ボンバーマン'94

【ぼんばーまん きゅうじゅうよん】

ジャンル アクション
対応機種 PCエンジン
メディア 8MbitHuカード
発売・開発元 ハドソン
発売日 1993年12月10日
定価 6,800円
プレイ人数 1~5人
レーティング 【VC】CERO:A(全年齢対象)
配信 バーチャルコンソール
【Wii】2006年12月2日/600Wiiポイント
【WiiU】2014年11月19日/617円
ゲームアーカイブス
2009年7月15日/600円
判定 良作
ボンバーマンシリーズ


ストーリー

動物たちが楽しく平和に暮らすボンバー星。そこは5つの精霊に守られた美しい星でした。
しかし、突如現われた『バグラー』と『ロボット軍団』の手によって精霊の力の源である「精霊の絵」がバラバラに破壊されたのです。
精霊の力を失ったボンバー星は、均衡が崩れて5つに分割してしまいました。
そして、刻一刻と崩れていくボンバー星に平和を取り戻すため、ボンバーマンが立ち上がったのです!!

概要

PCエンジンで発売されたアクションゲームとしてのボンバーマンシリーズの最終作*1
シリーズお馴染みの敵「バグラー(外見は現在と若干異なる)」、仲間の「ルーイ」が初登場している。
最終作だけあり、後々のシリーズで共通となる世界観が確立されたため、限りなく完成型に近づいた作品ともいえよう。

特徴

前作・前々作に存在したPCエンジンGT(PCEの携帯版)用のVSモードとロードが削除され、ノーマルモード・バトルモード・パスワードの3つに簡略化された。

  • ノーマルモードはエリアは5+αで全20ステージ。
    • 森林地帯が舞台の「モリモリの森」、火山地帯が舞台の「アチアチの山」、海底が舞台の「ブクブクの海」、停電した城が舞台の「クラクラ城」、雪原地帯が舞台の「ユキユキランド」に、黒幕バグラーの居るファイナルステージの全6エリア構成。
    • 今までのように敵を全て倒すのではなく、配置されている「コアメカ」を全て破壊することで出口が開放されるようになった。
  • 登場するルーイは、ボンバー星に生息するボンバーマンと仲の良い動物という設定で、それぞれ得意技を持っている。
    • グリーンルーイ(ダッシュ)
    • パープルルーイ(ジャンプ)
    • ブルールーイ(ボムパント:ボムを数歩先に蹴り飛ばせる)
    • イエロールーイ(ブロックキック:ソフトブロックだけだが自分の前にあるブロックを押し出せる)
    • ピンクルーイ(ダンス:無意味)

評価点

  • ノーマルモードの快適さが向上。
    • ノーマルゲームの条件がステージ内にあるコアメカを破壊しゴールに辿り着くことに変わったことで一々敵を全滅させる必要がなくなった。
    • ステージが大幅に減少したが、1ステージ内に時間共有での複数のステージが存在する形で補っている。始めは1ステージに1ステージだけだが後半になると1ステージに3つや4つ存在し、更にはスクロール可能な広大なステージも現れるようになる。実質的に40以上ものステージが存在することになるのでボリューム不足は感じない。
    • ステージの最後のコアメカ基地をクリアするとクリア時に残っているソフトブロックがコインに変わり、取ると得点になる。ただし回収には15秒の時間制限あり。
    • 前のステージに戻る事も出来るようになった。これで簡単なステージでアイテムを稼ぐことが可能に。
    • 『'93』までの「アイテムは1ステージにつき原則1個だけ」の制約が無くなった事で序盤からそれなりにアイテムが出現するようになり、ストレス無くゲームを進められるようになった。
    • その場で復活可能なアイテム「ハート」が複数所持できるようになった。前作SFC版ボンバーマンでは1つしか持てなかったため、ミスする可能性を抑えられるように。
  • バトルゲームは更にパワーアップ。
    • 5人まで同時対戦が可能は今まで通りだが、対戦時には外見の異なる9人のボンバーマン。通称「ボンバーマンファミリー」から好きなのを選べる。
    • タッグマッチも可能で2チームに分かれて戦う。人数の振り分けも自由で1対4の変則マッチも可能。
    • バトルステージが10に増加、更に仕掛けが前作のように使い回しのものではなくなっている。前作に登場した通常面や爆弾やボンバーマンを流してしまうベルトコンベアーやワープホールは勿論、全員がいきなりフルパワーの状態で始まったり、ドクロアイテムの「駿足病」並みの超移動スピードで戦ったり、障害物で視界の悪かったりとバリエーションが豊富。
    • CPUは選んだボンバーマンに応じた行動パターンが設定される(ゲンバーマンは壁破壊に執着する、デボンはアイテムに執着する、チョビボンは回避能力が高い、など)。
    • ルーイが初登場。上記の通り、色によってそれぞれ能力が違い、ルーイに乗っていればダメージを受けてもルーイを失うだけですむ。ただ踊るだけという効果としてはハズレのピンクルーイも存在する。
  • BGMの質も良好。いくつかの曲はアレンジされて「スーパーボンバーマン」シリーズにも使われている。

賛否両論点

  • 爆発の仕様
    • 具体的には、爆弾の炎が別の爆弾に当たると続けて爆発するのだが、その爆発するまでのラグが皆無になった。つまり爆弾を1つ置こうが、誘爆するように10個置こうが爆発するまでの時間はほぼ全く同じということである。そのため、爆弾を豊富に持っていても垂れ流しにして置くくらいでもしないと持て余してしまう結果に。

問題点

  • ノーマルゲームでルーイを別のエリアに連れて行く事ができない。
    • 実はエンディングの伏線でもあるのだが…ラスボスをルーイに乗ったまま倒すと少しだけエンディングが変わる。
  • PCエンジンのコントローラーのボタン数の関係で「リモコン爆弾の爆破」と「ルーイの能力発動」が同じボタン。
    • 同時に両方とも発動してしまうため、想定外の失敗をする可能性が高まっている。扱いやすさも考えるとパープルルーイ一択になりやすい。
      • パープルはジャンプが可能なうえ、「ボタンを押した瞬間に無敵になれる=リモコン爆弾の炎に巻き込まれない」。
      • グリーンの場合はボタンを押すとダッシュしてしまい、ブルーの場合はボムを蹴ろうとすると自爆してしまう。グリーンは目の前に障害物があれば防げるからともかく、ブルーはリモコン中は爆弾蹴りを封印するしかない。
      • イエローはその場でキックするため、蹴ってもいい場所かどうか見ておく判断が必要になる。まずければハードブロック側を向くのがよい。
      • ピンクは押している間に踊るため、この仕様に悩まされることはない。
    • しかもルーイが登場するアイテムの「卵」はどのルーイが出るか判らないため、ルーイを別のエリアに連れて行く事ができない仕様と合わさってストレスが溜まる原因になりかねない。
  • 最終ステージに入ると過去のステージに戻れなくなる。初期状態で挑戦するとけっこう大変。
  • バトルモードで相変わらず登場しないスピードアップと貧弱なAI。
    • そのため、初期状態での移動速度で戦うことになる。移動速度を上げるにはグリーンルーイの能力かドクロで移動速度を上げる「駿足病」かステージの仕掛けくらいしかない。
    • コンピューターは個性が付くようになったとはいえ、キャラクターによっては簡単に自爆してしまうことも。
    • 前作ではSFCでボンバーマンが登場し、バトルモードでスピードアップが登場しているので存在させてもよかったのではないだろうか?

総評

スーパーボンバーマン3』の前身とも言える作品。丁寧に作られた良作で今でも十分楽しめる。


余談

  • 製品版はHuカードで発売されたが、非売品である体験版はSUPER CD-ROM2用ソフトとしてイベント等で配布されていた。
  • 海外ではジェネシス(北米でのメガドライブの名称)に『Mega Bomberman』として発売された。バトルゲームではスプライト処理の関係で4人までに変更、上記のボタン数の問題も解消されている。
  • 2020年に発売された復刻ゲーム機「PCエンジン mini」に収録された。
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最終更新:2023年04月15日 13:58

*1 ただし、そのあとの1994年に落ちものパズルの『ぱにっくボンバー』がリリースされている。