レジェンド・オブ・ヒーロー・トンマ

【れじぇんど おぶ ひーろー とんま】

ジャンル アクションシューティング
対応機種 アーケード
発売・開発元 アイレム
稼動開始日 1989年
判定 なし
ポイント 名前が残念な主人公
ゲームの出来はまずまず
アイレム他作品に比べれば簡単
だがそれでもやはり高難度


概要

1989年にアイレム(現:アピエス)からリリースされたシューティング要素の強いアクションゲーム。
開発スタッフが全員女性であり、(アイレムにしては)低難易度のゲームというのをセールスポイントにしていた作品。 1~2人交互プレイ可能、全7ステージ構成となっている。


ストーリー

まだ、魔界と人間の世界をつなぐ扉が閉ざされていなかった時代の物語。

大魔法使いマーリンの弟子トンマは、ある日、瞑想中にどこからか助けを求めるお姫様の声を聴く。
そのことを相談されたマーリンは、とある真実をトンマに話して聞かせた。
トンマはとある国の王子であり、そのお姫様と結ばれる運命にあるのだという。
これまでに修行で身に着けた魔法を駆使してお姫様を救い出すことが、トンマに課せられた最後の試練となった。

こうして、トンマは師に別れを告げ、お姫様を救うべく魔界へ乗り込んでいくのだった。
(PCE版説明書より抜粋)


主なルール

  • 使用するボタンはショットとジャンプの2つ。
    • ジャンプは押す長さによって跳ぶ距離が変わる他、ジャンプ下降中にレバー上か下のどちらかを入力すると前者は早く、後者はゆっくりと下降できる。
  • ときおり置いてあるアイテムには、トンマを強化したり、先に進む為に必至なものがある。
    宝箱を破壊する事でもアイテムを落とす場合がある。
    パワーアップ トンマのメインショットを三段階までパワーアップさせる。
    バリア トンマの周りに回転する6つのバリアを発生させ、バリアの消費と引き換えに敵や敵弾を防いでくれる。
    ただし、トンマ本体への接触は通常通りミスとなる。
    サブショット系 地面を沿うように攻撃する「地這弾」と、放物線上に放ち爆風を起こす「放物弾」に加え、
    敵をホーミングする感じで飛ぶ「誘導弾」の3種類があり、
    メインショットと一緒にサブショットが撃てるようになる。
    同じサブショットを連続で取る事により、サブのパワーアップもできる(二段階まで)
    宝変化/こっぱみじん 前者は一定時間敵がコインに変化、後者は画面内の敵を全滅させる。
    カギ/古地図 前者はロックされたドアを開ける為に必要、後者は道をふさいでいる壁を破壊する。共に取らないと絶対に先に進めない重要アイテム。
    コイン系 2種類あり、共にスコアアップ。
  • 即死制・戻り復活の残機制でストックが全部なくなるとゲームオーバー。
    • ミス条件はトンマがダメージをもらう、穴に落ちる、制限時間が尽きる、のいずれかである。

評価点

  • 最後の忍道』がやりすぎだと判断したのか、本作はあちらと比べれば非常に大人しい難易度に仕上がっている。
    • 後述のように単体で見ればかなり難しい部類に入っているが、1ステージの構造が短めな事もあって慣れることさえできれば意外とさくさくと進めるようになっている。

問題点

やはりというべきか、’’アイレムらしい高難度ぶり’’
「(アイレムのゲームにしては)低難度」「『最後の忍道』よりは大人しめの難易度」と書いたが、あくまで他と比較した場合であり、
ゲーム単体だけで見た場合の難易度はやはりアイレムらしく、かなり高めの部類に入っている。

  • 大きな要因として即死制であることに加えて、敵が多方向から多種多様なパターンで回避し難い攻撃を放ってくる上に
    きっちりとこちら側を狙って殺しにかかってくるところにある。
    • 前半面の時点で避けにくい攻撃を放ってくる敵が多く中には速攻で片付けないと詰んでしまう箇所もあるが、
      下記のジャンプの癖などもあり慣れない内は厳しい。
  • トンマのジャンプには独特の浮遊感があり、この辺も最後の忍道に近いクセを持っている(忍道の主人公のジャンプもふわっとしている)。
    • それ故に他のアクションゲームと同じ感覚でジャンプしようとすると思わぬミスを招き易いため、慣れが必要となってくる。
      これに加えて、敵の攻撃の激しさも手伝って、慣れない内は敵を狙い撃つのも難しい。
    • 特に4面以降の後半戦から非常に厳しくなってくる。
  • 制限時間が厳し過ぎる
    • 全体的に制限時間が短いのに要所要所にやたらと耐久力の高い敵が配置されており、ただでさえ短い制限時間を消耗しやすい。
    • 特に、縦スクロールで進むステージでは最も硬い敵である巨大石像が障害物として大量に配置されているため、時間の消耗はどうしても避けられない。
      • おかげで、やっとの思いでボスまでたどり着いたのに残り時間わずかでどうしようもないままタイムオーバーなんて事態もしょっちゅう起きる。
    • 制限時間が厳しいことについてはインカムの都合上、仕方ない側面もあるが、普通に道中をプレイしているだけでタイムオーバーになってしまうのはさすがに調整不足と言わざるを得ないだろう。

その他

  • ステージの多くは進行方向が上に向いた構造となっているのだが、上のスクロールが確認し辛い関係上、ジャンプしたらミスしてたなんて事が多く、その辺は不親切と批判されている。

総評

ゲームとしては割と丁寧な作りで、根本的に問題とされるような部分はあまりない。逆にいえばこれといってインパクトのある作りでもない、当時から空気として見られ気味なゲームであった。
一方で、ファンシーな見た目からは想像がつかないくらいに難易度が高いゲームであり、「アイレムに珍しい易しい作品」という売りや見た目のポップさとは裏腹に、純粋に楽しむためにのハードルが高い内容となっている点が惜しいところである。その点も含め「実にアイレムらしい作品だ」とファンには評されている。


移植

PCエンジン Huカード版

  • 1991年3月13日発売。唯一の家庭用移植。移植度はなかなかの高さで難易度面の高さも引き継いでいるが、他のPCE移植作品同様、AC版よりマイルドに難易度調整されている。
    • 一例としてオリジナルにあった時間制限が廃止され、タイムによるミスはなくなった。
    • また、各ステージ開始前のステージマップ画面にて表示されていた英語表記のステージ名が、日本語表記による世界観からズレた寒いダジャレネーミングに差し替えられている(ちょっとお町、かつ丼大森といった具合で、本作発売後に出たサントラではこちらの名称がローマ字表記で曲名に使われている)。
      • ちなみに、上記のストーリー文はPCE版の説明書に記載されているもので、AC版の販促チラシでは全く異なる内容だった。こちらでは戦いの舞台の名が「前人未島」となっているあたり、ダジャレネーミング自体はAC版の段階からあったもののようだ。

Wii版

  • 2007年9月4日からバーチャルコンソールで配信開始された。要600Wiiポイント。
    • Wiiショッピングチャンネル終了に伴い2019年1月31日に配信終了。

WiiU版

なお、FC版の移植もされる予定だったが中止となってしまった。完成に近かったらしいが発売中止の理由は不明。


余談

  • 主人公の名前である「トンマ」だが、スタッフによれば「間抜け」という意味の「とんま」ではなく「マント」の逆さ読みだそうな。

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最終更新:2023年03月05日 15:43