイテムを流してしまう。また、水車に流す事で周囲の装置を作動する事ができる。
    • 「ド根性クンクン」…周囲に匂いを発生させる。匂いの先にアイテムがあったり、匂いによって敵の動きを制御できる。一定時間経過すると匂いが消えてしまう。
    • 「ド根性ファイヤー」…Xボタン連打で"おならファイヤー"による火炎攻撃が行える。敵を倒す・雪を溶かす・焚き火に火を灯す・ガスに引火させるといった効果がある。
    • 「ド根性スパーク」…Xボタンを押しながら十字ボタン連打で頭を掻き、周囲の敵に放電攻撃する。電気系の装置を作動する事もできる。
  • Xボタンを使用しないド根性技。
    • 「ド根性ダッシュ」…ゲーム開始時から使用可能。詳細は上記操作系統を参照の事。
    • 「超ド根性ダッシュ」…ド根性ダッシュの効果に加え、矢印の壁をYかAボタン連打でよじ登れる。
    • 「ド根性浮遊ジャンプ」…ジャンプ中にBボタン連打で、上方向へと浮遊ジャンプができる。
  • アイテムについて。
    • 敵を倒す・そのまま放置されている・オバマスライダーを使うなどで、以下のアイテムが出現する。
      • 「1円玉」…自機ライフゲージを回復する効果。3種類あり。
      • 「コイン」…オバマスライダー使用に必要なコインを増やせる効果。3種類あり。
      • 「ド根性アイテム」…ド根性ゲージを回復する効果。3種類あり。
      • 「1UP」…1UPの効果。
      • 「ヘアアイテム」…装備できるヘアの種類が増える効果。入手すると二度と手に入らない。
      • 「1円玉プラス」…自機ライフゲージ最大値を1増やす効果。入手すると二度と手に入らない。
  • ミス条件について。
    • ストックによるライフ & 残機制を採用しており、ミス後は戻り復活となる。残機をすべて失うとゲームオーバー。
      • 自機のライフゲージは「1円玉」という形で表示されている。敵・敵攻撃・トラップに触れると、ゲージが1消費され、自機から1円玉がこぼれ落ちてしまう。
        こぼれた1円玉をすぐに回収すると、消費されたゲージを回復できるが、一定時間経過しても回収できない場合は1円玉が消えてしまう。
      • ライフゲージ全消費以外でも、落とし穴に落ちてしまう・もしくはミニゲームによるボス戦に敗北すると即ミスとなってしまう。
      • 道中ステージ途中には「通過ポイント」が複数設置されており、これに触れた後にミスすると復活時は"そこ"からの再開ができる。
  • ヘアコレクションについて。
    • ゲーム中に特定条件を満たすと「ヘア」が入手でき、自由に自機の頭に装備できる。
      • 主な入手条件としては「ヘアアイテムを取得する」「道中ステージをクリアする」「福引をする(下記)」のいずれかの方法がある。
      • 各道中ステージには「最速クリア目標」が定められている。指定された時間以内でクリアすると、それ限定のヘアが手に入る。
         通常クリアでもヘアが入手できるので、最速クリアを達成すれば一度に2つのヘアが入手できる事になる。
      • ヘアを装備すると、何かしらの特殊性能*2。が付加される場合がある(ただの飾りでしかないヘアもあり)。ヘアは総計80種類存在する。
  • 福引について。
    • プレイデータの選択画面にある「体験版をプレゼント」という項目を選ぶと、他のDS本体側のプレイヤーに体験版が配布できる。
      • 配布を行う度に「福引券」という特殊アイテムが手に入る。これを消費して福引をチャレンジすると、ゲーム中における様々なアイテムが入手できる。

評価点

  • 原作のアホ臭いノリの再現。
    • 原作自体が「下品で不条理な大バカギャグ漫画」であるが、本作でも原作独特のギャグセンスが全編通して再現されている。
      • 大方のステージプレイ前後には長めのイベントシーンが入る。「ビー太達のボケと、それに対する委員長のツッコミ」が休む間もなく入り、原作同等のノリで繰り広げられる。
      • 「ド根性で何でもできる(?)全裸ビンボーのビー太」「作中屈指の常識人である委員長」「スーパー金持ちのオバマくん」など、主要キャラの性格は"まんま"原作通りとなっている。
      • "土苦路を筆頭とした大生徒会軍団5人"や"謎の黒幕"がオリジナルキャラとして登場するが、彼らもまた原作に登場しても違和感全くなしといえる程のクセもの揃い。
        土苦路はビー太のド根性技に匹敵する「超熱血技」を駆使してビー太達に戦いを挑む。ギャグメインとはいえ、ゲーム後半部の展開はなかなか熱い。
    • なお、イベントはすべてSTARTボタンでスキップ可能である。長ったらしいのが嫌なプレイヤーに対しても、ちゃんと配慮がなされている。
  • 意外と普通なアクションゲーム。
    • 原作が原作なだけにクセありゲームなのかと思いきや、実のところは驚く程にまともな横スクロールアクションゲームである
      • 操作性は良好・かつ分かりやすく、横スクロールアクションに馴染みにあるプレイヤーならば速攻で入り込める。ゲーム初期ではチュートリアルプレイが挟まれる親切っぷり。
      • 敵の攻撃が大人しい上にアイテムが腐る程入手できるので、総合的な難易度は低い。ステージをクリアするだけならば"ほとんど"のプレイヤーはオールクリアできてしまうだろう。
        しかし、全道中ステージの最速クリアを目指すとなると、結構難しい難易度となる。各最速クリアの時間が厳しめであり、悠長なプレイでは"まず"クリアはできないと思われる。
      • ただ単にゴール目指してステージを進むだけでなく、「雑魚敵ラッシュ」「クイズ形式」「制限時間制」など、色々な難関が用意されているのも凝っている。
  • グラフィックの書き込みは優秀。
    • ステージ中のグラフィックはすべてドット書きとなっているが、この書き込みが丁寧そのもの。
      • ビー太達の原作らしい表現がゲーム内に詰め込まれており、キャラの動きバリエーションも非常に細かい。まさに、「単純に動かすのが楽しい」キャラゲーの良い見本であろう。
      • 各舞台毎に"特色のある敵や仕掛け"が登場し、新鮮な気分でステージを攻略できる。明らかに学園内にいる事自体が場違いな連中多数だが、その非常識っぷりも"もちろん"原作再現である。
  • 本作オリジナルのアニメ演出。
    • アニメ化がされていないにも拘らず、本作専用のアニメーションやボイスが収録されている
      • オープニングテーマはフルアニメーション & フルボーカルとして流されるが、そのままTVアニメで放送しても通用する程のハイクオリティなものとなっている。
      • 流石にフルではないものの、豪華声優陣によるボイスで登場キャラが喋ってくれる。ビー太・委員長・オバマ君の3人は"まさか"の女性声優を採用。
        「原作のノリの関係上、男キャラ3人が女性ボイスなのはちょっと…」と思われるかもしれないが、声優の演技力も賜物もありキャラと声質が合っている。
      • 但し、ボイスが一部分しかなく、喋り方に中途半端さを覚えてしまう一面もある。これは本作に関わらず、バンナム製のDSキャラゲー全般にありがちな点であるが…。

問題点

  • かなりのボリューム不足感。
    • 本作のステージ総数は21(道中・ボス戦ステージ共に含む)と非常に少ない。おまけに、ステージ自体も短い事が多い。
      • その為、イベントを全部スキップしながらプレイすれば、驚く程に即効でオールクリアができてしまう。クリアしたからといって、隠しステージなどのサプライズは特に発生せず。
      • 本作はイベント描写側に力を入れており、アクションゲームとしてのボリュームが"それ"に吸われている節がある。よって、アクションゲームとしての本作は、底の浅い一面が見えてしまう。
  • 二人プレイの押し付け。
    • 一人プレイだけではヘアコレクションが絶対にコンプできない仕様
      • ヘアコレクションの入手条件の一つに「体験版配布による福引券を入手し、福引にチャレンジする」というものがある。すなわち、DS本体が2台ないと専用ヘアが入手できない
      • 本作はれっきとした一人プレイ専用のアクションゲームであり、複数人プレイが絡む要素がない。にも拘らず、体験版配布がヘア入手条件に含まれているのは明らかにおかしい。

おバカ点

  • 笑撃(?)のRTS(リアルタイムツッコミシステム)。
    • 本作にはステージ・イベントを含むゲーム中の様々な場面で、RTSが頻繁に入る。
      • RTSとは「何かのボケが入ると、委員長によるボイス付きツッコミが笑い声と共に入る」というもの。Wiiウェア作品『珍道中!!ポールの大冒険』(以下:珍ポ大)と同じシステムである。
      • 一例としては、タイトル画面で十字ボタン上を押せという表示に対して「STARTボタンじゃないの!?」、突然タライが落ちてくると「タライーーー?!」、というツッコミが入るといった具合。
      • RTSの挿入は本当唐突で、一寸先は闇状態から繰り出されるRTSのキレ味の良さは天下一品レベル。委員長の研ぎ澄まされたツッコミの凄さが垣間見れるというべきだろうか。
    • 無理に笑わせようとしている一面も…。
      • 全編通してギャグゲーなので、こういう「唐突のツッコミでプレイヤーを笑わせよう」という試みは面白いが、正直RTSの入り方が滑っている気がする場面がある。
      • 「そんなに強くツッコむところか、それ…?」「笑え声で萎える」という意見もありそうな予感がする。これも『珍ポ大』と完全一致している賛否両論点である。
      • また、RTSの入る場所は完全固定なので、同じ場面を何回もプレイしてしまうと"単なる邪魔な演出"にしか感じられなくなる。これまた『珍ポ大』と一致している。
    • 『珍ポ大』とは違い、発生したツッコミ(RTS)を個別でコレクションとして鑑賞できるモードはない。この辺は少し残念か…。

総評

コロコロコミック連載漫画のゲーム特有の「キャラクターと原作率は高いがゲーム内容はスカスカ」というのにぴったり当てはまる作品である。
「原作のアホ臭い再現は上々で、アクションゲームとしては普通」という出来だが、ボリューム不足感が残念な作品。出来自体は決して悪くないだけに、もう少し遊べる部分を強化して欲しかった…。

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最終更新:2019年08月11日 22:32

*1 二人プレイの対象は体験版の配信のみで、実質上のプレイ人数は一人専用となる。

*2 自機ジャンプ力が増す・寒さに凍えなくなる・アイテム効力が2倍増しになるなど