英雄伝説 零の軌跡

【えいゆうでんせつ ぜろのきせき】

ジャンル RPG

対応機種 プレイステーション・ポータブル
Windows XP~8
発売・開発元 日本ファルコム
発売日 【PSP】2010年9月30日
【Win】2013年6月14日
定価 【PSP】通常版:6,090円
ドラマCD同梱版:7,980円
ダウンロード版:5,200円
【Win】3,990円
判定 良作
ドラゴンスレイヤー&英雄伝説シリーズ

概要

日本ファルコムの二枚看板の一つ『英雄伝説』シリーズ第三期『軌跡シリーズ』の一作。前作『空の軌跡 the 3rd』の続編。
PSP版『3rd』から2年、Win版からは実に3年ぶりの続編となる。
舞台は前作で名前だけ登場した『クロスベル自治州』となりメインキャラクターも一新*1

元々『英雄伝説 空の軌跡 the 3rd』のエンディングにおいて、「To be continued... The Legend of Heroes VII.」と次作が続編となることが示されていた。
当初は「英雄伝説VII」として開発が進められていたが、途中でタイトルの変更が発表された経緯がある*2
一応、内部的には実際の『英雄伝説VII』における前編という扱いにはなっている。
キャラクターデザインが『スターオーシャン4』や『イースSEVEN』のエナミカツミ氏に変更になった。
スタート時に難易度を4段階で調整できる。

ストーリー

ゼムリア大陸西部、クロスベル自治州──
かつて帝国と共和国の狭間で熾烈な領土争いが繰り広げられたこの地は、現在では大陸有数の貿易・金融都市として発展を遂げ、繁栄を謳歌していた。 一方、帝国と共和国による圧力も目に見えぬ形で高まっており、両大国の意向を受けた議員・役人たちが醜い政争と汚職を繰り広げる中、裏社会ではマフィアや外国の犯罪組織が台頭し、抗争を始めようとしていた。
そんな中、市民の信頼を失ったクロスベル警察に4人の若者が集められた。
新米捜査官、ロイド・バニングス。 クロスベル市長の孫娘、エリィ・マクダエル。 若き《魔導杖》の使い手、ティオ・プラトー。 女たらしな元警備隊員、ランディ・オルランド。
およそ規格外な彼らは「特務支援課」という新部署に配属され、厳しい現実に直面しながらも、力を合わせて立ち向かって行こうとする。
──これは《壁》を乗り越えようとする若者たちと、大都市の光と闇に生きる人々の生き様を描いた物語である。
※公式サイトより引用

世界観

  • 舞台となるクロスベルは牧歌的な雰囲気を残していた前作のリベール王国とは打って変わって、導力ネットと呼ばれる現実でのインターネットに近いシステムが導入されるなど近代化が進んでいる。
    • その分、政治の腐敗やマフィアの台頭など急速な経済発展の負の側面が色濃く出ており、『魔都クロスベル』とも呼ばれる。
    • そんな腐敗の影響もあり市民の警察への信頼はどん底、『民間人の味方』である遊撃士協会が絶大な人気を集めている状態から物語は始まる。
  • 続編ということもあり前作で登場した単語もしばしば作中で出てくるが、問題ない程度にはフォローされている。

前作からの変更点

  • 一度訪れた場所は次回以降バスで移動(ゲーム的にはワープ移動)できるようになった。
    • 主な舞台となるクロスベル市内もかなりの広さがあるが、序盤に入手できるアイテムでショートカット移動できるようになる。
  • 未読・既読問わず、会話やイベントシーン(バスや列車が走る、風景全体を見渡すなど)の早送りが出来るようになった。ただしバックログはないので飛ばしすぎに注意。
  • フィールドアクションの搭載。戦闘を有利に開始でき、自分より10以上低いLvの通常敵は、戦闘に入らずフィールドアタック2回で倒すことが出来る*3
    • 一部のプレイヤーはこれにはまってしまい、「2周目は撲殺ゲー」と評したこともある。
    • レベルの高い敵に正面からフィールドアタックを当てた場合でも、一時的に敵の動きを止める事ができる。直後に逃げた場合、4人目のキャラがその場を離れた直後に敵が動き出すため、上手く使えばエンカウントを避ける目的でも活用できる。
  • 実績の追加。それに伴うEXTRA要素の追加。
    • ゲーム内の行動によって実績が解放され、それによって得られたポイントを消費してギャラリー要素*4や2周目以降の引継ぎ要素*5を解放する仕組みになっている。
      • 実績をはじめ、さまざまな要素を初見で取るのは相当厳しい。特にお約束の書物関連は長年のファルコムファンでもよく見落とす。実績を全て埋めるには最低でも2周は必要で、前作の弱点だったやりこみ要素を強化したと言える。
      • 2周目以降の隠し要素なども登場した。前作よりも周回を楽しんでもらうための工夫がされている。
  • 前作にもあった料理は調理するキャラによる得手不得手が設定され、また1つのレシピで3種類(大成功・成功・予想外)の料理ができるようになった。失敗して「ねこまんま」などができることも。
    • 調理結果を意図的に選ぶことはできないが、キャラごとの得意度やクオーツの装備で発生率を調整することは可能。
    • 素材「魔獣の○○」系は物々交換でも入手可能になったので必要な素材としている料理の大量生産が可能になった。
  • CPを溜める手段が増えたのでクラフト技を使う機会は増えた*6
  • クオーツに関しても、かなり追加・削除・変更されている。
    • 敵・宝箱の位置を示してくれるクオーツの効果が列の先頭にいるキャラでないと効果が発揮されなくなっている*7
    • ステータスを上げるクオーツは最大3段階まで。
    • オーブメントのカバーはカスタマイズ可能だが各キャラ基本1種と追加1種の2つだけ。ストラップは固定されているが、各キャラの個性が出ている。
  • ボイスの増加
    • 一部の会話シーン、料理を始めとした特定の操作をすると声が入るようになっている。それ以前は戦闘のみだった。
  • イベントなどでパーティーキャラの絆ポイント(要は好感度)が上昇し、それによって終盤に特殊なイベントが発生する。
    • これはその後の軌跡シリーズで恒例となり、「○○との絆」という実績に関わることから「絆システム」という通称が付くことになる。
    • この要素に加えて、本作の主人公ロイドが年上のキャラに好かれたり相手を無自覚的に口説いてしまうことや、劇中で彼が「弟ブルジョワジー」「弟系草食男子を装った喰いまくりのリア充野郎」と評されたこと、更に『テイルズ オブ シンフォニア』の主人公と同名であることから、一部のファンからは「攻略王」と言われていたりする。

戦闘システム

  • ATバトルは前作のものを基本的に踏襲している。
    • ATボーナスに『チームラッシュ』が追加。前作までのチェインクラフトをボーナス化したようなもので、戦闘メンバー全員で攻撃する。CPは消費しないが狙って行なえるとは限らない。逆に敵にとられると敵全員の待機時間がゼロになるので危険。
    • 特定キャラに『コンビクラフト』が追加。特定の2人組でCPを100ずつ消費して行なう強力な技で、キャラにより威力、範囲、効果などが違う。
  • サポートメンバーの追加。
    • ゲストキャラが参戦した時は戦闘メンバーに選んだキャラ以外がサポートに回る*8。全員同行しているので前作までのようにいちいち拠点に戻って編成する必要が無くなり、利便性が大きく向上した。経験値もちゃんと入る。
      • サポートメンバーはそれぞれ固有の技(サポートクラフト)で援護してくれる。但しランダム行動なのであまりアテに出来ないが。
  • アーツの構成が大幅に変わった。
    • 特に回復魔法などが属性ごと変更されるなど、編成が偏らないよう調整されている。上級アーツを複数属性揃えるのはなかなか難しい。
    • 攻撃アーツはほぼ一新されている。
    • 『空の軌跡』から存在しているアーツについては、必要な数値が簡素化・減少されているため、以前よりも簡単に使えるようになった。
  • タクティカルボーナスが導入された。特定の条件を満たして戦闘を終了すると経験値が増える。但し「EXP×1.50」などと表示されても実際は仕様で小数点以下が切り捨てになり、2倍や3倍にならないと効果は無い。
  • Sブレイクの発動方法が△+十字キーのみとなり、Sブレイクの暴発がかなり減った。

バランス

  • 前述のフィールドアクションで戦闘を有利に始めることが半ば前提となっているためか、難易度ノーマルでも雑魚敵が結構強め。
    • このシステムが戦闘をワンパターンなものにしてしまっているとの意見もある。
  • 章ごと・ダンジョンごとのボスなどもそこそこ強い。ラスボスは大して強くないのはシリーズ恒例である。
  • 各地に「高レベル魔獣入り宝箱」があり、敵を倒すと強力なアイテムが手に入る。最序盤から開けることができるが、終盤になってから挑戦しないとほぼ確実にフルボッコにされる。
  • 前作まであまり活用されなかった通常クラフトが強化され、アーツはやや落ち着いた性能に調整されたと言える。
    • メンバーが5人以上の時もコンビクラフトの存在やお互いの相性から、主役4人を主に使っておくのが簡単である。

シナリオパート

  • 進行の仕方は『空の軌跡FC』『SC』と殆ど同じ。名前が変わっただけと考えてよい。
    • 主人公が警察官なので、依頼は『支援要請』という形で警察の仕事として行なう。遊撃士手帳にあたるアイテムは当然警察手帳である。
      • 依頼の達成によりDP(Detective Point)というポイントが溜まり、これにより捜査官ランク*9が上昇する。初回のプレイで最高ランクに到達するのは至難の業である。
    • 市民からの日常的な案件の依頼が多かったFC・SCと違い、事件の捜査が仕事の中心となる。
      • 重要な事件などでは集めた手がかりをもとに事件の真相を推理する選択肢が出てくるが、これが結構難しい。数回間違え続けると自動で進めてくれるが、取得DPがかなり減ってしまう。

評価点

  • 優れたシナリオとキャラクター。
    • 主人公たちが「特務支援課」という「人気取りの部署」「猿まわしの猿」「遊撃士のパクリ」と揶揄された部署に所属しながらも、地道に仕事をこなしていく内に評価されるようになっていき、仲間とともに事件を活躍し成長していく姿は評価が高い。メンバーたちはいずれも異なる出身、事情を背負っており、それらが徐々に明かされていく丁寧なシナリオ進行も支持されている。
    • ゲームの進行にあわせて更新されていくNPCのセリフも健在。大部分はクロスベル市に集中しているため、「クロスベルマラソン」とも呼ばれた。
  • BGMも良質。
    • 中でもイベント戦闘曲「Inevitable Struggle」はかなりの人気曲。

賛否両論点

  • 通常マップでの視点固定。
    • 前作までは視点をLRボタンで回転できたのが不可能になった。作業量の削減であろうか?戦闘画面では今までどおり回転できる。
    • ただし、本作ではマップに対して見易い視点や見栄えがする視点に自動的に回転するため、利便性という面では前作と比べて一長一短であると言える。
  • 前作キャラの扱い
    • 前作の主人公であるエステルやヨシュア、かつて敵組織に身を置きながら、エステルの優しさに触れて改心し、のちに影の国でのエステルたちとの共闘や、放浪中に『黎の軌跡』の主人公であるヴァンとの交流などを経て人間らしさを取り戻したレンが本作でも登場。いずれも魅力的な活躍を見せてくれることから、前作ファンに歓迎された。
      • 一方で、ラストの展開で、彼らに美味しいところを持っていかれているという批判がなされている。この反省から、次回作以降は前作の主人公を、協力者の一人以上の活躍をさせないよう心がけられている。

問題点

  • 前作登場キャラに関する事柄やシナリオが、前作未プレイだと分からない。
    • 「前作を知らなくても楽しめる」と盛んにアピールしていたが、やはり続編だけあって前作を知っていた方が楽しめる。当たり前のことだが新規プレイヤーには優しくない作りである。
    • 逆に既プレイ者でもキャラデザが変更になったため、前作登場キャラに「違和感がある」との声も多い。
  • 操作可能キャラの減少。しかし『空の軌跡』はFC当時は8人だったし、シリーズを重ねてパーティキャラが増えたので最初から10人以上と言うわけではない。
    • メイン4人組+ゲスト参戦4名+最終ダンジョンのみ参加2名の計10名。一作で話を纏めるためには仕方なかったと思われるが、残念な所ではある。
      • とはいえ、その分メイン4人には愛着がわく。ゲスト参戦キャラもストーリーに絡み、パーティにいては出来ない熱い見せ場もあるため、一長一短と言えなくもない。
  • アーツ優遇。
    • 前作『空の軌跡』のクラフトとアーツの威力にそこまで差が無いなら、回復し辛いEPを消費して且つ詠唱時間のあるアーツの方が使い辛いという反省点からか本作ではアーツがかなり強めに設定されているのだが、本作では些かアーツを強くしすぎたため、物理特化キャラのランディでさえアーツの方が威力が高いという状況になってしまっている。『碧の軌跡』では幾分か改善されている。
    • ただし、クラフトも相対的には弱くなっているものの性能自体は空よりも強くなっており、低威力であっても強力な追加効果のあるものも多い。また、アーツと比べて即時発動可能で手軽に使えるというのは決して無視できないメリットである。
  • バグの存在。
    • 特に進行に支障があるのがキャラが特定の場所に挟まって抜け出せなくなるバグ。他にも原因不明のフリーズや電源落ちが報告されている。公式サイトを参照。
  • 読み込み速度自体は前作よりも向上しており快適と言えるレベルなのだが、UMDドライブの動作音は改善されていない。
    • 長めのイベントシーンなどで読み込みが入ることが多いので、折角の良BGMが邪魔されてしまうことも。
    • 制作発表時からデータインストールに対応することがファンの間で希望されていたが実装されなかった。音が気になる人はDL版を購入しよう。

総評

いつもどおりの英伝をいつもどおり全力で仕上げた、と言った所か。
シナリオ・システム・バランス・BGMと高レベルで纏まっている。
長所は前作と変わらず、短所を克服してきたのでより完成度が高くなった。本作のレビューなどでは「丁寧な作り」という言葉が目立つのがそれを表している。

シナリオ的には謎を残した「第1部完」という感じだが、目の前の事件はきちんと解決した形なので「事件は解決したがさらに問題が起こった」で終わる『空の軌跡FC』のようにはなっていない。
シナリオ中心で語られることが多いが、ゲームとしての完成度も高い。
公式サイトから製品版にデータ引継ぎ可能な無料体験版がDL出来るので、興味がある人は是非プレイしてほしい。

メディア展開他

  • 主役のロイドとエリィが本作に先駆けて『イースvs.空の軌跡 オルタナティブ・サーガ』に登場している*10
  • 本作の前日譚を描いた漫画『英雄伝説 零の軌跡 プレストーリー -審判の指環-』*11、コミカライズの『英雄伝説 零の軌跡』がともに『電撃「マ)王』で連載されていた。後に『電撃「マ)王』→『電撃マオウ』で本編のコミカライズが連載中。
  • PlayStation Awards 2010 ユーザーズチョイス賞(ユーザー投票の上位10作品)を受賞し、電撃オンラインアワード2010ゲーム大賞では2010年一番おもしろかったゲーム第5位にランクイン。販売本数が50~100万本クラスの大作が並ぶ中で健闘している。2011年には日本ゲーム大賞において、年間作品部門で優秀賞を受賞している。
  • 2011年3月24日、続編『英雄伝説 碧の軌跡』の内容を発表、予告ムービーも同日公開、同年9月29日に発売された。『空の軌跡FC』から『SC』が2年かかったことを考えると(ファルコムにしては)早いと言えるだろう。
  • 2013年6月14日にWindows 8対応版が発売された。中国・台湾で販売していたPC版を日本語にして逆輸入した珍しい経歴のソフトである。解像度やキー操作等の各種設定をカスタマイズしておかないと泣きを見る。

余談

  • 当然と言えば当然だが、いわゆる「軌跡シリーズ」という呼び方がされるようになったのは「零の軌跡」という今作が出てから*12
  • 「零の軌跡」というタイトルの“の軌跡”の部分はシリーズとしてのものだが、作品固有の“零”に相当する要素が見られない。
    この要素は、残った謎と共に続編である『碧の軌跡』に持ち越された。
  • 本作の舞台である「クロスベル自治州」は、『軌跡』シリーズの主人公全員が作中で実際に足を踏み入れている唯一の地点となっている。
    • ただし、『黎の軌跡』の主人公であるヴァンが訪れたのは回想シーンでのことであり、ゲーム内では今のところ訪れていない。

英雄伝説 零の軌跡 Evolution

【えいゆうでんせつ ぜろのきせき えう``ぉりゅーしょん】

ジャンル RPG
対応機種 プレイステーション・ヴィータ
発売元 角川ゲームス
企画・制作元 日本ファルコム、キャラアニ
開発元 ピラミッド
発売日 2012年10月18日
定価 通常版:6,090円
ダウンロード版:5,040円
判定(パッチ前) クソゲー
判定(パッチ後) 良作
改善
ドラゴンスレイヤー&英雄伝説シリーズ

概要(PSV)

『英雄伝説 零の軌跡』をフルボイス化し、追加要素を少し加えて移植したもの。
キャッチコピーは「 進化 (エヴォリューション)(スタート)動―」。
ダウンロード版の容量は2544MB。

主な変更点(PSV)

  • メインストーリーのフルボイス化。
  • 使用楽曲全てをフルアレンジ。
    • ただし上2つは後述の問題点につながっている。
  • オープニングムービーのフルアニメーション化及び新規ムービー追加。
  • 画面のHD化。
  • 新規の支援要請追加。
    • これによりDP上限が増加し、捜査官1stクラス達成が容易になった。
  • PSVの機能を利用したミニゲーム追加。
    • エリィ、ティオ、ランディの自室で行える。
  • 機種がPSVになったことによる快適性向上。
    • UMDの駆動音がなくなり、ロード時間もほぼなくなった。
    • タッチパネルによるマップ表示、背面タッチで各種手帳が開けるようになった。
  • 『空の軌跡 the 3rd』にもあった「軌跡でポン」が追加。

問題点(PSV)

  • フルボイスではあるが、今作ではなぜか声優経験のないJDKバンドの面々が本職の声優に混じって参加している。そのためかモブキャラの演技が酷い。モブとはいえ軌跡シリーズの特色上しゃべる機会が多いので目につきやすい。
  • 楽曲アレンジはスーパーアレンジバージョンでお馴染みの神藤氏と上倉氏+2名が担当しているのだが、複数体制のためか出来の良し悪しが激しい。
    • 特に「Inevitable Struggle」などは改悪*13という声も多い。
    • それなのに同社の『イースI・IIクロニクルズ』や『フェルガナの誓い』で採用されたBGM切り替え機能が採用されていない。
  • 背景のHD化が一部不完全。そのためエリィのとあるセリフが大きくネタにされた。
  • 『碧の軌跡』で採用された便利機能がほとんど採用されていない。
    • 他にもPSP版の一部不具合がそのまま放置されていたりする。
  • フォントが変更されたが、全体的に文字が潰れて読みづらい。
    • これは発売前のスクショ公開の段階でかなり突っ込まれていたのだが、結局そのままGOサインを出してしまったようだ。
  • セーブ・ロード時のサムネイル表示のスクリーンショットが無くなっており、サムネイル表示はゲームのロゴのみとなっている。大量にデータ管理している人にとっては不便に感じやすい。
    • ついでにセーブデータの数も100から50に減っている。さらにクリアデータもすべて一緒くたになっている。

パッチで改善されたバグ

本作固有のバグが多く、発売当初はバグが酷く、まともなプレイが出来るレベルでなかった。

  • 一か月後にver1.01パッチが配布され以下の問題は改善された。パッチの容量は27MB。
  • フリーズバグが存在する。
    • とにかくフリーズが起こる。戦闘時(一斉攻撃をすると更にフリーズしやすくなる)、戦闘終了時、会話時、メニューを開く…とあらゆる場面でフリーズが起こりうる。
      • PSV自体が固まっているわけではないので、PSボタンは反応する。パッチ配布前は、こまめにセーブすることしか対策がなかった。
    • さらに無限ロードやボイスが再生されなくなるバグも搭載されていた。
  • 「軌跡でポン」の問題に間違いがある。
    • 具体的には『SC』『3rd』となるところがすべて『FC』になっている。
  • 4章でノエルの文字が文字化けがする。
  • セーブ・ロード関係のカーソルに問題がある。
    • セーブ・ロード画面を開いた時のカーソルが毎回一番上に固定されている。パッチ後はセーブ・ロード画面が直近のものにカーソルが自動移動するようになった。

総評(PSV)

追加要素以外は良くも悪くも普通の移植作。
発売直後の惨状から酷評も目立つが、キャラの立ち絵、バストアップ絵の画質向上、ロードの高速化などハードウェア性能向上を感じさせる点もありる。
深刻なフリーズも解決したので問題点に目を瞑れば原作通りの『零の軌跡』として楽しむことができるだろう。

余談(PSV)

  • バグで評判を落としたこともあり2018年に限定発売されたバンドルパック『英雄伝説 零の軌跡 & 碧の軌跡 Evolution三昧』ではアップデートを促す一枚紙が封入されていた。
  • 2020年4月23日にPS4で『英雄伝説 零の軌跡:改』が発売された。
    • イベント&フィールド2倍速、戦闘4倍速となる「高速スキップモード」が搭載されており、快適なプレイングが可能となっている。
    • ゲーム画面はPSP版を基に高画質化・60fpsに対応している。BGMはPSP版を基に高音質化し、キャラクターボイスは「Evolution」のものが流用されている。
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  • 軌跡シリーズ

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最終更新:2023年07月25日 22:30

*1 舞台もメインキャラも変わったのであまり意識されないが、劇中の諸要素から3rdの1~2か月後が開始時期と思われる。

*2 このため「ナンバリングタイトルでないなら『VII』までの繋ぎ程度の外伝なのでは?」と疑うファンもいたとか。

*3 前作までも戦闘をスルーするクオーツ「葉隠」はあったが、今作ではフィールドアタックで倒すと多少のセピスが手に入り先頭キャラのCPが微量回復する。

*4 ゲーム中でプレイで来たミニゲームや各キャラクターのイラスト、静止画、ムービー、物語中盤のイベントシーンが見れる。

*5 『空の軌跡』ではタダで引き継ぎたいものを選んで引き継げた。

*6 CP回復料理レシピの増加、フィールドアタック、宿屋

*7 続編『碧の軌跡』では一部を除いて、この制限は解消されている

*8 シナリオ的には全員で戦闘している扱い。

*9 警察官としての階級ではないらしい。

*10 ストーリー的な繋がりはないお祭りゲーである。

*11 タイトルこそ零のプレストーリーとされているが、実際は空や閃とのかかわりが強い。

*12 もっとも、本作発売時点では未だ「英雄伝説シリーズ」の呼び方も根強く、本格的に「軌跡シリーズ」の呼び方が主流となるのは、軌跡シリーズであって『英雄伝説』シリーズではない『那由多の軌跡』発売以降である。

*13 主旋律がシンセ音から、何故かサックスに変わったため、非常に気合が入らないアレンジとなってしまっている。バトルのベースに使うべき音なのだろうか。